優等生と劣等生

和希

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LASTSEASON

挨拶

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(1)

「冬夜さん、朝ですよ。起きてくださいな」
「おはよう愛莉」
「おはようございます」

朝の挨拶をすると愛莉はベッドを出て朝食の準備をする。
僕は着替えて準備をするとダイニングに向かう。
今日から9月。
公生達は2学期が早くも始まっている。
ニュースを見ながら愛莉と話をしながら朝食を食べる。
朝食を食べ終わると愛莉は片づけをする。

「もう夏も終わりだね」
「そうですね」

愛莉と話をする。
もっとも大学生組は未だに夏休みだけど。
瑛大もとうとう就職が決まり働き出した。
渡辺班にも変化が見え出した。
やはり皆自分の生活で精いっぱいらしい。
それはそうだ。皆結婚して仕事して稼いで食べていかなければならないのだから。
それでも僕達は週末集まって飲んでるだけましかもしれない。
中にはそれすらできない人もいるのだから。
学生時代と社会人どっちが楽しいと聞かれた社会人の大半は学生時代という。
社会人になって得た物は自由と金。
失うものは自由と金。
自由には責任が伴う。お金を手にする代わりに独立して家計を成立させなければならない。
そして忙しくて人間関係が億劫になる。
疲れ果てて情熱が薄れていく。
学生のうちに遊んでおけというのはあながち間違っていないのかもしれない。
大半の人がその事に気付いた時には既に手遅れなのだけど。
「大人になれば自由だ」から「若い頃は楽しかった」に変わる時、それが大人になるということかもしれない。
それでも僕はまだましな方なのかもしれない。
資格という目標もあった。仕事もそんなに面白くないわけじゃない。色々な人とコミュニケーションがとれて楽しい事もある。
だけど愛莉はどうだろう?
これからの人生のうちの大半を家の中で過ごし、愛莉の世界は極限定的な世界で生きて行く。
愛莉に目的はあるのだろうか?
結婚、出産、育児……。
それが僕から愛莉にしてやれる最大のプレゼントかもしれない。
片づけを終えて僕の隣に座る愛莉を見る。
その視線に気づいた愛莉が僕に聞いた。

「どうかなされましたか?」
「愛莉は今楽しい?」
「え?」

愛莉は戸惑っていた。そして僕の話を聞いていた。

「そんな風に考えてなさったのですね」

愛莉は微笑む。

「私の楽しみは冬夜さんが毎日運んできてくれますよ」

え?

「冬夜さんが無事に帰ってきてくれることが一番の楽しみです。それから冬夜さんのお仕事の話を聞くのが楽しいですよ」

冬夜さんは愚痴をあまり言わない方だから少々不安だけどと愛莉は言う。

「そっか……」
「前に言いましよね?冬夜さんと一緒に暮らすのが夢だって。その夢の中にいるのだから楽しくないわけありません」
「じゃあ、愛莉の夢早く叶えてあげないとな」
「え?」
「子供3人欲しいんだろ?」
「……そうですね」

愛莉は微笑む。

「あ、そろそろお時間ですよ」

愛莉は時計を見ると言った。

「うん、じゃあ行ってくる」
「お気をつけて、行ってらっしゃい」

愛莉に見送られ僕は会社に向かった。

(2)

新居に引っ越した僕らは新しいスタートを切った。
美琴はバイトを探した。
新居からそう離れていない弁当屋でバイトが決まった。
僕の両親にはあの夜に挨拶にいった。
面食らっていたが、事情を説明すると理解してもらえた。

「節度を持った生活しなさい」

一言母さんが言っただけ。
特にお咎めは無かった。
引っ越す際に美琴の両親にもあった。
やはり結婚前提の同棲ということらしい。
笑って誤魔化すしかなかった。
そんな先の事まで考えてなかったから。
考えてなかったのは僕一人らしい。
そして今に至る。
朝起きる。
美琴は寝ている。
深夜勤務だったから。
僕は起こさないようにベッドから出るとリビングに出てテレビをつける。
コーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
そして昼頃になるとバイトに行く準備を始める。
その頃になると美琴が起きてくる。

「起こしてくれてもよかったのに」
「初めてのバイトでまだ慣れてないから疲れてるだろうと思って」
「大丈夫、何とかやれてる」
「それならいいけど。じゃあ、僕はこれからバイト行くから」
「気をつけてな」

そう言って駅に向かう。
電車で街まで行くとバイト先の本屋まで行く。
バイトを終えると家に帰る。
帰るとテーブルには夕食がおかれてある。
美琴はバイトの様だ。
温めて食べると片づけて、シャワーに入ってテレビを見る。

「ただいま~」

美琴が帰ってきた。

「あちゃ、間に合わなかったか」

美琴の手には弁当を入れた袋があった。

「一緒に食べようと思ったんだけどな」
「それならメッセージ送ってくれれば」
「仕事中はスマホ触れないから」

それもそうか。

「あ、そうだ」

美琴はそう言ってカレンダーに自分のメモ帳を見ながら書き込み始める。
美琴のバイトのシフト表だった。

「こうしておけば問題ないだろ」
「そうだね」

その後は美琴の話を聞きながら美琴は弁当を食べていた。
勤務日は弁当が半額になるらしい。
弁当を食べ終わると美琴は風呂に入る。
そして一緒にテレビを見る。
時間が経つと二人でベッドに入る。
疲れていたのか美琴はすぐに眠ってしまった。
そうして新生活に少しずつ馴染んでいた。

(3)

祥子を連れて実家に帰ってきた。
家には前もって電話を入れていた。
祥子の両親には会った。
思ったより緊張しなかった。
あまり祥子の事に口出ししないようだ。
要点だけ説明すると納得した。
そんなんでいいのか?自分の娘の事だぞ?と突っ込みたくなるくらい適当な応対だった。
そして今日は俺の実家に来た。
呼び鈴を鳴らす。
出てきたのは俺と同い年くらいの知らない娘だった。
茶髪のナチュラルモードショートの子は僕の顔を見る。
家を間違えた?

「失礼ですがどなたですか?」

その子は僕を見て言った。

「ここって梅本の家ですよね?」

間抜けな質問で答えていた。

「そうですよ。先生のお知り合いの人ですか?」

先生というのは多分父さんの事だろう。
父さんは高校教師をやっている。

「響!勝手に出てはいけないと言っただろ!」

父さんがやって来た。

「お、永遠お帰り。隣の人が彼女さん?綺麗な人だね」

父さんが祥子を見て言った。

「初めまして、桜木祥子です」

祥子が挨拶すると父さんは笑顔で返す。

「とりあえず上がっていけ。大学はどうだ?順調にやってるか?」
「ああ、今ちょうど夏休み。それより父さんその子だれ?」
「初めまして、成人先生の嫁の北川響といいます。成人先生の息子さんですか?」

よ、嫁!?

「あ、お兄ちゃん。いいタイミングで帰って来たわ。とりあえず上がって」

妹の芽衣が来た。

とりあえず家に上がることにした。
居間に入ると俺と祥子が並んで座ってその対面に父さんと響さんと芽衣が座っている。
芽衣は16歳、高校生だ。
芽衣が説明を始めた。
響さんは父さんの教え子だったそうだ。
響さんは父さんに一目ぼれした。
だけど生徒と教師の関係はまずい。
だから3年間待った。
そして卒業式の日に告白した。
よくある話だ。
父さんは女子生徒に人気がある。
毎年卒業式になると誰かしらから告白を受ける。
大抵は連絡先の交換で済む。
そして進路先で新たな恋を見つけて消滅する。
しかし響さんは違った。
毎日のようにメッセージや電話をしていた。
そして夏休みに入ると突然家に押しかけて来た。
まあ、夏休みの間くらいいいだろうと父さんは引き受けた。
当然北川家の親は激怒する……と、思った。
少なくとも父親は激怒したらしい。
だが、母親が違った。

「この子も18歳。結婚も許される歳。相手くらい好きに選ばせなさい」

半日くらい揉めた挙句。響さんの父親が折れたらしい。
そして今月に入ってから婚姻届を出したと……。
ちなみに父さんの年は38歳。
母さんはもう亡くなっている。

「と、言うわけでよろしくお願いします」

響さんはそう言って頭を下げる。

「お兄ちゃんはどう思う!?突然この人が来て『今日から私があなたのお母さん』だよ!納得いく!?」

芽衣がをそう言った。
正直戸惑っている。
タメ年の子がお母さん!?
祥子もどうしていいか分からないらしい。

「で、二人は同棲されてるんでしたっけ?」

響さんがそう言った。

「ああ、いいんじゃないか?お前がしたいんだったらそうすればいい」

そう言うと思った。
子供の恋愛観には余り口出ししないのが父さんだ。
多分子供が出来たといっても「いいんじゃないか?」で済ませるだろう。

「で、響さんはどうしてそんなに急いで結婚したわけ?」

俺は響さんに聞いてみた。
理由がごく単純だった。

「前期が終って時間に余裕が出来たから済ませることは済ませようと思ったので」

よく言えば一途。悪く言えば向こう見ず。

「せめて、卒業するまで待てなかったのか?」

祥子が聞いていた。

「その間に他の女にとられるのが怖かったから」

躊躇いなく答える響さん。

「そうだ!」

響さんは立ち上がる。

「今日はご馳走作らなくちゃ!だって二組の結婚祝いでしょ?それとも外食にしますか?成人先生」

二組?
聞いちゃいけないような気がする。

「響。まだ永遠たちは結婚はしてないんだよ?」

父さんが言う。

「どうして!?同棲するんでしょ!?絶対籍入れた方がいいですよ。そのつもりで今日挨拶に来たんでしょ?」

どう答えたらいいか悩んだ。その気は無いと言ったら隣にいる祥子まで敵に回しかねない。

「まだ早いと思ってるよ」

多分模範回答じゃないだろうか?
しかし、祥子は違ったようだ。
スマホを手にして親に電話している。

「もしもし私。私永遠と結婚することになったから」

はい?

「うん、今度書類持って家に行くからちゃんと家にいてね」

そう言ってスマホを切った。

「じゃ、そう言う事で。成人先生」
「ま、まあいいんじゃないか?今まで通り学費はちゃんと払ってやるから」

完全にノリで言ってるな父さん。
後日桜木家に行って書類にサインしてもらう。
そしてその日のうちに役所に提出した。
まだ付き合いだして半年たたずのうちに結婚なんて誰が想像しようか?
俺には想像できなかった。

(5)

「お前さ、九六位峠にでた赤い彗星についてしらないか?」

待機中に樹先輩から聞かれた。

「俺そっちの方は全然分からないんで」

色んな意味で分からんが、そのネーミングはヤバくないか?

「お前もSSの店員やってるんだったらそのくらい勉強しろよ」

そのSSの店員=走り屋みたいな決めつけは止めろ。

「まあ、亀梨の車から察しろよ樹」
「まあ、それはそうですけど……茂先輩」

茂先輩と樹先輩が話している。
すると赤いセダンがやってきた。
中から出てきたのは桜木さんだった。

「あ、亀梨先輩ここで働いてたんだ」
「まあな」
「軽油を満タンで」
「ありがとうございます」

茂先輩達がこっちを見ている。

「こんな時間によくここまできたな。なんか用事か?」
「用事っちゃ用事かな?大したことなかったけど」

どんな用事だろう?
その時何台かのいかにもそれっぽい車が入ってきた。

「……畜生。こっちハイオク満タン!」

確かあの人は健さん。
茂先輩たちが対応している。
その健さんが桜木さんを見ている。

「あ、お前はさっきの!?」

健さんと桜木さんの間で何かあったようだ。
桜木さんに事情を聞いてみた。

「大したこと無いよ。とろとろ走ってたから追い抜いただけだ。こっちの方にドラテクのすごい集団がいるって聞いたから来たんだけど大したことなかったよ」

それを健さんは聞いていたようだ。

「お、女だと思って油断しただけだ!」
「そう言う事にしておいてやるよ。ちょっと期待したんだけど来ただけ損した」

桜木さんはそう言う。
何か言いたげな健さんだったが問題はそう言う事じゃない。

「渡辺班ではそう言う行為はご法度だったはずだが」
「永遠は何も文句言わねーよ」
「そう言う問題じゃなくてだな……」
「ああ、くたびれた。帰ったら永遠を迎えてやらなっきゃいけないんだ。じゃあまた」

そう言って桜木さんは帰っていった。

「お前赤い彗星知らないって言ってたじゃないか!」

樹先輩が言う。
どうやら桜木さんがその「赤い彗星」と呼ばれてるらしい。
四駆でターボ車だけどディーゼル。
しかもドライバーは女性。
そんな車にあっさりと抜かれてしまった。
健さんのプライドはズタズタらしい。
しかし問題はそんな事じゃない。
危険行為は渡辺班では御法度のはず。
バイトが終わると渡辺君に相談していた。
渡辺君は勤務時間らしい。
勤務時間が終る頃。渡辺君から返信が来た。

「知らせてくれてありがとう。……まさか桜木さんがね」

渡辺君は頭を抱えている。

「今週末にでもまた集まろう。いつもの焼き鳥屋でいいか?」

渡辺君が言う。
皆承諾した。

「と、いうわけでじっくり話し合おう。桜木さん」
「私は別に構わないけど?」

どう説得するつもりだろう?

(6)

「お帰りなさい。お疲れ様でした」

愛莉が出迎えてくれると、風呂に入って。それから夕食を食べる。
愛莉が今日あったことを話してくれた。
一番の問題はやっぱり桜木さんだろうな。
今も話が続いているようだ。
愛莉が風呂に入っている間にログを見てた。
赤い彗星ね。
レッドブルの実力を知らないから分からないけど。
興味もない。
どうしたものだかな。

「冬夜さんでも難しいですか?」

愛莉がドリンクを持ってやってきた。

「まあ、難しい問題だね」
「そうですか……」

とは、いえ事故ってからでは遅い。
早く対策しないと。
仮に彼女を任したからと言って彼女は更なる高みを目指すだろう。
より危険な状態になってしまう。
やはり話して説得が一番なんだろうけど。
それは僕から言うより梅本君が言った方がいいんじゃないだろうか?
車か……。
スピードに魅了されたものは簡単には祓えない。
それは渡辺班でも実際にあったこと。
どれだけに説得に労力を費やす事か。
気が付くと愛莉が自分のスマホを見て険しい顔をしている。

「どうしたの?」
「それが……」

愛莉は自分のスマホを見せる。

「事故ってからじゃ遅いんだぞ!」
「私は事故らないよ」
「事故は自分で起こすだけじゃないんだよ」
「そんな事故りそうな車によりつかないよ」
「私の主人はそれで実際に事故をおこしました~。永遠君の気持ちを無視してまでやる行為ですか~?」
「永遠は私の好きにさせてくれてる」

なるほどね。
週末までも待つまでも無いか?

「僕は『蒼い閃光』と呼ばれていたよ」

渡辺班にメッセージを打った。

「片桐さんがそうだったんだ!?ぜひ勝負してくれ」
「蒼い閃光は重大な選択を迫られたよ」
「選択?」
「自分の誇りをとるか彼女の安心を取るか」

そのあとあの事件を彼女に教えた。

「君はそう言う相手にまだ会ってない。その時に冷静に対応できる?」
「それは……」
「君達入籍したんだろ?お金だってかかるはずだ。君の運転を見たわけじゃないから車に負荷をかけてるはずだ。メンテはちゃんとしてるの?」
「してるさ」
「そのお金……バイト代で払ってるんじゃないか?となると君は車だけじゃない梅本君にも負荷をかけてる」

梅本さんは何も言わない。

「僕達はまだ未婚だ。でも彼女の人生が両肩にのしかかってる。桜木さんも一緒だよ。そう思ったら無茶な運転はできないはず」
「片桐さんの言う通りだな……」
「結婚するってそう言う事じゃないかな。お互いを思いやることが大事だと思うよ」
「……わかった。もう馬鹿な真似はしない」
「梅本君の為にもそうしてあげて」
「分かった」

メッセージのやり取りはそれで終わった。

「これでいい?」
「はい!」

愛莉の顔は明るかった。

「やっぱり冬夜さんはさすがです」

抱きついてくる愛莉の背中をさすってやる。

「それじゃ、そろそろ寝ようか?」
「はい」

愛莉とベッドに入ると照明を落とす。

「ねえ、冬夜さん」
「どうした愛莉」
「皆変わっていくんですね」
「どういう意味?」
「あれほど文句を言ってた人が言わなくなってしまいました。奥さんが怖いんですか?」
「そうじゃないよ。皆自覚が出来てるはずだよ」
「自覚?」
「ああ」

自由を手に入れたが責任がついてきた。結果自由を手放した。
その代わりかけがえのないものを手に入れた。
収入ができた出来た代わりに生活の維持という出費が出来た。
それは未来への先行投資。
自分の社会が出来た代わりに失いつつあるこれまでの仲間。
それは巣立ちという社会という空への第一歩。
僕達はもう、社会に守られている子供じゃない。社会に貢献しなければいけない立場だ。
それは未来への投資。

「僕だって愛莉にまだ投資しなきゃいけない」
「私にですか?」
「結婚指輪を渡して結婚して子供を作らなきゃいけない。それが愛莉の生きがいになるなら」
「駄目ですよ」
「え?」
「私だけの生きがいじゃない。冬夜さんの夢でもなければならない。二人の希望です」
「……そうだね」

愛莉の頭を撫でてる。
愛莉は僕にしがみ付いて眠りについた。

誰もが胸の奥に秘めた迷いの中で手にした温もりを、それぞれに抱きしめて新たなる道を行く。
遠く思い焦がれて張り裂けそうな夜もこの手に受け止める。
つかの間の悲しみはやがて輝く未来へと……。
抱き合う度にいつも二人歩んだ道の答えを探して来たけど、崩れてく音もたてずに果たせぬままの夢
それでも誰もが胸の奥に秘めた迷いの中手にした温もりを、それぞれに抱きしめて新たなる道を行く。
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