優等生と劣等生

和希

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3rdSEASON

春寒

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(1)

「冬夜君おはよう」
「おはよう愛莉」
「……」
「?」

あれ?普通に返事しただけなのに、まずいことしたか?

「どうした愛莉?」
「うん、普通に返事が返ってきたからちょっと戸惑っただけ?」
「普通じゃないほうがよかった?」
「ううん、いい子いい子」

愛莉に頭を撫でられた。
今日はバレンタインデー。
心の折れぬ処方箋と言うらしいが、愛莉と過ごすバレンタインも類にもれず。今日もピンク色のリボンがひかる小包を渡してくれた。

「はい、今日はバレンタインだから」
「ありがとう、愛莉」

バレンタインの日ということは明日は愛莉と付き合い始めて7年目という記念日である。
よくまあここまで僕達来たもんだなと少し笑いながらチョコを食べ、愛莉とモーニングコーヒーを楽しむ。
何もないところから頼りなく始まって、数えきれない喜怒哀楽を共にしてきた。
時間の流れは妙におかしなもので血よりも濃い絆を作ることがある。
これから先も平たんな道はないけれど、これからも冗談を飛ばしながらも走り続けるんだろうな。

いつも通り愛莉は隣でワイドショーのようなニュース番組を見ている。
学生が阿鼻叫喚するテスト期間に呑気にテレビを見ていられるのは愛莉のスケジュール調整のたまものだった。
そんな楽し気にテレビを見ている愛莉の横顔をみていると、あることを閃いた。
つんつんと愛莉の肩を叩き愛莉にこっちを振り向かせる。

「どうしたの?」

不思議そうに聞いてくる愛莉に、愛莉にもらったチョコレートを差し出す。

「はい、あーん」
「え?それ冬夜君にあげたチョコレートだよ?」
「うん、僕がもらったからどう使おうが僕の自由だよね。ほれほれ」
「もう、しょうがないんだから~」

言葉とは裏腹に嬉しそうな愛莉。ぱくっっとチョコを食べる。

「ありがとう♪」
「いえいえ、どういたしまして」
「あ、今年はもう一つ用意してたんだ~」

愛莉はバッグから一つの小箱を取り出す。
中身を開けると小さな小物入れっぽいのが入っていた。

「何これ?」
「小銭入れ。男の人は小銭とお札別々に財布持ってるって聞いたから」
「ありがとう」
「喜んでもらえてよかった~」

愛莉の方が嬉しそうに僕にじゃれつけば、僕はそんな愛莉の頭を軽く撫でてやる。
そうやって仲良くじゃれ合っていると時間のたつのも早いもので、そろそろ家を出ないと間に合わない時間になってきた。

「愛莉、そろそろ時間」
「本当だね……」

少し寂しそうな愛莉。「帰ってきたらつづきやろうな」と囁けば愛莉は喜ぶ。

「今日は本当に優しいね。こんなに幸せな日はないよ」
「明日はもっと幸せにしてやるからな、楽しみにしてろよ」
「え……?」

不思議そうな顔をする愛莉。愛莉でも忘れる事ってあるんだな。

「いいから、早く化粧しな。急がないと遅刻だぞ」
「あ、は~い」


ラッシュ時間から少しずれるだけでいつもは混む時間も快適に走れる。
車を運転しながら愛莉の殺気の話の続きをした。

「あした夜予定空けておいてね」
「え?明日は渡辺班の打ち上げあるんだよ?」
「あ……!」

しまった!すっかり忘れてた。テストの最終日。渡辺班でお疲れ様会を開くんだった。
慌てて、レストランの予約をキャンセルする。

「……覚えててくれたんだね。記念日」
「うん、また失敗しちゃったけどね」
「1次会終わったら二人だけで2次会やろっか?」
「そうだな。それもいいんだけど……」
「どうしたの?」
「明日テスト終わったら買い物したいんだけど付き合ってくれない?」
「いいけど?」

「冬夜君が買い物なんて珍しいね?」って愛莉が言うけど買う物は内緒にしておいた。
自分一人で買いに行くこともできるけど、一人にするとすぐ拗ねる困りもの屋さんだから一緒に選んだ方がいいだろう。

(2)

「おはよう冬夜君」
「おはよう愛莉」

今日も冬夜君は素直に起きてくれた。いつもこうだといいのに……。
冬の間は服に悩むことは無くなった。冬夜君の好みを聞いたから、それに合わせてコーディネイトしていくだけ。
色とかに迷った時は冬夜君に選んでもらう。と、いっても冬夜君は私の気持ちに入ってきて選ぶのだからただ背中を押してもらうだけに過ぎなかった。
だって私の好みを知ってるんだもん。

この日はテスト最終日、明日からは春休みだ。
冬夜君も無事何とか試験をクリアできたみたい。夏みたいにバテなくてよかった。体調管理した成果がでたね。
この日は夜から渡辺班の打ち上げ会。その前に冬夜君が買いたいものがあるらしいという事で、街のデパートに向かった。
何を買うんだろう?冬夜君ブランド物と興味あったっけ?あるならぜひチェックしておきたい。今後の為にも。
とある海外ブランドの腕時計屋さんに向かった。
今日が何の日かを考えれば冬夜君の買いたい物なんてすぐに分かるはずなのに。私は冬夜君の気持ちになるのが下手みたい。ごめんね。
冬夜君が「どれがいい?」と聞いてくるまで全く気付かずにいた。冬夜君が買いに来たのはペアウォッチだった。

「大学生になったんだしと気になってたんだ」と冬夜君は恥ずかしそうに言う。

ボディ・文字盤・バンドサイズ・カラー・チャームの全てをカスタマイズ可能な腕時計。二人で選んでつけてみてしっくりしたものを選択。
知ってる?冬夜君。ペアウォッチのプレゼントの意味は『一緒に、時を刻もう』って意味なんだよ?
嬉しいことしてくれるね。
でも、一緒に選ぶってのも楽しいね。私も今度からその手を使おうかな?
一緒に悩んで一緒に決めて一緒に歩む。今までも、そしてこれからも。ゆっくりと時を感じながら。
買い物が済むとまだ、打ち上げまで時間がある。「どうする?」って冬夜君に聞く。
「やっておきたいことあるから」と、冬夜君に誘導される私。
冬夜君がやってきたのはいつもと違うホテルだった。
そう言えばお泊りセット持ち歩いたままだった。浮かれていたのかな?そんな事にも気づかないなんて。
チェックインを済ませると部屋に入り荷物を置く。ゆっくりしたいんだろうけど、ごめんね。今日は私の我儘につきあって。
冬夜君を連れて商店街をぶらりと散策。途中コーヒーショップに寄る。お決まりのように食べ物を注文する冬夜君。

ぽかっ

「夕食まで我慢しようね」

そう言うとしゅんとなる冬夜君。口うるさい女と思われちゃうかな?
落ち込む私をみて冬夜君は頭を撫でてくれる。「分かったよ」って言ってくれる。それだけで救われるんだ。
街ゆくカップルを見て思う。幸せそうだなって。羨ましいとは思わない。
私達だって負けてない。
どっちが勝ち負けかなんて関係ない。
今が幸せに生きれるならそれだけで満足なのだから。
願わくばこの幸せが永遠に続きますように。

(3)

集合時間。
いつもと違う焼き鳥屋。渡辺君が見つけて来たらしい。

「ここの水炊きが絶品なんだ」

渡辺君がそう言う。
取りあえずみんな集まった。

「それじゃ後期もお疲れ様でした!乾杯!」

渡辺君がそう言うと宴の始まり。
僕の隣には愛莉と酒井君。
前には誠カンナそして志水さん。

「瑛大マカロニサラダもちゃんと食え!」
「僕嫌いなんだよ!」

この二人は相変わらずだな。

「善君、好きなの取ってあげる。どれがいい?」
「僕はなんでもいいですけどね」
「酒井、なんでもいいなんていう優柔不断な答えは彼女は望んでいないわよ」
「じゃ、じゃあ……」
「恵美の分とってあげるよ」
「ありがとう、イッシー。それじゃあ……」

この4人はいつのまにか仲良くなったようだ。

「冬夜、この前は大変だったらしいな」
「あ、ああ……」

あまり愛莉の前でその話はしたくないんだけど……。ほら、愛莉が沈んでる。僕の腕を掴む手が微かに震えてる。話題変えないとな。何か愛莉の気分を変える話題……、なんでもいいか?

「そういや誠に教えてもらったサイト見たぞ。すごいな!」
「だろ!?先輩に教えてもらったんだ、長さもちょうどいいしさ40分とかなら適度だろ?」

誠は乗ってきた。これなら大丈夫だろう。

「でも、長さなんて関係ないだろ?……どうせ飛ばすんだし」
「馬鹿だな、冬夜は。最初からストーリー見ないと分からないだろ!?」

そんなものなのかな?見たいところだけ見ればいいものだと思っていたけど。
え?いつ見ているのか?って、愛莉が風呂に入ってる時とか夜中に目が覚めたときとか……。

ぽかっ
べしっ

前者が愛莉、後者がカンナ。

「冬夜君最低!彼女の前でよくそんな話出来るね!」
「トーヤまで誠の馬鹿が感化されたか……愛莉すまねえ。この馬鹿にはよく言って聞かせるから」
「神奈は悪くない、私の目を盗んでひっそり見てる冬夜君がいけないんだから!」
「ひっそりじゃなかったらいいのか?」
「うぅ……そうきますか……」

愛莉は暫し黙り込んでしまった。やりすぎたかな?

「それで冬夜君の気分が盛り上がってくれるなら私と一緒なら見ても良いよ」
「ふ~ん、愛莉はそんな考えなのか?誠の見るのはマニアック過ぎて気持ち悪いんだけど、トーヤはどんなの見てるんだ?」
「ほえ?普通だけど……でもさ私が隣で化粧してるのに朝から『女子大生』だよ検索ワードが……」
「まだましだろ……。『赤ちゃんプレイ』とか『近親相姦』とか検索してるんだぜ誠の奴」

うわあ、誠のロマンがわからない。どんな気分で見てるんだろう……。

ぽかっ。

「冬夜君は分からなくていいの。はい、焼き鳥あげる」
「ありがとう」
「片桐君でもそういうの見るんだね?」

酒井君が隣から話しかけてきた。
そりゃ、たまには見るよ。本当にたまにだけどね……お気に入りにいれたけど愛莉に削除された。

「酒井君はあれからどうなの?志水さんとはそういう関係になったの?」
「いや、それが……」
「酒井どうした!?まさか……」

誠が反応する。
躊躇う、酒井君に代わって答えたのが志水さんだった。

「昨日誘ってみたんだけど……ダメだったのよ」


昨日の夜志水さんは、風呂上がりにバスタオル一枚で現れて頭にはリボンを結んでチョコレートを持って現れたらしい。
恥ずかしそうにチョコレートを渡し、そして静かに目を閉じる志水さん。

「取って」
「へ?」
「だからリボンとって」

よく事態がのみこめない酒井君はとりあえずリボンを取ると志水さんにベッドに押し倒される。

「私もプレゼントしてあげる」

恥ずかしそうに言う志水さん。
だけど、酒井君は戸惑っていた。
考えてみよう、自分の彼女がいきなりリボンをつけて現れて「私をプレゼントしてあげる」なんて言われてみ?漫画じゃよくありそうが状況だけど実際あったらサイコだと思うよ。


しかし周りの女子がはそうは思わなかったようだ。

「志水さんが可哀そう」と愛莉。
「おまえ、それでも男か!」とカンナ。
「ちょっと、それで何もしないなんてあり得なくない?」と指原さん。
「そういう時は男性からのフォローがないとだめですよ」と大島さん。
「やっぱり変わってないんですね。そういうところ」と一ノ瀬さん。
「女に恥かかせて悪いと思ってねーのかよ」と美嘉さん。
「……再教育させるなら春休みのうちにセッティングするわよ?」と江口さん

「お前初めてじゃないんだろ?なんでいかねーんだよ」と誠が言うと「いや、いきなりあんなことされたら。戸惑いますよ実際」と酒井君が返す。酒井君の言う通りだと思う……。

「神奈がやってくれたら即服を脱ぐけどな」と誠が言えば「絶対やらねーから心配するな」とカンナが返す。

隣の視線に気がついた、上目遣いで僕を見る愛莉。

「冬夜君はして欲しい?」
「しなくていいから」

即答する僕。それがいけなかったのか……

「うぅ……バスタオル一枚は挑戦したかったのに……」

愛莉、考えてみろそんな恰好で家の中をうろつかれたら困るのはうちの両親だぞ。じゃあ、親がいない時ならいいのかって?

「どうせ私はそんなにスタイル良くないですよーだ」

拗ねる愛莉。何度も言うけど愛莉の体形は「程よい胸の大きさに見事な曲線美」これに尽きる。たださ……。

「愛莉の体形の良さは僕だけが知ってる事だろ」と返してやる。
「それもそうだね~。えへへ~」と機嫌をなおす愛莉。

しかし酒井君と志水さん、どっちについたらいいものか……。

「ハハハ、酒井もまだ模索中なんだよ。いきなり飛びつかれても戸惑うのも無理ないさ」

渡辺君がそう言うと、女性陣の矛先は。

「模索どころか手すらだしてねーぞこいつは。女が良いって言ってんだから抱きつくのが男ってもんだろ?」

美嘉さんが見事に反撃する。

「QBKって知ってる?」

僕が言うと「なんだそれ?」って視線が僕に集まった。

「『急にボールが来たので』の略らしいんだけどどんな名選手でも急にパスがきたらミスしちゃうってことだよ。まだ志水さんと酒井君の息が合ってないだけで、そのうち上手くいくよ」
「冬夜がサッカーの例えを出すとは珍しいな」と誠が言う。

まあ、今ちょうど来たからいうけど「急に水炊きが出たので」でもよかったのか?なんか違う気がする。

「でもトーヤが言っても説得力0だぞいつも突然とんでもない所にボール出してるし、何より愛莉の急なパス受け止めてるじゃないか?」
「そこまで行くのに3年かかったよ。カンナ覚えてる?中3の時の僕の誕生日」
「ああ、覚えてるけど……」
「なんだよそれ?」と美嘉さんが聞いてくる。

「愛莉が僕の為にと特別な衣装で来てくれたんだ、香水も付けてくれて。でも其れに気づかなかった。愛莉を思い切り激怒させちゃってね……僕でもミスはするよ。慣れないうちはしょうがない」
「でも冬夜君はちゃんとフォローしてくれたよ?」
「それはカンナや誠の支援があったからなんだ。孤立無援の状態じゃどうしようもならない。今は多分そんなこと無いと思うけど、それでもミスはする。気長に待ってやるしかないよ。酒井君も感づいてると思う。後は二人で頭を寄せ合って一つずつ問題を解いて行けばいいさ」
「冬夜の言う通りだと俺は思う。まだ慣らし運転の期間なんだ。酒井も初めてじゃないんだ。そのうち決めてくれるさ」

渡辺君が言うと皆が納得したようだ。
すると愛莉が志水さんに言った。

「志水さん、冬夜君は3回ミスしたの。4回目もギリギリセーフだったし……、もう少し長い目でみてあげようよ」

愛莉も思い出したのだろう。恥ずかしながら言うと志水さんも納得したようだ。

「そうね……もう少し長い目で見る必要があるみたいね。でもあまり待たせないでね」

志水さんがそう言うと話はまとまった。

さて水炊き水炊き♪

ぽかっ

「ちゃんと取ってあげるから待ちなさい」

愛莉がそう言うと皆が笑う。

「相変わらずだなとーやは」と美嘉さんが言うと「嗅覚だけはすごいんだよ」と渡辺君が言う。
「でも3回ミスしたってなにやらかしたんだとーやは?」と美嘉さんが話題を僕に切り替える。
「それそれ、私も気になったんだよね。片桐君がミスって何したの?また食べ物系?」と指原さんが愛莉に聞く。
「違うよ~あのね~……」

愛莉が微笑みながら話し出す。
やめやめ!そう言う話は女子会でしてくれ!本人の前で話す事じゃないだろ!
愛莉を制するも皆が聞きたがるので止められるわけもなく、暴露される過去の話。


「片桐君でもミスするんだね」と江口さんが言うと「中学の時のトーヤは酷かったぜ」とカンナが言う。
今だから笑い話で済むんだけど、当時はシャレにならなかった。愛莉の優しさが余計につらかった。
でも今は笑い話に出来る。はずかしいけど。だからがんばれ酒井君。

(4)

1次会が終わると冬夜君は「僕と愛莉は別行動で」と、言った。
みんなからブーイングが起きるが事情を理解していた誠君と神奈が、説明すると「それなら仕方が無いわね」と納得してくれた。
皆に挨拶をすると冬夜君は私をつれてホテルに戻る。

「あれ?二人だけで2次会するんじゃないの?」と聞くと「行くよ、とびっきりの場所に」と、言って笑う。
エレベーターに乗ると冬夜君は最上階のダイニングバーに向かう。。

「冬夜君お酒はダメだよ」
「わかってる、ソフトドリンク飲むだけだから」

じゃあ、どうしてバーなの?


バーにつき、冬夜君の言った通りソフトドリンクを注文すると席につく。
窓側がカウンターテーブルになっており、夜景を楽しむことが出来る。
でも高さならいつものタワーホテルの方がいい。
すると突然大音量のジャズが流れる。
振り返ると、ジャズの生演奏が行われていた。
冬夜君はジャズの演奏を楽しみながらソフトドリンクを口にする。
冬夜君が「とびっきり」と言っていたのはこれの事?

「木元先輩に聞いたんだ。記念日にとっておきのお店ないか?って、そしたらこの店教えてくれてさ。ついでだからホテルも予約してたってわけ」

冬夜君でもこんな素敵な店選ぶことあるんだね。嬉しいよ。
ジャズの演奏が終わると拍手する。
そして再び流れる優雅なBGM。
今度来るときはお酒飲めるようになってからだね。また楽しみが増えたね。冬夜君と一緒にいると次々と楽しみが増えていく。それが嬉しくて楽しくて……大好き。
部屋に戻ると交互にシャワーを浴びる。
一緒に入らないのかって?
だってベッドがダブルなんだもん。もう無理に一緒にいなくたって冬夜君は分かってくれてる。

「今までありがとう、これからもよろしく」

買ってきてたジュースで二人で乾杯。
時計は飛行機の時刻になっていた。

「そろそろ寝ようか?」

え?寝ちゃうの……せっかくの雰囲気なのに残念だな。
近頃の冬夜君はまた一段と意地悪に……そして優しく接してくれる。
両手を軽く広げて言ってくれるの。

「おいで」って……。

私は冬夜君に抱き着くとそっと優しく包んでくれる。

人間は誰だってとても普通。
だけど出会いはどれだって特別なの。
誰かがまってる、どこがで待っている。
生きるのは一人じゃない。
どれだけ傷ついてもあの丘を越えて、飛べるだけ飛ぼう。
地面を蹴って、心を開ける人と一緒に行こう。
どこまでも共に走ろう、冗談を飛ばしながらも。
見るもの全部笑って踊って歌って。
瞬間を大切に生きていこう。
春寒をほぐす暖かな冬夜君の腕の中でそっと眠りにつくのであった。
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