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2ndSEASON
色褪せない愛
しおりを挟む(1)
「ああ~また点とられた」
愛莉がため息を吐く。
僕はそれよりもこの暑さをどうにかしてほしい。
甲子園1回戦。
相手は東北の強豪校。
うちの高校は投手が弱かったらしい。
1回表から乱打を浴び8-0と大差をつけられていた。
これでは公開処刑だ。
一生懸命応援する愛莉。
熱さにへばる僕。
カンナはバイトで応援に来てない。
うちの高校の長所は打撃力にあったが、それでも相手の投手に圧倒されていた。
3回表の時点で相手の投手が変わった。
大差をつけられながらも懸命に頑張る選手には感服する。
愛莉も心打たれたのか一生懸命に応援する。
僕は暑さで頭がクラクラする。
そんな僕の頭の上にタオルが置かれる。
愛莉のものだ。
愛莉は帽子をかぶっている。
「ありがとう」
「日焼け止め塗っていて正解だったよ」
愛莉は色が白い。
日焼けしない体質のようだ。
その代わりやけどみたいに赤くなってひりひりするらしいけど。
だから海とかには滅多に行かない。
そんな彼女でも必死に応援してる。
しかし実力差は歴然だった。
愛莉の応援、いや来てる人皆の応援空しく試合は14-0で敗北した。
こういう時どうして女子って泣けるのだろう。
顔をくしゃくしゃにして泣く愛莉。
そんな愛莉にそっとタオルを返した。
顔をタオルで隠す愛莉。
勝ったら明石焼きを食べるんだという夢も儚いものとなった。
(2)
帰りのバスの中。
車内は静まり返っていた。
皆応援で疲れたのだろう。
隣に座っている愛莉も僕の肩を枕にして眠っている。
僕はイヤフォンをして音楽を聴いていた。
真新しい景色を目にして僕は興奮して眠れなかった。
どうやら僕は景色マニアらしい。
その割にはお寺や神社には全く興味が無かったけど。
でも車窓から見える景色は好きだ。
いつか自分で車を運転できるようになったら個人的にまた来よう。
その時は隣に愛莉が座ってると良いな。
もっとも隣で寝てるんだろうけど。
ちらりと愛莉を見る。
寝顔が可愛い……あれ?目が開いてる。
白目向いてるわけでもない。起きてる?
とんとんと肩を叩く愛莉。
イヤフォンを外した。
「眠れないの?」
愛莉の目は赤く腫れてる。
きっと泣いてたせいだな。
「まあね、来たことない所に来ると大体そうなんだ。愛莉は寝なくて大丈夫?」
「うん、少し寝たから。冬夜君って野球嫌いなの?」
「自分でやるのは嫌いかな?観るのは好き嫌いなく興味ない」
「そうか、それで全然無感動だったんだね?いや、負けて悔しくないのかな?って思って……全然残念そうじゃなかったでしょ?」
まあ、悔し涙を流すのは選手だけで良いんじゃないかな?
「僕だけじゃないと思うけど。男子は泣かないと思うよ」
「泣いてる男子もいたよ~」
愛莉は僕が泣いてるところを見たいのか?
「情に厚い人がそうなるんだろうね」
「冬夜君が映画で泣いてるとこみたことないし、冬夜君て薄情なのかな?」
「愛莉は僕が泣いてるところが見たいの?いい方法があるよ」
「な~に?」
僕は愛莉の耳元で囁く
「愛莉に別れるって言われたら泣くと思う」
愛莉の体がびくっとなる。
「それ誰得なの?私も泣いちゃうじゃない!」
そうか、それは安心した。
「ていうか冗談でもそういうこと言うなぁ」
とぽかぽか僕を叩き出す。
「……でも本当に泣いてくれる?」
試してみる?って言ったら怒るだろうな。
「ねえねえ?冬夜君はサッカーとかで悔しい思いをしたことは無いの?」
「前に話したよね?チームメートが原因で負けてしまった試合」
「うん」
「あの時は悔しかったな。自分のせいだって言われたときは頭にきたけど、でも悔しかった」
勝ちたかったんだろうな、純粋に。
あれ以降サッカーに対する情熱が消えてしまったけど。
沈んだ顔になってしまったかな?愛莉が不安そうに見てる。
「ごめん、嫌な事思い出させちゃったね」
「気にするなよ、もう昔の事だし」
「ううん、単に興味本位で触れちゃいけないことに触れたような気がして、冬夜君だって人間だもんね。辛いこともあるよね」
「でも愛莉の隣では笑っていたいかな」
「……ありがとう。もう少し寝るね。おやすみなさい」
そう言って再び僕の肩を枕にして眠り愛莉。
そういえば、甲子園の土を持って帰ったらどうするんだろう?
部室にでも置いておくのかな?
常連校の部室は大変だろうなあ。
(3)
その日は愛莉と二人で勉強をしていた。
「神奈、お盆はどうするの?」
「ああ、その件なんだけど……誠の家に招待されてさ」
「ええ!すごいじゃん!もう両親公認なんだね!」
「前にも一回呼ばれたことあるんだけどな、どうやら気に入られたらしくて」
「いいじゃん、これで泊まり放題だよ!」
「泊まったからって何かあるわけでもないからな。愛莉たちと一緒にするなよ」
初耳だった。
もうそこまで進んでいたのか。
「で、愛莉たちはどうするんだ?」
「うん、勉強するよ!」
そうか、今年は平穏に勉強できるのか……。
「摩耶さんたちが偶然にも借りることが出来たんだって。貸別荘」
はい?
なに言ってんの。今初めて聞いたんだけど。
「貸別荘で避暑地で勉強か、羨ましいな」
どう考えても遊ぶか飲むのフラグだぞソレ。
僕は黙って部屋を出ると母さんに確認する。
「あれ?言わなかったっけ?」じゃないよ母さん。
どうやら、僕の知らない水面下で事は進行していたらしい。
いつもそうだ。
知らないところで内堀から埋められるどころか常に城門が開けられていて、なおかつ家臣から闇討ちされるという酷い仕打ち。
「君の父上がいけないのだよ」
仮面の男からそう言われてる気分だ。
なぜそんなに嫌がるのかって?
好きな女子と一緒でも両家のご両親も認めていてそういう仲なのだと知られてみ?
気まずいだろ?
まあ、決まってしまったものはしょうがない。
そういう親のもとに生まれたのだと感謝するのか後悔するのかどうすればいいのかわからないけど。
とりあえず部屋に戻ろう。
愛莉たちは、DVDを恥ずかしそうに見てる。
そのDVDは前に誠からもらった……。
口をあんぐり開けて立ち尽くす僕。
僕の存在に気がついてない。
「冬夜君サッカーのDVDはあっさりと割ったのにまだ持ってたんだね」
「トーヤもやっぱり男子なんだよ」
「いつもワンパターンだと思ったら。こういうことだったのね」
「そう思うなら偶には愛莉からしかけてやれよ」
「う~ん、考えるかなぁ~」
考えなくていいよ。
ようやく僕の存在に気がついたカンナは悪びれもなく言った。
「ドア閉めとけよ。外に音もれるだろ」
それだけかよ!
「勉強しないで何やってんだよ」
「え、えーと神奈がラックの中のDVDを見つけて……それで」
「お前たまにはパターン変えてやれよ、愛莉だっていつも同じだと飽きちゃうだろ?」
「わ、私は平気だよ。相手が冬夜君ってだけで幸せだから」
恥ずかし気に言う愛莉と全然お構いないカンナ。
「ま、誠君は毎回パターン変えてくるの?」
「まあな、偶にマニアックな事要求してくるけど。そんときは蹴飛ばしてやる」
「誠君すごいね……」
そこ感心するところじゃないぞ愛莉。
両親が盆の連休に入る頃。
僕たちは荷物を積み、途中で食材等を買って貸別荘に向かった。
うん、勉強するスペースはある。とりあえず安心した。
愛莉は二つあるシングルベッドの片方を荷物で占拠し使用禁止というアピールに出た。
見なかったことにしよう。
さすがに吹き抜けで下に音が漏れる状況でそれはあり得ない……よね?
案の定両親はその晩飲んでいた。
まさか3日間飲むわけじゃないよな?
食事を済ませ愛莉に上で勉強しようと言うと、愛莉は「その前にお風呂~」と言いだした。
「ああ、行ってお出で」
「へ?何言ってるの?」
「だからお風呂行くんだろ?」
「ここ露天風呂になってて眺めいいんだよ」
「そうか、僕もあとでゆっくり……!」
痛い!頬を抓るの止めて!
「女子に最後まで言わせるな!ここは『じゃあ、いっしょに入る?』『えぇ~やだぁ冬夜君のえっち~』でしょ!」
「やだぁ~」っていう性格なら言ってやるよ。
「嫌なら一人で入ればいいじゃないか」
愛莉の表情がみるみる険しくなっていく。
その前に愛莉パパから一言
「……何度も言うが、冬夜君なら構わん。……一緒に入ってやってくれ」
父親の台詞じゃないぞ!
ていうか酔っぱらってても止めろよ!
「冬夜君だめよ~女の子に恥かかせたら~」
「いい加減に無駄な足掻きは止めろ。どうせやってるんだろ」
「冬夜、愛莉ちゃんの好意に甘えときなさい」
本当に敵しかいない。
仕方ないから着替えを取りに2階に上がった。
確かにいい景色だ。
星空を見ながらゆったりできて極楽極楽♪。
あ、いきなり湯につかるなんてノーマナーなことはしませんよ。
かけ湯をしてその後付属についてるシャワーで体を洗って……。
からから。
戸を開ける音が聞こえる。
……愛莉の姿を見て唖然とした。
髪を上で纏めてるのは良い。
なんて表現すればいいだろう?
女神のような……っていうけど神話の女神ってそこまで体形良くないよね。
とにかく、アニメに出てくるような体形のボディを惜しげもなく……ていうか少しは惜しめ!
「どうしたの?」
不思議そうに聞いてくる愛莉。
聞きたいのはこっちだ。
「少しは隠すとかしたらどうだ?」
「ああ、冬夜君テレビの見過ぎだよ。タオルを付けたまま温泉につかるのは良くないんだよ」
知ってるよ、たまにテロップついてるよね。
ってそうじゃなくて。
「お背中洗いましょうか?」
「……ありがとう」
「いえいえ」
にこにこしながら、僕の背中を洗う愛莉。
自分が洗い終えると愛莉に席を譲る。
いや、シャワー2個あるんだけどね。
これでも、譲歩したつもりだったんだが、愛莉には不満だったみたいだ。
「私の背中は洗ってくれないの?」
いいんだけどさ。
タオルにボディソープをつけて良く泡立てて背中を洗ってやる。
本当に白いは透き通るような肌だな。
それに見事なボディライン。
モデル体型のカンナよりも愛莉の豊潤かつ引っ込むところは引っ込んでる体形の方が好きだ。
カンナの裸見たことあるのか?ってあるわけないだろ!
最後に背中にシャワーをかけて、髪をぬらさないように気をつけて……。
「髪も洗うから気を使わなくていいのに」
そう言って笑う愛莉にシャワーを渡してそそくさとお湯に浸かる。
「前も洗ってくれてよかったんだよ~」
聞こえない聞こえない。
本当に髪も洗ってるらしく、時間がかかってる。
先に上がろうかな。
一歩遅かった。
「こら、私が入る前に上がるなんてどういうつもり!」
愛莉に捕まった。
「綺麗だね……」
「ああ……」
「どうしたの?」
「いや、その……」
「?」
愛莉の頭の上に?マークが浮かんでいる。
露天風呂って不思議だね?
無駄に広いのになぜか二人だと自然と寄り添ってる。
そして愛莉の言う通りタオルを腰に巻くなんてノーマナーな真似はしていない。
綺麗な裸の愛莉をとなりにすると……男性ならわかるよね。
自然と視線が下に向かう。
その視線の先の異変に気がついた愛莉は。
「やっぱり冬夜君も男子なんだね」
「……ごめん」
「意味もなく謝るのは無しにしようって言ったよ」
「意味はあるよ……その、情けない自分で」
「ううん、その気になってくれてるってだけで十分だよ。私魅力ないのかな?ってたまに不安になるから」
「そんなことないよ」
他の男なら多分今頃……。
「そんな顔しないで、お願い。いつも私の隣で笑っていたいって言ったの冬夜君だよ」
どうおもう?
こういう時どうすればいい?
素直に欲望のおもむくままに行動すればいいのかな?
「ごめんね、私強引すぎかな?冬夜君逆に困らせてる?」
「いや、愛莉に愛されてるんだなって感謝してるよ。ただ、どう反応すればいいかわかんなくて」
「あんなDVDに捕らわれてるからだよ。私は冬夜君のものなんだから冬夜君の好きなようにしていいんだよ?」
「ごめん、今は勉強の事しか考えられない」
嘘だ。
こんな状況で勉強の事を考えられる賢者時間に浸れる聖人がどこにいる?
「それならそれでもいいよ、ちょっと悔しいけど……」
愛莉が悲しい顔をしてる。今ならまだやりなおせる。
「……そろそろあがろっか?」
愛莉はそう言って立ち上がる。
無意識だった。
愛莉の手を掴む。
「どうしたの?」
どこまでも優しい声。
本当は悲しいんだろ?
一言いえば解決するよね?
「もう少しだけ一緒にいたい……」
愛莉はその意をくんだのか再び湯に浸かった。
でも……。
「もう少しだなんて言わないで。もっと欲張っていいんだよ。ずっと一緒にって」
「あ、そうか……」
「中2の時と一緒だね、神奈が現れて急に進展して」
「そうだな」
「いつまでも今の気持ち大事にしようね。いつまでも。季節が変わっても、きっと色あせないよ」
「うん」
ごめん、愛莉……。
「そろそろ限界……」
「冬夜君!?ちょっと大丈夫?」
愛莉の色気と温泉に浸かり過ぎてのぼせたみたいだ。
すぐに風呂を出て、バスタオルで拭いて服を着て上に上がってベッドに横になる。
愛莉が隣に座ってしばらくの間団扇で仰いでくれた。
情けない……。
(4)
兄の彼女が泊まりに来る。
ママから聞いた時は戸惑った。
どんな人だろう?
兄が彼女を始めて連れてきたときもびっくりしたけど、泊まりに来るとは随分大胆な。
「ただいまー」
兄が帰ってきた。
「ようこそ神奈さん。どうぞこちらに、荷物を部屋に置きましょうか?」
私の部屋に近づく足音。
そしてノックする。
「ちぃちゃん。神奈さんきたから泊めてあげてね。お布団後で用意するから」
そう言って連れてきたのはモデルさんかと思うくらいの美人さんだった。
「初めまして、音無神奈です。……えーと」
「妹の千歳です。ちぃちゃんでいいです」
「じゃあ、ちぃちゃんよろしく」
そう言うと荷物をどさっと置いた。
「神奈、荷物置いたらこっちにこいよ」
「ああ、わかった。じゃあちぃちゃんまた後で」
そういうと神奈さんは部屋を出て兄の部屋に行った。
すごいべっぴんさんだったな。
兄がモテるのは知っていたけど、兄が女性を好きになったのは初めてだと思う。
兄が神奈さんのどこを好きになったんだろう?
綺麗だから?
それならたくさんいたでしょ?
食事をして、お風呂に入って神奈さんは私の部屋で髪を乾かしてる。
そもそも兄のどこを好きになったんだろ?
考えていても、仕方がない。
神奈さんに直接聞いてみよう。
「あのう神奈さん」
「うん?なに?」
「率直に尋ねます。兄のどこを好きになったんですか?」
「え?いきなり聞く?」
「兄が女性を連れ込んだ事なんてなかったので」
「え?そうなの?あんなにモテてるのに……実践してるんだな」
実践してるって何を?
「そうだなあ好きになったところか。不器用で優しい所。本人は気づいてないけどな、頼りになるようでならないところ」
月並みな回答だな。
「……私実は一回誠にふられたんだよね」
「え?」
兄が振った。
「原因は私にあったんだけどね。でもその後も私を見てたみたいでさ。辛そうな私を見てられないってまた告られた」
「それが理由ですか?」
「私も失恋してたし、敵わない恋をしていたからね。そんな時に誠の一言は心に響いたよ」
何となくわかるけどそれって兄が美味しい所を持って行ったって事?
「誠は言っていたよ『好きになるのに理由がいるかい?』って。なんかの台詞のパクリだろうけどね」
そう言って神奈さんは笑っていた。
「もっと詳しく聞きたいです」
「うーん、話す事なんてほとんどないよ?」
それでも聞きたい。
「そうだな、信じあえる喜びも傷つけあう悲しみもいつかありのままに。その相手が誠だったって話かな?運命の出会いってあるんだよ。ちぃちゃんにもきっと現れるよ」
なるほど、運命に逃げるか。
「どうして運命って分かるんですか?」
神奈さんは笑ってその質問に答えた。
「それこそ『人を好きになるのに理由がいるかい?』だよ」
兄も同じことを思っているんだろうか?
お互いに波長があったってことだろうか?
何となく理解した。
恋の理由なんて必要ない。
何かのきっかけではじまるもの。
そしてふたりは波長があった。
この先どうなるか分からないけど。
来年もまたきてくれるといいな。
来年と言わず今年中にまた。
食事の時もそうだけど、ふと見る2人の会話。
私もしらない兄の笑顔があった。
願わくば二人の恋が永遠でありますように。
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