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2ndSEASON
応援
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クラスマッチ。
体育館、バスケットコート。
「冬夜行ったぞ!」
はいよ。
ドリブルしてくる相手選手。
姿勢を低くしてディフェンスの姿勢をとる。
そんな腰の高いドリブルしてると……。
「ナイススティール!!……え?」
ほらね。
僕は相手選手のボールを奪いそのまま味方選手にパスしていた。
そうだね。まずなぜ僕がバスケットボールをしているかを説明しないとね。
まず苦情が入った。
「片桐をサッカーに入れるのはプロを投入するようなものでずるい!」と……。
で、サッカー以外の競技に回されたわけ。
「片桐、サッカー以外に何かやってみたいのあるか?」と、水田先生。
で、「水田先生……バスケがしたいです……」と。
なんかこのセリフが言いたかっただけみたいだって?
それ愛莉にも言われた。
「だから漫画とかアニメの台詞引用するの止めなさいって言ったでしょ!」って散々文句言われた。
大体バスケやった事あんのかって?
失敬な、台詞の為だけじゃないぞ!断じて!!
中学の時にちょこっとだけ、体育の授業で。
いや、ソフトボールとかバレーボールとか選択肢はあったけど。
ソフトとか野球って苦手なんだよね。まずフライをキャッチできない。バットを振れない。
バレーは身長からして無理。
え?バスケだって身長高くないと無理だろ?
それはこれから証明するよ。
バスケの難点はサッカー並みに走り回らなきゃいけないことなんだけど……
(2)
私たちはバレーを選んでいた。
バレーの試合ならすぐに、隣のコート……冬夜君の参加してるバスケ見れるし。
自分たちの試合を終えバスケを見学してた。
どうせ、漫画の台詞を言いたいが為にバスケを選んだんでしょ!と怒ったけど「そんなことない」と言い切る冬夜君。
じゃあ、見せてもらおうじゃないの!
試合が始まってすぐ実感した。
本当にバスケしたかったんだって。
自チームのメンバーからパスを受け取ると何も考えずにシュートする冬夜君。
どこまで適当なんだと思ったら。ほぼ100%の確率で決めてる。
しかも相手チームのディフェンスがブロックに入る前にシュートしてしまうクイックモーションで。
ディフェンスも完ぺきだった。
自分の相手オフェンスを完全に止めていた。
パスコースを完全に潰し、パスは無理だと判断した相手がドリブルしようものならスティールしつつそのまま味方へパスを出す。
極めつけはゴール真正面に位置をとった時。
ちょっとシュートするフェイクを入れると相手はつられて飛ぶ。
無理もない。
あれだけ早いモーションでしかも精度の高い3Pを撃つのだから。
飛んだ相手をドリブルで躱しフリースローラインからジャンプする。
高校生で170cmに届かない冬夜君がエアウォーク決めるなんて誰が想像しよう。
冬夜君の魅せるプレイに気がついたら観客がたくさんついていた。
私たちも冬夜君の攻めて良し守って良しのプレイに魅せられていた。
「トーヤバスケも出来るのかよ!」
「みたいだね!私も初めて見た!」
神奈と二人でキャーキャー騒ぐ。
でも、冬夜君サッカーの時と違って楽しそうな表情してる。
本当にバスケしたかったんだね。
「音無さん、遠坂さん、次の試合だよ~」
私たちはバレーコートに向かった。
(3)
翌日。
「冬夜君おはよう……あれ?どうしたの?」
愛莉はベッドから出て筋肉痛で悶える僕を見てきょとんとしていた。
「見ての通り筋肉痛だよ……昨日やりすぎた」
「楽しそうだったもんね。サッカーやってるより活き活きしてた」
「バスケの選手目指せなんて言うなよ……」
「うん!冬夜君のやりたい事やればいいよ」
「ありがとう、とりあえず着替えたい」
「手伝ってあげようか?」
人を介護老人みたいな扱いをするのよせ。
「大丈夫……下降りてて」
「は~い」
浮かれすぎて転ぶなよ……。
取りあえず着替えて、下に降りる。
カンナがこっちを見て驚いてる。
「お前、スポーツしてる時とそうでない時のギャップが激しすぎるぞ」
「本当昔からこうでねえ。普段運動してないから……」
「部活を封印したのは失敗だったか……」
と父さんと母さんが言う。
僕は無言で朝食を口にして準備をした。
学校で僕たちを待っていたのは熱烈なバスケ部からの勧誘だった。
知ってるんだぞ。バスケのインハイって毎日試合あるんだろ?
短時間の試合でこれあけ体中の筋肉が悲鳴をあげてるのにどうするつもりだ?と。
勧誘と言えば相変わらずU-18の勧誘が続いてるらしい。
美樹本先生が毎日のようにしつこく言ってくる。
たまに佐古下さんが来る。
それらの勧誘を振りほどき僕たちは家に帰る。
7月末。
僕たちは野球スタジアムに来ていた。
僕たちの高校が甲子園予選の決勝戦まで勝ち進んだからだ。
全校生徒で応援にきていた。
相手は伊田高。
……つくづく巡り合わせが悪い。
「お、誠!!」
カンナが手を振る。
すると伊田高の制服を着た誠がこっちに気づく。
「お、神奈に冬夜じゃん!それに遠坂さんも」
久しぶりだな。
県総体の決勝以来か。
誠は僕を裸締めする。
「く、苦しい!やめろって!」
「やかましい!神奈から話は聞いたぞ!気まぐれでうちらを負かした挙句プリマヴェーラの勧誘も蹴ったんだって!?」
そ、その話はよせ!
ほら、周りの目線がこっちに集まってきたぞ。
「ねえ、あの人って……」
「前にテレビに出てた。うちの高校の対戦相手だった……」
まずい……周囲が勘づきだしたぞ。
「そろそろ席にもどろうか……試合始まるし」
「え?折角だしもう少し話していこうぜ」
「そうだよ、どうせ見ても見なくても一緒だよ」
いやいや何をしに来たと思ってるんだカンナ。
さらりと酷い事言ってるぞ愛莉。
僕の出ない試合には全く興味を示さないんだな、二人共。
あ、そんな事言ってる場合じゃない。
「思いだした!?テレビに出てた子だよサッカーの確かファンタシースター」
さらりと間違えてるぞ、それじゃ某オンラインゲームだ。
「片桐君だよ!U-18や地元Jリーグチームの勧誘も蹴った」
やけに詳しいですね。皆サッカーファンなのかな?
そんなことよりまずいぞ愛莉。嵐の前の静けさ的な……。
「あの子じゃない片桐君がサッカーを蹴った理由の子って」
「えーどっち?」
「ほら、うちの多田君と話してる方じゃないほうの子……」
「ああね」
注目は愛莉にも行ったようだ。
もちろん、この場合あまりよろしくない感情をもっているようで。
愛莉も自分を見る周囲の目線に気がついたのか、僕にしがみつく。
「冬夜君、なんかやばくない?」
今頃気づいたのか愛莉よ。
「カンナ、ここは二人にしてやるよ」
「は?いつも二人だし別に気をつかうことねーって」
俺たちに気をつかえ。
とりあえず俺たちは席に戻るから!
そう言って僕は愛莉の手を取って走り出す。
伊田高の女子生徒たちは堰を切ったように僕たちを追い出す。
「片桐くーんサインください」
有名人でもないのになんでサインを書かないといけないんだ。
ていうかサインなんて書いたことないぞ。
球場の観客席にあとすごしでというところでたちはだかる、女子の大群。
隙間はある。
何とかなるか。
「愛莉、しっかりつかまってろ!」
「え……うん」
愛莉の足も考えながら、速度を控えめに走る。
フェイントをかけながら、隙間を縫うようにすり抜けていく。
相手がDFだならともかく、ただの女子高生。
愛莉を連れているとはいえ楽に突破出来た、
流石に応援席までは追ってこない。
席につくと一息つく。
「足大丈夫か」
「うん!大丈夫だよ~。冬夜君から腕組んでくれるのって初めて~」
いや、初めては無いと思うぞ。
この4年間は何だったんだ……。
「それにしても冬夜君すごいね、あんな人の群れをすいすいすり抜けるなんて」
「大したことじゃないよ」
「あ、うちの高校勝ってるよ!」
スコアボードを見る。
3-2でうちが一点リード。
うちは後攻。
今は9回表。
「あっと一人!あっと一人!」
観客も興奮してる。
最後の打者がフライを打ち上げた。
ライトがそれをキャッチして試合終了。
「おーやった!優勝だ!!」
興奮は絶好調に達した。
応援用に配られていた竹の棒を一斉にグラウンドに投げ込む。
それを拾うベンチの人達。
しばらく歓声が続いていた、
ふと隣を見ると愛莉も泣いている。
「どうしたの?」
愛莉がくすっと笑って答えた。
「だめね、女子ってこういう感極まるシーンに弱いというかなんというか」
ああ。感動してんだな。
「誠たちの様子見に行こうか?」
「うん」
そう言うと僕たちは下に降りた。
「お、冬夜」
誠が僕たちを見つけると呼んだ、
「今年のお前たちの高校はどうなってるんだ!」
そう言って誠は笑う。
「たまたま運が良かったんだろ?」
「そんな事言ったら野球部の人に失礼だよ」
愛莉に怒られた。
「野球の事はよくわかんないけど、やっぱり日頃の練習のたまものなんだろうな。運もからんでくるんだろうけど。よく言うだろ『魔物がいる』って」
誠の話はなんとなく分かる。
サッカーでもよく言う話だ。
訳の分からないオフサイドとられたり。バーに嫌われたり。
「まあ、サッカーに至ってはお前が魔物だったけどな」
失敬な……。まあ、日頃練習してる誠たちには悪いことしたなとは思うけど。
でも決勝まで進んだのはサッカー部の実力だぞ。
「俺出たの決勝の後半だけだぞ……それまでに点取れなかった誠達も実力不足だったんだろ?」
「後半お前が出てきたのが運の要素だったんだよ。挙句に散々嫌がってたFWやりやがって。その5分で2失点だぜ。やってられるか!」
「誠、もうその話はしないってさっきも言ったぞ」
カンナが援護してくれた。
「あ、そうだったな。でもすごく悔しかったんだ。こんな事ならお前を伊田高に意地でも入れとくんだったって」
誠は泣く振りをする。
「まあ、今年の全国大会に頑張るんだな。僕でないし」
「俺たちはそれでいいけど先輩は今年の夏で終わりなんだぜ?そういう人たちの事考えたことあるのか?」
凄く理不尽な事言われてる気がするんだけど。
「冬夜君、今日は黙って誠君の愚痴きいてあげよ?」
愛莉まで……。
「おう、近くのファミレスに行こうぜ。とくと聞かせてやる」
まだ続くのか。
ならせめて……。
「この近くにお好み焼き屋が……」
ぽかっ。
愛莉に叩かれた。
「女子高生二人を捕まえてお好み焼きってどういう神経してるのよ!もう3時だよ!」
3時のおやつにお好み焼き、いいじゃないか!
関西の女子高生はやってる、きっとやってるぞ!
「冬夜相変わらず女子の事には疎いというか鈍いというか……」
誠は呆れた様子で言う。
ふぇみれすに着くと僕はいつものメニューを……。
ぽかっ!
「フライドポテト大盛とフリードリンク4つでいいです」
「せめてスープバーもつけて……」
「じゃあ、それも一つで」
愛莉に注文を仕切られた。
理不尽だ。
それぞれ好きなジュースを取りに行き話は続く。
心なしか野球帰りの女子高生がこっちを見てる気がする。
まさかファミレスでアレはないよな。
……あった。
「あの、片桐さんですか?よかったらサインを……」
伊田高の制服を着た女子がやってきた。
そのひとりを皮切りに、次々とやってくる。
とはいえ書くものもってないぞ?
僕が困っていると愛莉が鞄からボールペンを渡して来た。
「とりあえず書いてあげたら?」
僕はボールペンで取りあえず名前を書いてあげる。
「ありがとうございます」
そんなサイン一銭の得にもならないと思うけど。
「お前もモテるようになったな」
誠がしみじみと言う。
「誠は伊田高ではこんな思いしたことないのか?」
僕が誠に聞くと「あるよ」とさらりと答える。
「あ、でも浮気とかそう言うのはないから。ちゃんと毎晩神奈に電話してるし」
告白もあっさりと断ってきたらしい。
イケメンだから許される行為だよなあ。
「冬夜はどうなんだよ?まさか二股かけてないよな」
誠がとんでもない事を言い出したが愛莉がきっぱりと否定する。
「大丈夫だよ、冬夜君の日常とのギャップ激しいから。普段はただの食いしん坊だし」
にこにこと笑ってるが割と酷い事言ってるぞ愛莉。
否定はしないけど。
「そっか、まあそうだよなあ」
「それより誠。冬夜の奴バスケも上手いんだぜ」
カンナが先日のクラスマッチの事を話し出した。
「ああ、知ってる。中学の体育の時珍しくハマってたからな。漫画の影響だけどな」
誠はさらりと答えた。
ちなみに漫画とは『バスケがしたいです』の方じゃない。別の漫画だ。
「冬夜身体能力は高いから『試しにダンクしてみ?』って言ったら本当にやってのけたから覚えてるよ」
「それそれ、私もはじめてみたんだけど、本当に宙を舞ってるって感じだった。何よりサッカーしてる時より楽しそうだった」
愛莉が同調する。
「トーヤやる気になれば何でもこなせるだろうに、なんでやらないんだ?」
カンナから疑問が投げかけられる。
「勉強するから、部活やってる暇なかったろ?それに……」
「それに?」
愛莉が聞き返す。
「好きだからとやる気があるかないかは別問題だろ?サッカーでも言えるけど」
「そこが疑問なんだよ。あれだけやれて楽しくないのかよ!やる気出せばもっと別の道だって……」
「それは言わないって約束したから言わないで」
カンナの言葉を愛莉が遮った。
「冬夜君言ってくれたの。今別の事に情熱を注ぐくらいなら私に愛情を注ぎたいって……」
恥ずかしそうに言う愛莉。
「ヒュー。そんな事言ったのか冬夜。ある意味大胆だな」
「そりゃ羨ましいことだな、愛莉」
誠と神奈がそれぞれ言った。
僕まで恥ずかしくなってきた。
居づらくなってスープとジュースを注ぎに行く。
その間も盛り上がってるみたいだった。
その晩愛莉と二人きりでお勉強。
もう夏休みに入っていた。
神奈は夜にしっかりバイトを入れていた。
夜は愛莉と二人きり。
「ねえ?」
愛莉がペンを回しながら僕に聞いてきた。
「なに?」
「本当のところはどうなの?サッカーはともかくバスケは楽しいんでしょ?冬夜君ならすぐにレギュラーに……」
「その話はしないって今日自分で言ってたじゃないか?」
「そうだけど……本当にそれでいいのか?って……あ、ごめん。また押し付けてる私」
大丈夫だよ。
そんな事もあろうかと秘策を練ってきましたよ。
「愛莉、目を閉じて」
「え?」
「早く」
愛莉は戸惑いながらも目を閉じる。
僕は愛莉の隣に座り愛莉の顔に手をやると口づけを重ねる。
「ちょっと、冬夜君!?」
最近してなかったろ?
「これが答えだよ。今一番楽しい事、やりたい事は愛莉と学校生活を送ること。まだ信じられない?」
愛莉はにこりと笑うと予想してなかった答えを返して来た。
「信じない!って言ったら何をしてくれるの?」
青少年の性欲を馬鹿にしたらいけませんよ。
「……ベッドに押し倒す」
「じゃあ、信じな~い!」
逆に押し倒される僕。
「そんな冬夜君だから大好きなんだよ」
「ありがとう、僕も好きだよ」
二人の想いは重なり合う。
喜びを抱きしめて。
来年も再来年もずっと。
ここにいると信じられるから。
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