優等生と劣等生

和希

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LASTSEASON

君だけの為の

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(1)

「冬夜さん、朝ですよ。起きてくださいな」
「ああ、おはよう。愛莉」
「おはようございます」

毎朝の挨拶は欠かさない。
挨拶を済ませると愛莉はベッドを出て朝食の支度に入る。
僕も愛莉について行く。

「今日もいい天気みたいだね」
「そうですね。良い式になりますね」

今日は秋吉夫妻の結婚式。
朝食を食べ終えると愛莉が片付ける。
その間愛莉に話しかける。

「邪魔だからあっち行ってて」とは決して言わない。

愛莉は嬉しそうに答えてくれる。
片づけが終っても愛莉の家事は終わらない。
掃除洗濯と大忙しだ。
その間僕は寝室に引きこもる。
愛莉の邪魔にならないように。
携帯ゲーム機を持ってベッドの上にごろ寝する。
その代わり愛莉の掃除が終わるとゲームを止めてテレビをつけ、愛莉と会話する。
逢いたくて震える人が活動休止に入ったらしい。
何があったんだろう?
そんな世間話をしながら、偶に入るメッセージを見ながら午前中を過ごす。
お昼を食べて片づけて、夕方頃になると仕度をする。
渡辺班は披露宴に出席するのは石原夫妻と渡辺夫妻と西松夫妻と竹本夫妻のみにした。
秋吉家の来賓と芸能関係者の来賓だけでかなりの数になるらしい。
その代わり二次会は渡辺班だけですることになった。
仕度が終ると家を出てバス停に向かう。
バスに乗ると駅前で降りてホテルのパーティホールに向かう。
今回の幹事も咲さんがやってる。
僕達のテーブルには渡辺夫妻と多田夫妻と桐谷夫妻。
いつもと変わらない。

「しかしこう祝い事が増えると出費がつらいな」

渡辺君が言った。

「正志ケチくせーぞ」

美嘉さんが言う。
渡辺夫妻から披露宴の様子を聞いた。
それはもう盛大に行われたらしい。
もちろんUSEの所属タレントも売り込みも忘れずしたらしい。
ALICE自体も大手レコード会社と契約が決まり近々メジャーデビューするらしい。
集客実績はこの夏休みで作っている最中。
地元でのライブの成功も契約の材料になったらしい。
阿南君と仲さんも恵美さんの強引な売込みと二人の実力があって映画の出演が決まったそうだ。
ますたーどの二人も「武者修行」と称して夏休みの間に九州圏内の各地を回り名前を売り込んでるそうだ。
近いうちにテレビ出演が決まりそうだろう。
USE自体の経営はようやく軌道に乗ったところか。

「それでは皆さん揃ったようなのでそろそろ始めたいと思います」

咲さんが言うと秋吉君と有栖さんがドレス姿で現れる。
秋吉君から挨拶がある。

「それではゲストを代表して片桐さんからご挨拶を」

前日に知らされた事。
渡辺君がやるべきじゃないの?と断ったものの「2人の縁を結んだのはお前だぞ冬夜。俺は披露宴でスピーチするから」と押し付けられた。
マイクの前に立つ。

「本日秋吉圭太君と有栖さんは無事に結婚式を挙げられました。二人共おめでとう。これからも二人三脚で頑張ってください」

2人が深く礼をする。

「それじゃ皆さん、ご唱和お願いします。これからのお二人の前途を祝して、乾杯」

僕がそう言うと宴の始まり。
僕は早速食べ物を取りに行こうとすると愛莉が腕を掴む。

「冬夜さんだめですよ。ちゃんと二人に挨拶しなくちゃ」
「皆挨拶してるし後でにするよ」
「先に挨拶しましょう?」
「だから今ならんでるから……」
「しましょうね」
「……はい」

列に並ぶ。

「秋吉君おめでとう」
「ありがとうございます」
「片桐さん、どれだほどお礼を言えば良いか分かりません。本当にありがとうございます」

秋吉君と有栖さんが言う。

「これから大変だと思うけど頑張って。二人ならきっと乗り越えられるよ。ここまでやってこれたんだから」
「はい」
「おめでとうございます秋吉さん」

愛莉が挨拶する。

「ありがとうございます」
「なんとお礼を言ったらいいか」
「これからの活躍。影ながら応援しています」

さて、挨拶終わった。
食い物だ!
僕はすぐに食べ物を取りに行く。

食べ物を積み重ねると席に戻って平らげる。

「冬夜食べてばかりでないで、少しは飲め!」
「そうだぞ、いつも思うがとーやには勢いが足りない!」

渡辺夫妻からダメ出しをもらった。

「そんな事言ったって誠達だって飲んでないじゃないか」
「俺は、明日神奈を送らないといけないから」
「カンナ明日仕事なのか?」
「ああ、そういつも土日に休めねーよ」

と、いうことは……。

「この中で3次会に行くのは俺と美嘉と冬夜達だけだな」

渡辺君が言う。
まあ、そうなるよね。

「それでは余興ですが、ますたーどのコントをお楽しみください」

ますたーどの二人がコントをする。
大体のネタが多田夫妻と桐谷夫妻のネタだ。
まあ、あの二人がネタの塊だからな。
他にもカンナが美声を披露したリ。愛莉たちが踊りを踊ったりして盛り上がった。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので。
あっという間に2時間たった。

「それでは最後に新郎新婦から謝辞がありますので」

秋吉君がマイクの前に立つ。

「皆さまから温かいお言葉を頂きまして、大変うれしく思っております。結婚パーティに向けて二人で色々な準備をして行く中で、夫婦になっていくんだなと実感していきました。今日この日を迎えて、これからどんなことがあっても有栖を大切にしようと強く感じています」

秋吉君の話はまだ続く。

「日頃からお世話になってる皆様とこのような時間を共に過ごすことができ、幸せいっぱいです。これからは助け合える夫婦になっていきたいと思います」

そんなに長いスピーチを続けていると。

「なげーぞ!シャキッと決めろ!」

美嘉さんからヤジが飛ぶ。

「……私達の理想は片桐先輩達です。いつまでも仲のいい夫婦になれるよう、お互いに努力していきたいと思います。皆様のお力をお借りしながら精一杯頑張っていきたいと思っています。これからも私たち二人をどうぞよろしくお願いします」

秋吉君が言い終えると拍手が鳴った。
その後に有栖さんから謝辞があるようだ。

「妻になりました有栖です。本日は、沢山の方からお祝いの言葉を頂き感激しています。今日のこの気持ちを忘れずに、お互いを助け合いながら明るい家庭を築いていきたいと思います」

そうして2次会が終ると3次会に行く。
行く店はもう決まってる。いつものカラオケ店だ。
西松君も手配しているらしい。

「3次会行くやつは朝まで覚悟しろよ!」

美嘉さんが言う。
明日は休みを取ったらしい。
多田夫妻、桐谷夫妻、中島夫妻はここでお別れ。

「じゃ、私達の分まで楽しんで」

そう言って6人は駅に向かった。
秋吉夫妻もここでお別れ。

「今日はありがとうございました」
「お疲れさま」
「はい、ではまた」

志水姉妹の乗る車に乗って去っていった。

「じゃあ、残った皆で盛り上がりましょう」

西松君が言うと僕達はカラオケ店に向かった。

(2)

純白のウェディングドレスに包まれ。緊張しているとノックが聞こえた。

「どうぞ」

入ってきたのは圭太。
圭太は驚いている。

「驚いた。綺麗だよ有栖」
「馬子にも衣装と思ってるでしょう?」
「そ、そんな事無いよ」

分かってる。

「私にもこんな人並みの幸せが待ってるなって思ってもみなかった」
「人には皆幸せになる権利がある。片桐さんが言ってただろ?」
「片桐さんのおかげだね」

その片桐さんは披露宴には来てもらえなかった。
ただし二次会でスピーチしてもらえる。
うん、とお礼を言わなくちゃ。

「さっき社長から聞いたんだけど、大手レコード会社からメジャーデビューのオファーが来てるらしいんだ」
「本当に?」
「ああ、これから大変だぞ」
「嬉しいんだけど、圭太」
「どうした?」

今は披露宴だよ。

「仕事の話は無しにしよう」
「あ、そうだね。ごめん」
「いいの」
「準備は良いですか?皆さん席に着きました。そろそろ御時間です」
「じゃ、行こうか圭太」
「そうだね」

私達は控室をでた。
披露宴には業界人や秋吉家のお偉いさん等様々な来賓が来ていた。
友人代表として渡辺班の人が何人か来ている。
厳かに式は行われ、今披露宴が行われている。
渡辺さんがスピーチをしてくれた。
そして二次会は渡辺班の人だけで行われた。
皆きてくれた。
そして片桐さんのスピーチ。
歓談の時も挨拶に来てくれた。
二次会が終ると、私達は家に帰った。
一週間の休暇をくれた。
新婚旅行でもしてくるように恵美さんが言ってくれた。

「旅行が終わったら大忙しよ」

恵美さんがそう言って笑った。
家に帰ると疲れがどっと押し寄せる。
シャワーを浴びるとベッドに倒れ込む。
明日から旅行だ。
旅行の仕度をする。
圭太もきてから一緒に仕度をする。
仕度が終ると、私達はベッドに入る。

「これからよろしくね、圭太」
「こちらこそよろしく、有栖」

そうして私達は眠りについた。
そうして私達の新婚生活が幕をあけた。

(3)

「じゃあ、主賓がいないけどもりあがっちゃいましょう」

咲さんがいうと3次会が始まった。
多田夫妻と桐谷夫妻、中島夫妻と卜部さんと神田さんは帰ったけど。
3次会の場所はカラオケで。
今は北村さん達が歌っている。

「咲さんおつかれ」

僕達は竹本夫妻を労っていた。

「ありがとうございます。次は翔太達なんですよね」
「そうだね」

その次が中島君、桐谷君、竹本君、佐と続く。
渡辺班の慶事は続く。
その間に誰かの出産もあるかもしれない。
年末は大忙しだ。
年末か……僕も他人事じゃないな。

「来年には冬夜も挙式するんだろ?」

渡辺君が言う。

「予定通り行けばね」
「何を心配してるんだ冬夜は?」
「人生何が起こるか分からないだろ……」

渡辺君は僕の言ってる意味を理解したようだ。
渡辺君は笑った。

「お前たちに限ってそれは無いだろ。要らぬ心配ってやつだ」
「冬夜君でもそんな心配する事あるんだ」

咲さんも気が付いたようだ。
そして愛莉も。

「またそんな意地悪な事考えてるんですね。私は言いましたよ『いつでもいいから』って」
「ごめんごめん」

愛莉を宥める。

「冬夜先輩達も歌いましょうよ!」

晴斗が端末を持ってくる。
愛莉が曲を入力するとみんなにまわす。
そして皆で歌う。
途中で丹下夫妻と真鍋夫妻と椎名夫妻は帰っていった。
他にも途中で抜けて別々に飲む者もいた。
晴斗達も白鳥さんと二人で飲むらしい。
残ったのは僕と愛莉と渡辺夫妻と石原夫妻と酒井夫妻と西松夫妻と悠木さんと長谷部君。
12人で騒いだ。
朝まで騒いだ。
そして朝になると皆帰る。
それぞれの日常に戻る。
バスに乗って家に帰る。

「お疲れ様でした。お風呂入ってくださいな」

愛莉の言う通りに風呂に履いて寝室でくつろいでいた。
愛莉が風呂から戻ってくる。

「随分と長い夏でしたね」

愛莉が言う。
確かに長い夏だった。
色々あったけど、あっという間に過ぎていった。
夏はあっという間に過ぎていった。

「今日はもう寝ようか?」
「そうですね」

愛莉とベッドに入る。
約束の日まで、夢を掴むまで限りなく遠い道でも夢を掴むまできっと……。

(4)

「咢もなんだ……」
「まあね、参ったよ」

僕達は4人で飲んでいた。
僕はソフトドリンクだけど。
美琴の父さんはもうすでに新居を探していた。
あとは引っ越すだけ。
その前にうちの父さんに美琴を紹介しておきたい。
それが意味する事は多分……。
僕達はそれぞれの恋人を見る。
2人で盛り上がっている。
将来に何の不安も無いらしい。
梅本君ですら不安を感じているというのに。

「ま、なるようになるっしょ」

梅本君はそう言ってくいっと飲み物を飲むとおかわりをする。
グラスを持って二人に混ざる。

「な~に、二人で盛り上がってるの?」
「ああ、新婚旅行はどこがいい?ってな」

ジュース吹いた。

「ま、まだ早いんじゃないかな」

梅本君も焦ったみたいだ。

「なんだよ、その気がないって言うのかお前ら」

桜木さんが言う。

「そうだぞ、最大の砦の父親を攻略したんだぞお前らは」
「俺は、まだだよ」

梅本君が言う。

「会ってくれるって時点で攻略してるって。心配いらねーよ。例え敵に回っても私は永遠についていくよ!」
「それは嬉しいね……」

桜木さんの中では婚約は成立してるらしい。
だけど僕も他人事ではなく。

「咢はどうなんだ。私との同棲不安なのか?」

美琴が聞いてきた。

「そりゃ多少なりとも不安があるさ、経験したこと無いんだから」
「そうか……」

美琴は落ち込んでいるようで。

「愛が世界救うなんて僕は信じてない」
「咢?」
「でも、今目の前の君が明日を生きれるくらいにはあり得ない不条理は蹴飛ばしてやるさ」

だから喜怒哀楽を惜んで飲み込む事なんてことはよして。
きっと大丈夫だからどこまでも行こう。

「……そうだな」

美琴は笑った。
梅本君と桜木君を送って美琴の家に帰る。
既に夜が明けていた。
荷物は粗方整理がついていた。
来週中には引っ越すつもりだ。
今日の夜には美琴を家に連れて行くつもり。
今は美琴と眠りについた。
この瞬間は楽しもう。
この瞬間は忘れない。今も大人になっても。

(5)

つばめと家に帰ると、シャワーを浴びる。
梅本君と涼宮君の事は聞いた。
だからつばめがシャワーから戻ると聞いていた。

「父親に挨拶しなくていいの?」と

つばめは笑って言った。

「父親の関心は兄にしか言って無いから」と
「どういう事?」
「父親の関心はもっぱら跡取り息子しかないってこと。私の事なんて歯牙にもかけてもらえてない」
「……ごめん、悪いこと聞いたね」
「今更だよ。気にしたことすらない」

つばめは笑っている。
結婚するときに挨拶する程度でいいって言ってくれた。
つばめの中では結婚まで決まっているんだったな。
今さらながら緊張してきた。
僕の将来は決まっている。
決まっている将来でつばめ1人を養うことが出来るのか?
不安だった。
つばめはそんな僕の手を握る。

「そんな今から不安になる必要なんてないって。少々貧しい生活くらい覚悟してる」

つばめの言葉は僕を勇気づける。

「今は目の前の勉強に集中しよう?」

つばめは言う。

「そうだね」
「とはいえ今日は疲れたわね。少し休もうか?」
「ああ」

二人で眠りにつく。
人は誰しもそんな強くないものだからこそ今、となり合わせた人を思い遣るた魂よ。

(6)

今日も晴斗の家に泊まる。
意外と晴斗は綺麗好きらしい。
シャワーを借りるとテレビを見ていた。
晴斗がシャワーから出て来る。

「俺達もそろそろ考えないといけないっすね」

晴斗が言う。

「何を?」

私が聞いていた。

「大学卒業が決まったら。一緒に暮らしてもらえないっすか?」

随分と軽いプロポーズね。
晴斗らしいけど。

「いいっすよ」

テレビを見ながら言った。
晴斗の顔を見たらきっと泣いてしまうから。

「まじっすか!?」

喜ぶ晴斗?

「まじっすよ」

我慢が出来ない。
晴斗に抱き着く。

「……私を選んでくれてありがとう。あなたは私に光を見せてくれた。美しい世界を見せてくれた」
「俺の方こそありがとうっす。絶対にしあわせにするから」
「約束だよ」

晴斗と指切りをする。
君だけの為の。
いつまでもそばにいるから。

(7)

その夜久しぶりにネットゲームをした。
桐谷君達と一緒に。
ゲームを終えるとログアウトしてドラマを見る。
主演が愛莉の好きな俳優だった。
愛莉と一緒にドラマを見る。
その間もスマホはなり続ける。
僕はドラマを見ながらスマホを見る。
驚いたことがある。
晴斗が白鳥さんにプロポーズしたらしい。
あっさりとだったらしいが。
まだ渡辺班の春は続いていくのだろう。
ドラマが終るのを待って愛莉にその事を告げる。

「それはおめでたいことですね」

愛莉はそう言って笑っていた。

「でも、大学を卒業してから指輪買うんだって」
「真面目な方なんですね」

就職先はやっぱり白鳥カンパニーなんだろうか?

「冬夜さん」
「どうした?」
「そろそろお休みになられた方が……」
「そうだね」

テレビを消すと、照明を落として愛莉とベッドに入る。

「ねえ、冬夜さん」
「どうした?」
「冬夜さんも焦る必要ないんですよ?」
「焦ってなんか無いよ?」

約束の日までもうすぐだ。
何もしなくてもその時は来る。
だから愛莉は待っているだけでいいんだよ。

「ちゃんと僕の気持ち伝えるから」
「それきっと意味ないですよ?」
「え?」
「お忘れですか?私は長いセリフを聞くつもりはありませんよ」

愛莉はそう言って笑う。

「そうだったね」
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」

愛莉は目を閉じて眠る。
穏やかな表情をして。
約束の日は着実と近づいてた。
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