76 / 442
2ndSEASON
何度も何度も
しおりを挟む(1)
「冬夜君おはよう~」
弾むような愛莉の声。
でも今日は自宅学習の日だぞ。
8時に来ることは無いんじゃないか?
「と、言うわけでまた一時間後に」
と言い残して僕は寝るのでした。とはいかず……。
「もう、いつもいつも……」
すたすたと足音が聞こえてくる。
何か仕掛けてくる。
僕は身構えた。が、何もしてこない。
あれ?
僕は目を開け愛莉を探す。
すると定位置に座って勉強を始める愛莉とカンナ。
あれ?
「なあ、愛莉。これってどういう意味だ?」
「ああ、それはね……」
二人で勉強をしている。
最近愛莉は人に教える術を覚えたようだ。
って感心してる場合じゃない。
二人で勉強か?
部屋の主である僕を差し置いて勉強か?
気になって眠れない。
黙って起き上がる僕。
「あれ?後1時間寝てるんじゃないの?」
「……飯食ってくる」
部屋を出る際に聞こえてくる二人のクスクス笑う声。
ああ、今回はそういう作戦だったんだな。
勉強していて気になることが一つある。
カンナはともかく、愛莉の荷物の量は一体なんだ?
スポーツバッグいっぱいに詰まった荷物。
何が入っているんだ?
なんか嫌な予感がする。
うん、多分あってる。
聞かないほうがいいよな。
地雷を踏みぬくような真似はしたくない。
そんな僕の視線が荷物に向いてることに気づいたのか、愛莉はにやにやしてる。
気がついた?さあ、いつ聞いてもいいよ?答えてあげる。
その手には乗らないぞ。
聞けば最後。
いや、聞かなくても既に堀は埋め尽くされているんだろうけど。
外堀から埋めるというけど、内側からすでに埋められている気がする。
むしろ城門が開かれいつでもウェルカムな状態。
最後の抵抗。
敢えて話に乗らない。
だが、そんな抵抗もむなしく。
「ねえ、冬夜君」
業を煮やした愛莉が話しかけてきた。
「あ、カンナ。2年のクラス編成志望ちゃんと出しておいたか?間違ってないよな」
「大丈夫だよ。それより愛莉が何か用があるみたいだぞ」
見捨てられた。
この家にはもう敵しかいない。
「冬夜君?」
そうだ、こういう時は音楽を聴こう。テレビは気が散るだけだけど、音楽はリラックス効果があるって聞いた。
「おーい」
何が良いかな?そういや昔観光地で買った某アニメ会社のオルゴールCDが。
あれ、なんか怖いオーラが漂って来た。
「私の歌を聴けぇ!」
と、言わんばかりのオーラが。
無駄な足掻きを続けていると思わぬところからとどめを刺された。
「冬夜?今日から3日間愛莉ちゃん泊まるらしいから少しは部屋片づけておきなさいよ」
母さんがノックして部屋の外から声がする。
勝ち誇る愛莉。
ニヤニヤしてるカンナ。
終わった。すべて終わった。
いや、別に愛莉が泊まることに抵抗があるわけじゃない。
「あんなところ見せつけておいて今更何を慌ててるんだ?」と言うカンナの台詞どうりだ。
じゃあ、何が問題なんだって?
愛莉が嫌いなわけじゃない。
サイコパスじみてるけど「お互いに愛し合ってる仲」だと自負してる。
愛莉の全てを受け止める覚悟は決めたつもりだ。
その証に愛莉にすべてを話した。
その結果、愛莉は僕を受け止めてくれた。
これ以上の事を何を望む?
そこまで分かっていて何を四の五の言ってるのか?って。
彼女と3日間過ごすというのは構わないけど。
でも、偶には一人で過ごしたい夜だってあるじゃないか。
男なら分かるだろ?
例えば誠からもらったDVDを見たくなる時とか。
PCの検索履歴に残せないような動画を見たくなる時とか。
彼女で我慢しろ?って。
えらい人が言ってた。
彼女とソレは違うものだって。
まあ、今更何を言っても遅い。
開門されるどころか腹心に裏切られた気分だ。
ちょっと色々思ってる時間が長過ぎたらしい。
愛莉の表情が険しくなる。
「私と寝るのイヤ?」
そんなわけないだろ。
思春期真っ盛りの男子が彼女と寝るというシチュエーションを互いの両親が承諾してるという、これ以上ない環境でそんなことを言える賢者がいるなら会ってみたい。
あって小一時間話してみたい。
さっきから一言も喋ってない僕を不安に思ったのか不快にさせたのか。
悲しそうな顔をする愛莉。
今なら落とせると、殺到する男子がさぞ多い事だろう。
何も言わないことにイライラしていたのはカンナも同じだったらしい。
何とか言えよと脅しに近い目線が僕に突き刺さる。
このまま行けば最悪の状況になるかもしれない。
一言いえば良いんだ「むしろ歓迎だよ」って。
どうして言えない?
苦悩する僕。
その時すっと立ち上がる愛莉。
「私帰る」とでも言いだすのだろうか?
まずい。
「愛莉、あのさ!イヤとかそんなんじゃなくて……!?」
愛莉は右手の人差し指を僕の唇に当て、微笑む。
どうしたのか?
僕もカンナも愛莉の行動に注目する、
「分かってるんだから」
はい?
「ごめんね、冬夜君困らせてみたかっただけ」
え?
これドッキリってやつ?
何が分かってるのか僕には分からない。
「冬夜君こういう状況に弱いもんね。二人っきりの時は平気なのに」
いやいや。二人っきりの時もこういう真似されたら困ってますよ僕。
ていうか愛莉キャラ変わってないか?
今どういう状況なの?
ちょっと整理してみよう。
愛莉が3日間の自宅学習の間うちに泊まる。
で、僕は必死に抵抗を試みる。
でも本気で拒んでるわけじゃない。
愛莉は怒りだしたかと思ったら謎発言。
……誰か教えてくれ、僕は一体どうすればいい?
笑えば良いと思うよ。
なんかの台詞であったな。
「は、はは……」
精一杯作り笑いをする。
獲物をしとめたかのように満足気に微笑む愛莉。
女子という生き物に恐怖を覚えた。
「……ふーん」
カンナは何を思ったのだろう。
勉強に戻る。
「さ、勉強しよっ?」
愛莉がそう言うと僕は黙って頷いた。
(2)
「冬夜君」
「なに?」
いつものピロートークだ。
「またどうせ考えてないんでしょう?3月14日」
え?……あっ!
「ごめん……」
「そんなことだろうと思った。神奈の分は考えてるの?」
「あ、いつも通りで良いかな?って……」
流石にカンナにサプライズは要らないだろ。
問題は愛莉だ。
この時点でサプライズもへったくれもない。
頭を悩ませる。
「じゃあ、私から提案してもいい?」
状況的には好都合だ。
愛莉は何が欲しいのかな?って悩む必要がなくなるんだから。
後は無茶な要求さえされなければ。
「冬夜君下さい!……ってもうもらってるよね」
一瞬ドキッとした。
愛莉は笑ってる。
なんだろう?
愛は人を変えるというけど、人格そのものを変えるものなのか?
「冬夜君にとって都合のいいものだよ?」
本当にそうだとありがたいけど。
嫌な予感しかしない。
ああ、香水でもブレスレットでもネックレスでも、なんなら右手の薬指にペアリングでも買っておけばよかった。
「あのね、神奈のプレゼント選び私も付き合う~」
口調はいつもの愛莉にもどってるが、発言が何か雲行きが怪しい。
お願いいつもの愛莉にもどって。
「そんなたいそうなものを選ぶつもりはないから……だめ~?」
その表情はずるいぞ愛莉。
どんな男でも一発で落とされると思う可愛らしい表情。
「だめじゃないよ。女子に選んでもらうのも悪くないかもしれない。で、それが愛莉のプレゼントになるの」
こつん。
頭を小突かれた。
「そんなわけないでしょ?その後に何か美味しい物食べさせてよ」
え?愛莉の口から「食べさせて」って言った?
僕に散々「食べすぎ」って怒ってた愛莉から。
「だめ?」
一々可愛い愛莉の落とし文句にあっさり陥落する僕。
「分かったよ」
「ちゃんと探しておいてよね。ラーメン屋さんとか言ったら怒るからね」
……チャンポンだったらいいのかな?
まあ、買い物はショッピングモールだしそこのお店を探せばいいか。
「分かった」
「わ~い」
元の人格にもどったみたいだ。
「でもそんなのでいいのか?なんか思い出に残るものを」
「冬夜君と居ることが思い出だよ~」
そうかそれでいいのか?
ってそんなわけないよな。
ちょっと小遣い前借しようかな?
「無理して高い物じゃなくてもいいんだよ~」
先手を打たれた。
これは違う意味で困った。
それで、「はい、そうですか?」と素直に従っていいものかどうか。
「私本気だからね。本気で今の現状に満足してる。あの晩冬夜君が打ち明けてくれたこと。私ちゃんと受け止めてるよ」
「それは分かってる」
「冬夜君は私の悪い癖分かってるよね?その、我儘だとかすぐ拗ねるとか……」
「最近はそんなことないだろ?」
それは年明けから感じてたこと。
「口うるさいって思ってない?」
「いや」
「それならいいんだけど……」
自分で分かってたのか?
それで不安になってるのか?
「愛莉、愛莉のそれは全て可愛いと思える。それって多分愛莉を受け入れているんだと思う。悪い所も含めて。それはこれからも変わらない」
「本当に?」
「ああ、愛莉言ってくれたよね『僕が変わった』って。そういうことだよ」
「よかった~」
4年間回り道をしてすれ違う愛情。
でも少しずつ回り道でもいつかは届くのだろう。不変の愛ってやつに。
高校一年で変わらぬ愛に辿り着くとは思わなかったけど。
「冬夜君本当に変わったね。今凄い素敵な事考えてる」
な、なんでわかるの?
「冬夜君の顔見てたら分かるよ、私を見る目がものすごく優しいの」
「この状況で優しい表情を出せないやつがいるのか?」
「クラスの人が言ってた。エッチした後すぐにタバコ吸ってシャワーに行く人いるんだって」
どこでそんな情報を仕入れてくるんだ。
「だから冬夜君は優しい人。そして今素敵な事考えてる」
「愛莉も変わったよ」
時折見せる豹変ぷりに辟易するけど。
「それっていい意味で?」
「もちろん」
「よかった~」
愛莉は喜んでいる。
「あ、愛莉。服は着ておいた方が良い」
「はい?」
「朝またカンナが来るかもしれないだろ?」
「その前に起きるから平気だよ~」
この前寝過ごしてとんでもない所を見られたのを忘れているのか?
「あの時は冬夜君のカミングアウトに驚いて朝まで眠れなかったから」
ばつが悪そうに愛莉が言う。
「今度はちゃんと起きるから、このままでいさせて」
「風邪ひかないようにな……」
そういうと愛莉に布団をかけしっかりと愛莉に密着する。
暖房もつけておく。
つけっぱなしも悪いみたいだけど、タイマー入れてるから大丈夫だろ。
電気を消す。
真っ暗の中そっと囁く。
「おやすみなさい」
「うん、おやすみなさい」
(3)
日も暮れる頃。僕たちはショッピングモールに来ていた。
愛莉は随分とめかしこんでいた。
結構いるんだな、カップルで買いに来てる人達。
好きなの買ってやるから選べよって感じなんだろうか?
女性が主導権を握って買い物をしているカップルが多い気がする。
ひょっとしたら僕たちみたいに友達のお返しを選んでくれてるのかもしれない。
僕は迷わずお菓子のコーナーに向かったのだが、愛莉がそれを止めた。
「ちょっとは考えなさい!」と愛莉。
え、でもネットで調べたぞ?
やっぱりお菓子が無難だって。
愛莉は何も言わず小物のコーナーに行くと物色を始める。
義理なんだしそこまで真剣に選ばなくてもいいんじゃ……。
「うん、これがいい!」
と、愛莉が選んだのは、一枚のハンカチだった。
「うん、これがいいよ。冬夜君これ買いなよ」とハンカチをやけに推す愛莉。
愛莉が欲しい物なのか?
そうだな……。
「愛莉も欲しいならなんか買ってあげるよ?」
愛莉は首を横に振った。
「いいの、私はご馳走してもらえるし、何より冬夜君とこうやってショッピング出来るってなかなかないから」
「そうか、それならいいんだけど」
「早く買ってきなよ」
僕はレジに並ぶ。
ラッピングしてもらい。ハンカチを買った。
「絶対神奈喜ぶよ」
そういうものなのか?
まあ、性格は多少違うけど同じ年頃の女子がいうんだから間違いないだろ。
やっぱり愛莉の分も買った方が良いのかな?
そう思い、バスセットを手に取ると。
「他に誰かにもらったの?」と首をかしげる愛莉。
「いや、愛莉にも買ってやろうかと思って」
「私はご飯食べさせてもらえたらそれでいいって言ったでしょ。本当にそれだけでいいから」
そう言って手にしたバスセットを元に戻す愛莉。
「行こっ、お腹すいちゃった」
僕が、選んだお店はオムライスをメインとした洋食屋さんだった。
愛莉はオムライスを、僕はオムライスとパスタとピザと……。
「冬夜君食べ過ぎ!」
「ピザは二人で食べようと思って」
「う~ん、どっちがご馳走してるかわからないよ」
呆れた様子の愛莉だった。
折角来たんだから美味しい物は食べないと。
その後頼んだものが出てきてそれを食べる愛莉と僕。
お店の雰囲気に満足したのか楽し気な愛莉。
談笑しながら、食事を楽しむ僕と愛莉。
お腹が満たされ、ジュースを飲み終えると会計を済ませて店を後にする。
「美味しかったね」と、愛莉にはご満足いただけたようだ。
「楽しんでもらえて良かったよ」と僕は胸を撫でおろす。
「この前のクリスマスもそうだったんだけど、偶にはこういう食事ならありかな~って。思ってたんだよね」
なるほどね、雰囲気を楽しみたかったのか。
それならもっとオシャレな店探すべきだったかな?
「そう言ってくれればもっと違う店選んだのに」
「ここで十分だったよ。これ以上は大人になってお酒が楽しめるようになってからだね」
機嫌は良いようだ。
良かった、回転ずしとかラーメン屋選んでたら烈火の如く怒っていただろう。
でも本当にこれだけで良かったの?
もっと形に残るものの方が良かったんじゃないのか?
上機嫌の愛莉に尋ねてみる?
「もっと形に残るものの方が良かったんでないか?」
愛莉はにこりと笑って言った。
「わかってないなぁ。冬夜君、思い出も形に残るんだよ。その想い出が誇れるようなものならそれでいい。これから先もずっと作っていこうね。想い出を誇れるように。変わらない愛を」
なるほどね。
想い出か。
そういえば、写真いっぱい撮ってたな。
まあ、愛莉が喜んでるならそれでいいか。
元々愛莉に喜んでもらう事が目的だったし。
目的は達成できたから良かったとしよう。
良い想い出も悲しい想い出も何度も何度も繰り返し。
それでもなおありのままを愛せるように。
そんな風になっていきたい。
いつか変わらぬ愛に辿り着けるように。
「んじゃ、神奈の家にいこっか?プレゼント渡さないと」
僕たちの高校生活はまだ始まったばかりだ。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
楠ノ木雫
恋愛
蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる