優等生と劣等生

和希

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3rdSEASON

愛に変わる時

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(1)

「おはよう愛莉、朝だよ」

愛莉にそっと口づけをしたつもりだった。が、愛莉は僕の腰に手を回ししっかりと抱きつく。

「愛莉!そろそろ準備しないと」

愛莉は助手席では絶対に寝ないと誓っている娘だ。だったらその手助けをしてやりたい。
そう思って愛莉をギリギリまで寝せておいて準備を終えて起こそうとしたのだが。
愛莉の望み

キスで起こして欲しい。

それを実践した見たのだがごらんのあり様だ。

「愛莉、そろそろ出発しないと。早く準備して」
「や~だよ~。こんな幸せな朝滅多に味わえないんだから、今のうちに一杯楽しんでおかなくちゃ♪」
「こ、今夜また素敵な夜にしてあげるから……」
「本当に?」
「本当だよ」
「じゃあ、起きる」

そう言うと愛莉は起きてから、部屋を出て行った。
部屋に戻ってきて着替え、準備を始める愛莉を待つ間スマホを弄ってる。

「えっちな動画見てたら怒るよ。今日は素敵な日にしてくれるって約束したんだからね」
「見てないよ、今日の目的地確認してるだけ」

若干約束の内容が更新されているが気にしない。
愛莉の準備が済むとそっと家を出て車に乗る。

「忘れ物ないか?」
「大丈夫。冬夜君は?」
「愛莉が寝てる間に済ませておいたよ」
「?。どうしてすぐ起こしてくれなかったの?」
「愛莉寝不足になっちゃ悪いなと思って。今回は引き返す事出来ないから」

そう言って少し笑うと、愛莉は少し不思議そうにして、そして怒りだす。

「うぅ……冬夜君今日は素敵な一日にしてくれるって言ったのにもう意地悪言うんだ?泣いちゃうぞ」
「ごめんごめん、でも疲れたら寝てていいからな?」
「冬夜君こそ寝不足じゃないの?」
「昨日早く寝たから大丈夫、愛莉のおかげで気持ちよく眠れたよ」
「うん、でも早めの休憩大事だからね?」
「そんなに混んでなかったら幾つかPAがあるから寄っていくよ」
「は~い」

そうして僕たちは出発した。

高速道路に乗ってまずは長崎自動車道までめざす。
暫くして愛莉はFMラジオをつける。
軽快な音楽と共に、車を走らせていく。
やっぱり朝早かったのだろう、愛莉が辛そうだ。
僕も覚悟を決めていた。
多少の渋滞は止むを得まい。
愛莉が起きていればその時間もきっと良い想い出になるだろうから。
SAによると外に出る。

「また食べ物なの?さっきコンビニで買ったよ」
「いや、眠い時は外の空気を吸うといいらしくてさ」

そう言って深呼吸する。
愛莉も僕を真似て深呼吸する。

「愛莉車の中で待ってて」
「だから食べ物と飲み物は……」
「ちょっとぶらっと散歩するだけ」
「だったら私も行く!」

そう言って愛莉はついてくる。本当に散歩するだけなんだけどな。
愛莉を連れてお土産屋とか見て回る。流石にこの時間に開いてはいなかった。
ちょっとぶらりと回って車に戻る。
ナビを見て渋滞情報を確かめる。
うん、目的地のICまでは大丈夫そうだ。

「愛莉大丈夫か?眠くないか?」
「大丈夫、冬夜君こそ平気?」
「大丈夫。じゃあ、行こうか」
「うん」

再び車を走らせる。
山の中をひたすら走る。
1時間も走っていたら平野が広がってくる。
FMラジオの放送局が切り替わった。

「広いね~海まで続いているのかな?」

地平線近くにはビルが立ち並んでいる。
多分続いているんだろうな。
鳥栖JCTに着くとまっすぐ抜けて長崎道に入る。
暫くすると目的のICまで行くのだが……。
やはり渋滞が始まっていた。
でもICから40分で着くらしいのでそんなに慌てることは無い。
ラジオを聞きながら愛莉と会話すれば心にゆとりが生まれる。
するとようやくIC出口が見えた。
そこからはナビを見ながら、目的地・唐津まで行く。
国道はそこまで混んでなかった。
時計はお昼ちょいすぎくらい。目的の為ならお昼くらい我慢できるさ。
目的?
それは……。
ファーストフードのドライブスルーに寄るとハンバーガーを買って目的の旅館を通り過ぎていく。
愛莉も不審に思ったらしい。

「どうしてお店で食べなかったの?」
「ちょっとね……」
「?」

車を海岸沿いに止めると車を降り、愛莉と防波堤を上る。
腰掛けるとハンバーガーを食べ始める。

「これがしたかったことなの?」
「こういうデートしたかったんだよね」

海辺でご飯を食べながら愛莉と海を眺める。どこまでも続く水平線。
誠流に言えばロマンなのかな?
愛莉は笑って言った。

「そんなことなら地元でもできるでしょ?今度一緒に行こう?私お弁当作ってあげる」
「愛莉日焼けに弱いだろ?だから夏場になったら無理だと思って」
「じゃあ、陽射しが強くなる前にだね」

ハンバーガーが食べ終わった後も暫く二人で海を眺めていた。

(2)

朝早くユースホステルを出ると車を北に走らせる。
国道3号線を走り続ける。
朝のうちは良かったけど日中になると車が混みだす。
途中、コンビニに寄って昼食を食べる。
昼食を食べるとまたひたすら走る。
そんなに地元から出たことは無かったけど。
どんなところなんだろう?と期待していたけど、案外普通だった。
店は違うけどいつもと変わらない風景。
山道とかは多少違うけど、町並みはさほど変わらない。
変わっていたことと言えば路面電車が走っていたことくらいか。
僕が道を探しながら隣で地図を見ている君の幻。
触れては消えてしまう柔らかな恋。
熊本市内に入る頃には陽が沈みかけてた。
このまま北九州に抜ける事もできたんだけど、僕は左折した。
どうせなら九州全部網羅してしまえ。
フェリーに乗るためだった。
だけどフェリー乗り場に着いた頃には最終便が出てしまっていた。

「今日はここまでだな」

そう言うと僕は夕食の支度を始める。

ホームセンターで買ったポケットコンロと鍋を準備して鍋にコンビニで買ったミネラルウォーターを入れてお湯を沸かす。
沸騰した水に麺を投入して解すと、スープの粉末を入れる。そうしてインスタントラーメンの出来上がり。
ここのところインスタントラーメンとおにぎりしか食べてないな。
たまにはサンドイッチとかも食べた方がいいか?そういう問題でもない気がするけど。
そうやって外でラーメンを食べていると長距離トラッカーのお姉さんから声をかけられた。

「こんなところで何してんだい?家ででもしたのかい?」
「いえ、単に旅をしているだけです」
「旅?ならこんなとこで野宿してないで、ホテルにでも泊まればいいじゃないか?」
「あ、いや。お金ないからあまり無駄にお金使いたくなくて」
「……この時期多いのかねえ~あんたみたいに旅をしているヒッチハイカーを乗せたことあるよ」
「そうなんですか?」
「ああ、なんでも自分探しの旅だとか言ってたね。あんたの目的は?」

目的か。考えたこと無かったな。

「……なんとなく家を出て何となく辿り着いたって感じですね」
「放浪ってわけかい?」
「そうですね。敢えて言うなら九州を一周してみたいなって思ったくらいかな」

そうしてお姉さんとしばらく話をしていた。
「生まれはどこ?」とか「何をしているんだい?」とか「今何歳?」とか……。
お姉さんの事も色々聞いていた。
東京の生まれらしい。高校を卒業した後職を転々として今の職についたんだとか。

「こうして全国各地を転々としてるのが性に合っているみたいでねえ」とお姉さんは笑っていた。

話をしていると22時を回っていた。

「おっと、そろそろ寝ないと始発に間に合わない。あんたも長距離運転するんなら早めに寝て疲れとっときな」

そう言ってお姉さんはトラックに戻った。
僕も車に乗り込む。
月が丸くてきれいだった。
月明かりが海に照らされ海に光る道を作り出す。
この海の先には何がまっているのだろう?
僕はシートを倒し、仰向けになる。
星が綺麗だ。
そんな事を考えながら眠りについていた。

(3)

喫茶店青い鳥

今日も彼の働いてる職場に足繁く通う。

「休日くらい休めばいいのに、お金なら心配いらないわよ」と私が言えば「紐にはなりたくないですから。車のローンもあるし……」と彼は答える。

カランカラン。
心地よくドアベルが鳴る。

「いらっしゃいませ」と彼の声が聞こえてくる。

「いつもの」と頼めば彼は「かしこまりました」と答えて厨房にいるマスターに伝える。

メニューの内容で客の見分けが出来るようになったらしいマスターは「連休なのに彼女かい。ここをデートスポットにしてるんじゃないだろうな」と大声で言う。
デートスポット……。
そう言われると彼にまだデートに誘ってもらったことが無いわね。

「善君。連休中に休みはとったの」
「連休明けに取りました」

それじゃ意味ないじゃない。
でも連休明けの方が都合がいいわね。

「それで……」
「それじゃあ……」

二人の声が重なった時。カランカランとドアベルが新たな来客を訪れる。

「今日は志水さん一人だけですか?」

西松の登場だった。

「いらっしゃいませ」

嫌な奴とはいえ客は客。彼は営業スマイルを崩さず席に誘導する。
が、彼はなぜか私の隣に座っていた。

「連休なのに熱心ですね」
「あなたもね」
「彼はデートに誘ってくれないんですか?」
「生憎とあなたと違って暇じゃないみたい。バイト三昧の連休だそうよ」
「それはお可哀そうに。彼女の事をまるで考えてないみたいだ」
「そうでもないみたいよ。善君。さっき何を言おうとしてたの?」

彼は何も言わずネクタイをただす。

あとで、家で話します。

そう言う彼と私だけのサイン。
私はそれ以上彼に言わなかった。そうなると調子に乗るのがこの下種。

「折角の連休だしもったいない。僕の暇つぶしに付き合ってもらえませんか?」

恵美に水をかけられたことも忘れてるのかしらこの下種は。
同じ手を使おうかしら。
その時、ふと閃いたアイデア。
この男を悔しがらせる方法と、善君をその気にさせる一石二鳥の案。

「いいわよ、何時に待ち合わせ?」
「え?」
「へ?」

訝し気に聞き返す西松と、間の抜けた表情の善君。

「いいんですか?」
「暇つぶしでしょ?いいわよ。私も暇だし」
「じゃあタワーホテルでディナーでも……」
「お泊りは無しよ。そこまで安い女じゃないわ」
「じゃあ明日の18時半に」

西松の浮かれようと善君の落胆ぶり。
良かった。私善君に嫌われているわけではないみたい。

(4)

頭を強く殴られた感じとはこの事だろうか?
こんな感じになったのは、一ノ瀬さんに振られたとき以来だろうか?
まだなんとなく実感がわかない。
バイトが終わった後家に帰ると晶ちゃんは笑って出迎えてくれた。
この笑顔を見るのもあと何回だろう?
今日の夕食もまた一際豪華なものだった。
僕が晶ちゃんに渡してる生活費は微々たるものなのだろうな。
やっぱり金持ちは金持ちと?
でも石原君は例外みたいだけど。

「聞いてたと思うけど明日は西松とディナーだからは夜は一人で食べてね」

「浮気しちゃだめよ」と笑いながら付け足した。

じゃあ自分のしてる事は何なんだ!?
ワインを一気飲みする。

「そんなペースだとまた酔いつぶれちゃうわよ」

酔いつぶれて何もかも忘れたい気分なんだ。
食事が終わった後晶ちゃんは後片付けをしていた。
僕はそんな晶ちゃんをぼーっと見ていた。
こんな日常ももうすぐ終わるのか。
引っ越し先探さないとな。
家電製品も買いなおさないと。
そんな事も吹き飛ばすほどの脱力感。
どうせ振られるなら……。
まだ付き合ってるという既成事実があるうちに!

「晶ちゃん!」
「どうしたの?」

晶ちゃんが作業を止め振り返る。
酔いの勢いもあったのかもしれない、しかしやがて振られるという事実が僕を後押ししていた。

「この後一緒にお風呂に入ろう」
「……いいけど?」

突然の僕の提案に戸惑いを見せる。


浴室で一糸纏わぬ晶ちゃんを始めてみた。
今まで付き合ってきてやっと見ることが出来た。
これで終わりそんなはずはない。
シャワーを浴びる晶ちゃんに背後から抱き着く。

「……そういうことなら、ベッドの中でお願い」

そう一言告げる。
冷たく聞こえたのは気のせい?


ベッドに入ると彼女の上に覆いかぶさる。
彼女の顔から余裕の笑みは消えていた。
緊張している?
彼女のパジャマを脱がすと僕も脱ぐ。
そしてキスから始まり全身を愛撫する。
晶ちゃんは恥ずかしがりながらも小さく声をだし、息遣いが荒くなる。
どうせ振られるなら振られる前にやってしまえ!
快楽と後悔と脱力感と空しさ。
それらが混在した愛の時間はあっという間に終わった。


事後、僕は一人冷蔵庫を漁り缶ビールを持って部屋に戻ると晶ちゃんは髪をブラシで梳かしながら僕を見ていた。

「わたしにも頂戴」

晶ちゃんにビールを渡し、隣に座る。

「ありがとう、初めてよ。凄く気持ちよかったわ」
「それはよかった。……西松君の方がきっとうまくリードしてくれるよ」

そう言って僕はビールを飲む。

「あなた勘違いしてない?私別に彼に落とされたつもりないけど?」

え?

「でも彼の誘いに乗ってたじゃないですか?」
「暇つぶしよ、もう一つ目的はあったんだけどね」
「目的?」
「いいのよ、その目的はちゃんと成功したみたいだから。善君も男だったみたいね。安心したわ」
「?」

晶ちゃんは言う。

僕は晶ちゃんからアクションを起こさないと何もしてくれない。でも初めての相手くらい男性から誘って欲しい。だからそうなるように仕向けた。西松の誘いに乗って僕を焦らせることによって。

「けど危険すぎやしないかい?もし晶ちゃんの身に何かあったら」
「私には風見がついている。間違いなんて起きはしないわ。それとも何?あんな男に抱かれる安い女と見てる?」

そう言って僕をデコピンする。

「今夜は飲みましょう。お互いがやっと一つになれた。気持ちも一つになれた。やっと私の愛を受け入れてもらえた祝福する日だわ」

彼女の顔を見て安心する。僕は晶ちゃんとまだやっていけるようだ。
スマホが光っているのに気づく。メッセージを着信していたらしい。

西松君が晶ちゃんを落としたと豪語している。
晶ちゃんのスマホにもたくさんの個人チャットが流れているらしい。
笑いながら返信する晶ちゃん。

「勘違いしないで。暇つぶしに付き合ってあげるってだけ。落とせるのかどうかはこれからよ」
「チャンスさえあれば落とす自信がある」
「その自信過剰が仇にならないといいわね。あと一つだけ礼を言っておくわ」
「礼?」
「あなたのお蔭で彼がやっと行動を起こしてくれた。愛情を見せてくれた。ありがとう」

「さ、ゆっくり飲みましょう?ビールじゃあれね。ワインとってくるわ」

そう言って彼女は部屋を出ていく。
記念すべき八十八夜となった。

(5)

冬夜君はギリギリまで考えていたらしい。
佐賀牛にするかイカの活き作りを堪能するか?
冬夜君にはさぞ苦渋の決断だったんだろう。
イカを選んだ。
検索したら佐賀牛は佐賀でなくても食える!
呼子のイカは新鮮さが命!!
そう熱く語ってくれた。

それを見た時私はちょっと悲鳴を上げた。

「冬夜君これ生きてるよ!」
「そりゃ活き作りだもん」

うねうねしてるのが気持ち悪くて食べれないよ。
冬夜君はお構いなしに食べる。

「あ、美味しい。愛莉も食べなよ」
「わ、私は他のメニューでいいよ」

覚える私に冬夜君はくすっと笑ってイカをとる。

「目を閉じて口を開けて。見なければ大丈夫なんでしょ?」

ぱくっ

「あれ?」
「な?美味しいだろ」

冬夜君が微笑んでいた。
歯ごたえも良く、甘みもたっぷり。
冬夜君に餌付けされる私。
ちょっと恥ずかしくもあったけど、愛情も調味料だもんね。


その後シャワーを浴びてツインベッドの片方に二人で入る。

「明日の朝も早いし早く寝ようか?」

ぽかっ

「朝の約束忘れてる~」

私が不満を漏らすと冬夜君は謝ってくれた。
ベッドに入ると冬夜君に抱き着く。
冬夜君はスマホを見てから固まってる。

「どうしたの?」
「志水さんが西松君の誘いに乗ったって」
「え?」

私も自分のスマホを見る。女子会の方で大荒れしてる。
けど志水さんの一言で収集がついたようだ。

「気をつけてね」と返すと「どうってことないわ、それより善君がやっと私としてくれたわ」と返ってきた。

「よくしてもらえたね?何か秘策があったの?」
「西松を利用しただけよ、彼かなり焦っていたみたい」

冬夜君も似たようなものだったな。
男の人って切羽つまらないと行動しない生き物なのかな?
今の冬夜君は違うけど。
ちゃんと心の中を見てくれる。
そして対応してくれる。
冬夜君は見返りを求めてこない。
まだ照れてるのかな?
飾らなくて良いんだよ。
ありのままのアナタを見せて。
そうして夜を過ごす。
暮春の旅の始まりはそんな感じだった。
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