364 / 442
5thSEASON
昔からある場所
しおりを挟む
(1)
「冬夜君朝ごはんの時間だよ~」
愛莉に言われて起きる。
そして朝食を食べるとすぐに出発する。
さすがに間に合わないので高速で移動する。
ギリギリ間に合った。
搭乗手続きをしてすぐに乗る。
屋久島に着くまでは約4時間。
その間寝ることにする。
愛莉もこの日は寝ることを許してくれた。
屋久島に着いたらまず昼食。
そして色んな観光名所を見て回る。
紀元杉は圧倒された。
まるで某アニメの世界に入り込んだようだ。
そんな世界があふれる島。
縄文杉も見た。
「すごいね」
愛莉が感嘆の声を上げる。
息をのむ景色に目を奪われる。
そんな自然の世界を満喫していた。
(2)
夜が明けた。神奈はまだ帰ってこない。
流石に今日は部活に出た。
体は慣らしておかないといけない。
部活から帰っても戻って来てない。
こうしてる間も生活は続けなきゃならない。
バイトに出た。
バイトをしている間も神奈の事が気にかかっていた。
バイトを終える。
家に帰るけど家の明かりはついてない。
本当に出ていってしまったのだろうか?
全ては自分が招いた事。
潔く離婚届を出すべきか?
その時、あることに気づいた。
神奈は印鑑を押してない。
まだ戻ってくる意志はあるようだ。
一縷の望みをかける。
帰ってきたら誠心誠意謝ろう。
二度と馬鹿な事はしないと誓おう。
もう手遅れかもしれないけど、それでもやらないと駄目だ。
神奈との思い出を振り返る。
喧嘩をすることが多かったけど、それでも幸せだった。
幸せだったのは俺の独りよがりだったのか?
何時も怒ったり笑ったりする神奈が好きだった。
その気持ちに嘘偽りはない。
すると電話が鳴った。
神奈からだ。
すぐに出る
「もしもし?神奈か」
「よお!」
「よお!じゃないだろ!?どれだけ心配したか!?」
いや、全部俺のせいだ。
「ごめん、俺が悪かった!全部俺のせいだ。帰ってきてくれ」
「お前書置きちゃんと読んだか?私はただ休ませてくれと書いただけだぞ?」
「でも離婚届に記入が……」
別れる意思はない?
「その調子だと、ちゃんと反省してるようだな」
神奈は言う。
俺は言っても謝るだけでまた繰り返す。それだけでは気が済まない。だからちょっとお灸をすえてやろうと。
こんなやり方ありかよ!こっちはどれだけ心配したと!
……まあ俺のせいか。
神奈の言う事も一理ある。
「明日には帰るよ」
「今どこにいるんだ!?迎えに行く!」
「無理だ、明日の15時ごろ地元駅で待ち合わせしよう」
「分かった、でも空港って今どこに?」
「ああ、東京に遊びに来てる」
「東京!?」
「ああ、亜依も一緒だ」
「そうか」
みんな知ってたんだな。
「罰だ、明日夕食ご馳走しろよ?」
「ああ、そのくらいするよ」
「じゃあ、また明日。私がいないからって浮気してないだろうな?」
「するわけないだろ!」
「そうか。じゃあまた」
電話が終わった。
俺は胸をなでおろす。
明日になれば神奈に会える。
明日が待ち遠しく思えた。
(3)
まだ帰ってこない。
さすがに焦っていた。
まさかこのまま帰ってこないんじゃ。
亜依との思い出が走馬灯のように流れていく。
バイトに出かける。
仕事も上の空だった。
バイトから戻るとやっぱり部屋の明かりはついてない。
やばい!
ガミガミ言ってくれてるうちが花だと聞いたことがある。
相手に対して無関心になった時が本当の終わりだと聞いたことがある。
今の亜依がまさにそうなんだろうか?
電話が鳴った。
亜依からだ!
「もしもし亜依!?」
「どうだ?独りで悠々自適で快適だろ?」
「そんなわけないだろ!どんなに心配したか……」
「私のせいだと言いたいのか?」
「いや、俺のせいです」
「もう懲りたか?」
「懲りたよ!だから許して!もうしないから!」
「お前はいつもそう言って繰り返すからな」
必死に謝った。もう絶対に飲みに行かない!そう誓った。すると亜依は笑う。
「渡辺班の活動どうするんだ?」
「き、禁酒するよ!」
「私はそんなことは望んでいない。お前と楽しい酒が飲みたい。明日でも飲みに行かないか?変な店には行くなよ」
「帰ってきてくれるの?」
「私達は休ませてくれって書いただけだぞ?」
「じゃあ、離婚届は?」
「お前が性懲りもなく遊んでるなら、印鑑押そうと思ってた」
「反省なら十分してるから!」
「みたいだな」
亜依は笑ってる。
「明日15時に駅前に来い。そしたら話をしよう」
「わかった」
「じゃあ、明日も早いから寝るわ」
「今どこにいるの?」
「うん?東京だけど」
東京!?
「罰だ、明日は朝まで付き合ってもらうからな!」
「わかったよ」
「じゃあ、またな」
「亜依、誰といるんだ?」
「神奈とだけど……まさか私の浮気を疑ってる?」
「そ、そんなわけないだろ?」
「だよな?じゃあまた明日」
明日になれば帰ってくる。
明日が待ち遠しかった。
明日になったら一杯謝ろう。
どれだけ謝ったら許してくれるだろう?
そんな事を思いながら明日を待った。
(4)
朝食を食べると私達は支度をしてゆかりと約束の場所に向かった。
渋谷のとある一角。
昔は空き地になってたんだが今はビルが建ってる。
「お~い」
ゆかりの声がする。
「覚えててくれたんだね」
「まあな、今は空き地じゃなくなったんだな」
「まあ、変わっていくもんでしょ?」
「そうだな、で。どこに案内してくれるんだ?」
「まずは渋谷で買い物かな。」
渋谷で買い物すると原宿、六本木、恵比寿、明治神宮、代官山と色々回った。
どこも昔と比べて変わっていた。
私自身も変わったのかもしれないけど。
恵美たちにお土産も買って行った。
……馬鹿亭主にもお土産を買った。
私たちの中ではすっきりしたのかもしれない。
最後に新宿のシーフードの店で夕食を食べる。
「ありがとうね。楽しかった」
亜依がそう言う。
「気にしないで、こっちも神奈と久々に遊びて楽しかったし」
ゆかりが言う。
「またおいでよ、まだいろいろあるからさ。夢の国は行ったんだっけ?」
「まあ高校の時に一度だけね」
「あそこは何度行っても楽しいから」
「今度来るときは旦那紹介するよ」
「……てことは許す気になった?」
「まあね……」
亜依は許す気のようだ。
私もきっと許すのだろう。
流行りの洋服のように、簡単に気持ちまでも変えられない掛け替えのないもの。
こんな想い出も誇れるように変わらぬ愛を捜すだろう。
躰重ねる度大切な言葉さえも交わさぬまますれ違う愛情。
だけど少しずつ回り道をしても終わらない旅の果てに何度も何度も繰り返していつかは辿り着くのだろう。
夕食が終るとゆかりと別れて私達はホテルに戻る。
そして互いのパートナーと電話をする。
効果はあったようだ。
両者とも反省してるらしい。
記憶の中でずっと二人は生きていける。
あいつの声が今も胸に響く。それは愛が彷徨う影。
この手を伸ばして空に進み風を受けて生きていこうどこかでまた巡る、遠い昔からある場所。
夜の間さえ、季節は変わっていく。
雨はやがってあがっていた。
亜依も仲直りしたらしい。
「まあ、お互いしょうがないってことか」
亜依は笑って言った。
「そうだな」
私も笑って返した。
「次はどうする?」
亜依が聞く。
「帰る実家が無いからな、私は」
「私の家においでよ、二人でプチ女子会やろう」
「そんな時が来ないことを祈るよ」
「それもそうだね」
亜依が笑う。
「いい加減寝ようか?」
「そうだな」
悲しみの数だけありのままに愛せるのなら。
それでも愛を捜すだろう。
変わらぬ愛に届くだろう
(5)
「2人とも仲直りしたみたいです~」
「良かったね」
花菜と咲良さんはそう言って作戦の成功を喜んでいる。
そして次はお前たちの番だと言わんばかりに俺達を睨んでる。
「2人にも何かお灸を据えないと駄目ですかね~」
「確かにそうですね、かずさん?」
花菜はそう言っている。
「それはもう謝っただろ?」
「2人とも勘違いしてないですか~?私達が普段遊んでると思ってないですか~?」
檜山君と顔を見合わせる。
「そ、そんなことねーよ」
「そんなわけあるわけないだろ?」
檜山君と俺はそう言う。
「2人とも仕事してるから許される。……仕事で飲んでるなんて言い訳ききたくない!」
「でもそういう場合だってあるんだ。断れない時があるんだ」
「じゃあ、お小遣いを何に使ってるのか話してくれても問題ないですよね?飲み代ですませられるんだから」
檜山君は我関せずといった感じだ。
観念して正直に話すか。
「……賭けだよ」
「賭け?」
「ダーツで賭けるんだ。それで小遣い飛ぶ時があってね」
「後はゴルフもそうだな。最初に道具揃えるのに金かかったり、打ちっぱなしで金かかるしな」
檜山君が言う。
バスケではしないが、やはりゴルフ用具は必要になる。
客先に招待されたりすると断れない。
そう弁明する。
「花菜たちだって友達とお茶飲みに行ったりランチに言ったりするときにお金必要だろ?一緒だよ」
「じゃあ、『私達の相手まで忙しくてできない』っていうのはどう言い訳するんですか?」
俺も檜山君も言葉に詰まった。
酒の勢いとはいえ言ってしまたことは事実だ。
言い訳しようがない。
「咲良帰るぞ」
「待って春樹まだ話終わってないですよ~。この期に及んで逃げる気?」
「そうじゃねーよ、そろそろ時間なんだ」
「何の時間なんですか~?」
「レストランの予約とってある。罪滅ぼしじゃないけど偶には良いだろ」
「そうやって懐柔するつもり?」
「そうじゃねーよ、お前に構ってやれなかったのは事実だ。だから今から構ってやる」
「……構ってやるって何様のつもり?」
「人の上げ足一々とるんじゃねーよ」
そう言いながら咲良さんを連れて行く檜山君。
残された俺達はどうすればいい?
「いいんですよ?相手にする暇が無いなら私は実家に帰ります」
「待て!そういうわけじゃない。俺が悪かった!あの時は飲み過ぎてて羽目を外し過ぎただけだ」
「てことは少なくとも心のどこかで思っていたわけですよね?」
「冷静になってくれ、これじゃ話が続かない」
「かずさんの邪魔なら私は実家に帰ります。いても惨めなだけです」
花菜は泣き出す。
「わかったよ、どんなことがあっても週に一日は必ず花菜との時間作るから」
「一日だけ?」
「そこは分かって欲しい、仕事が忙しい日もある。日曜だって予定が入ってしまう。でもそれが花菜を放っておいていい理由にはならない。だから一日は絶対に花菜との時間作る!」
「……できるんですか?」
「出来る?じゃない。やらなきゃだめだ」
「それって私がかずさんの負担になってるだけじゃないですか」
負担になるくらいなら別れる。花菜はそういう。
「負担だなんて思って無いよ。今まで花菜がいたから俺は仕事に夢中になれたんだ。今度は俺が花菜に夢中になる番だよ」
「本当に誓える?」
「ああ、誓うよ」
「じゃあ、早速実行してください」
「え?」
「今日は時間あるんでしょ?どこか夕食に連れて言ってくれてもいいんじゃないですか?」
「あ、ああ。わかったよ。行こうか?」
「夕食まで時間があります。買い物も行きたい」
「ああ、問題ない」
そう言って店を出る際、花菜は俺と腕を組む。
「このくらいしても罰があたらないですよね」
花菜は笑っていた。
ようやく花菜の機嫌を取り戻せたようだ。
しかし渡辺班……と、いうかあの二人には本当に巻き込まれてばっかりだな。
何か対策を練らないと。
渡辺君に相談していた。
(6)
「ねえ?翔」
「どうした?千歳」
俺は千歳と夕食デート。
「どうして人は結婚をするのだろう?」
「一緒にいたいからじゃ理由にならないかい?」
「でも兄は結婚してから神奈さんと一緒にいるのが嫌みたい」
「そういうわけじゃないよ、千歳」
「どういうこと?」
千歳が聞いてきた。
「多分多田先輩は酒の勢いで愚痴を吐いてるだけだよ。でも神奈さんは愚痴を吐く事すらできない。吐いても許してしまう。それに多田先輩が甘えてたんだろうな」
「つまり兄は神奈さんと一緒にいたいと?」
「俺はそう思ってる」
十分相思相愛だ。だからこそ謝って許されたんだろう?
これからも続くのだろう。何度も何度も。
「翔は私に不満ある?」
「無いよ」
「本当に?」
「あったら別れてるよ」
「ならいいけど……」
千歳はそう言って料理を口にする。
「意外と美味しいね」
「まあ美味しい店探したからね」
「一人で?」
「来たことは無いけどね」
「……ネットで見たのね?」
俺は頷いた。
「皆最初は努力するんだ。でも繰り返していくうちに忘れていく。当たり前の愛し方さえ忘れてしまう」
「翔も?」
「初めての彼女の時はそうだった」
そして別れを切り出された。
「今は違うの?」
「バスケと千歳。ちゃんと両立させているよ」
「そうなんだ」
千歳は笑う。
「じゃあこれからも忘れないで生きていてね」
「ああ」
「記憶の中ではずっと二人は生きていける……か」
千歳が言った言葉。
「記憶の中でずっと二人は生きていける」
千歳の声が今、胸に響き続ける。それは愛が彷徨う影。
千歳は少し笑ってる。今はっきりと見える。
俺はこの手伸ばして空に進み風を受けて生きて行こう。
どこかでまた巡る遠い昔からある場所。
この夜の間でさえ季節は変わっていく。
雨はやがてあがっていた。
(7)
冬夜君とホテルについて夕食を食べた。
家族風呂があったので一緒に入った。
そして今スマホを見てる。
二人は仲直りできたみたいだ。
「よかったね~」
「そうだな」
冬夜君は興味なさげにテレビを見てる。
その時冬夜君のスマホが鳴った。
冬夜君はスマホを見る。
「やっぱりそうなるよな……」
「どうしたの?」
「あ、いや。男子会の話」
男子会?
私は冬夜君のスマホを覗いた。
「今度男子だけで集まらないか?誠と瑛大について話がしたい」
渡辺君からだ。
私は冬夜君をじろりとにらむ。
「あ、いや。大体あの二人がトラブルの元だろ?」
みんな巻き込まれてるから対策を練ろう。
そう考えているのだという。
「男だけで集まるなんて駄目!ろくなことないんだから!!」
私は自分のスマホで渡辺班のチャットに打っていた。
「と、遠坂さん!?」
「なんだ!?男共また何か企んでるのか!?」
「愛莉、なにやってんの!?」
冬夜君が言う。
「誠君と桐谷君の問題は男性だけじゃどうにもならない。百歩譲ってもお酒は駄目!!」
そう言いながら冬夜君はスマホを操作していた。
私はのぞきこむ。
「と、言うわけで夜じゃなければ……」
「そうだな、昼間の方がいいかもしれんな」
渡辺君が言ってる。
「冬夜が戻ってきたら考えよう。明日には帰るんだろ?」
「明日多分夜遅くなる」
「じゃあ来週末で良いか?」
「わかった」
冬夜君は私を見て言う。
「これでいいんだろ?」
「うん」
私は見逃さなかった。やれやれと一人呟く冬夜君を。
「うぅ……口うるさいお嫁さんだと思ってる?」
「いや、違う事考えた」
「何考えていたの?」
「秘密」
「夫婦に隠し事は無しって言ったよ!」
「わかったよ。じゃあ、正直に話すね」
「うん」
「実はさ、昨日愛莉に年が明けたら新居探そう?って言ったろ?」
冬夜君は話し出した。
私と同棲するの事には問題ない。
だけど私の立場を曖昧なままにしておいていいのか?
来年度からは実質独り立ちしたことになる。
私が望むなら今年のクリスマスイブにプロポーズした方が良いんじゃないのかと?
「だけどさ……仕事が続くかも不安だしいきなり結婚して破綻して愛莉の戸籍に傷つけたくないだろ?それで迷ってた」
私は笑った。
そんな事考えていたんだ。
私は冬夜君に抱きつく。
「冬夜君の納得いくようにして」
「え?」
「私は冬夜君に事実婚て言われてそのつもりになってるよ、でも私達も試すべきなのかもしれないと思う。冬夜君が自信をつけたらその時伝えてください」
「……愛莉が望むなら今年中に婚約指輪買うつもりなんだけど」
「そんなものに意味なんてないって私言ったよ。私達は今二人一緒にいるんだから」
「わかった。じゃあ来年な」
「うん。冬夜君ありがとうね。そこまで考えていてくれたなんて幸せだよ私」
「めでたい事なんだから今から泣くなよ愛莉」
そう言って笑いながら冬夜君は私を抱きしめてくれた。
幸せの涙。きっと冬夜君は決めているのだろう?
だからずっと待っている。
記憶の中でもずっと二人は生きていける。
そしてこれからも一緒に生きていける。
未来も約束された。きっと来年には新しい指輪がプレゼントされるんだろうな。
その晩私が夢見たのは二人の子育てに奮闘する私たちの未来。
「冬夜君朝ごはんの時間だよ~」
愛莉に言われて起きる。
そして朝食を食べるとすぐに出発する。
さすがに間に合わないので高速で移動する。
ギリギリ間に合った。
搭乗手続きをしてすぐに乗る。
屋久島に着くまでは約4時間。
その間寝ることにする。
愛莉もこの日は寝ることを許してくれた。
屋久島に着いたらまず昼食。
そして色んな観光名所を見て回る。
紀元杉は圧倒された。
まるで某アニメの世界に入り込んだようだ。
そんな世界があふれる島。
縄文杉も見た。
「すごいね」
愛莉が感嘆の声を上げる。
息をのむ景色に目を奪われる。
そんな自然の世界を満喫していた。
(2)
夜が明けた。神奈はまだ帰ってこない。
流石に今日は部活に出た。
体は慣らしておかないといけない。
部活から帰っても戻って来てない。
こうしてる間も生活は続けなきゃならない。
バイトに出た。
バイトをしている間も神奈の事が気にかかっていた。
バイトを終える。
家に帰るけど家の明かりはついてない。
本当に出ていってしまったのだろうか?
全ては自分が招いた事。
潔く離婚届を出すべきか?
その時、あることに気づいた。
神奈は印鑑を押してない。
まだ戻ってくる意志はあるようだ。
一縷の望みをかける。
帰ってきたら誠心誠意謝ろう。
二度と馬鹿な事はしないと誓おう。
もう手遅れかもしれないけど、それでもやらないと駄目だ。
神奈との思い出を振り返る。
喧嘩をすることが多かったけど、それでも幸せだった。
幸せだったのは俺の独りよがりだったのか?
何時も怒ったり笑ったりする神奈が好きだった。
その気持ちに嘘偽りはない。
すると電話が鳴った。
神奈からだ。
すぐに出る
「もしもし?神奈か」
「よお!」
「よお!じゃないだろ!?どれだけ心配したか!?」
いや、全部俺のせいだ。
「ごめん、俺が悪かった!全部俺のせいだ。帰ってきてくれ」
「お前書置きちゃんと読んだか?私はただ休ませてくれと書いただけだぞ?」
「でも離婚届に記入が……」
別れる意思はない?
「その調子だと、ちゃんと反省してるようだな」
神奈は言う。
俺は言っても謝るだけでまた繰り返す。それだけでは気が済まない。だからちょっとお灸をすえてやろうと。
こんなやり方ありかよ!こっちはどれだけ心配したと!
……まあ俺のせいか。
神奈の言う事も一理ある。
「明日には帰るよ」
「今どこにいるんだ!?迎えに行く!」
「無理だ、明日の15時ごろ地元駅で待ち合わせしよう」
「分かった、でも空港って今どこに?」
「ああ、東京に遊びに来てる」
「東京!?」
「ああ、亜依も一緒だ」
「そうか」
みんな知ってたんだな。
「罰だ、明日夕食ご馳走しろよ?」
「ああ、そのくらいするよ」
「じゃあ、また明日。私がいないからって浮気してないだろうな?」
「するわけないだろ!」
「そうか。じゃあまた」
電話が終わった。
俺は胸をなでおろす。
明日になれば神奈に会える。
明日が待ち遠しく思えた。
(3)
まだ帰ってこない。
さすがに焦っていた。
まさかこのまま帰ってこないんじゃ。
亜依との思い出が走馬灯のように流れていく。
バイトに出かける。
仕事も上の空だった。
バイトから戻るとやっぱり部屋の明かりはついてない。
やばい!
ガミガミ言ってくれてるうちが花だと聞いたことがある。
相手に対して無関心になった時が本当の終わりだと聞いたことがある。
今の亜依がまさにそうなんだろうか?
電話が鳴った。
亜依からだ!
「もしもし亜依!?」
「どうだ?独りで悠々自適で快適だろ?」
「そんなわけないだろ!どんなに心配したか……」
「私のせいだと言いたいのか?」
「いや、俺のせいです」
「もう懲りたか?」
「懲りたよ!だから許して!もうしないから!」
「お前はいつもそう言って繰り返すからな」
必死に謝った。もう絶対に飲みに行かない!そう誓った。すると亜依は笑う。
「渡辺班の活動どうするんだ?」
「き、禁酒するよ!」
「私はそんなことは望んでいない。お前と楽しい酒が飲みたい。明日でも飲みに行かないか?変な店には行くなよ」
「帰ってきてくれるの?」
「私達は休ませてくれって書いただけだぞ?」
「じゃあ、離婚届は?」
「お前が性懲りもなく遊んでるなら、印鑑押そうと思ってた」
「反省なら十分してるから!」
「みたいだな」
亜依は笑ってる。
「明日15時に駅前に来い。そしたら話をしよう」
「わかった」
「じゃあ、明日も早いから寝るわ」
「今どこにいるの?」
「うん?東京だけど」
東京!?
「罰だ、明日は朝まで付き合ってもらうからな!」
「わかったよ」
「じゃあ、またな」
「亜依、誰といるんだ?」
「神奈とだけど……まさか私の浮気を疑ってる?」
「そ、そんなわけないだろ?」
「だよな?じゃあまた明日」
明日になれば帰ってくる。
明日が待ち遠しかった。
明日になったら一杯謝ろう。
どれだけ謝ったら許してくれるだろう?
そんな事を思いながら明日を待った。
(4)
朝食を食べると私達は支度をしてゆかりと約束の場所に向かった。
渋谷のとある一角。
昔は空き地になってたんだが今はビルが建ってる。
「お~い」
ゆかりの声がする。
「覚えててくれたんだね」
「まあな、今は空き地じゃなくなったんだな」
「まあ、変わっていくもんでしょ?」
「そうだな、で。どこに案内してくれるんだ?」
「まずは渋谷で買い物かな。」
渋谷で買い物すると原宿、六本木、恵比寿、明治神宮、代官山と色々回った。
どこも昔と比べて変わっていた。
私自身も変わったのかもしれないけど。
恵美たちにお土産も買って行った。
……馬鹿亭主にもお土産を買った。
私たちの中ではすっきりしたのかもしれない。
最後に新宿のシーフードの店で夕食を食べる。
「ありがとうね。楽しかった」
亜依がそう言う。
「気にしないで、こっちも神奈と久々に遊びて楽しかったし」
ゆかりが言う。
「またおいでよ、まだいろいろあるからさ。夢の国は行ったんだっけ?」
「まあ高校の時に一度だけね」
「あそこは何度行っても楽しいから」
「今度来るときは旦那紹介するよ」
「……てことは許す気になった?」
「まあね……」
亜依は許す気のようだ。
私もきっと許すのだろう。
流行りの洋服のように、簡単に気持ちまでも変えられない掛け替えのないもの。
こんな想い出も誇れるように変わらぬ愛を捜すだろう。
躰重ねる度大切な言葉さえも交わさぬまますれ違う愛情。
だけど少しずつ回り道をしても終わらない旅の果てに何度も何度も繰り返していつかは辿り着くのだろう。
夕食が終るとゆかりと別れて私達はホテルに戻る。
そして互いのパートナーと電話をする。
効果はあったようだ。
両者とも反省してるらしい。
記憶の中でずっと二人は生きていける。
あいつの声が今も胸に響く。それは愛が彷徨う影。
この手を伸ばして空に進み風を受けて生きていこうどこかでまた巡る、遠い昔からある場所。
夜の間さえ、季節は変わっていく。
雨はやがってあがっていた。
亜依も仲直りしたらしい。
「まあ、お互いしょうがないってことか」
亜依は笑って言った。
「そうだな」
私も笑って返した。
「次はどうする?」
亜依が聞く。
「帰る実家が無いからな、私は」
「私の家においでよ、二人でプチ女子会やろう」
「そんな時が来ないことを祈るよ」
「それもそうだね」
亜依が笑う。
「いい加減寝ようか?」
「そうだな」
悲しみの数だけありのままに愛せるのなら。
それでも愛を捜すだろう。
変わらぬ愛に届くだろう
(5)
「2人とも仲直りしたみたいです~」
「良かったね」
花菜と咲良さんはそう言って作戦の成功を喜んでいる。
そして次はお前たちの番だと言わんばかりに俺達を睨んでる。
「2人にも何かお灸を据えないと駄目ですかね~」
「確かにそうですね、かずさん?」
花菜はそう言っている。
「それはもう謝っただろ?」
「2人とも勘違いしてないですか~?私達が普段遊んでると思ってないですか~?」
檜山君と顔を見合わせる。
「そ、そんなことねーよ」
「そんなわけあるわけないだろ?」
檜山君と俺はそう言う。
「2人とも仕事してるから許される。……仕事で飲んでるなんて言い訳ききたくない!」
「でもそういう場合だってあるんだ。断れない時があるんだ」
「じゃあ、お小遣いを何に使ってるのか話してくれても問題ないですよね?飲み代ですませられるんだから」
檜山君は我関せずといった感じだ。
観念して正直に話すか。
「……賭けだよ」
「賭け?」
「ダーツで賭けるんだ。それで小遣い飛ぶ時があってね」
「後はゴルフもそうだな。最初に道具揃えるのに金かかったり、打ちっぱなしで金かかるしな」
檜山君が言う。
バスケではしないが、やはりゴルフ用具は必要になる。
客先に招待されたりすると断れない。
そう弁明する。
「花菜たちだって友達とお茶飲みに行ったりランチに言ったりするときにお金必要だろ?一緒だよ」
「じゃあ、『私達の相手まで忙しくてできない』っていうのはどう言い訳するんですか?」
俺も檜山君も言葉に詰まった。
酒の勢いとはいえ言ってしまたことは事実だ。
言い訳しようがない。
「咲良帰るぞ」
「待って春樹まだ話終わってないですよ~。この期に及んで逃げる気?」
「そうじゃねーよ、そろそろ時間なんだ」
「何の時間なんですか~?」
「レストランの予約とってある。罪滅ぼしじゃないけど偶には良いだろ」
「そうやって懐柔するつもり?」
「そうじゃねーよ、お前に構ってやれなかったのは事実だ。だから今から構ってやる」
「……構ってやるって何様のつもり?」
「人の上げ足一々とるんじゃねーよ」
そう言いながら咲良さんを連れて行く檜山君。
残された俺達はどうすればいい?
「いいんですよ?相手にする暇が無いなら私は実家に帰ります」
「待て!そういうわけじゃない。俺が悪かった!あの時は飲み過ぎてて羽目を外し過ぎただけだ」
「てことは少なくとも心のどこかで思っていたわけですよね?」
「冷静になってくれ、これじゃ話が続かない」
「かずさんの邪魔なら私は実家に帰ります。いても惨めなだけです」
花菜は泣き出す。
「わかったよ、どんなことがあっても週に一日は必ず花菜との時間作るから」
「一日だけ?」
「そこは分かって欲しい、仕事が忙しい日もある。日曜だって予定が入ってしまう。でもそれが花菜を放っておいていい理由にはならない。だから一日は絶対に花菜との時間作る!」
「……できるんですか?」
「出来る?じゃない。やらなきゃだめだ」
「それって私がかずさんの負担になってるだけじゃないですか」
負担になるくらいなら別れる。花菜はそういう。
「負担だなんて思って無いよ。今まで花菜がいたから俺は仕事に夢中になれたんだ。今度は俺が花菜に夢中になる番だよ」
「本当に誓える?」
「ああ、誓うよ」
「じゃあ、早速実行してください」
「え?」
「今日は時間あるんでしょ?どこか夕食に連れて言ってくれてもいいんじゃないですか?」
「あ、ああ。わかったよ。行こうか?」
「夕食まで時間があります。買い物も行きたい」
「ああ、問題ない」
そう言って店を出る際、花菜は俺と腕を組む。
「このくらいしても罰があたらないですよね」
花菜は笑っていた。
ようやく花菜の機嫌を取り戻せたようだ。
しかし渡辺班……と、いうかあの二人には本当に巻き込まれてばっかりだな。
何か対策を練らないと。
渡辺君に相談していた。
(6)
「ねえ?翔」
「どうした?千歳」
俺は千歳と夕食デート。
「どうして人は結婚をするのだろう?」
「一緒にいたいからじゃ理由にならないかい?」
「でも兄は結婚してから神奈さんと一緒にいるのが嫌みたい」
「そういうわけじゃないよ、千歳」
「どういうこと?」
千歳が聞いてきた。
「多分多田先輩は酒の勢いで愚痴を吐いてるだけだよ。でも神奈さんは愚痴を吐く事すらできない。吐いても許してしまう。それに多田先輩が甘えてたんだろうな」
「つまり兄は神奈さんと一緒にいたいと?」
「俺はそう思ってる」
十分相思相愛だ。だからこそ謝って許されたんだろう?
これからも続くのだろう。何度も何度も。
「翔は私に不満ある?」
「無いよ」
「本当に?」
「あったら別れてるよ」
「ならいいけど……」
千歳はそう言って料理を口にする。
「意外と美味しいね」
「まあ美味しい店探したからね」
「一人で?」
「来たことは無いけどね」
「……ネットで見たのね?」
俺は頷いた。
「皆最初は努力するんだ。でも繰り返していくうちに忘れていく。当たり前の愛し方さえ忘れてしまう」
「翔も?」
「初めての彼女の時はそうだった」
そして別れを切り出された。
「今は違うの?」
「バスケと千歳。ちゃんと両立させているよ」
「そうなんだ」
千歳は笑う。
「じゃあこれからも忘れないで生きていてね」
「ああ」
「記憶の中ではずっと二人は生きていける……か」
千歳が言った言葉。
「記憶の中でずっと二人は生きていける」
千歳の声が今、胸に響き続ける。それは愛が彷徨う影。
千歳は少し笑ってる。今はっきりと見える。
俺はこの手伸ばして空に進み風を受けて生きて行こう。
どこかでまた巡る遠い昔からある場所。
この夜の間でさえ季節は変わっていく。
雨はやがてあがっていた。
(7)
冬夜君とホテルについて夕食を食べた。
家族風呂があったので一緒に入った。
そして今スマホを見てる。
二人は仲直りできたみたいだ。
「よかったね~」
「そうだな」
冬夜君は興味なさげにテレビを見てる。
その時冬夜君のスマホが鳴った。
冬夜君はスマホを見る。
「やっぱりそうなるよな……」
「どうしたの?」
「あ、いや。男子会の話」
男子会?
私は冬夜君のスマホを覗いた。
「今度男子だけで集まらないか?誠と瑛大について話がしたい」
渡辺君からだ。
私は冬夜君をじろりとにらむ。
「あ、いや。大体あの二人がトラブルの元だろ?」
みんな巻き込まれてるから対策を練ろう。
そう考えているのだという。
「男だけで集まるなんて駄目!ろくなことないんだから!!」
私は自分のスマホで渡辺班のチャットに打っていた。
「と、遠坂さん!?」
「なんだ!?男共また何か企んでるのか!?」
「愛莉、なにやってんの!?」
冬夜君が言う。
「誠君と桐谷君の問題は男性だけじゃどうにもならない。百歩譲ってもお酒は駄目!!」
そう言いながら冬夜君はスマホを操作していた。
私はのぞきこむ。
「と、言うわけで夜じゃなければ……」
「そうだな、昼間の方がいいかもしれんな」
渡辺君が言ってる。
「冬夜が戻ってきたら考えよう。明日には帰るんだろ?」
「明日多分夜遅くなる」
「じゃあ来週末で良いか?」
「わかった」
冬夜君は私を見て言う。
「これでいいんだろ?」
「うん」
私は見逃さなかった。やれやれと一人呟く冬夜君を。
「うぅ……口うるさいお嫁さんだと思ってる?」
「いや、違う事考えた」
「何考えていたの?」
「秘密」
「夫婦に隠し事は無しって言ったよ!」
「わかったよ。じゃあ、正直に話すね」
「うん」
「実はさ、昨日愛莉に年が明けたら新居探そう?って言ったろ?」
冬夜君は話し出した。
私と同棲するの事には問題ない。
だけど私の立場を曖昧なままにしておいていいのか?
来年度からは実質独り立ちしたことになる。
私が望むなら今年のクリスマスイブにプロポーズした方が良いんじゃないのかと?
「だけどさ……仕事が続くかも不安だしいきなり結婚して破綻して愛莉の戸籍に傷つけたくないだろ?それで迷ってた」
私は笑った。
そんな事考えていたんだ。
私は冬夜君に抱きつく。
「冬夜君の納得いくようにして」
「え?」
「私は冬夜君に事実婚て言われてそのつもりになってるよ、でも私達も試すべきなのかもしれないと思う。冬夜君が自信をつけたらその時伝えてください」
「……愛莉が望むなら今年中に婚約指輪買うつもりなんだけど」
「そんなものに意味なんてないって私言ったよ。私達は今二人一緒にいるんだから」
「わかった。じゃあ来年な」
「うん。冬夜君ありがとうね。そこまで考えていてくれたなんて幸せだよ私」
「めでたい事なんだから今から泣くなよ愛莉」
そう言って笑いながら冬夜君は私を抱きしめてくれた。
幸せの涙。きっと冬夜君は決めているのだろう?
だからずっと待っている。
記憶の中でもずっと二人は生きていける。
そしてこれからも一緒に生きていける。
未来も約束された。きっと来年には新しい指輪がプレゼントされるんだろうな。
その晩私が夢見たのは二人の子育てに奮闘する私たちの未来。
0
あなたにおすすめの小説
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
楠ノ木雫
恋愛
蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる