優等生と劣等生

和希

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5thSEASON

空には一つだけ

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(1)

「冬夜君おはよう~朝だよ~寒いね~」
「おはよう愛莉」
「うぅ……起きたならベッドから出なさい!」

愛莉に布団をはぎ取られる。
寒い。おかしいな。タイマー入れておいてはずなのに。
愛莉を見る。

「うぅ……こうでもしないと冬夜君起きてくれないもん!」
「風邪引いちゃうぞ、早く着替えよう」
「顔を洗ってくるのが先!」

愛莉がドアを指差す。
朝から喧嘩はしたくない。
今日は大切な日だから。
顔を洗うと朝食を食べる。
朝食を食べるとコーヒーをもって部屋に戻る。
本当は今夜花火でも観たかったんだけど明日が平日なのでやめにした。
夕食を食べてイルミネーション見た後帰ってゆっくり過ごそうということになった。
どうせ、25日はホテルのパーティホールでやるらしい。
31日は忘年会……年越しライブをするそうだ。
そう、今日は12月24日恋人達の為の日。
それぞれが恋人たちと楽しむのだろう。
僕も愛莉とデートプランを考えていた。
お店の予約もしてある。
愛莉は隣でカフェオレを飲んでる。
飲み終わるとキッチンに持って行き、そして戻ってくると着替えを始める。
朝からクリスマスイブの特集だ。
チキン食ってシャンパン飲んでこたつで丸くなっていればいいんじゃないのか?
ちなみに愛莉は今年もクリスマスケーキを作ったらしい。
楽しみだ。
時間になる。

「そろそろ行くよ、愛莉」

愛莉に声をかける。
すると不思議な事を言い出す。

「私は身も心も凍えてるよ?」
「だから暖房入れろって言ったじゃないか?」
「それじゃ心は温まらないよ?」

やれやれ。

「おいで」
「わ~い」

愛莉は僕に抱きつく。
僕は愛莉を受け止める。

「本当困ったお嫁さんだ」
「えへへ~」

全然悪びれてない愛莉。

「もういいだろ?遅刻しちゃうぞ」
「ま~だ~。あと5分くらい大丈夫だもん」

その言葉を聞いて思わず吹き出してしまった。

「どうしたの?」

不思議そうな顔をする愛莉。

「いや、それ中学の時によく言われてたなって思って」
「そうだったね」
「急ごう愛莉、本当に遅刻しちゃう」
「は~い」

そうして荷物を持って家を出る。
学校に着くと棟に向かう。
授業を受けて学食に集まる。

「神奈クリスマスプレゼント何買った?」
「ただのネックウォーマー」

愛莉とカンナがそんな話をしている。

「今夜は皆デートか?」

渡辺君が聞いていた。

「うちらはバイト。稼ぎ時だからね」

竹本夫妻が言う。

「うちも仕事ですね。年末で忙しい」

真鍋君が言う。

「私達は隆司さんの家でクリスマスケーキ食べるくらいですね。バイトあるし」

穂乃果さんが言う。

「うちも美嘉が明日休みとるから今日は仕事だ」

渡辺君が言う。

「如月君達はどうなの?」
「うちに招待するよ。ご馳走出るし」
「馬鹿かお前は!ムードとか少しは考えてやれ」
「翔ちゃんの家は普通じゃないから」

朝倉さんが言う。

「佐倉先輩今夜は俺部活休みます」

高槻君が言う。

「わかったわ。シーズンオフだしのんびりしてください」

佐倉さんが言うと佐(たすく)が言う。

「俺に対する当てつけか?」
「練習終わったら連れて行ってくれるんでしょ?」
「夕食食ってイルミみるしかねーぞ」
「……私一度彼氏とイルミ見てみたかったから」
「わかったよ」
「北村さん達は?」
「同じですね、夕食食べてイルミ見て、うちに泊まってもらおうと思ってます」

栗林君が言うとカンナが言う。

「今夜決めなかったら春休み教育だからな」
「そのくらい分かってますよ」

栗林君はまだ戸惑ってるようだけど大丈夫なのかな?

「私は主人が帰りが遅いからディナー作り甲斐が無くて」

花菜さんが言う。

「でも作るんだ?」

愛莉が突っ込む。

「それはまあ、今日は必ず早く帰るって約束してくれたし」
「浮かれているうちはいいんだけど皆に言っておくことがある」

渡辺君が言う。言いたい事は大体想像つく。

「森重清太の対抗相手衛藤信一郎だが、やはり太陽の騎士団の一員だった。化学薬品製造メーカーの代表取締役だ」

やっぱりね。

「一応皆用心してくれ」

渡辺君が言うと僕は真鍋君を見る。

「俺だって男だ、腹は括った。SPも付けてくれるんだろ?」
「それはいいんだが、九尾の狐がまたついてるかもしれない」
「またですか?」

酒井君はうんざりしてる。

「太陽の騎士団を押さえる方法は無いの?」

恵美さんが言うと僕が答えた。

「父さん達に渡した。全国紙に載せる予定だ。それに合わせて全国ネットにリークする」

ここまで来たら力技だ。僕が言う。

「じゃ、皆気を付けてイブを楽しんでくれ」

渡辺君は言う。

「明日はALICEさんの1stライブだ。盛大に祝おう」
「おお!」

皆は高らかに拳を上げた。

(2)

私はこの日バイトで忙しかった。
クリスマスともいう事もあって客も多かった。
バイトが終わったのは22時過ぎ。
それから家に帰る。
誠も家に帰ってるらしい。
帰りにケーキを買って帰った。
手作りのケーキを焼いてやりたいけどそんな時間がない。
街のイルミネーションを見る時間すらなかった。
来年はちゃんとしてあげたいけどやっぱりクリスマス商戦に巻き込まれるから無理だろうな。
誠に色々文句を言うくせに何一つしてやれない私が嫌になる。
誠はあれから変わっている。
家事も手伝ってくれる。
今日もクリスマスディナーを作ってくれてるらしい。
楽しみにしていた。
この日のためにと、買っておいたシャンパンがある。
明日はバイト休みを取っている。
2連休だ。
朝まで騒ぐ予定だ。
家に帰るとクラッカーの音がなった。

「メリークリスマス!」

誠が言った。
テーブルには料理が並んである。

「帰ってくるってメッセージ入ってから温めなおしたんだ。冷めないうちに食おうぜ」

料理を肴に酒を飲む。
料理を食べつくすと誠は食器を片付け始めた。

「そのくらい私がやるよ」
「いいんだ。今日くらい俺に任せてくれ。それより早くシャワー浴びて来いよ」

誠の言葉に甘えて私は寝室に着替えを取りに行く。
化粧台の上に小箱がおいてあった。
新しいピアスが入ってあった。
クリスマスプレゼントも用意してくれていたのか?
きっと私の知らないところでバイトを増やしていたんだろう。
私もプレゼントを誠に渡す。

「お、ありがとう。ちょうど欲しいと思っていたところなんだ」

誠はそう言って喜んでくれた。
シャワーを浴びると誠と残りの酒を飲みながらクリスマスの特番を見る。
私も愛莉のように甘えられたら……。
私はそっと誠の手に自分の手を重ねてみた。
誠は私の意図を察してくれた。

「そろそろ寝るか」
「ああ……」

私達は寝室に向かった。

「いつも済まない、バイトで忙しくて構ってやれない」
「気にするな。俺も自分勝手に生きていたから」
「お前は変わろうとしてくれてる。いや、変わってくれた」
「まだ慣れてないけどな」

誠はそう言って笑う。

「誠は私の要望に応えてくれた。私は幸せ者だ」
「そう言ってもらえて俺も幸せだよ。でもな、神奈。神奈も変わったよ」
「私が?」
「いつも俺の後ろに冬夜がいた。冬夜を見ていた。それが俺だけを見ていてくれるようになった。だから俺への小言が増えたんだろ?その事に気が付いたのはつい最近だけどな」

誠はそう言って笑う。
私も変わらなきゃ。
もっと誠に幸せを与えたい。
今日はクリスマスイブ。
恋人たちが恋を語る日。
誠とゆっくりと愛を囁きながら一夜を明かした。

(3)

今日は翔ちゃんと夕食に出かけた。
美味しい料理を頂きながら、翔ちゃんといろんな話をした。
今年一年を振り返る。
色々あった。
その度に翔ちゃんは変わってくれた。
変わってくれることに喜びを感じた。
夕食が終ると翔ちゃんにプレゼントを渡した。
手編みのマフラー。
翔ちゃんはアクセサリーや貴金属、香水等に一切興味を示さない。
時計もうんと高いのをつけている。
私が翔ちゃんにしてあげられるプレゼントが他に浮かばなかった。
翔ちゃんは喜んでくれた。
そして何か考えてくれた。

「そういやまだだったね」

翔ちゃんは高級宝石店へと向かった。
そして私の指のサイズを測る。

「それでしたらこれなんていかがでしょう?」

ダイヤモンドのあしらえた指輪だった。

「いいの?」

私は翔ちゃんに聞いていた。

「伊織だから渡したいんだ。僕の願いをかなえてくれるかい?」

私はうなずいた。
翔ちゃんは私に指輪をはめてくれた。

「ありがとう」

翔ちゃんは何かを言おうとしている。

「実は今夜ホテルを予約してるんだ。そろそろいいだろう?」

翔ちゃんの考えたサプライズらしい。
そろそろじゃないかと思った私はいつでもいいように準備はしていた。
心の準備もしていた。

「わかった」

一限はどうせ入れてない。
今夜は晴れていた。
空には一つだけ、淡く光る小さな星が残ってる。
月は今夜は綺麗だった。

(4)

その晩千歳とデートした。
夕食を食べた。
美味しい料理を食べながらお互いの話をする。
千歳も色々話をしてくれた。
最後のデザートが出る頃。千歳は俺にプレゼントをくれた。
腕時計だった。
「ありがとう」とプレゼントを受け取ると俺もプレゼントを渡した。
ペアのネックレス。
「ありがとう」とプレゼントを受け取ってくれた。
その後街のイルミネーションを見ながら、手をつないで歩く。

「今なら理解できる気がする」

千歳が突然話をした。

「恋をするという意味。人は一人では生きていけない。だから互いを求めあう。その居心地の良さを人は求めるのね」

千歳は静かに語る。

「千歳は恋をしてくれたのか?」

俺は千歳に聞いていた。

「違うわね。恋を理解した。私は恋をしていたの。気づかないうちに、それを今日確かめることが出来た」

千歳は一言ずつ、丁寧に語る。

「ごめんね、今さらだけどあなたを悩ませていたのかもしれない。これからもあなたを悩ませるのかもしれない……それでもいいのなら」

今夜はクリスマスイブ。
お互いの気持ちを確認する日。
空には一つだけ淡く光る小さな星が残っている
求めては突き放す読めない心。
見つめられる程に嘘がつけない。
千歳と探してる。
隠した瞳の奥で誰にも見えぬように。
抑えた旨の数だけ隠せない始まりを次から次へ掌に伝えていく。
風は冷たいのに染まった心は千歳に触れたいと思ってしまった。
空には一つだけ淡く小さな星を浮かぶ。

(5)

今日は純一さんとデート。
クリスマスディナーを楽しんでいた。
純一さんの話を聞きながら楽しんでいた。
だけど純一さんの様子が変なのに気づいてしまった。
普段なら気にも止めない事。
ずっと純一さんのそばにいたからこそ気づいてしまったこと。

「どうしたんですか?」
「あ、いや。今夜は泊まっていくんだろう?」
「ええ、そのつもりで来ました」

明日は学校だからそのまま行けるように。
それがどうかしたの?
聞くまでもなかった?
彼の中で決意が固まったのだろう?
私から切り出さないと駄目なのだろうか?
もう少し今の関係のままでいい。
そんな気持ちも持っていた。
今の関係が居心地がよかった。
でも彼はその先に踏み出す決意が固まったようだ。
私は正直面倒だと思った。
どうして人はそこまで求めてしまうのだろう。
次から次へと新しい環境を求めてしまうのだろう。
どうせ辿り着くゴールは決まっている。
ならばゆっくりでもいいじゃない?
私が求めるのは平穏。
でも平穏なんて言葉に辿り着くにはまだ遠い位置にいるようだ。
恵美先輩や佐倉先輩が辿り着いた位置に行くにはもう少し踏み出す必要があるようだ。
正直そこに辿り着けるとは思ってなかった。
でも彼はそこへ導いてくれるという。
ならば私はついて行くだけ。
ディナーが終ると彼はプレゼントをくれた。
ペアのブレスレットだった。
あまり興味がなかったけど、それが2人を繋ぐ絆なら。
ディナーを終わると私達は街のイルミネーションを眺める。
イルミネーションを見上げる彼の横顔はやさしかった。
風は冷たいのに染まった心はあなたに触れたいと思ってしまった。
どうして私達は出会ってしまったのだろう?
痛くて苦しい。
それなら見えないようにどこかへ飛んでいけ。そう思うのにあなたを探してる。
何度も何度も名前を呼んで。
空には一つだけ淡く光る小さな星を浮かぶ。
私達は彼の家に着いた。
シャワーを浴びてテレビを見ている。
ラブソングが流れる中、私達も恋を語り合う。
今日はクリスマスイブ。
恋人たちが許される日。
神様が生まれる日。
私達の間にも小さな産声があがった。

(6)

「今日は早めに上がりましょう。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
「明日に備えてゆっくり休んでね」
「はい」
「じゃあ、2人とも良いイブを過ごしてね」

そう言ってコーチは帰っていった。

「お疲れ様でした。今日の予定は以上なんですけど」

彼・秋吉君は何か言いたげだ。

「じゃ、着替えてくるね」

彼の少し寂しそうな顔を後目に更衣室に向かった。
あとでちゃんと聞いてあげるから。
そんなに心配しないで。
着替えて更衣室を出ると彼が待っていた。

「あ、あの」
「今日はもうオフでしょ?リラックスして」

頑張れ。
私は彼に声援を送っていた。

「このあと夕食を予約してあるんですけどよかったら」
「喜んで……」
「その前に行きたいところがあるんですけどよろしいでしょうか?」

行きたいところ?
彼に任せることにした。
街の中にある、宝石店。
値段がびっくりするほど高い。
彼は好きなのを選んでいいという。
私は一つの指輪を見ていた。
プラチナの指輪にダイヤを散りばめた物。
指のサイズを計ってそれを買った。

「まだ、ちゃんとプロポーズしてなかったので今します。僕と結婚してください」

彼はそう言って指輪を差し出す。

「プロポーズなら秋吉君の家に行った時に済ませたと思ったのだけど」
「でもちゃんと指輪を渡してなかったから」
「ありがとう」
「それじゃあ……」
「今日はお祝いですね」

その後夕食を楽しむ。

「いよいよ明日ですね」
「ええ、明日ね」
「頑張りましょう、生まれ変わったALICEのお披露目です」
「そうなんだけど……」
「なにか?」

彼は聞いてたきた。

「私はあなたのプロポーズを受けました」
「はい」
「せめてオフの時くらい有栖って呼んで欲しい」
「あ、すいません。どうも気が利かなくて」
「いいの?この後の予定は考えてあるの?」
「有栖を家に送るだけですけど」
「私はプロポーズをしてもらって指輪までプレゼントしてもらえた。私からもプレゼントしたい」
「それはありがとうございます」

私は鞄から一冊の手帳をだして彼に差し出した。
来年の手帳。

「これからのあなたに必要でしょ?」
「ありがとうございます」
「それともう一つあるんだけど」
「なんでしょうか?」

私は立ち上がると彼の唇に唇を重ねた。

「今夜私をプレゼントしたい」

その意味を理解するのに時間を要したらしい。

「……いいのですか?」
「ええ、ぜひ受け取って欲しい」

今夜はクリスマスイブ。
恋人達が恋を囀る日。
空には一つだけ星が淡い光を放つ。
イルミネーションに混ざって。
今宵は青い月。
今夜は私と圭太のプロローグ。
明日から私達の人生の幕開けが始まる。

(7)

冬夜君と街にデートに来ていた。
毎年見るイルミネーションも、毎年変わって見えるのは冬夜君と一緒にいるせい?
冬夜君は毎年色んなフィルターを作り出す。
どれも幸せな色だけど。
今年は特別な意味を持つ。
大学生活最後のクリスマスイブ。
来年からは新生活が待っている。
不安もいっぱいあるけど、冬夜君となら乗り越えられる。
そう信じてる。
夕食を食べると1件だけバーに寄る。
クリスマスソングのアレンジ曲が流れる中二人で雰囲気を楽しむ。
そしてバスで家に帰る。
最近はどの家も競うようにLED照明の装飾が派手に施されていてそれを見ながら家に帰る。
帰りに公園による。
冬夜君は心なしか緊張している。
どうしたんだろう?

「すべてはここからはじまったんだね?」
「え?」
「このベンチの下で子犬の世話をしていた時から始まったんだ」
「……そうだね」
「もうすぐあれから10年だ」
「そんなに経つんだね」
「だから、今日愛莉に言っておきたい」

どうしたの?
私は胸がドキドキしていた。

「僕と愛莉が付き合い始めて10年後のクリスマスに愛莉にプロポーズをするよ、その時はぜひ」

反則だよ冬夜君。私は冬夜君のお嫁さんになりたいって言い続けてきたんだよ?そんなの答えがみえみえじゃない。

「……はい。待ってます」

冬夜君は私を強く抱きしめる。
こんなに頼りある人に成長していたんだね。
そんな冬夜君をそっと抱く。

「来年から楽しみだな」

ほえ?

「愛莉と二人の生活」
「そうだね」
「どんな年になるだろうな?」
「うぅ……そんなの決まってるじゃない!」
「え?」
「きっと幸せな年だよ」
「……そうだな」
「そろそろ帰ろう?」
「ああ」

そう言って冬夜君と家に帰った。
家に帰ると私は冷蔵庫からケーキを出した。
4人で食べた。
美味しいと言ってくれた。よかった。
片付けは麻耶さんがするからと言い。私と冬夜君はお風呂に入って部屋で寛ぐ。
テレビはクリスマスの特番。
それを見ながら互いにスマホを見ていた。
皆がそれぞれのクリスマスイブを送っている。

今夜はクリスマスイブ。
皆が星に願いを捧げる日。
幸せでありますように。
平和でありますように。
色んなお願いが神様の元に寄せられる日。
でも皆は気づいてる。
願いをかなえるのは神様じゃない。
自分自身で叶えていく物なんだって。
冬夜君は自分の願いを自分で実現させた。
だけど冬夜君は言う。
私という幸運の女神がいたからこそ叶えられたんだって。
だけど私も言う。
私の願いをかなえてくれるのは神様じゃない冬夜君だよって。
来年は私の最後の独身生活。
夢がかなう年になると冬夜君は言う。
どうかその願いが叶いますように。

空にたった一つだけ淡い光を放つ星に願いをかける。

「そろそろ寝ようか?」
「うん」

その晩夢を見た。
3人の子供の世話に追われながら冬夜君を見送る私の姿を。
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