優等生と劣等生

和希

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2ndSEASON

白い雪の魔法

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(1)

ルスツの宿泊施設。
先に風呂を済ませて髪を乾かしてるとスマホの着信音が。
スマホを見ると誠だ。
本当にマメだな。
電話にでる。

「お、神奈」
「ちょっとタイミング悪いなぁ」
「あ、取り込み中なら掛けなおすけど……」
「大丈夫だよ」
「今日どうだった?」
「やっと北海道に着いたってところか、あ。小樽でラーメン食った。美味かったぞ」
「冬夜みたいな感想だな。ていうか冬夜と一緒だった?」
「違うよ、トーヤはまたヘマやらかして……」

トーヤと愛莉の話をした。

「……あいつらしいというか。いい加減学習しろっていうのに」
「学習したみたいだぞ、少しは」
「マジか?」

ああ、本当だとも。
遅刻してきた私たちを待っていたのはニコニコしてる二組のカップル。
一組はともかく冬夜と愛莉……特に愛莉は散開する前以上に確実に機嫌がいい。
なんか、確実に経験値を増やして来たみたいな顔してた。

「なんかいいことあったんだろうな。愛莉はもう少し悲しんでるんじゃないかとヒヤヒヤしてたよ」
「冬夜も成長してるんだな」
「そうだな」
「で、神奈は一人で行動してたのか?」
「いや、野郎二人について行ってた。後はカップルだしな」
「野郎二人っておまえ……」
「心配するな、一人は小心者で私に声かけてくる度胸なんかねーよ。もう一人は彼女持ちだし」
「そうか、ならいいんだけど」
「そんなに心配なら一緒の高校に来ればよかったろ?」
「今更になって遠恋の辛さを知ったよ」

私はその何倍も辛かった時もあったけどな。
でも……

「だからこそ会えた時の喜びがあるんだろう?」

それはトーヤと愛莉には絶対分からない。

「それはそうだけど」
「そんなに会いたいならビデオ通話でもするか?今なら湯上りの私が見れるぞ」
「うぅ、見てえ~」
「お前最近露骨に変態出してきてるな。相手が私だからって油断してないか?」

一回体を許して以来ずっとこうだ。

「そこは本当の自分を出せる仲になれたってことで……」
「親しき中にも礼儀ありって言うだろ、あまり露骨な真似してると幻滅して他の男にいっちゃうぞ」

揶揄い半分でいったつもりだったのだが……

「そ、それだけは!!今後はノーマルで行きますので……」

ふざけてるのか真面目なのか判断しづらい。
最初から自分の理想なんて押し付けてないよ。
お前の本当の姿を見てきたつもりだぞ。

「嘘だよ。ただ余り曝け出されても困るってことだ」
「わかったよ。最近調子に乗り過ぎていたかもしれない。ごめん」

そんな誠が好きなんだ。
お前もやっぱりトーヤと変わらねーよ。
ただトーヤと違って見た目で補正かけられてたんだろうな。
その時誰かが部屋に入ってきた。
亜依だ。

「同室の子が入ってきたから切るな」
「同室の子って遠坂さんならいいんじゃないか?まさか男?」
「女だよばーか」

プッ

「あ、神奈。彼氏と電話中だった?ごめん」
「いや、十分話したからいいよ」
「神奈すごいね、学校違うのに2年目なんでしょ?浮気とか気にならない?」
「それだけは信用してるよ」
「私はダメだったなぁ、遠恋。すぐに浮気相手出てきてさ……」

遠距離って程でもないけどな。
まあ、亜依や愛莉たちみたいな環境からしたら遠距離なんだろうな。
亜依はドライヤーで髪を乾かしながら、愛莉を探している。

「愛莉なら先にロビーに行ったぞ『任務があるんだった!!』って……」
「任務?」
「……まあ、アレがあったからな。多分見張ってるんだろ」
「アレ?」
「ああ、トーヤの彼女やるのも大変だってことだよ」
「あ、ロビーで思い出した。さっき渡辺君から言伝あったんだった。『うちの班は風呂のあとロビー集合』だってさ」
「なんだそれ?」

亜依は髪を乾かし終えると髪をゴムで纏め。立ち上がった。

「愛莉もロビーいるならちょうどいいじゃん。さっさと行こっ」
「そうだな」

私たちはロビーに向かった。

(2)

「見逃してくだせぇ!」
「だめぇ~!昼間のアレはなんだったのよ!それに夜ご馳走食べたでしょ!」

ちょっとした見世物になってた。
ラーメン屋に入ろうとする僕。それを阻止する愛莉。

「お客さん、他のお客さんの迷惑になるんで……」
「だって!ほら行くよ冬夜君」
「くそぉ……まだ2日ある絶対にここのラーメン食べるぞ」

北海道でラーメンを食べる。
それは修学旅行のしおりを見たときに誓ったこと。
ここまできてコーンの入った味噌バターラーメンを食わないなんてラーメンを冒とくしてる。
サッカーで言ったら敵のキーパーにボールを渡してやるようなもんだ。

「あ、愛莉。やっぱりここだったか」
「神奈に亜依ちゃんもどうしたの?」
「ラーメン食いに来たんだろ!一緒に……」

ぽかっ

「冬夜君と一緒にしない!」

そんな僕を見てカンナは呆れてる。

「こんな事かと思ったよ。ロビーに用があるって言いだしたときは。チェックインするときトーヤガン見してたもんな」
「舌の根も乾かないうちからよくやるよ全く~」
「カンナ達は何しに来たんだよ」

僕が聞くと指原さんが変わって答えた。

「渡辺君が用があるから集合って」
「渡辺君が?」

僕が聞き返すとその渡辺君が石原君を連れてやってきた。

「よう、みんな集まってるな!」

ロビーのソファーに陣取る僕たち。

「で、何の用だ?」

カンナが渡辺君に尋ねる。すると……。

「いんや?何もないよ?」

と、あっけらかんと答えた。

「はあ?」
「いや、初日から部屋に忍び込んだりすると目つけられて後々面倒だろ?だからここなら良いと思って。

明日からスキーで、くたくたになってるだろうしな。とも付け加えられた。

「話もないのに呼びつけたって言うのか?」

カンナが呆れた様子で言った。

「まあな、あるとすれば今日の活動報告くらいかな?自由行動の時何してた?」
「一緒に海鮮丼食ってラーメン食ってただろ?」
「俺たちはそうだけど他の二組気にならね?」
「僕はあまり立ち入った話は聞かないほうが良いと思うけど」

石原君が遠慮がちに自分の意見を言った。

「まあまあ、そういう話ならラーメンでも食いながら……いてぇ!」

ぽかっ!

「冬夜君は黙ってなさい!そうね……私たちはオルゴール選んでその後ガラス細工見に行ってお茶してた」

愛莉が素直に答える。

「ぼ、僕たちは……」
「街の風景見てオルゴール見てソフトクリーム食べて終わり」

歯切れの悪い桐谷君に対してきっぱりと答える指原さん。

「へえ、案外普通に観光してたんだな。ってトーヤのコースじゃないだろそれ!」

カンナが驚く。
そうだろ?だからラーメン食べさせて……。

ぽかっ!

尚もラーメン屋に目が言ってる僕を見て小突く愛莉。

「いい加減に諦めなさい!」
「ったくしょうがねーなぁ。トーヤ明日昼にでも食べるか?」

おお、カンナ……。分かってくれるか。

「神奈甘やかしちゃダメ!」
「前にも言ったがトーヤのこれは病気みたいなもんだ。諦めろ」
「諦めない!冬夜君、昼間のあれは嘘だったの?」

うっ!それを今言うか……。
自分で言った手前何も言えなくなる僕。

「昼間のあれってなんだ?」

渡辺君が突っ込んできた。

「う~ん、あのね……」

愛莉が嬉しそうに語りだす。
ああ、言うんじゃなかった。
僕は、赤面する。



「アハハハ、そんな事言ったのかトーヤ」

爆笑するカンナ。

「それは冬夜。男に二言は無いって言うしな。修学旅行中は諦めるんだな」

渡辺君もつられて笑いだす。

「いいなぁ、愛莉。私も彼にそんな事言って欲しい~」

指原さんも普通にデートしてたんだろ?

「亜依ちゃんも普通にデートしてたんじゃないの?」

愛莉が指原さんに聞く。

「それはいいんだけど桐谷君が、つまんなさそうにしててさ。オルゴールも一人で選んでた」
「つ、つまんなさそうになんかしてないよ!」

慌てて弁解する桐谷君。

「皆さん羨ましいですね」

石原君がぼそりと呟いた。

「そういえばイッシーだけか。彼女いないの?」

渡辺君が言った。

「僕何も取りえないですから……」
「大丈夫だよ、冬夜君も似たようなもんだからきっと石原君にもできるよ」

その言い方何気にひどくないか愛莉。
でも、愛莉の言う通りなのも確かだ。
石原君の気持ち良くわかる。
でも、石原君成績はいいじゃないか!
それだけでも取り柄と言えば取り柄だぞ。
愛莉とカンナが僕を見てるのに気づいた。

「冬夜君からも何か言ってあげなよ」
「トーヤの得意分野だろこういうの」

そうだなぁ。

「うーん、石原君悪い人じゃないし、頭もいいし、きっと石原君を見てくれる人がいると思うよ。こういうのって出来が良いとか悪いとかじゃなくて何気ない事から発展することが殆どだし。僕もそうだった。劣等感の塊だった僕を選んでくれたのが愛莉だった。絶対につり合い取れないと思ってたのに、選んでもらえたんだ。自分を誰かと比べるよりも己を誇れる人になればいいと思うよ。その自信はきっと彼女が与えてくれる」
「片桐君はサッカー上手いじゃないですか。バスケもうまいし。勉強もそこそこできるし」
「でもイケメンではないよ。他人の好みなんて十人十色なんだから望みをすてないで」
「うーん、そうだなあ、イッシー好きな人とかいないのか?」

渡辺君が石原君に尋ねる。

「僕なんかが恐れ多い」
「イッシー、そんな卑屈に考えてるところが女子をイラつかせるんだよ、もっと自分に自信持てよ」

カンナが、石原君に言う。

「よしっ!修学旅行中の目的は決まったな!」

渡辺君が自分の足をバシッと叩く。

「イッシー、取りあえず好きな人を見つけろ!最初の段階はそれだ!付き合う付き合わないはそれからだ」
「そうだな、どんなのが好みなんだ。例えばこの3人で言うなら誰だ?」

カンナが両隣にいる愛莉と指原さんの肩を抱いて言う。

「3人とも彼氏いるのに言ってもいいの?」
「好みを聞くだけだから気にするな、な?トーヤに瑛大」
「別にいいけど?」
「ほ、本当に好きになったらぶっ飛ばすからな!」

僕と桐谷君は合意する。

「それなら……遠坂さんみたいな、優しくて一途な人が好きかな」
「失礼だな、私だって優しいし一途だぞ!」

指原さんが抗議する。
そういうことを言い出したら、カンナだって黙ってないだろ。

「もっと具体的なとこはないのかよ、私だって一途だぞ」

優しいとは言わないんだな。

「うーん、なんか一緒にいたら安心できそうな……ほがらかでやんわりした人かな」

まだ2人は納得してないようだ。

「まあ、まだ3人の表面しか見てないんだろ?深いところまで見てたらそりゃ好きだってことだからもんだいないんじゃね?」

渡辺君がフォローする。
君は出来る人だね。
1年の時から思っていたよ。

「お前たちまだこんなところにいたのか?せめて女子の部屋に忍び込むとかもっと青春しろよ」

ミッキーがやってきた。

「んじゃ、今夜はこの辺で。また明日な。」

渡辺君がそう言うと解散した。

んじゃ僕はラーメンを……。
がしっ!。
僕は腕を掴まれた。

「ゆっくりやすまないとね?」

にっこり笑う愛莉。
一杯だけでいいから食べさせておくれ……。

(3)

「ねえ、片桐君?」

石原君が寝てる時に、尋ねてきた。

「なんだい?」
「その……人を好きになるってどういう状態なの?」

それを僕に聞くかな。

「そうだなぁ、初めて地元のラーメン屋でうまいラーメンを食べたときに似てるかな」
「え?」
「もう一度食べに行きたい。もうそこの店にしか興味がわかない、他の店なんて気にもならない。とにかくその店に夢中なんだ」
「……ごめん、言ってる意味が分からない」
「冬夜、お前は食べ物でしか表現できないのか?」

渡辺君が変わって答えた。

「凄い衝撃が走るよ、後は冬夜の言った通りだその人の事をずっと考えてる、その人の事しか頭にない、一緒にいるだけでドキドキする。他の女子なんて全然興味わかないんだ」
「他の女子に興味がわかないってのは分かる。その……人を好きになったことがないんだ」
「それは自分へのコンプレックスがそうさせてるんじゃないか?」
「いや、まったく興味がわかない」
「イッシー、ここは女子がいない。本音で話そうや」
「本当にわかないんだ……。綺麗だなぁとか優しい人だなぁとかは思うけど付き合いたいとかは全くない」
「ほうほう、誰に対してそう思ったんだ?」
「江口さんとか宮迫さんとか……」
「イッシーも結構面食いなんだな」

桐谷君も話に混ざってきた。

「あの二人彼氏いないって亜依が言ってた。チャンスだぞ」
「そんな好きでもないのに失礼だよ」
「そんなの付き合ってから好きになればいいんだよ。付き合ってみないと分からないこともあるだろ?」

それは言えてる。
僕も愛莉と付き合うまではあんな積極的な子だとは思わなかった。
我儘ですぐ拗ねて、泣いて笑って忙しい子だ。
でも今はそれを受け止められてるとは思う。
あとは泣かせたり、悲しませたりしなければいいんだけど。
どうしても食べ物と秤にかけてしまう。
愛莉はその事に対してどう思ってるんだろう?

「冬夜おーい」

愛想尽かされたりしないかな?
そういえばゲレンデにはイケメンがひしめいてるっていうな。
ちょっとよそ見してたらとられちゃうかな?
……ラーメン食ってる場合じゃないかな?

「冬夜!!」

あ、入ってた。

「どうした?」
「とりあえず、江口とイッシーをくっつけることにしたぞ。お前も協力しろよ」

渡辺君の急な発言。
そんな話になってたのか?

「そ、そんな余裕あるかな」
「なんだよ、薄情な奴だな」
「いや、愛莉の事が心配で」
「なんかあるのか?遠坂さん」
「何かあるってわけじゃないけど、他にもイケメン来てるんだろ?ゲレンデって目を離してる間にとられちゃわないからなって」
「お前それ遠坂さんを馬鹿にしてるぞ。もっと信じてやれよ。誰の目から見ても遠坂さんはお前しか見てないよ。入学当初からずっとそうだったろ?」
「そうだけど……」
「それにお前、自分が思ってるほど劣ってるとは思えないぞ」
「それそれ冬夜やれば何でもできるんじゃね?」

桐谷君も同じ事言ってる。

「サッカーの試合の時もそうだったろ?お前城科の女子に囲まれてたりさ。その時愛莉さん狼狽えてたか?堂々としてたろ?お前も同じことしてやればいいんだよ」

渡辺君の話は一々説得力がある。

「わかったよ……。で、具体的にはどうするの?」

それからしばらく話し合う。
だが、この話し合いは無駄になるとは誰が予想しようか……。

(4)

次の日からスキー研修がはじまった。
スキーウェア等道具は施設の貸し出しだった。
僕たちの班のインストラクターは女性の人だった。

「初めまして飯田あさ美といいます」

綺麗な女性だった。
まずは止まり方とこけ方。
こけ方は間違えると怪我のもとになるらしい。
それが終わると曲がり方。
これは実際にゲレンデに上がってからになる。
リフトの乗り方も聞いた。
二人乗りのリフトに乗った。
僕は愛莉と一緒に。

「高い高い~」とはしゃぐ愛莉。

たまにリフトが止まると

「怖い~」と抱き着く愛莉。

そっちの方が怖いぞ愛莉。
上に着くと初心者コースを選んだ。
途中途中で止まりながら練習する。
愛莉と僕は、すぐになれた。
愛莉は「テレビで見てたから~」
僕は、スケートに似てるなと思ったから。

ボーゲンからシュテムターンまでは二人共あっさりできた。
途中まで行くと愛莉もはしゃいでいたんだろう。

「上級コースですべりたい~」と言いだす。

飯田さんは「遠坂さんなら大丈夫ですよ。でも人多いから気をつけてくださいね」

「は~い」といって滑り出す。

そんな愛莉を見てるとアクシデントが。

コースに座り込んでるスノーボーダーを愛莉が回避しようとして、姿勢を崩してこけてしまった。

「愛莉!!」

言わんこっちゃない。

「今のはボーダーが悪いわ。あんなところに座り込んでるなんて……とも言ってられないわね。皆初心者ルートを滑っていて。私は……」

まあ、仕方ないよな。どうしてこうなるんだろう?

飯田さんの話を聞かずに、頭で考える前に行動知った。
上級者コースの勾配のきついコースを一人滑走する。
そして、ボーダーと愛莉のところに着くと、ターンを決めて止まる。

「愛莉大丈夫か?」
「冬夜君……大丈夫。ただこの人たちが」

なんか言いがかり付けてきたのか?

「うちの愛莉に何か?」

と、尋ねると。

「ちっ彼氏持ちかよ」
「彼氏ならちゃんと面倒見とけ」

そう言うとボーダーは去って行った。

「あなた達大丈夫?てか片桐君もやればできるじゃない!」
「無意識のうちに体が動いてました」
「冬夜君、何でもできるんですよ~。私も見てたよ~」

はしゃぐ愛莉。

「何があったんだよ」
「初心者なら俺たちが教えてやろうか?てかどこからきたの?可愛いね君。年いくつ?ってまあ、早い話ナンパされてた」
「それで?」
「へ?」
「それでなんて言ったんだよ!」

びくっとする愛莉。
そんなに強く言ったつもりはないけど。
しかしやがて彼女はゴーグルをとると怒っていた。

「冬夜君私の事信じてないの!?ちゃんと断ったよ!彼氏いるからって!もう……そんなに気になるなら食べ物だけじゃなくて私をちゃんと見ててよ」
「見てたから来たんだろ?」
「知ってる、パラレルで滑ってくるの見てた!すごいすごい!!残り一緒に滑ろ?いいですよね、飯田さん」
「良いわよ、ボーゲン覚えたての子がパラレルターン決めるなんて思わなかったわよ。もう二人は好きに滑って」

愛莉はゴーグルをすると注意して起き上がる。

「足大丈夫か?」
「うん」
「後ろからついてくから……」
「えー、ここは男子が先に滑らないと。『きゃあ~止まれない~』って抱きつけないじゃない」

物騒な事を言う娘だな。
そして、愛莉と僕は綺麗にシュプールを描き下までたどり着く。

「お前……本当に何でもありだな」

驚くカンナ。

「冬夜君だもん~」

理由にならない理由を言ってる愛莉。

「遠坂さん大丈夫だった!?」

渡辺君が愛莉の心配をしている。

「ちょっとまずかったけど平気だよ~冬夜君に助けてもらっちゃった~」

もらっちゃった~じゃないよ。

「全く、ちょっとはしゃぐとこれなんだから、今日はラーメン認めてもらうからな!」

理由になってないよな。ダメかな?また怒らせちゃうかな?

「うぅ……。一回だけだよ」

ついに愛莉を攻略した!
よしっ!待ってろよラーメン屋!

「でもこんなところで食うラーメンなんて知れてるぞ。地元のラーメン屋と変わらないって言うか……」

それは小樽でラーメン食った君だから言えるのだよ渡辺君。
その場でラーメンが食える……どれだけ嬉しい事か。
味噌バターラーメンもやし増し麺固め♪。
呪文のように唱える僕。
多分僕だけが気づかなかった。
そのとき石原君の心の中に小さな恋が生まれていたことに。
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