優等生と劣等生

和希

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4thSEASON

私の人生の上の光

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(1)

「それじゃ、新しく入った2名の歓迎と冬夜の壮行会を始めるぞー。乾杯」

渡辺君がそう言うと皆盛り上がりだした。
僕のテーブルには愛莉、渡辺夫妻、晴斗、白鳥さんが座っている。

「いや~マジ参ったっす。まさかバイトクビになるとは思ってなかったっす」
「……ごめんなさい」

明るく笑う内容なのかどうかは置いておいてやけに明るい晴斗と対照的に沈んでいる白鳥さん。
クビになった理由は晴斗は20歳未満だからと言われたらしいが、本当の理由は恵美さんの調査でわかっていた。
晴斗君が務めていた居酒屋のチェーン店の会社の筆頭株主に白鳥ホールディングスがなっていたらしい。
上からの圧力がかかったのだろう。
その報復措置は連休明けにでもやるらしい。
だから連休はバイトの事は忘れて楽しめと恵美さんが言う。
晶さんも報復に加わるつもりだとか。
この二人には絶対逆らえないんだろうなぁ。

「まあ、春奈もそんな落ち込むことないっすよ。新しいバイトもすぐ見つかるっす」
「白鳥!元気出せ!少しくらい晴斗の明るさ見習った方がいいぞ」

美嘉さんが言う。

「でも、私がいると皆さんに迷惑をかけてしまうかもしれない」

白鳥さんが言うと僕は「そうだね」と言った。

結果皆から非難を浴びる。

「だから白鳥さんは渡辺班から出ていてもらうって言ったらどうする?」
「え?」

今の白鳥さんならはっきりと読み取れるその感情。

「それでいいんだよ。君がいたいと願うならいると良い。渡辺班は絶対に君を見捨てない」
「とーやの言う通りだぞ!そんな薄情な奴渡辺班にはいねーぞ!なあ皆?」

美嘉さんが言うと皆が歓声を上げる。

「でも、皆さんにご迷惑を……」
「そういう圧力に強いのが渡辺班よ。心配いらないわ。来月には解決してるから」
「でもそれって白鳥さんの家がやばくなるんじゃね?大丈夫なのか?」

桐谷君が言う。
それもそうだよなあ。

「たとえ白鳥さんの家がどうなろうと白鳥さんの人生は晴斗君が照らしてくれる。そうでしょ?晴斗君」

愛莉が言うと晴斗は胸を張って叩いた。

「当たり前っす!そん時はそん時!大学辞めて働くっす」
「晴斗さん、私はまだあなたと交際するって決めたわけじゃないわよ」
「俺、諦めませんから!」
「そう」

また殻にこもってしまったようだ。
でも前ほど固いからじゃない。ちょっと叩いてやるだけでひび割れるほどの殻。
寧ろそこから出して欲しいように見える。

「冬夜は明日からだっけか?」
「そうだけど?」

今回はただの顔合わせと、練習と言うより招待試合がメインらしい。
それでも朝一の飛行機で東京に飛ぶ。

「大丈夫だろうな?また調整不足とか故障とか勘弁してくれよ。お前の報告はいつも悪いことから始まるんだ」

佐(たすく)が言う。

「俺も言ってるんだけどな。今日発った方が良いんじゃないか?って」
「しかも前日に飲み会って何考えてるんですか?」

渡辺君と佐倉さんからも注意を受けた。

「今日は授業があったでしょ?それを理由に明日の朝一に発つっていったの」

愛莉が言うと皆が納得した。
折角皆と顔合わせするんだ。出ておきたいじゃないか。

「今度の対戦相手はどこなんだ?」
「台湾っていってた」

誠の質問に答える。

「台湾は大丈夫なんでしょうね?またラフプレーをしてきやしないでしょうね?」

恵美さんが言うと佐倉さんが答えた。

「そういうチームではないです。ただセンターがたっぱもあるし、すごいでかくて日本のセンターで太刀打ちできるかが問題ですね」

「トーヤ。後半の合宿はこれるんだろうな?」
「そのつもりでいるよ。佐たちもくるんだろ?」
「そのつもりなんだけどな……」
「合宿の内容は聞いてます。先輩に手荒な真似はしないでくださいね」
「分かってるわよ。怪我でもされたら責任とれないわ」

佐と佐倉さんと恵美さんが言う。

「合宿ってみんなで泊まるんすか?」

晴斗が食いつきが早い。
目がキラキラ輝いている。
そんなに良い物でもないぞ。

「皆で泊るんだけど男性陣にとっては地獄だよ」

酒井君が言うと何人か男性陣が怯えている。

晴斗には分からないようだった。
まあ、分からないことが良い事もあるよな。

(2)

帰りは、送迎の車で帰った。
檜山さんを乗せている。
立場上まだ私と檜山さんは交際をしていることになっているから、誰も不審に思わなかった。

「晴斗とはどうだ?上手くいってるのか」
「わからない。ただ……」
「ただ……?」

檜山さんが聞き返す。

「……何でもないです」

檜山さんに言うべきことなのかどうか迷った。
でも、渡辺班に相談したらどうせ分かってしまう。
言ってしまってもいいんじゃないだろうか?
ただ、運転手が聞き耳を立てていることを考えると言いづらい物があった。
その事に気づいたのだろうか?
檜山さんはスマホを操作する。
私のスマホが鳴る。

「まだ躊躇いがある?」

私も返答する。

「恋と言う感情の正体を知らない。ただ覚えたのは彼を失うことが怖い。それだけ」

檜山さんはくすっと笑う。

「本当は見えない明日にただ焦っている。晴斗の前では強がりを言う毎日だ」

私の気持ちを綴っているのだろうか?

「今はさび付いた青い空でもいつか見る青い空に重ねてる皆の夢、幸せになるためにそして自由になる為に」

皆の夢?それは何?幸せになるため?自由を得る為?

「もうそろそろ自分の殻から飛び出してもいいんじゃないか?君の人生は晴斗が照らしてくれるよ」
「それって晴斗さんと付き合えって事?」
「失いたくないんだろ?」

それを言われると返す言葉が無くなる。
このもどかしい気持ちが恋なの?

「私は今恋をしているのですか?」

そう檜山さんにメッセージを送った。

「勘違いだ。そう言ったら納得できるか?晴斗が他に彼女が出来たことを想像してみろ」

そんな事考えられない。
想うだけで胸が苦しい。

「それが答えだよ。小さいながらも君の心に芽生えた感情だ」

檜山さんの家につく。

「じゃあ、また合宿で」
「はい、また」

合宿の時に女子に相談してみよう。
家に帰るとシャワーを浴びて洗濯機を回す。
父さんとの一件が会ってから考えていた事。
私も自立しよう。
父さんが圧力を加えてくるかもしれないけどそれでもバイトしよう。
父さんが邪魔をしてくるなら父さんから自立しなきゃいけない。
そこまでして守りたいもの。
その正体が恋なの?

テレビを見ながら皆のやり取りを読んでいると突然電話が鳴った。

「今日はおつかれっす」
「……どうしたの?」
「いやあ、寝る前に声聞きたくて」

そんなストレートな言葉に胸が締め付けられる。

「じゃあ、もう聞いたからいいよね。おやすみ」
「わあ!ちょっと待って!少しは話したいっすよ」
「……わかったわ。少しだけね」
「……今日の件、まじ気にしなくていいから」

気にするなって言われて「あ、そう」と言える人間では私は無い。

「話はそれだけ?」
「いや、気にしてるかなと思って」
「それは気にするわ。軽はずみな行動はとらないでね。父さん色々手を回してくるから」
「心配してくれてるんすね」

私が晴斗さんの心配をしてる。
言われて初めて気がついた。
でもそれは恋とは関係ないと思う。

「心配くらいはするわ。私はそこまで薄情な人間じゃない」

嘘だ。感情なんて持ってなかった。
それを渡辺班は引きずり出してくる。
だけど渡辺班を抜けたいと思ったことはない。
寧ろ私が知らなかった一面を引きずり出してくれる渡辺班に感謝している。

「それでもいいっす。マジ嬉しいっす」

彼の言葉に嘘偽りはないんだろう。

「じゃあ、また明日」
「明日また会ってくれるっすか?」

そんなに私に会いたいの?
どうしてそんなに会いたいの?

「特に予定はないけど」
「じゃあ、明日はまた海に行くっす。今度は昼前くらいに迎えに行くから」
「わかった」
「じゃあ、また長話してると春奈に迷惑かかるから切るっすね」
「待って!」

私は彼を呼び止めていた。

「どうしたんすか?」

何も考えていなかった?単純な質問をぶつけていた。

「どうして私に拘るの?私といても退屈だし、迷惑かけるし」
「……好きな人に拘って何か問題あるんすか?」

直球すぎる言葉に私の心は揺れる。

「そう」

余りにも素っ気ない私の言葉。感謝の言葉くらいかけてもいいのに。

「じゃあおやすみっす」
「……お休み」

私は女子会グルにメッセージを送っていた。

「明日も晴斗さんに誘われました」
「よかったじゃねーか」

美嘉さんが言う。

「どうしたらいいんでしょう?」
「いけばいいじゃないか?何を戸惑っているんだ?」
「彼に期待を持たせるのは悪いのかなと思って」
「そう思うなら断ればいい。話は簡単だ」

終わりにすればいい。
その言葉に胸が締めつけらっる。
どうしてこんなに苦しいの?

「……っていったらどうする?」

神奈さんが言う。

「苦しいです」
「恐れるな、お前の人生は晴斗が照らしてくれるよ。がむしゃらに生きろ。晴斗がお前を守ってくれる」
「もうそろそろ自分の殻から飛び出そう?一つの光に憧れているんでしょう?」

遠坂さんがいう。
憧れ。
この感情はそう呼ぶのか。
皆が私の背中を後押ししてくれる。
一歩先は闇だけど。
殻の中に閉じこもっていても仕方がない。
その一つの明かりを彼が照らしてくれるなら、私はその光の道を進んでいこう。
きっと素敵な世界に連れて行ってくれるだろう。

(3)

2次会に集まったのは渡辺夫妻、西松夫妻、木元夫妻、酒井夫妻、桐谷夫妻、多田夫妻、そして恵美。
いつものスナックで話していた。

「晴斗の奴大丈夫かな?」

美嘉さんが心配している。

「大丈夫、連休明けには私達が白鳥ホールディングスに乗り込むわ」

恵美がそう言って笑みを浮かべる。

「アポはとってるのか?」
「新條が手配してある。問題ないわ」
「学生4人が行ったところで追い返されるんじゃないでしょうか?」
「そんな馬鹿な真似するわけないでしょ?ちゃんと準備してあるわよ」

僕が言うと恵美が答えた。

「そっちは酒井と石原に任せるとするか……、ところで木元先輩と西松はとりあえず話は聞いたけど他の皆もどうしたんだ?」
「渡辺君、今はその話は……」

木元先輩が渡辺君に言う。

「こういう話は夫婦そろって話した方が良い。隠し事するとまた面倒になる」

渡辺君はそう言う。
すると木元先輩を筆頭に次々と男性陣が悩みを打ち明ける。
内容は違うが簡単に説明すると皆共通していた。

「妻の不満にどう対応すればいい?」

確かに妻の前で言う言葉じゃないよね。
僕は大丈夫、いつも妻には頭が上がらないから。
酒井君も同じ様だ。

「一番は黙って言うとおりにする事だと思いますよ」

酒井君が言う。

「酒井、それは違うだろ。自分の主張もしっかり言うべきだ。そうやってぶつかり合って初めて絆が強くなるんだ。冬夜達を見てたらわかるだろ?」

渡辺君が言う。

「恋人でも夫婦になっても変わらねーよ。男がしっかり支えてやればいい。男がしっかりしてねーから嫁さんだって不安になるんだ」

神奈さんが言う。

「難しい事はないんじゃね?夜はまっすぐ家に帰る。家事を手伝う。それだけのことだろ?」
「桐谷君、そうは言うがそれが難しいんだ」
「桐谷先輩のところは不満はでてないのか?」

桐谷君が言うと木元先輩と西松君が言った。

「しょっちゅう言われてるよ。もう慣れた」
「慣れるな馬鹿!」

亜依さんに頭を叩かれる桐谷君。

「俺は出来るだけ、神奈の手伝いをして神奈の不安をとりのぞいてやってるかな?」

多田君は上手くいってるらしい。

「俺もだ、家事は手伝って。美嘉が帰ってきたらお疲れと言ってやる。それだけでだいぶ違うぞ」

渡辺君も上手くいってるらしい。

「石原君のところはどうなんだい?」

酒井君が聞いてきた。

「酒井君と同じだよ。妻の不満を受け止めてやる。自分で解決できることは解決してやる。それだけの事だよ」

結局男が動くしかないんだろうな。そして動揺しない。そんな単純な事なのかもしれない。

「また男子会やるか?不満溜まってるみたいだし。はけ口が欲しいんだろ?」

そんな事言ったらまた喧嘩の火種になるよ。渡辺君。
妻に不満があるってカミングアウトしてるようなものじゃないですか?

「そうやってこそこそやるからイライラするんだよ。言いたいことあるなら言えば良いじゃねーか」

神奈さんが言う通りだと思う。
渡辺君は苦笑いをする。

「かずさんは、不満をぶつけて良いと言ってくれました。私もかずさんの不満受け止めるつもりです。何が不満なんですか?」

花菜さんが言う。

「いや、不満て言う事でもないんだが……」

木元先輩は言葉を濁す。

「はっきり言えよ!それがイライラさせるんだよ」

神奈さんちょっと飲み過ぎじゃないですか?

「戸惑ってるだけだよ。花菜に不満ぶつけられて、どう扱っていいか分からないで困っている」
「俺もだ、深雪に不満言われて戸惑っている。そんなこと初めてだったから」

木元先輩と西松君はそれぞれ思ってる事を口にした。
神奈さんは言う。

「そんな事くらい大したことねーだろ。奥さんはもっと不満を抱えてるんだ。同時に不安だってある。それを受け止めるくらいの度量みせろよ」
「神奈のいう通りだぞ!そのくらいの度量は持てよ」

美嘉さんも言った。

「4月になって皆新生活で不安になってることだってあると思うんだ。けどやっぱり見本は冬夜達だよ。なんだかんだ言ってうまくやってるしな」

渡辺君が言う。

「あの二人もぶつかり合ってきたもんな」と神奈さん。

「俺はやっぱり包容力だと思う。奥さんの愚痴・不満・不安くらいだ待って受け入れてやるべきだと思う」

渡辺君が言うと多田君たちが頷く。

「それで夫婦円満になるならそれでいいんじゃないか?」と多田君は言う。

「じゃ、これで解決かな?」と渡辺君が言う。

男性陣はうなずいた。

「じゃ、ここからは嫌な事忘れてパーッといこう!ママさん端末貸してくれ」

渡辺君が言うとママが端末を持ってきてくれた。
そこからはカラオケの時間。

「ねえ、望」

恵美が聞いてきた。

「どうしたの?」
「望も不満とかあるの?」
「特にないよ?」
「ならいいんだけど」
「気にしなくていいよ、情けない僕でごめんって思ってるくらいだよ」
「情けなくなんかない!望はしっかりやってるよ。自信もって」
「ありがとう」

恵美はドリンクを飲むとおかわりを注文する。
僕も注文した。
その晩は皆でカラオケで盛り上がった。
嫌な事を全部忘れて、朝まで盛り上がった。
そして朝陽が差すころタクシーで帰る。
腕の中で眠る彼女を抱いて。
また、何かあったら集まろう。
不満や不安を打ち明けよう。
皆で考えたらきっと解決策が出る。
そして解決したら騒いで忘れよう。
そうやって新しい一日が始まるんだから。

(4)

冬夜君はキャリーバッグに荷物を詰めて確認している。
明日の朝は早い。22時には眠っていた。
私はテレビを見ながらスマホを弄ってる。
渡辺班の中で動きがあったみたいだ。
白鳥さんの事が大体だった。
白鳥さんの心は既に恋に陥ってるんじゃないか?
だけど冬夜君は言う。

「まだ白鳥さんに言ったらだめだよ」って

理由を聞いてみた。

「今言ったらまた殻を作ってしまう。自分で殻から出てその光の正体に自分で気づくまでは言ってはいけない」と冬夜君は教えてくれた。

冬夜君は何でもお見通しなんだね。
でも女子会チャットに届いた。

「これは憧れと言う感情なんでしょうか?それとも……」

もう本人は気づいてるみたいだ。
どう答えたらいいんだろう?
冬夜君ならなんて答えるだろう?
咲さんが答えてくれた。

「それは他人に言われて気づくものじゃない。自分で悩んで初めて覚えるものだから」と

「そういうものなのね」

白鳥さんはそう言った。
それってやっぱり自分で気づいてるんじゃないか?
また明日誘われたと聞いた。
白鳥さんは承諾したらしい。
どんなCDを持って行けばいいかと聞かれた。
皆が頭を捻っている。

「自分が好きなものでいいんじゃない?」
「好きなのがわからない」と白鳥さんは言う。

適当にJ-POPの曲をチョイスしてみた。
そのCDを持っていないという。

「今ならスマホからカーステレオに通せるからダウンロードすればいいよ」と教えてあげた。
「ちなみに晴斗君はどんなの聞いてるの?」
「ヒップホップって言ってました。とにかく五月蠅いんです」と。

なるほどね~。
私は笑っていた。
23時を回った頃。
私はゲームをしていた。
冬夜君がやっていた、戦闘機のやつ。
チュートリアルすらまともにクリアできない。
うん、私には無理。
そろそろ寝ようかな、
テレビを消して照明を落としてベッドに入る。
明日からまた冬夜君は東京に行ってしまう。
たった3日だけど寂しいよ。
でも明日も変わらずに笑っていよう。
一生懸命生きる事も、精一杯挑むことも恐れずに進んでいけるように冬夜君を笑って送り出してあげよう。
それが私に出来る精一杯の事。
冬夜君の人生を照らしてあげられるように。
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