優等生と劣等生

和希

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4thSEASON

審判の日、真冬のディール

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(1)

「冬夜君おはよう、朝だよ~」

僕は貝だ。
貝のように海の底で眠っていたい。

「うぅ……、いつもいつも困った旦那様ですね~」

きっと愛莉の体は暖かいんだろうなぁ~。

「いつもいつも同じ手だと思ったら大間違いなんだから!」

愛莉はベッドを出る。

「うわっ寒いっ!」

そろそろ朝に暖房タイマーしておかないと駄目かな?

「そりゃあ!」

愛莉は布団と毛布をはぎ取る。寒い!

「ほらっ!体温めに行こう!まずは顔を洗ってしゃきっとしてくる!」」

さすがに寝間着一枚で布団も被ってないのは寒い。
僕はたまらず起き上がると愛莉に言われたとおりに顔を洗いに行く。

「顔を洗ったら早く着替える!」
「愛莉キャラ変わってないか?」

熱でも出たのか機嫌が悪いのかどちらだ?

「こういう愛情表現もあるんだよ?って教えてくれたの~」
「誰に聞いたの?」
「麻耶さん」

母さんめ余計な入れ知恵を……。

「着替えたら早く日課済ませよう?」

僕と愛莉はベンチコートを着て、外に出る。
日課を済ませたら、シャワーで温まる。
愛莉はいつも通り朝食を作っている。
シャワーを浴びる頃には朝食も出来上がっていた。
仕度を済ませると愛莉がシャワーから出るのをダイニングで待つ。
愛莉がシャワーから出たのを確認するとインスタントコーヒーにお湯を注ぐ。
愛莉のにはミルクと砂糖を混ぜて。
こんな寒い冬だ、温かい物を飲ませてやりたかったからこのやり方でやってる。
部屋の暖房は入れてある。
テレビをつけて、愛莉と身を寄せ合いながら飲み物を啜りテレビを見る。
いつもと変わらないニュースだった。
愛莉はスマホを見てる。
多分ユニティの皆とのやりとりだろう。
僕はネットのニュースを見る。
何の変りもない。普通のニュース。
金融経済のニュースも何の変りもない。
誠からメッセージが入る。

「噂になってる。地元証券の株大量買い注文の噂」

やはり仕掛けるのは今日か。
恐らくXデーの来るギリギリまでこちらの動きを伺っていたのだろう?
どうして買い注文の噂を流すのかって?
買が優勢になれば相場が強気になって株価が上がるからに決まってるからじゃないか。
憲伸の考えてる事は手に取るようにわかる。
前場で上げるだけ上げて売り抜けようって魂胆だろう。
信用取引の人も巻き込んで値を吊り上げるつもりだろう。
どこに売り注文のオーダーを入れてるのか分からないけど、そこでもみあいになるはず。
そして来週の前場には……ってシナリオなんだろうけど。
僕達はこの日がくるまで手を出さなかった。
相手も検察庁に持って行いこうとした偽物を本物と勘違いしたのだろう。
何もしてこなかった。
そう思わせる為に何もしなかった。

「冬夜君そろそろ学校だよ~」
「あ、そうだね。今行く」

陽線の続く時間足をスマホで確認しながら部屋を出る。
車を運転してる間もホルダーにセットして確認してる。

「ねえ冬夜君?」
「どうした?」
「これ普通のグラフじゃないよね?な~に」
「ローソク足ってやつだよ?」
「ろーそくあし?」

ローソクは実体の柱と上ヒゲ下ヒゲからなるもの。今見てるのは時間足だけど1分足なんてものから1日足、月足なんてのもある。
実体には2種類あって始値より終値が上だと陽線、始値より終値が下だと陰線と呼ばれる。
その時間ごとに高値と安値があって実体と高値安値を結んだものをヒゲと呼ぶ。
それを見てトレーダーはこの銘柄は今上向きか下向きか、もしくはそこにある注文の厚さを確認する。

「それで今どうなってるの?」

愛莉が聞く。

ローソク足は陽線だけど、相場が開いた時ほど実体の幅は小さく、ヒゲもそんなにない。
恐らく憲伸が最初に買い注文を出して買値をストップ高まで上げて利確しているんだろう。
その事を愛莉に説明する。

「それでどうなるの?」
「憲伸は多分今日中に持ち株全部を売る気だ。ストップ安までは下がらないはず。相場が強気だから」
「するとどうなるの?」
「憲伸は多分最高値に近い状態で持ち株を売ってぼろ儲け。来週開けには株はごみ屑となってる」
「それじゃ、憲伸の思うつぼじゃん!」
「最後くらいいい夢見させてやろう。どうせ幻の金になるんだから」

車を駐車場にとめると愛莉と棟まで歩く。

「ね~なんで幻なの?インサイダーの罰金は500万円以下って書いてた。それ以上儲けてたら憲伸の儲けじゃない?」
「インサイダーで得た利益は全て没収なんだ」
「なるほどね~。で、それが憲伸失脚になる理由は?」
「社会的抹殺は免れないよ。高橋グループにも何らかのペナルティがくるだろうし」
「でも……」

愛莉が耳打ちする。

「地元証券が破綻したら。被害を受ける人はどうなるの?」
「まず地元証券にお金を預けてた人は基本的に証券会社の資産とは別に管理されてるから保証される」
「それで?」
「次に、現物取引をしている人は地元証券の株がごみくずになるだけ。それ以上の負い目は無い」
「それは授業でいってたね」
「問題は信用取引だけど、こればっかりは自己責任だね。こっちから色々忠告したら風説の流布になってしまう」
「しんよー取引?」
「元金を担保に多額の金を借りてそれで取引することだよ。損失がでかいと元本以上の損失がでて追い金が発生していしまう」
「先物買いとかFXとかしてる人がやってる奴だね」

最近法改正されたあれだね。と愛莉は付け足した。

「でも可哀そうだね。なんか憲伸の思惑通りになってる気がして」
「そうならないように警察庁に資料を提出したんじゃないか?」
「ああ、そういうことなんだ。それでXデーは12月25日……」
「ああ、クリスマスに派手にやろう!」
「うん」

愛莉と教室に入ると、花菜さんがいる。

「いよいよですね。ストップ高入ってますよ」
「みたいだね」
「仕掛けはしてるの?」
「遠坂警視には話してある」

絶対に逃がさない。

(2)

地元証券本社前。
金融庁の人と打ち合わせをしていた。
11時半、一斉に踏み込む。

「あなた方は何の用でしょうか?」

受付の係の人が叫ぶ。
俺は手帳を見せる。

「県警捜査4課の遠坂だ。礼状ももらっている。資料の押収をしに来た」
「今上の者に確認取りますのでしばらくお待ちください……あっ!ちょっと待ってください」

女性が叫んだのは俺達がエレベーターに向かったからだ。
財務部。多分ここだろう?
フロアに向かうと一斉に資料の押収に向かった。
金融庁の人がそれを見て驚いている。

「これなら今日破綻してもおかしくない業績だ。寧ろ今までよく隠し通してきたな」
「最高経営者は?」
「きょ、今日は出張です」
「逮捕状を後日とってくる……休み明けにはまた来る」
「わ、わかりました」

俺達は資料を全て押収して撤収した。
高橋グループにも同様の捜査を行う。

「捜査4課には関係のないやま。ここは2課に任せてもらおうか?」
「俺は警察庁からの特命を受けてこのやまを担当させてもらってる。……2課も捜査対象だ」

そう、今日の操作は一斉検挙。高橋グループ、須藤グループ、そして太陽の騎士団に対する一斉摘発。
証拠は警察庁に送付済み。
礼状をとって捜査してる。

「責任はお前が取るんだろうな?」

2課の刑事が脅す。

「責任を取るのはどっちかな?」

俺は答える。
2課の人間は黙って帰っていった。
今回の検挙の事はまだマスコミには取りあげられないだろう?
だが、組織にメスを入れる事には成功した。
地元の闇を太陽の下に引きずり出すことに成功した。
彼等にとって歓喜のクリスマスは恐怖に塗り替えられることだろう。
表にはできないが、これはユニティの功績だ。
その事は警察庁長官の耳にも入っているだろう。
だが、彼等は名誉など望まない。
望むのは平穏な一日。
ならば、無理に彼等を引きずり出す必要もない。
ようやく彼らに平穏な一日が訪れようとしていた、

(3)

「どういうことだ!?」
「ですから警察庁の特命だとおっしゃって」
「警察庁だと!?」

秘書の言う事に腹を立てながら落ち着こうとしていた。
タバコの量が増える。
すると電話が鳴った。

「なんだ!?」
「儂だが?」

その言葉に戦慄した……。御前からだった。

「これは失礼しました」
「どうやら失敗したようだの」
「検察庁は押さえてあると思っていたのですが」
「警察庁が立件したのなら検察庁も動かずにはおれまいて」
「どうなさるおつもりで」
「儂はこれから入院する」
「はい」
「後始末はお前たちの手で行え。太陽の騎士団にまでは届かないだろう」

それは届かせるなという意味だろう。

「承知しました」
「あの子供たちももう成年。責任は自分で取るだろう」

制裁を加えろという事だろうか?

「今すぐ動くのは危険では?」
「そうだな、今はとにかく警察・マスコミの目を誤魔化せ」
「御前には手の届かないようにいたします」
「任せる」

そう言うと電話は切れた。

天翔ける龍の牙も爪も地に伏せる彼等には届かなかった。
それどころか彼は天に唾を吐いてみせた。
それがどうなるかは彼らに思い知らせる必要がある。

「俺達の出番か?」

黒いバンダナを巻いた男はそう言ってこっちを見る。

「いや、今はマスコミ対策が一番だ。下手に動くと不味い」
「わかった。俺達は連絡あるまで潜伏するとしよう」

そう言って男は退室する。

「勝手に動くなよ」
「分かってる今の飼い主はあんただ。ドラゴン」

扉が閉まる。
奴らの影響力はどこまで広がっているのか?
それを知る必要がある。
何処から圧力をかけたのか知る必要がある。
それを部下に調べさせる。
息子の暴走も止めねば。
やることは沢山ある。
忙しい日になりそうだ。

(4)

喫茶青い鳥。

「片桐君の思い通りに事が運んだわね」

恵美さんが言う。
愛莉パパから連絡は来た。
検挙は上手くいったらしい。
その知らせはすぐに、市場に周り激しく相場は急落した。
多分、売り切れなかった、過分はごみとなるだろう。
ストップ安を記録した
これで憲伸の損失は免れない。
後場開始後突然の出来事。
それをリークしたのはユニティ。

地元証券が摘発を受ける。

そう流しただけ。
市場は凄く敏感で。信用取引でデイトレードしていた人は過剰に反応する。
その予想通りに敏感に動いた。
僕達は事実をリークしただけ。
そして取引はしていない。
過剰に反応したのは市場の勝手。
僕達に手錠がかかることはない。
だけど、新聞には号外がでるほどだった。

地元証券の計画倒産。

それは衝撃的だっただろう。
あとは愛莉パパがどこまで捜査を切り込めるかだ。
資料は渡した。
高橋グループは前回の件と合わせて壊滅的な打撃を受けることは間違いない。
須藤グループも無傷では済まないだろう。
問題は太陽の騎士団。
彼等にまで捜査が及ぶだろうか?
その事が不安要素だった。

「これで一件落着ですね」

酒井君が言う。

「これで私達も元通りの生活にもどれるんですね」

一ノ瀬さんの笑顔が見える。

「そうだね……」

悪戯に見合に不安を与える必要もあるまい。
僕もそれに合わせた。

「じゃ、一段落したし一度家に帰ろうか?愛莉行くよ?」
「は~い」

愛莉は席を立つ。
そして愛莉と家に帰る。

「高橋グループは終わりだよね?」
「だと思う」
「須藤グループも終わりだよね?」
「そうだな」
「じゃあ、太陽の騎士団は?」
「……わからない」

愛莉には下手な隠し事は通用しない。
愛莉をいたずらに不安にさせるだけ。
だから愛莉には正直に話した。

「やっぱりそうなんだ~」

愛莉の声は落ち込んでいる。

「でも悲観することもないさ。これで太陽の騎士団を表に引きずり出す事には成功した」
「そうだね!」
「来週は大変だな」

イブには真鍋夫妻の結婚式、クリスマスにはクリスマス会。そして忘年会。
それまでに片付けたい事は片づけた。
後はお祝いするだけ。
年末年始はのんびり過ごす事が出来そうだ。

家に帰ると今日は遠坂さん家で祝賀会を開くと母さんから聞いた。
何かおめでたい事があったのだろうか?

「前から行われていた、警察の組織改編と、遠坂さんの功績が認められてね。捜査2課に戻ることが出来るの!それと遠坂さんの昇進が決まったわ。来年から警視正よ」

母さんが言うと、愛莉は喜んだ。
遠坂家で宴が開かれた。

「前から打診されていたんだ……。ニーズヘッグの壊滅作戦あたりからかな……」
「おめでとうございます」
「冬夜君達のお蔭だよ……ありがとう」
「太陽の騎士団の件……どうですか?」
「難しいだろうね。マスコミを一切封殺している。まずは須藤グループを鎮圧しないと駄目だろう」

やっぱりそうなるか。

「でも須藤グループももうお終いなんだよね?」

愛莉が聞く。

「どうかな?須藤グループも逃げ道を探ってるらしい。逃がすつもりは毛頭ないが……」

愛莉パパが言うと愛莉は落ち込む。

「現におじさんの会社にも上から圧がかかってね太陽の騎士団に関する記事は全て封殺されている」

父さんが言う。

「また逃げられちゃうの?」

不安気に愛莉が言う。
そんな愛莉を元気づけてやるのも亭主の役目……か?まだ亭主になった覚えは無いけど。

「愛莉。とりあえず高橋グループはお終いだ。それは父さんたちの念願が叶ったんだ。お祝いしてあげないと」
「そうだね!」

そう言って愛莉は愛莉パパのグラスにビールを注ぐ。

「う、うむ。昇進が決まって娘と酒が飲めて……娘婿と酒が飲めてこれほど嬉しい事はない……」

もう愛莉との結婚は決まってるのね。まあ、決めちゃったけど。

「パパさんあと二年待ってね。そしたら冬夜君から素敵な知らせが待ってると思うから」
「う、うむ。漸く決断してくれたか……。しかし2年も待つ必要があるのかね?」
「冬夜君は働いてクリスマスイブにプロポーズしてくれるの~」
「そ、そうか。式するのはいつだい?」
「その翌年の10月5日~。私の誕生日だよ~」
「そこまで決めてて、愛莉ちゃんは何て答えたの~?」
「楽しみにまってるって~」
「冬夜、おまえそれ……」
「冬夜、もう籍だけでもいれてしまいなさい」

そんな感じで、片桐家と遠坂家の細やかな宴会は行われていった。
宴会が終ると僕達は部屋に戻って交互にシャワーを浴びて部屋で寛ぐ。
今夜はウーロン茶を用意してくれた。
愛莉と二人でテレビを見る。
ニュースを見るとやはり、地元証券の経営破綻が報じられている。

「証券会社にお金を預けていた人は保証されるんだよね?」
「そうだね」
「ならよかった~」

愛莉は胸をなでおろす。
そのあとドラマを見て、深夜番組が始まる頃になるとお互いベッドに入る。

「聞かせて?」
「何を?」
「とぼけたって駄目だよ~。冬夜君の顔に不安の二文字が浮かんでる~」

愛莉に隠し事は通用しないな。
愛莉は僕を抱きしめる。

「私じゃ相談相手になれないかもしれないけど……冬夜君のお嫁さんだもん。ちゃんと支えてあげたい。その為には冬夜君の悩み聞いてあげないと」
「……郷土愛者」
「悪魔さんが言ってた言葉?」
「うん、そこに辿り着けなかったのが不安でね」
「それが太陽の騎士団よりか上なのか下のかもわからないもんね」
「うん……。それが気になってるだけ」

愛莉はしばらく考えると部屋の明かりを落す。

「今だけ忘れさせてあげる。幸せな気分にさせてあげる。幸せな気分にさせてください」

愛莉の言わんとすることは理解できた。

「わかった……」

そう言うと愛莉を抱き寄せる。
愛莉は目を閉じる。

寒い夜に温かな光を灯す夜だった。
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