優等生と劣等生

和希

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3rdSEASON

ただ変わりたくて

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(1)

深夜……僕は目が覚めた。
愛莉はすやすやと寝ている。
ベッドから出ようとしたら、愛莉がしっかりとしがみついてる。愛莉をおこしてしまった。

「まだ夜だよ~?」
「ちょっとトイレに行ってくる」

そう言って愛莉に手を離してもらった。
トイレに行くそぶりを見せるために一旦部屋の外に出る。そして頃合いを見計らって部屋の中にそうっと忍び込む。愛莉は眠っている。
PCにヘッドホンを差し込んで起動させる。
モニターの明かりが気になったが、仕方がない。念のため愛莉を見る。すやすやと眠っている。
一枚のDVDをPCに入れる。ギャルゲーのDVDだ。誠に勧められて買ったやつ。
誠は桐谷君に勧められたったんだとか。
登場キャラは確かに可愛い、ただ2次元の世界でだけど。あまり興味がないかな?
ヴィジュアルノベル形式で偶に選択肢を選ぶだけ、ストーリーにはあまり興味がないので目的のシーンまでひたすらエンターキーを連打する。
……誠が言うほど大した絵じゃない。
言っとくけど、今回は「お勉強」が目的じゃない、単なる「興味」だ。誠がやたらと勧めてくるのでやっては見たものの、いかにもお涙頂戴のシナリオでしらける。
たまにエロ絵が入ってくるけどそれも、たいしてそそられるものが無い。しかも辿り着くまでやたらと長い。
攻略サイトを見ながら進めていく、少なくとも5周はしないとトゥルーエンドに辿り着けないらしい。
めんどくさいし良いかなと思った時だった。
背後に誰かいる。誰がいるのか見当はつくけど。キーボードのカタカタ音で目が覚めたか。

「動画の次はゲーム?」

愛莉の声は明るい。明るいだけに怖い。

ぽかっ

ほらね。

「また誠君に勧められたの?」
「まあね」

愛莉やイヤフォンジャックを引き抜いて自分も見ると言い出す。
しかし肝心のシーンになると

「なんか気持ち悪い」

と、一言言ってDVDを取り出すと一生懸命に割ろうとする。結構な額だったんだけどな、愛莉の機嫌はプライスレスだしな……とほほ。
愛莉からDVDを取りあげるとその場で割った。

「これでいいんだよな?」
「うん」

そうして初めて買ったギャルゲーはトゥルーエンドを迎えることなくごみと化した。こうしないと愛莉との仲がバッドエンドを迎えそうだったから仕方ない。

「折角深夜に目が覚めたんだし……しよう?」
「もう遅いし寝るよ、明日1限からだろ?」
「うぅ……ギャルゲーはするくせに、婚約者とはしないの……?」

愛莉が拗ねだす、しかしこんな時間にあんな声出されたら親から苦情が出てしまう。
どうしたものか。

「じゃあ、抱いて寝てやるから。それだけで十分だよ。夜遅いし……」
「うぅ……私は冬夜君にしてあげたいの?」

誠が言ってたあれを試してみるか?」
部屋の照明をつけ、ラックから僕の寝間着を取り出す。何をしてるのか分からない愛莉にそれを渡す。

「じゃあ、それ着て寝て。それで僕は十分だから」
「また、誠君の入れ知恵だね?神奈から聞いたもん」

バレてたか。しかし、愛莉はぼくから寝間着を受け取ると着替え始める。
小柄な愛莉には大きすぎたらしい、肩はだらんと垂れ下がり、袖は空手は出ず。ズボンに至っては腰回りが細すぎて履けない状態。
誠がみたら感動しただろうな。見せてやらないけど。其処に萌えが在るのだろうか?

「これでいいの?」

ズボンははけないので下着一枚だけになっていたが服が大きすぎて隠れていた。

「……良く分からない」
「うぅ……やっぱり私じゃ駄目なのかな?」

落ち込む愛莉を優しく包んでやる。

「でも可愛いのはわかるよ。凄く抱きしめたい」
「……えへへ~」

まんざらでもないでもないらしい愛莉の機嫌はいい。

「じゃ、寝よっか?」
「本当に寝ちゃうの?」

寂しそうな愛莉に耳元で囁く。

「週末にでもしような」

愛莉は一瞬赤くなったが微笑むとうんとうなずく。
そうして、二人は眠りについた

(2)

「冬夜君、起きて!遅刻しちゃうよ!」

愛莉の声で目が覚める。起きてはいたが頭が重い。眠気がすごい。
そうはいうものの遅刻はまずい。重い体をゆっくりと動かす。そして着替えを始める。

「大丈夫?夜更かしするからだよ」
「多分大丈夫。時間大丈夫?」
「ギリギリ間に合うかな?」
「そうか、じゃあ行こうか」

毎日の事なのでと、愛莉からスペアキーを預かっている。キーホルダーでも買うかなと思いながら家を出る。
この時間は混んでるので、裏道を抜けていく。
大学に着くと時間が空いているのでコンビニでおにぎりを買って食べる。
そうして、1限目を受ける。
殆ど内容が頭に入ってこなかったが、愛莉がノートを取ってるので大丈夫だろう。
1限目が終わるとブラックコーヒーを飲む。気休めにでもなればいいが……。
2限目を受けると昼休み。昼食を食べているとカンナに会う。

「どうしたんだ?」とカンナが聞いてくる。愛莉が事情を説明するとカンナが怒りだす。

「この馬鹿!花見の時にあれだけ言っただろうが!」
「だからそういう意味じゃなくて誠が面白いっていうからやってみただけだって。ちょっとエッチな要素もあるらしいから深夜愛莉が寝てる時間にと……」
「それで愛莉にバレてたら意味がないだろ!しかも自分の寝間着着せたって。!?このド変態が!!」
「何もしなかったら愛莉が拗ねると思ってやったんだよ」
「……冬夜君、可愛い似合ってるって言ってたよ?」

あれはその場の勢いで言ったの?

そう言いたげな愛莉がいた。

「嘘はついてないよ。愛莉可愛かった」
「……トーヤ、ちょっとスマホ貸せ」

カンナはそう言うと僕のスマホを操作する。
メッセージグルに男子会と書いたグループを開く。
すると出てくる出てくる。文面に出来ないような内容が。
それを見てカンナと愛莉が赤面する。

「冬夜君コメント殆どないね?」

愛莉が気づく。まあ、見てるだけだしね。

「主導してるのは誠と瑛大か……。あいつら……」
「ハハハ、まあいいじゃないか。それが男ってもんよ」

渡辺君がそう言って現れたが、皆渡辺君の隣にいる男性に目が言った。

茶髪にロン毛、髭も生やして耳にピアスを開けてる。
如何にもチャラそうな恰好をしていたけど、なんか違和感を感じる。
服装に負けてるっていうかなんかただ着てるだけっていうか……そう、着こなせてない感があるんだ。
大学生デビューってやつだろうか?
僕達の視線に気づいた男は目線が下に言っている、
渡辺君もきづいたようだ。僕達に男を紹介してくれた。

「こいつの名前は、竹本悠馬。新しく渡辺班にいれようと思ってる人物だ」

渡辺君がそう言うと竹本君は頭をぺこりと下げた。

「初めまして、竹本と言います。噂を聞いて渡辺先輩にお願いしました」

竹本君がそう言うと僕達も自己紹介する。

「詳しい話は、青い鳥で説明するよ。指原さんも来るって言ってたし」

渡辺班に志願した?どういう理由だろう?

(3)

憧れの大学生活。
サークルにはいって、連日合コンして。あ、バイトもしなけりゃな。
服装とかもそれっぽいのを買った。憧れの一人暮らし。
そして最大の目標、彼女を作ること。
楽しそうなサークルがたくさんある中、どれに入るのが一番いいのか悩んでいた。そんな時真鍋から噂を聞く。それは「どんなに冴えないやつでも必ず彼女を作ってくれるサークルがある」ということ。
そのサークルを必死に探していた。そこに僕の大学生活がかかっている。
木元先輩から「ああ、多分俺が所属してるグルのことかな?」と聞いた。僕はそこに入りたいと志願した。しかし木元先輩は「まあ、話は通しておくよ。期待はせずに待っていてくれ」と言った。

何日か経って「とりあえず面接するから喫茶店『青い鳥』に15時にきてくれ」と木元先輩は言った。

時間になると、僕は言われた店に向かった。

カランカラン、とドアベルが音を立てると店員が「いらっしゃいませ」と営業スマイルで僕を出迎える。

「人と待ち合せてるんですけどカウンターでいいですか?」と言うと、それを聞いていたらしいテーブル席に座っていた。男女から声をかけられる。

「君が竹本君か。俺が『渡辺班』を仕切ってる渡辺正志です」
「あ、はじめまして、竹本悠馬です」
「私は指原亜依。よろしくね」

その後二人から色々と質問を受ける。
どうして渡辺班に興味を持ったのか?今付き合ってる彼女は?好きなタイプとかある?趣味は?等出会い系サークルにありそうな質問を並べていた。
それらすべてに回答すると二人はひそひそと相談を始める。

「要するに彼女を作りたくて、自分を変えたくて志願したってわけね?」

指原先輩がそう言うと頷いた。

「まず最初に断っておくわ。うちのグループだいたいカップルだからグループの中で彼女を探すのは無理よ」

ああ、だめなんだな。そう諦めてた。でも指原さんはこう続けた。

「でも竹本君の態度次第では彼女を作らせることはできる。多少強引な手を使ってでも作らせる」

そんな魔法のようなことができるんだろうか?

「決まりだな。竹本君悪そうな人には見えないし。木元先輩の推薦なら間違いないだろう」

渡辺先輩がそういうと胸を撫でおろす。

「明日昼には大学にいるかい?」
「います」
「じゃあ、学食で待ち合わせしよう。まず合わせておきたい人物がいる」
「わかりました」

そうして次の日言われた通り学食に向かうと渡辺君が待っていた。

「こっちだ」

彼について行くと一人の男性と二人の女性を紹介してくれた。片桐先輩と、遠坂先輩、音無先輩だ。

「先輩方、よろしくお願いします」

そう言うと音無先輩が言った。

「先輩は止めてくれ、むず痒い。これから同じグループの仲間なんだ。堅苦しい事は無しでいこうぜ」
「はい、わかりました」
「冬夜達今日午後空いてるか?」

渡辺君がそう言うと片桐君は「3限で終わりだけど?」と言った。

「じゃあ15時に青い鳥で待ち合わせでいいか?指原さんとも約束つけてある色々打ち合わせしたい」
「あのさ。まさかとは思うけど……」

片桐君がそう言って僕をちらりと見る。

「そのまさかだ、ちょうどいい逸材だとは思わないか?」

渡辺君がそう答える。
逸材って……、僕はとんでもない事に巻き込まれたのかもしれない……。
でもそれでも変われるなら……!
覚悟は決めた。



その日も青い鳥に行く。
するとたくさんの人が青い鳥に集まっていた。
皆「渡辺班」のメンバーだという。でもまだほんの一部で、バイトしてる人や働いている人もいるらしい。
この店をほぼ占拠した状態でいるが、マスターが「みんな注文してくれるからいいお得意様だよ」と言っていた。
自己紹介を受ける。

店員の酒井君に、一ノ瀬さん、中島君に木元先輩、桐谷君、志水さんと昨日紹介を受けた3人。音無さんはバイトで来ないらしい。

「よろしくお願いします」と挨拶する。

「そうね……まずその鬱陶しい髪をどうにかしたいところね」

志水さんから早速ダメ出しが入る。

「服装もなんとかしないとね。悪くはないんだけど。なんかこう清潔感がないっていうか」

指原さんからもダメ出しが。

「竹本君、今週末空いてる?」

指原さんが聞いてくると、うなずいた。

「じゃあ、まず髪を短くしよう。いい美容師紹介してあげる。それから服を買わないとね」
「外見は指原さんに任せるとして、問題は中身だな。皆どう思う?」

渡辺君が言うとみな考え込む。

「悪くはないと思う。何より誠実そうで真面目そうだし。趣味も聞いた感じ好感度なのよね。何が悪いのか分からない」

志水さんがそう言う。

「やっぱり見た目だよ、ファーストインプレッションでだいぶ損してると思う」
「あと……真面目で誠実そうなんだけど……なんかこう面白みがないっていうか。女性を引き付ける何かにかけてるのよね」

指原さんと一ノ瀬さんが言う。その中身を変えたくて渡辺班に入ったんだから分かってる。

「でも変わりたいって気持ちはよく伝わってるから何とかなると思うよ」

遠坂さんがそう言ってくれた。少し安心した。

カランカラン。

「こんにちは~、今日も皆さんで集会ですか~」

この人は確か1年の「姫様」こんな人まで参加してるのか?

「やあ、花山さん。ちょうどいい。紹介しておこう。新しく入った竹本君だ」

渡辺君がそう言って花山さんを紹介してもらう。

「まさかとは思うけどこの冴えない男が……なわけないですよね~」

花山さんは僕を見て笑う。

「そのまさかだ、俺たちの切り札が竹本君だ」
「そんなの勝負になりませんよ」
「そう言ってくれると助かる。その方がやりがいがあるしな」
「ふ~ん」

花山さんは僕を一瞥すると、片桐君のテーブルに行く。

「冬夜君、今日も服素敵だね」
「ありがとう、服は愛莉に選んでもらって買ってるんだ」
「ふ~ん、でもコーディネートしてるのは冬夜君なんでしょ?」
「愛莉が組み合わせてるのを覚えててそれをローテーションしてるだけだよ」

片桐君がそういうと、隣の彼女は嬉しそうに言う。

「そうだったんだ。でも冬夜君のセンスも良いと思うから。冬夜君が好きなのを着たらいいのに」
「なんか自分で選ぶの面倒でさ。奥の手で愛莉の中に入ってこれにしようって決めてる」
「中に入る……?」

花山さんが首を傾げる。僕も気になったワードだ。

「冬夜君人の気持ちになって考えることができるの?以心伝心っていうの?偶に外しちゃうこともあるけどね」
「ふ~ん……じゃ、私の中にも入ってよ」

遠坂さんが嬉しそうに答えると、花山さんが興味津々にそう言った。だけど片桐君は首を振る。

「実は最近初めてあった人に対してはちょこっとだけ入ってるんだよね。だから花山さんに靡くことは無いと思う」
「でも、今は違うよ」
「本音は変わってないでしょ?見てたらわかるよ。そんなんだといつか自滅するよ」
「思ったより冷たい人なのね冬夜君って」
「そう言われたのは初めてだよ」
「ま、そう来てくれないと私も張り合いないけどね」

そんな感じでもリ上がってる3人。遠坂さんは不安そうに片桐君を見てるけど。
3人を立ち尽くして見てると渡辺君に背中を叩かれた。

「何ぼけっとみてるんだよ。お前も加わるんだよ」

渡辺君は驚くべきことを言った。さっき言ったことってそういうことなの。

「む、無理ですよ僕に花山さんなんて高根の花過ぎます」

僕がそう言うと渡辺君は笑って言った。

「俺たちがフォローしてやるからまずはやってみろ。まずは覚えてもらうところからが肝心だ」

そう言って渡辺君は背中を押す。言われるがままに片桐君たちのテーブルに行くと片桐君が気づいてくれた。

「あ、来たんだね。竹本君。そこに座りなよ」

片桐君はそう言って空いてる席……花山さんの隣を勧める。

「私の隣に堂々と座ってくる人なんて初めて見たよ」

皮肉交じりにそう言う花山さん。そうだよね。すごいオーラが漂ってたもん。近づくな的なオーラが。

「初めてってすごいね。竹本君。あ、注文しないとね、ここのおすすめはブレンドコーヒーとナポリタンだよ。ナポリタン本当に美味しいんだ」

ぽかっ

遠坂さんが片桐君を小突く。

「竹本君はコーヒー派紅茶派?どっちなのかな?」

遠坂さんがそう尋ねてきた。

「僕はコーヒーですね」
「じゃあ、コーヒー一つ!」

遠坂さんが僕に変わって注文すると片桐君に耳打ちする。

「竹本君今日はお髭生えてるからソースついたりしたら大変だから気配りしてあげなくちゃ」
「あ、なるほどね」

二人はひそひそ話してるつもりだろうけど、思いっきり声漏れてますよ。

「遠坂さんもそう思うんだ。なんか髭生やしてる人って汚いですよね。それに長髪もなんか似合ってないし」

この人は僕を拒絶してるんだなと、そう感じた。やっぱり僕に姫様の相手は荷が重い……。

「そうだね、だからこそビフォーアフターが楽しみなんだよね」

遠坂さんがフォローしてくれた。

「第一印象でしか人を判断しないからあまり興味な~い」

花山さん、気付いているんだろうか。今の花山さん素がでてるっていうか今の花山さん見てついてくる人なんていないと思う。

「あの、花山さん?」

花山さんが僕の事を鬱陶しそうに見る。

「いつもとなんか違いますね。なんかこういつもの優しそうな花山さんじゃないというか……」

ばしゃっ!

花山さんに水かけられた。

「なんであんたなんかに愛想振りまかなきゃいけないのよ!分相応ってものをわきまえなさい!」

花山さんはそう言って立ち上がると店を出ていった。

「上出来だ竹本君!よく言った!」

渡辺君がそう言う。最悪な第一印象だと思ったけど。

「ああやって、化けの皮を剥がした方が負けなのよ。大丈夫そうよね?亜依」

志水さんが言うと指原さんは親指を立てて僕に突き出した。

「あんた意外と筋あるかもよ!」

そんなものなんだろうか?
この人たちが言うんだから間違いないんだろう。でも僕が姫様と……?全然想像つかない。

(4)

深夜。
春の宵。愛莉は夢に添い寝をして寝ていた。
別にそれ自体に興味はなかったんだけど、愛莉に隠れて何かをこそこそするっていう後ろめたさが癖になって止められなかった。
愛莉をつついて熟睡しているのを確認すると、PCに向かう。
そして検索ワードを入力しクリックを……。
マウスを握る右手に白くて細くてきれいな手が重なる。
いつの間にか部屋の照明がついていた。
ああ、気付いていたんだね、愛莉。
振り向くとにこりと笑ってる愛莉が……。

ぽかっ。

「昨日はゲームで今日は動画?本当に懲りないんだね」
「愛莉起こしちゃった?ごめん……」
「そうじゃないでしょ!どうして分かってくれないかな~」

愛莉はベッドに腰掛けると悲しそうな顔をする。

「愛莉の目の前で見なけりゃいいのかと思って」
「また誠君に教わったの?」
「まあね」
「じゃあ、一緒に見よう?」

へ?

呆気にとられる僕をよそに愛莉は検索を始める。

「次から次へと誠君も良く見つけてくるね。で、冬夜君はどんなのがお好み……?」

気がついたら後ろから愛莉を抱きしめていた。

「今気になるワードは『愛莉』かな?」
「深夜だよ?週末までお預けじゃなかったの?」

動画を見ようとして彼女に見つかって、でも彼女は許してくれるどころか一緒に見ようって言ってくれてる。そんな愛莉の気持ち考えたら多少の親の苦情くらいどうってことない。

「また明日寝不足だな」

僕がそう言うと愛莉がキスをしてきた。

「朝まで寝かせないからお寝坊はないよ」

愛莉がそう言うと僕たちは少し広くなったベッドに入る。
防音工事も施された。この部屋で僕たちは春の宵を楽しむのだった。
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