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4thSEASON
狐に欺かれる
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(1)
「冬夜君おはよう、朝だよ~」
風邪も治りすっかり元気になった愛莉は朝から快調だった。
「おはよう愛莉」
そう言って起き上がると、着替えを始める。
朝の日課をこなしてシャワーを浴びて朝食を取って愛莉を待つ。
愛莉がシャワーから出て来ると、僕はコーヒーを入れて愛莉と部屋に戻る。
今日から学校が始まる。
しかし今日は学校は午前中の授業だけ出る。
昼からは戦いが待ってる。
晶さんの奪還作戦。
ユニティの急所に触れた九尾の狐。
行くのは僕と愛莉と渡辺夫妻と石原夫妻、酒井君だけにした。
他の人は別行動をとってもらう。
授業をかわりに聞いてもらうという大切な役割もあったけど狙いは他にもあった。
戦力を半分にするのは仕方がない。
予想が正しかったら多分今日敵は何らかのアクションを起こす。
それに対応する為だった。
別ルームを作ってそこで話し合う。
入室するのは作戦に参加するメンバーと多田夫妻、白鳥さん、晴斗、檜山先輩、咲良さん、西松夫妻、公生、奈留、亀梨君、森園さん、三沢君、岸谷さん。
他のメンバーは普段通りに表で活動してもらう。
もちろん僕達も話に混ざる。
敵は晶さんのスマホを持っている。
晶さんもロックくらいかけてると思うが念には念を入れてだ。
愛莉も今日は動きやすい服装でいる。
まあ、スーツを着れば関係なくなるけど。
コーヒーを飲みながら愛莉と話をする。
「いよいよだね」
「ああ」
「頼りにしてますよ、指揮官様」
「大丈夫、勝てな戦闘は絶対しない。これが鉄則なんだ」
「冬夜君の中では勝ちが見えてるんだね?」
「まあね、あとは皆が作戦通り動いてくれたらの話だけど」
「大丈夫だよ、きっとうまくいく」
「そう信じてるよ」
あらゆるイレギュラーにも対応した。
怪我人を出すつもりもない。
ユニティに手を出すとどうなるか思い知らせるいい機会だ。
「そろそろ学校の時間だよ~」
愛莉が言う、僕達は家を出た。
学校に向かって普通に授業を受ける。
授業を受けると昼食の時間。渡辺君達と合流する。
渡辺君達と話しながらスマホを見る。
「予定通り、今何人か拠点から出た」
偵察から連絡がくる。
「さてと、そろそろ行こうか?」
「トーヤ。気をつけてな」
「カンナ達も気を付けて」
「分かってる」
そうして僕達の作戦は決行された。
(2)
「全くおっちょこちょいなんだから~」
私はバスで街に向かう。
今日は主人の仕事の日。
久しぶりの仕事だったからかお昼のお弁当を忘れていた。
「悪いもってきてくれないか?」
「分かった~」
そう言って弁当を届けに中央署に向かう。
主人は偶にそう言うミスをおかす。
仕事でもポカやらなきゃいいんだけど。
「次は市役所前です」
私はボタンを押す。
しかし停留所を過ぎてしまった。
私以外にも降りる人はいる。
皆がざわめく。
中には運転手に掴みかかる人もいる。
が、一発の銃声が皆を震え上がらせた。
パニックに陥る車内。
唯一の救いは子供は学校の時間だったことか。
そっと私は主人のスマホにメッセージを送る。
返ってきた言葉は
「絶対に動くな、必ず助ける」だった。
バスは5号地の埠頭に止まる。
「大人しくしていれば殺しはしない」
運転手の男は言う。
ここに何があるというの?
昇降口が開く。
皆が一斉に押しかける。
が、男が動けば殺すと脅せば皆大人しく席に座る。
昇降口から二人の男が乗り込む。
一人は黒髪の長髪に黒くて長いひげのアラブ風の男性。
もう一人は前髪がアシンメトリーの軽くパーマのかかった男性。サングラスをしていてノートPCを持っている。
運転手はアラブ風の男性から金受け取るとバスから降りる。
そしてアラブ風の男性が運転席に座るとバスは再び動き出した。
ここまで何も要求が無い。
私達はどうなるの?
皆の命を守らなきゃ
「人質は一人いれば十分でしょ?私が残る。他の皆を降ろしなさい」
運転している、男が言う。
「随分と勇ましいな。だが、そいつは出来ねえ相談だ」
「あなた達の要求は何?」
「要求?それは今警察に送ってるよ」
え?
見ればもう一人の男がPCを弄っている。
「まあ、楽しいドライブと行こうじゃねーか!」
男は笑っている。
どんな要求をしているのだろう?
(3)
地元空港。管制塔。
「こちら管制塔着陸を許可する」
いつも通りの業務が行われていた。
都市部の空港程離発着が多くないため割と和やかなムードに包まれていた。
しかしいつもと違うアナウンスが流れる。
「こちら管制塔、アンノウンの機体に告ぐ離陸の許可は出来てないすぐに滑走路から離れなさい」
和やかなムードは緊迫したそれに変わる。
アンノウンの応答はない。
「こちら管制塔、コールサインを名乗れ!」
俺が呼び掛けてる間に、他の職員は割り出しにかかる。また、現在着陸しようとしている飛行機を確認する。
非常事態だ。
「管制塔に告ぐ、ナインテイルフォックスとでも名乗っておこうか?」
テロの類か?
「ナインテイルフォックス!離陸の許可は出来ないすぐに戻るんだ!」
「こちらナインテイルフォックス離陸の予定はまだない。これから要求を言う。飲んでもらえないなら乗客全員の命が無いと思え」
「管制官!機体がわかりましたALA474便です」
東京行きの便だ。Uターンの時期は過ぎたとはいえ乗客は多い事だろう。
「ナインテイルフォックス!要求を聞こう」
「12時間以内に高橋蒼良の釈放」
警察に連絡するよう伝える。
また全便地元空港に着陸する飛行機の拒否を伝える。
「こちら管制塔、ナインテイルフォックスに告ぐ判断に時間が欲しい」
「12時間待つ。それまでに要求が満たされないなら乗客は皆殺しだと思え」
警察に連絡が繋がった。
しかしなぜ今になって高橋蒼良?
高橋蒼良の名前くらいは知ってる。
去年捕まった高橋グループ・エゴイストの汚職疑惑。
今さらになって何の用があるのか?
彼等の狙いがわからない。
警察が来た。
国東警察署の者だから中央署の管轄の事件に手が出せないという。
すぐに中央署の人間をよこすという。
こうしている間にも時間は刻一刻と過ぎて行こうとしていた。
(4)
坂ノ市の港
皆集まった。
気づかれないように物陰に隠れる。
中の様子が分からない。
晶さんとも連絡がつかない。
建物の中から何人かの人間が出て来るのは確認できた。
その中にジャッカルと呼ばれるものがいるのは確認できた。
後何人九尾の狐が隠れれているかだ。
しかしこうしていある間に戻ってくるかもしれない。
作戦の決行を指示する。
まずは恵美さんの兵隊で周りを囲む。
そして入り口のドアにプラスチック爆弾を仕掛け爆破する。
恵美さんの兵隊が中に突入する。
タタタンと音が聞こえる。
しかしウィーンと言うチェーンソーの音にかき消させられる。
その音に酒井君はうんざりしているようだ。
「来たようね!ユニティ!この安藤奈津子が正義に変わって成敗してあげるわ」
チェーンソーをもった巨体のおばさん?多分性別は会ってるだろう?が名乗りを上げる。
「あれは普通の人には手に負えませんよ。僕がやります」
酒井君はそう言って前に飛び出す。
「来たわね死神……」
チェーンソーを持った女性はにやりと笑う。
その間に中に入ろうとすると石原君が「危ない!!」
と前に出る。
石原君の足元に銃弾が撃ち込まれる。
「先に中に入ってください!あいつの足止めをします」
「望、気を付けて!」
恵美さんが声をかける。
「大丈夫。足止めくらい大したことないです」
「お前と決着つけたくてよ~。今日こそ決着つけようぜ!ヘッジホッグ!」
二人が戦ってる間に中にはいると中では戦闘員が恵美さんの兵隊とにらみ合いをしていた。
「随分早かったわね」
晶さんのこめかみに突きつけられる銃口。
「恵美!!」
愛莉が叫ぶ。
「まずは全員武器をおろしてもらおう……ぐぁ!」
晶さんが男の足を踏みつける。
「手錠じゃ意味がないわよ」
そう言うと晶さんは手首に戻ってあるリストバンドのスイッチを押す。
変身した晶さんは手錠を引きちぎると男を殴り飛ばす。
殴り飛ばされた男は血を吐きながら倒れる。
それを皮切りに戦闘が始まる。
晶さんの身柄を確保すると恵美さんに伝える。
恵美さんは兵隊に撤退戦を命じる。
撤退したいわけじゃない、僕達がここにいると邪魔になるからだ。
外に出ると二人はまだ戦っている。
僕達は先に車に乗りこむ。後は二人と兵隊たちの撤収を待つのみ。
石原君は僕達が車に乗り込むのをみると先に言ってくださいと叫ぶ。
「望にこの場を任せましょう!」
「でも、石原君達が!?」
「もっとやばいことになってるのよ!」
恵美さんが言う。
「やばい事?」
僕が聞く。
スマホを見るように恵美さんが言う。
皆スマホを見る。
唖然とした。
バスジャックとハイジャック同時多発テロ。
相手は高橋蒼良の釈放を要請。
何か仕掛けてくると思ったけどそう言う事か!
バスジャック班は逃走中だらしいけど恐らく行き先は……。
拘留先は中央署。
僕達は急いで中央署に向かった。
(5)
「またこそこそ隠れてるだけか!?ヘッジホッグ」
晶さんは救出された。あとはこいつを仕留めるだけ。
コンテナの物陰に隠れて近づいてくるのを待つ。
ゆっくりと近づいてくる。そしてあと少しのところで彼が飛び込んでくるのが分かった。
相手の銃口を向ける両腕を足で蹴りはらう。
しかし彼は銃を落とすことなくこっちを狙って撃ってくる。
横に転がりながら銃撃を躱す。
彼の死角に入ると銃を撃つ。
しかしそれを彼は躱し再び撃ってくる。
僕もそれを躱す。
お互いの銃口が向けられると動きが止まる。
「楽しいな。そうこないとな~」
楽しくはないしこんなことしてる場合じゃない。はやいところ始末しないと。
「今日はたっぷり時間があるから楽しませてもらうぜ」
こっちは無い。
どうする?
このままだと弾が尽きるまで遊ばされる羽目になる。
何か打開策を。
息を整える。
目を閉じて集中する。
あの時の感覚を思い出せ。
胸の中で何がが弾ける。
行ける!!
そう思った時彼が発砲してきた。
それを躱して彼に向かって突進する。
彼から見たら僕の目は赤くなっていた事だろう。
彼の予測射撃より早く彼の懐に飛び込む。
彼がリロードするより早く彼の顎に拳打を加える。
全身のばねを利用して彼を突き上げる。
彼は吹き飛ぶ。
彼はバク宙をして着地する。彼の眉間を僕の銃口は捕らえていた。
僕は無言で彼を撃つ。
銃弾は彼の眉間を捕らえ彼は吹き飛ぶ。
銃を構えながら彼に違づくと彼の意識が無いことを確認して両手の銃を奪い取り彼の手を拘束する。
殺してはいない。
いくらデザートイーグルでもハードラバーの銃弾じゃ殺傷力は無い。
意識を飛ばすくらいの威力はあるけど。
恵美の兵隊も撤収はすんだようだ。
あとは酒井君を待つだけ。
酒井君の戦闘を見守りながら、彼のこめかみに銃を向ける。
「脅しなないですよ。そしてこの距離なら確実に死にますよ」
動くな。
もう意識を取り戻してる彼に向かて冷淡に言う。
「やっぱりお前とやると退屈はしねーなぁ。ヘッジホッグ。だが爪が甘いぜ」
彼が動くより先に彼の動く方が早かった。
彼僕に体当たりをする。
よろけながらも僕は銃を発砲する。
それを躱しながら彼は自分の両腕の拘束を解く。
「今日は俺の負けだ。だが、次は負けないぞ」
そう言って逃走する彼の足を狙うが、その瞬間僕は振り返り回避行動にでた。
敵の兵隊がまだ残っていた。
姿勢を崩しながらも発砲する。
兵隊の頭部を撃ち兵隊は気絶する。
その間にバイクで逃走されてしまった。
くそっ!
そのときどぼん!って何かが海に落下する音が聞こえた。
酒井君が相手を海に突き落としたらしい。
酒井君が走ってくる。
僕達は車に乗り込みその場を離れると同時に酒井君が信号弾を打ち上げる。
後は急いでこの場を離れる。
105mm榴弾砲が投下され辺り一面が爆発する。
恵美に連絡を取って恵美を追いかけた。
恵美たちは中央署に向かってるらしい。
「お疲れ様」
僕は、酒井君に声をかけた
「お互い大変なのに目をつけられましたね」
酒井君が苦笑いする。
僕も笑っていた。
(6)
チュイーン。
もう音を聞くのもうんざりする。
だがこちらの事情などお構いなしに振り回してくる
「ちょこまかと、鬱陶しいハエかお前は!?」
酷い言われようだけど防戦一方で埒が明かない。
彼女の弱点を上げるとしたら唯一装甲の無い顔?
正視に堪えないその顔に照準を合わせると発砲する。
弾は彼女の眉間を捕らえた。
が、麻酔弾なので殺傷能力は無いだろう。
むしろ殺傷能力の弾すら無効化しそうな分厚い肉の装甲だけど。
眉間はまずかったかな?と疑問を持つ時間もなかった。
彼の分厚い肉の装甲は麻酔弾を弾いた。
よく考えたらグレネードも食らっても何とも思わない彼女。
マンションの5階から突き落としても何とも思わない彼女。
容赦なんて言葉は彼女には必要ないのかもしれない。
もはや不殺なんて言ってられない事態なのかもしれない。
寧ろ彼女を殺す方法があれば教えて欲しい。
きっと硫化水素吸っても生きてそうだよ彼女。
石原君の方が決着がついたらしい。こっちもこの場にいる理由は無い。
むしろ早くこの場から逃げ出さないと。
それにしても彼女あの装甲と生まれつきの装甲とチェーンソーをもって車のような勢いで突っ込んでくるのによくばてないね。
それだけ動いていれば少しは痩せそうな気もするけど。
汗一つ書かない彼女はもはやファンタジー通り越してホラーだよ。ファンタジーなんて欠片何処にもないけど。
僕は岸壁に立つ。
彼女は僕に正対している
「もう逃げられないわよ」
僕は覚悟を決めた。
彼女を殺す。
本当に死ぬのかどうか怪しいけど。
彼女がチェーンをーを振り上げて襲い掛かってくる。
ひらりと躱す。
彼女は突進力はあるけど後先考えない傾向にある。
物理的法則にのっとって考えても彼女の巨体を止めるには難儀しそうだ。
結論から言うと彼女は海に落ちた。
あんな鉄と肉の塊浮かんでこれるはずがない。
海をのぞきこむと必死に足掻いてる彼女の姿が。
船に捕まりなんとか海からでようとするも、船の方が耐えられなかった。
べきっと折れる船体。その船体にしがみついて僕を睨みつける。
「か弱い乙女が困っているのに助けようともしないなんて貴方それでも紳士なの?」
色々突っ込むところはあるんだけど。
「生憎と僕は死神と呼ばれているので」
「きぃ~!今度会ったら覚えておきなさいよ」
「もうこれっきりにして欲しいですね」
そう言うと僕は石原君の車に乗った。
そして石原君が運転してる間に信号弾を撃つ。
それが合図。
上空に待機していたAC130が榴弾砲を爆撃して一網打尽。
さすがに海に溺れていて榴弾砲の爆撃を食らったら死ぬでしょう。
今度こそ殺人犯になったね。
「お互い大変なのに目をつけられましたね」
僕はそう言って苦笑いをする。
石原君も笑っている。
だが、石原君の顔が引きつっている。
どうしたんだい?
……まさか?
後を見るとまさにその溺れかけて爆撃を食らったはずの彼女が追いかけて来ていた。
「石原君やそのまままっすぐ走って」
そう言うと僕はウィンドウを開けて半身乗り出して銃口をバイクのタイヤに目掛けて発砲する。
タイヤは防弾仕様らしい。
なら……。
燃料タンクを狙う。
バイクは爆発し彼女は吹き飛ぶ。
後から来た車に踏みつけられる。
後の車に悪いことしたかな。
普通に考えたら業務上過失致死罪だよね。
でも大丈夫だよ。ほらむくりと起き上がって追いかけてくる彼女がいる。
さすがに走ってチェーンソー持って追いかけてくる女性がいたらビビるよね。
石原君もさすがに慌ててる。
彼女が迫ってくる。
チェーンソーを振りかぶって今まさに振り下ろさんとするとき、石原区は車線変更した。
目標を外したチェーンソーは地面につき刺さる、
棒立ちしている彼女をまた後続の車が跳ね飛ばす。
彼女の体は建物の2階の高さくらいまで舞い上がりそして落下する。
地面にめり込む彼女。
石原君は後ろに目もくれずひたすら逃げる。
僕が代わりに後ろを見る。
追ってくる気配はない。
「あんな女性初めてだ」
石原君が言う。
むしろあんな生命体初めて見たと言った方が正しいだろうね。
一人だけであることを祈るよ。
(7)
中央署についた僕達は一台のバスを見ていた。
バスを取り囲む警官隊。
バスに近づいたら人質を一人ずつ殺すというバスジャック犯。
バスジャック犯の要求は二つ。
高橋蒼良の釈放。
そして地元空港まで連れて行くこと。
応じないなら1時間に一人ずつ打ち殺すという。
警察は要求に応じる事にした、
まずは高橋蒼良を解放すると、バスに乗せる。
すると人質が一人降りてきた。
「次の交渉に移ろうか?」
地元空港まで移動させること。
パトカーに囲まれてバスは地元空港へ発つ。
石原君達と合流して僕達もバスの後を追う。
今の時間ならまだ間に合うか?
バスはきっと高速を使うだろう。
高速ならインターまでの時間がかかる。
信号を操れる誠がいるなら国道の方が早いかもしれない。
降りる場所は分かっている。
愛莉パパに挨拶をするとすぐに出発した。
愛莉を経由してこちらの意図を誠に伝える。
二手に別れよう。
高速を追う班と下道で回り込む班。
酒井君と晶さんはこっちの班。
石原君と恵美さんは高速の班。
酒井君と晶さんは僕の車に乗っている。
「必ず助けに来てくれると思っていたわ。まさか私の居ない間に浮気なんていしてないでしょうね」
「浮気かどうかは甚だ疑問ですが女に見初められたみたいで付きまとわれる羽目になりました」
そう言う事を正直に話したらだめだよ。意味がよく分からないけど。
「あら?そんな甲斐性何処で身につけてきたのかしら?」
「いや、世の中不可抗力と言うのがありまして」
「断らなきゃだめじゃない!」
愛莉まで混ざってる。
「いや、断りたいのは山々なんですがなんせ車にはねられても追いかけてくる程の執念でして」
二人の頭上に「?」が浮かんでいるだろう。
そんな話をしている間に車は目的地に着いた。
バスをパトカーが囲んでいる。
バスを降りる運転手と、高橋蒼良と一人の女性。
「真由美!!」
渡瀬警部補が叫んでいる。
親類なんだろうか?
男と蒼良が飛行機に乗り込むと真由美さん一人を降ろしハッチが閉じた。
飛行機は離陸を開始した。
バスの人質は全員釈放された。
だけど事件はこれで終わりじゃない。
まだ飛行機の乗客と言う人質が残っている。
飛行機の乗客を……高橋蒼良をどうするつもりなのか?
男たちは新たな要求をしてきた。
「アレン・スミルコフ」の釈放。
誰だそれ?
地元テロ組織のリーダーで九尾の狐のオーナーだという。
数年前に捕まえて地元の刑務所に就役中だという。
そんな凶悪犯地元に抱えていたのか?
凶悪犯だけど乗客の命に替えられない。
釈放することになった。
釈放したことを確認したらしい。
飛行機が着陸する。
もちろんパトカーが待機している。
僕達が出来ることは何も無い。
飛行機から乗客が降りてくる。
全員保護した後警官が飛行機に乗り込む。
が、中には誰もいなかったらしい。
急遽一人ずつ身元確認を行う。
が、怪しい人物は一人としていない。
その時皆のスマホが鳴る。
Xと名乗るものが僕達のグループに入って来ていた。
「何もしなくてありがとう。ちゃんと人質は返したよね?」
やられた!
何もしなかったわけじゃない。何もできなかった。
帰り道、車内はシーンとしていた。
「完全にやられたわね、腹立たしい」
晶さが悔しさを吐露する。
「でも晶が無事でよかったよ」
愛莉が言う。
「それも計算のうちだったんですね」
酒井君がそういうと「多分ね」と答えた。
酒井君達を家に送ると僕達も家に帰る。
僕が先にお風呂に入って愛莉が風呂に入ってる間もチャットは今日の事で一杯だった。
皆が無念やくやしさを口にする。
「はい、冬夜君」
愛莉が酎ハイを持ってきてくれた。
愛莉も酎ハイを飲みながらスマホをみていたが、やがてスマホを見るのをやめテレビを見始める。
僕はスマホを見ていたが、そのうち愛莉にスマホを取りあげられ、「構って~」と強請る。
愛莉と一緒にテレビを見るけどどうしても愛莉に気持ちがいかない。
愛莉もそれを感じ取ったのか一人寂しそうにしている。
「いいじゃない、晶さんが助かったんだから」
愛莉がぼそりという。
「でも、結果的には敵の思う通りにはめられたんだ。そのくらい分かるだろ」
「それでもいいよ、誰一人怪我無かったんだから」
みんな無事で助ったんだからそれでいいと愛莉は言う。
「過ぎたことをくよくよするより次どうするかを考えた方がよっぽどいいよ。くよくよするのは皆だけでいい。でも冬夜君はだめ!そんなんじゃ指揮官失格だよ」
次か……。次は何をしてくる……?
「そんなの考えたってわからないよ。だって相手の目的すらわからないんだから。いつだってそうだった。まずは相手を知ること。話はそれからでしょ?」
「……そうだね」
肝心な事、基本的な事を愛莉はいつも教えてくれる。
「さて、指揮官さん、次はどうする?」
公生が聞いてくる。
皆も同じ意見のようだ。
僕は愛莉の顔を見る。
「いいんじゃない?それで」
愛莉は笑ってそう言う。
僕は思ったことをそのまま入力した。
「何もしない」
皆の反応は予想通りだった。
「トーヤ、やられっぱなしでいいのか!?」
「とーやブルっちまったんじゃねーだろうな!?」
「冬夜、やられたらやり返すんじゃないのか?」
カンナ、美嘉さん、渡辺君が言う。
「同じ手は食わない、大丈夫よ!?何もしないなんて気が済まないわ!」
「片桐君、本気で言ってるの?まさかこのまま逃げるわけじゃないわよね?」
晶さんと恵美さんが言う。
「今は我慢のしどき。こっちに手札が無い以上新しい手札が揃うまで手は出さない」
「だからって何もしないって舐められたら終わりだって冬夜だってわかってるだろ?」
「誠は九尾の狐の情報を集めてくれ、慌てなくていい。罠にはまるのだけは注意してくれ」
「それはやってる。大丈夫だ任せてくれ」
「気をつけろよ、晶さんのスマホからとはいえ、グループに侵入されてるんだ」
「あ……」
「先を見るのもいいけど足下すくわれるなよ」
「わかった」
「相手は僕達を格下だと思ってる。だったらそう思い込ませよう」
「勝算はあるのか?」
渡辺君が言う。
「それはこれから考える。手札が無いのに勝ち目を考えるのは……?」
手札が無い?
手札ならあるじゃないか!
でもそれは最後の切札だ。
単独で出したって意味がない。
ここぞという時に使わないと。
それはいつだ?
考えろ……。
流れが変わった時、一気に畳みかける。
流れが変わる時。それは相手が切札を使い切った時。
或いは流れを変える切札が手に入った時。
いずれにせよ今は耐えるしかない。
余程の奇策が無い限り先に動いた方が負ける。
戦力差もある。
思考はまとまった。
「思いついた?」
愛莉が顔を覗き込むように見る。
「ああ、考えはまとまった」
「じゃ、すっきりしたことだし寝よう?」
「そうだね」
「そうやって笑えてるって事はもう平気だね?」
愛莉はそう言って笑う。
愛莉とベッドにはいる。
愛莉は僕にしがみ付いて眠る。
反撃の時は必ず来る。
今はひたすら耐えるのみ。
春をただ待つ蕾のように。
「冬夜君おはよう、朝だよ~」
風邪も治りすっかり元気になった愛莉は朝から快調だった。
「おはよう愛莉」
そう言って起き上がると、着替えを始める。
朝の日課をこなしてシャワーを浴びて朝食を取って愛莉を待つ。
愛莉がシャワーから出て来ると、僕はコーヒーを入れて愛莉と部屋に戻る。
今日から学校が始まる。
しかし今日は学校は午前中の授業だけ出る。
昼からは戦いが待ってる。
晶さんの奪還作戦。
ユニティの急所に触れた九尾の狐。
行くのは僕と愛莉と渡辺夫妻と石原夫妻、酒井君だけにした。
他の人は別行動をとってもらう。
授業をかわりに聞いてもらうという大切な役割もあったけど狙いは他にもあった。
戦力を半分にするのは仕方がない。
予想が正しかったら多分今日敵は何らかのアクションを起こす。
それに対応する為だった。
別ルームを作ってそこで話し合う。
入室するのは作戦に参加するメンバーと多田夫妻、白鳥さん、晴斗、檜山先輩、咲良さん、西松夫妻、公生、奈留、亀梨君、森園さん、三沢君、岸谷さん。
他のメンバーは普段通りに表で活動してもらう。
もちろん僕達も話に混ざる。
敵は晶さんのスマホを持っている。
晶さんもロックくらいかけてると思うが念には念を入れてだ。
愛莉も今日は動きやすい服装でいる。
まあ、スーツを着れば関係なくなるけど。
コーヒーを飲みながら愛莉と話をする。
「いよいよだね」
「ああ」
「頼りにしてますよ、指揮官様」
「大丈夫、勝てな戦闘は絶対しない。これが鉄則なんだ」
「冬夜君の中では勝ちが見えてるんだね?」
「まあね、あとは皆が作戦通り動いてくれたらの話だけど」
「大丈夫だよ、きっとうまくいく」
「そう信じてるよ」
あらゆるイレギュラーにも対応した。
怪我人を出すつもりもない。
ユニティに手を出すとどうなるか思い知らせるいい機会だ。
「そろそろ学校の時間だよ~」
愛莉が言う、僕達は家を出た。
学校に向かって普通に授業を受ける。
授業を受けると昼食の時間。渡辺君達と合流する。
渡辺君達と話しながらスマホを見る。
「予定通り、今何人か拠点から出た」
偵察から連絡がくる。
「さてと、そろそろ行こうか?」
「トーヤ。気をつけてな」
「カンナ達も気を付けて」
「分かってる」
そうして僕達の作戦は決行された。
(2)
「全くおっちょこちょいなんだから~」
私はバスで街に向かう。
今日は主人の仕事の日。
久しぶりの仕事だったからかお昼のお弁当を忘れていた。
「悪いもってきてくれないか?」
「分かった~」
そう言って弁当を届けに中央署に向かう。
主人は偶にそう言うミスをおかす。
仕事でもポカやらなきゃいいんだけど。
「次は市役所前です」
私はボタンを押す。
しかし停留所を過ぎてしまった。
私以外にも降りる人はいる。
皆がざわめく。
中には運転手に掴みかかる人もいる。
が、一発の銃声が皆を震え上がらせた。
パニックに陥る車内。
唯一の救いは子供は学校の時間だったことか。
そっと私は主人のスマホにメッセージを送る。
返ってきた言葉は
「絶対に動くな、必ず助ける」だった。
バスは5号地の埠頭に止まる。
「大人しくしていれば殺しはしない」
運転手の男は言う。
ここに何があるというの?
昇降口が開く。
皆が一斉に押しかける。
が、男が動けば殺すと脅せば皆大人しく席に座る。
昇降口から二人の男が乗り込む。
一人は黒髪の長髪に黒くて長いひげのアラブ風の男性。
もう一人は前髪がアシンメトリーの軽くパーマのかかった男性。サングラスをしていてノートPCを持っている。
運転手はアラブ風の男性から金受け取るとバスから降りる。
そしてアラブ風の男性が運転席に座るとバスは再び動き出した。
ここまで何も要求が無い。
私達はどうなるの?
皆の命を守らなきゃ
「人質は一人いれば十分でしょ?私が残る。他の皆を降ろしなさい」
運転している、男が言う。
「随分と勇ましいな。だが、そいつは出来ねえ相談だ」
「あなた達の要求は何?」
「要求?それは今警察に送ってるよ」
え?
見ればもう一人の男がPCを弄っている。
「まあ、楽しいドライブと行こうじゃねーか!」
男は笑っている。
どんな要求をしているのだろう?
(3)
地元空港。管制塔。
「こちら管制塔着陸を許可する」
いつも通りの業務が行われていた。
都市部の空港程離発着が多くないため割と和やかなムードに包まれていた。
しかしいつもと違うアナウンスが流れる。
「こちら管制塔、アンノウンの機体に告ぐ離陸の許可は出来てないすぐに滑走路から離れなさい」
和やかなムードは緊迫したそれに変わる。
アンノウンの応答はない。
「こちら管制塔、コールサインを名乗れ!」
俺が呼び掛けてる間に、他の職員は割り出しにかかる。また、現在着陸しようとしている飛行機を確認する。
非常事態だ。
「管制塔に告ぐ、ナインテイルフォックスとでも名乗っておこうか?」
テロの類か?
「ナインテイルフォックス!離陸の許可は出来ないすぐに戻るんだ!」
「こちらナインテイルフォックス離陸の予定はまだない。これから要求を言う。飲んでもらえないなら乗客全員の命が無いと思え」
「管制官!機体がわかりましたALA474便です」
東京行きの便だ。Uターンの時期は過ぎたとはいえ乗客は多い事だろう。
「ナインテイルフォックス!要求を聞こう」
「12時間以内に高橋蒼良の釈放」
警察に連絡するよう伝える。
また全便地元空港に着陸する飛行機の拒否を伝える。
「こちら管制塔、ナインテイルフォックスに告ぐ判断に時間が欲しい」
「12時間待つ。それまでに要求が満たされないなら乗客は皆殺しだと思え」
警察に連絡が繋がった。
しかしなぜ今になって高橋蒼良?
高橋蒼良の名前くらいは知ってる。
去年捕まった高橋グループ・エゴイストの汚職疑惑。
今さらになって何の用があるのか?
彼等の狙いがわからない。
警察が来た。
国東警察署の者だから中央署の管轄の事件に手が出せないという。
すぐに中央署の人間をよこすという。
こうしている間にも時間は刻一刻と過ぎて行こうとしていた。
(4)
坂ノ市の港
皆集まった。
気づかれないように物陰に隠れる。
中の様子が分からない。
晶さんとも連絡がつかない。
建物の中から何人かの人間が出て来るのは確認できた。
その中にジャッカルと呼ばれるものがいるのは確認できた。
後何人九尾の狐が隠れれているかだ。
しかしこうしていある間に戻ってくるかもしれない。
作戦の決行を指示する。
まずは恵美さんの兵隊で周りを囲む。
そして入り口のドアにプラスチック爆弾を仕掛け爆破する。
恵美さんの兵隊が中に突入する。
タタタンと音が聞こえる。
しかしウィーンと言うチェーンソーの音にかき消させられる。
その音に酒井君はうんざりしているようだ。
「来たようね!ユニティ!この安藤奈津子が正義に変わって成敗してあげるわ」
チェーンソーをもった巨体のおばさん?多分性別は会ってるだろう?が名乗りを上げる。
「あれは普通の人には手に負えませんよ。僕がやります」
酒井君はそう言って前に飛び出す。
「来たわね死神……」
チェーンソーを持った女性はにやりと笑う。
その間に中に入ろうとすると石原君が「危ない!!」
と前に出る。
石原君の足元に銃弾が撃ち込まれる。
「先に中に入ってください!あいつの足止めをします」
「望、気を付けて!」
恵美さんが声をかける。
「大丈夫。足止めくらい大したことないです」
「お前と決着つけたくてよ~。今日こそ決着つけようぜ!ヘッジホッグ!」
二人が戦ってる間に中にはいると中では戦闘員が恵美さんの兵隊とにらみ合いをしていた。
「随分早かったわね」
晶さんのこめかみに突きつけられる銃口。
「恵美!!」
愛莉が叫ぶ。
「まずは全員武器をおろしてもらおう……ぐぁ!」
晶さんが男の足を踏みつける。
「手錠じゃ意味がないわよ」
そう言うと晶さんは手首に戻ってあるリストバンドのスイッチを押す。
変身した晶さんは手錠を引きちぎると男を殴り飛ばす。
殴り飛ばされた男は血を吐きながら倒れる。
それを皮切りに戦闘が始まる。
晶さんの身柄を確保すると恵美さんに伝える。
恵美さんは兵隊に撤退戦を命じる。
撤退したいわけじゃない、僕達がここにいると邪魔になるからだ。
外に出ると二人はまだ戦っている。
僕達は先に車に乗りこむ。後は二人と兵隊たちの撤収を待つのみ。
石原君は僕達が車に乗り込むのをみると先に言ってくださいと叫ぶ。
「望にこの場を任せましょう!」
「でも、石原君達が!?」
「もっとやばいことになってるのよ!」
恵美さんが言う。
「やばい事?」
僕が聞く。
スマホを見るように恵美さんが言う。
皆スマホを見る。
唖然とした。
バスジャックとハイジャック同時多発テロ。
相手は高橋蒼良の釈放を要請。
何か仕掛けてくると思ったけどそう言う事か!
バスジャック班は逃走中だらしいけど恐らく行き先は……。
拘留先は中央署。
僕達は急いで中央署に向かった。
(5)
「またこそこそ隠れてるだけか!?ヘッジホッグ」
晶さんは救出された。あとはこいつを仕留めるだけ。
コンテナの物陰に隠れて近づいてくるのを待つ。
ゆっくりと近づいてくる。そしてあと少しのところで彼が飛び込んでくるのが分かった。
相手の銃口を向ける両腕を足で蹴りはらう。
しかし彼は銃を落とすことなくこっちを狙って撃ってくる。
横に転がりながら銃撃を躱す。
彼の死角に入ると銃を撃つ。
しかしそれを彼は躱し再び撃ってくる。
僕もそれを躱す。
お互いの銃口が向けられると動きが止まる。
「楽しいな。そうこないとな~」
楽しくはないしこんなことしてる場合じゃない。はやいところ始末しないと。
「今日はたっぷり時間があるから楽しませてもらうぜ」
こっちは無い。
どうする?
このままだと弾が尽きるまで遊ばされる羽目になる。
何か打開策を。
息を整える。
目を閉じて集中する。
あの時の感覚を思い出せ。
胸の中で何がが弾ける。
行ける!!
そう思った時彼が発砲してきた。
それを躱して彼に向かって突進する。
彼から見たら僕の目は赤くなっていた事だろう。
彼の予測射撃より早く彼の懐に飛び込む。
彼がリロードするより早く彼の顎に拳打を加える。
全身のばねを利用して彼を突き上げる。
彼は吹き飛ぶ。
彼はバク宙をして着地する。彼の眉間を僕の銃口は捕らえていた。
僕は無言で彼を撃つ。
銃弾は彼の眉間を捕らえ彼は吹き飛ぶ。
銃を構えながら彼に違づくと彼の意識が無いことを確認して両手の銃を奪い取り彼の手を拘束する。
殺してはいない。
いくらデザートイーグルでもハードラバーの銃弾じゃ殺傷力は無い。
意識を飛ばすくらいの威力はあるけど。
恵美の兵隊も撤収はすんだようだ。
あとは酒井君を待つだけ。
酒井君の戦闘を見守りながら、彼のこめかみに銃を向ける。
「脅しなないですよ。そしてこの距離なら確実に死にますよ」
動くな。
もう意識を取り戻してる彼に向かて冷淡に言う。
「やっぱりお前とやると退屈はしねーなぁ。ヘッジホッグ。だが爪が甘いぜ」
彼が動くより先に彼の動く方が早かった。
彼僕に体当たりをする。
よろけながらも僕は銃を発砲する。
それを躱しながら彼は自分の両腕の拘束を解く。
「今日は俺の負けだ。だが、次は負けないぞ」
そう言って逃走する彼の足を狙うが、その瞬間僕は振り返り回避行動にでた。
敵の兵隊がまだ残っていた。
姿勢を崩しながらも発砲する。
兵隊の頭部を撃ち兵隊は気絶する。
その間にバイクで逃走されてしまった。
くそっ!
そのときどぼん!って何かが海に落下する音が聞こえた。
酒井君が相手を海に突き落としたらしい。
酒井君が走ってくる。
僕達は車に乗り込みその場を離れると同時に酒井君が信号弾を打ち上げる。
後は急いでこの場を離れる。
105mm榴弾砲が投下され辺り一面が爆発する。
恵美に連絡を取って恵美を追いかけた。
恵美たちは中央署に向かってるらしい。
「お疲れ様」
僕は、酒井君に声をかけた
「お互い大変なのに目をつけられましたね」
酒井君が苦笑いする。
僕も笑っていた。
(6)
チュイーン。
もう音を聞くのもうんざりする。
だがこちらの事情などお構いなしに振り回してくる
「ちょこまかと、鬱陶しいハエかお前は!?」
酷い言われようだけど防戦一方で埒が明かない。
彼女の弱点を上げるとしたら唯一装甲の無い顔?
正視に堪えないその顔に照準を合わせると発砲する。
弾は彼女の眉間を捕らえた。
が、麻酔弾なので殺傷能力は無いだろう。
むしろ殺傷能力の弾すら無効化しそうな分厚い肉の装甲だけど。
眉間はまずかったかな?と疑問を持つ時間もなかった。
彼の分厚い肉の装甲は麻酔弾を弾いた。
よく考えたらグレネードも食らっても何とも思わない彼女。
マンションの5階から突き落としても何とも思わない彼女。
容赦なんて言葉は彼女には必要ないのかもしれない。
もはや不殺なんて言ってられない事態なのかもしれない。
寧ろ彼女を殺す方法があれば教えて欲しい。
きっと硫化水素吸っても生きてそうだよ彼女。
石原君の方が決着がついたらしい。こっちもこの場にいる理由は無い。
むしろ早くこの場から逃げ出さないと。
それにしても彼女あの装甲と生まれつきの装甲とチェーンソーをもって車のような勢いで突っ込んでくるのによくばてないね。
それだけ動いていれば少しは痩せそうな気もするけど。
汗一つ書かない彼女はもはやファンタジー通り越してホラーだよ。ファンタジーなんて欠片何処にもないけど。
僕は岸壁に立つ。
彼女は僕に正対している
「もう逃げられないわよ」
僕は覚悟を決めた。
彼女を殺す。
本当に死ぬのかどうか怪しいけど。
彼女がチェーンをーを振り上げて襲い掛かってくる。
ひらりと躱す。
彼女は突進力はあるけど後先考えない傾向にある。
物理的法則にのっとって考えても彼女の巨体を止めるには難儀しそうだ。
結論から言うと彼女は海に落ちた。
あんな鉄と肉の塊浮かんでこれるはずがない。
海をのぞきこむと必死に足掻いてる彼女の姿が。
船に捕まりなんとか海からでようとするも、船の方が耐えられなかった。
べきっと折れる船体。その船体にしがみついて僕を睨みつける。
「か弱い乙女が困っているのに助けようともしないなんて貴方それでも紳士なの?」
色々突っ込むところはあるんだけど。
「生憎と僕は死神と呼ばれているので」
「きぃ~!今度会ったら覚えておきなさいよ」
「もうこれっきりにして欲しいですね」
そう言うと僕は石原君の車に乗った。
そして石原君が運転してる間に信号弾を撃つ。
それが合図。
上空に待機していたAC130が榴弾砲を爆撃して一網打尽。
さすがに海に溺れていて榴弾砲の爆撃を食らったら死ぬでしょう。
今度こそ殺人犯になったね。
「お互い大変なのに目をつけられましたね」
僕はそう言って苦笑いをする。
石原君も笑っている。
だが、石原君の顔が引きつっている。
どうしたんだい?
……まさか?
後を見るとまさにその溺れかけて爆撃を食らったはずの彼女が追いかけて来ていた。
「石原君やそのまままっすぐ走って」
そう言うと僕はウィンドウを開けて半身乗り出して銃口をバイクのタイヤに目掛けて発砲する。
タイヤは防弾仕様らしい。
なら……。
燃料タンクを狙う。
バイクは爆発し彼女は吹き飛ぶ。
後から来た車に踏みつけられる。
後の車に悪いことしたかな。
普通に考えたら業務上過失致死罪だよね。
でも大丈夫だよ。ほらむくりと起き上がって追いかけてくる彼女がいる。
さすがに走ってチェーンソー持って追いかけてくる女性がいたらビビるよね。
石原君もさすがに慌ててる。
彼女が迫ってくる。
チェーンソーを振りかぶって今まさに振り下ろさんとするとき、石原区は車線変更した。
目標を外したチェーンソーは地面につき刺さる、
棒立ちしている彼女をまた後続の車が跳ね飛ばす。
彼女の体は建物の2階の高さくらいまで舞い上がりそして落下する。
地面にめり込む彼女。
石原君は後ろに目もくれずひたすら逃げる。
僕が代わりに後ろを見る。
追ってくる気配はない。
「あんな女性初めてだ」
石原君が言う。
むしろあんな生命体初めて見たと言った方が正しいだろうね。
一人だけであることを祈るよ。
(7)
中央署についた僕達は一台のバスを見ていた。
バスを取り囲む警官隊。
バスに近づいたら人質を一人ずつ殺すというバスジャック犯。
バスジャック犯の要求は二つ。
高橋蒼良の釈放。
そして地元空港まで連れて行くこと。
応じないなら1時間に一人ずつ打ち殺すという。
警察は要求に応じる事にした、
まずは高橋蒼良を解放すると、バスに乗せる。
すると人質が一人降りてきた。
「次の交渉に移ろうか?」
地元空港まで移動させること。
パトカーに囲まれてバスは地元空港へ発つ。
石原君達と合流して僕達もバスの後を追う。
今の時間ならまだ間に合うか?
バスはきっと高速を使うだろう。
高速ならインターまでの時間がかかる。
信号を操れる誠がいるなら国道の方が早いかもしれない。
降りる場所は分かっている。
愛莉パパに挨拶をするとすぐに出発した。
愛莉を経由してこちらの意図を誠に伝える。
二手に別れよう。
高速を追う班と下道で回り込む班。
酒井君と晶さんはこっちの班。
石原君と恵美さんは高速の班。
酒井君と晶さんは僕の車に乗っている。
「必ず助けに来てくれると思っていたわ。まさか私の居ない間に浮気なんていしてないでしょうね」
「浮気かどうかは甚だ疑問ですが女に見初められたみたいで付きまとわれる羽目になりました」
そう言う事を正直に話したらだめだよ。意味がよく分からないけど。
「あら?そんな甲斐性何処で身につけてきたのかしら?」
「いや、世の中不可抗力と言うのがありまして」
「断らなきゃだめじゃない!」
愛莉まで混ざってる。
「いや、断りたいのは山々なんですがなんせ車にはねられても追いかけてくる程の執念でして」
二人の頭上に「?」が浮かんでいるだろう。
そんな話をしている間に車は目的地に着いた。
バスをパトカーが囲んでいる。
バスを降りる運転手と、高橋蒼良と一人の女性。
「真由美!!」
渡瀬警部補が叫んでいる。
親類なんだろうか?
男と蒼良が飛行機に乗り込むと真由美さん一人を降ろしハッチが閉じた。
飛行機は離陸を開始した。
バスの人質は全員釈放された。
だけど事件はこれで終わりじゃない。
まだ飛行機の乗客と言う人質が残っている。
飛行機の乗客を……高橋蒼良をどうするつもりなのか?
男たちは新たな要求をしてきた。
「アレン・スミルコフ」の釈放。
誰だそれ?
地元テロ組織のリーダーで九尾の狐のオーナーだという。
数年前に捕まえて地元の刑務所に就役中だという。
そんな凶悪犯地元に抱えていたのか?
凶悪犯だけど乗客の命に替えられない。
釈放することになった。
釈放したことを確認したらしい。
飛行機が着陸する。
もちろんパトカーが待機している。
僕達が出来ることは何も無い。
飛行機から乗客が降りてくる。
全員保護した後警官が飛行機に乗り込む。
が、中には誰もいなかったらしい。
急遽一人ずつ身元確認を行う。
が、怪しい人物は一人としていない。
その時皆のスマホが鳴る。
Xと名乗るものが僕達のグループに入って来ていた。
「何もしなくてありがとう。ちゃんと人質は返したよね?」
やられた!
何もしなかったわけじゃない。何もできなかった。
帰り道、車内はシーンとしていた。
「完全にやられたわね、腹立たしい」
晶さが悔しさを吐露する。
「でも晶が無事でよかったよ」
愛莉が言う。
「それも計算のうちだったんですね」
酒井君がそういうと「多分ね」と答えた。
酒井君達を家に送ると僕達も家に帰る。
僕が先にお風呂に入って愛莉が風呂に入ってる間もチャットは今日の事で一杯だった。
皆が無念やくやしさを口にする。
「はい、冬夜君」
愛莉が酎ハイを持ってきてくれた。
愛莉も酎ハイを飲みながらスマホをみていたが、やがてスマホを見るのをやめテレビを見始める。
僕はスマホを見ていたが、そのうち愛莉にスマホを取りあげられ、「構って~」と強請る。
愛莉と一緒にテレビを見るけどどうしても愛莉に気持ちがいかない。
愛莉もそれを感じ取ったのか一人寂しそうにしている。
「いいじゃない、晶さんが助かったんだから」
愛莉がぼそりという。
「でも、結果的には敵の思う通りにはめられたんだ。そのくらい分かるだろ」
「それでもいいよ、誰一人怪我無かったんだから」
みんな無事で助ったんだからそれでいいと愛莉は言う。
「過ぎたことをくよくよするより次どうするかを考えた方がよっぽどいいよ。くよくよするのは皆だけでいい。でも冬夜君はだめ!そんなんじゃ指揮官失格だよ」
次か……。次は何をしてくる……?
「そんなの考えたってわからないよ。だって相手の目的すらわからないんだから。いつだってそうだった。まずは相手を知ること。話はそれからでしょ?」
「……そうだね」
肝心な事、基本的な事を愛莉はいつも教えてくれる。
「さて、指揮官さん、次はどうする?」
公生が聞いてくる。
皆も同じ意見のようだ。
僕は愛莉の顔を見る。
「いいんじゃない?それで」
愛莉は笑ってそう言う。
僕は思ったことをそのまま入力した。
「何もしない」
皆の反応は予想通りだった。
「トーヤ、やられっぱなしでいいのか!?」
「とーやブルっちまったんじゃねーだろうな!?」
「冬夜、やられたらやり返すんじゃないのか?」
カンナ、美嘉さん、渡辺君が言う。
「同じ手は食わない、大丈夫よ!?何もしないなんて気が済まないわ!」
「片桐君、本気で言ってるの?まさかこのまま逃げるわけじゃないわよね?」
晶さんと恵美さんが言う。
「今は我慢のしどき。こっちに手札が無い以上新しい手札が揃うまで手は出さない」
「だからって何もしないって舐められたら終わりだって冬夜だってわかってるだろ?」
「誠は九尾の狐の情報を集めてくれ、慌てなくていい。罠にはまるのだけは注意してくれ」
「それはやってる。大丈夫だ任せてくれ」
「気をつけろよ、晶さんのスマホからとはいえ、グループに侵入されてるんだ」
「あ……」
「先を見るのもいいけど足下すくわれるなよ」
「わかった」
「相手は僕達を格下だと思ってる。だったらそう思い込ませよう」
「勝算はあるのか?」
渡辺君が言う。
「それはこれから考える。手札が無いのに勝ち目を考えるのは……?」
手札が無い?
手札ならあるじゃないか!
でもそれは最後の切札だ。
単独で出したって意味がない。
ここぞという時に使わないと。
それはいつだ?
考えろ……。
流れが変わった時、一気に畳みかける。
流れが変わる時。それは相手が切札を使い切った時。
或いは流れを変える切札が手に入った時。
いずれにせよ今は耐えるしかない。
余程の奇策が無い限り先に動いた方が負ける。
戦力差もある。
思考はまとまった。
「思いついた?」
愛莉が顔を覗き込むように見る。
「ああ、考えはまとまった」
「じゃ、すっきりしたことだし寝よう?」
「そうだね」
「そうやって笑えてるって事はもう平気だね?」
愛莉はそう言って笑う。
愛莉とベッドにはいる。
愛莉は僕にしがみ付いて眠る。
反撃の時は必ず来る。
今はひたすら耐えるのみ。
春をただ待つ蕾のように。
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