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LASTSEASON
紙飛行機
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(1)
「それじゃ、新成人おめでとう!」
咲さんが言うと宴の始まり。
今日は成人式。
渡辺班では如月夫妻、翔、ちぃちゃん、美里さん、栗林君、秋吉夫妻が該当する。
今日は彼等のお祝いと新年会を兼ねて開かれた。
僕のテーブルには愛莉、多田夫妻、桐谷夫妻、翔、ちぃちゃんがいる。
「翔、飲み過ぎは駄目だよ」
「翔、俺の酒が飲めねーってのか!」
誠がさっそく翔に絡んでる。
「誠、あんまり絡むなよ」
やんわり注意する。
「冬夜、お前に妹を寝取られた気持ちがわかるか!?」
「わかるわけないだろ」
わからないけど……愛莉が言ってたな。
娘が生まれてもいつか恋人が出来るんだよって。
似たような気持なのかな?
娘を寝取られるか……うん、わかんない。
「冬夜さんはああはならないでくださいね」
愛莉が言う。
「まあ、冬夜も娘が出来たらわかる時が来るよ」
桐谷君が言う。
やっぱり、愛莉パパが基準なんだろうか?
愛莉に聞いてみた。
「愛莉はさ、彼氏が出来たっておじさんに伝えた時どうだった?」
「え?」
「いや、やっぱり怒ってたのかな?って」
「……もう父親の心構えをなさるんですか?」
愛莉は笑っている。
「パパさんも最初は機嫌が悪かったですね。でもママさんが『愛莉ちゃんに彼氏が出来たなんておめでたい日になんて顔してるの~』って注意したら落ち込んでました」
やっぱり落ち込むのか。
「で、そのあと『今すぐその子に会わせなさい。なんていう子だ』ってパパさんが言って冬夜さんの名前を言ったら納得してました。どうしてだろうって思ったけど理由がわかりました」
愛莉はそう言って笑う。
うちの父さんと愛莉パパは古くからの「戦友」だったらしい。それでだろう。
「ちぃちゃんは翔をおじさんに紹介したんだよね?どうだった?」
ちぃちゃんに聞いてみた。
「泣いてましたね『ちぃもとうとうお嫁に行く時が来たのか』って。まだ私プロポーズもされてないのに」
そう言う事を今言うとまずいよちぃちゃん。
誠が反応する。
「翔!まさかおまえちぃを弄ぶだけ弄んでポイする気じゃないだろうな!?」
「ち、違いますよ!ただまだ学生だから早いと思って……お互い仕送りで生活してる身分だし」
翔もちぃちゃんもサークル活動で忙しいもんな。仕方ない。
「神奈はどうだった?」
神奈に聞いてみた。
「うちは母親だけだしな。まあ、子供を作るのはまだ早いくらいは言われたかな」
誠も中学の時から神奈の家に泊まってたしな。うちも他人の事言えないけど。
「亜依は?」
愛莉が亜依さんに聞いていた。
「瑛大の奴笑えるくらい緊張してたよ。そりゃもう動画撮っとけばよかったってくらい」
「2人とも実家に帰ったりするの?」
愛莉がカンナと亜依さんに聞いていた。
「元旦に挨拶にいったくらいかな。こいつ朝まで飲んで酒臭くて大変だったよ」
亜依さんが言う
「うちも誠の実家にはいったぞ。いやあ、肩凝ってたまらんかった」
「分かるわ神奈。私も瑛大の家に行った時そうだったから。しかもこいつは二日酔いだし。気まずかったよ」
カンナと亜依さんが言う。
「私は父さんより兄が大変でした。翔と一緒の部屋に寝るってだけで大騒ぎだったから」
ちぃちゃんがいう。
「当たり前だろ!俺の隣の部屋でやるなんて絶対許さないからな!」
「とかいいながら壁に耳を当ててたのは誰だこのド変態が!」
誠このやることは偶に意味が分からない。
「冬夜さんは理解しなくていいんですよ」
そうかしなくていいのか。
取り皿が空いたし次を取りに行くか。
食事を取りに行くと石原君に出会った。
「順調らしいね。ALICEさん」
「お陰様で皆順調です」
順調すぎるらしい。
ALICEさんはCDが早くも20万枚売れてオリコンランキングに入ったらしい。
ダウンロード数もうなぎのぼりだとか。
阿南君と仲さんも順調だとか。
阿南君は大河ドラマに出演、仲さんも火曜のドラマに出演してるらしい。
ますたーども土日に収録をまとめてやるらしい。
ますたーどの二人は金曜の夜に地元を発ち、日曜の夜に地元に戻る生活をしてるのだとか。
もちろんマネージャーと付き添いの二人も同行してる。
二組とももうマネージャーに任せてるらしい。
有栖さんは今日は来ている。
成人式くらいちゃんとさせてやりたいと石原君が言ったらしい。
「一生に一度ですからね」
石原君はそう言ってはしゃいでいる秋吉夫妻を見る。
「じゃ、またあとで。2次会行くんでしょ?」
石原君が言う。
「うん、そのつもり」
「それではまた」
料理を取って席に戻る。
「どこ行ってたんだよ冬夜!」
「ちょっと料理取りに言ってただけだよ」
桐谷君にそう言って席につく。
「食ってばかりでないでちっとは飲めよ!」
「そうだ、付き合い悪いぞ冬夜!」
桐谷君と誠が言う。
飛ばしてるなあ……。
「なんかあった?」
愛莉に聞いてみた。
「それが……」
愛莉の話を聞いてあきれた。
当然のようにカンナと亜依さんが激怒してる。
原因はすごく簡単だった。
翔とちぃちゃんは同棲している。
じゃあ、着替えはどうしてる?
同じ部屋でしてる。
当然だろうな。
「おまえはちぃの生着替えを見たのか!」と誠が激怒する。
「俺だって小学生の時に見ただけだぞ」と理不尽な怒りをぶつける。
「彼氏だから普通でしょ」とちぃちゃんが反撃する。
そして「ちぃが兄に反抗した。反抗期だ」と誠が荒れる。
話はそれだけじゃ終わらなかった。
「千歳さんの下着ってどんな下着?」
桐谷君が聞く。
「普通の黒い下着だけど?」とちぃちゃんが答える。
「ちぃは純白のでいいって言っただろ!」と誠がまた不可解な事を言い出す。
「兄の趣味にはついていけない!」とちぃちゃんが反抗する。
そして今に至る。
そして今……
「やっぱり彼女の初めての下着は白がいいよな?」
翔に絡む誠と桐谷君。
そしてカンナと亜依さんの怒りを買う。
とうのちぃちゃんは「ついていけない」と飲み物を取りに行った。
「冬夜さんはどうだったんですか?」
はい?
「冬夜さんもやっぱり白がお好きなんですか?」
普通に質問してくる愛莉。
「愛莉、初めての経験の時なんてそんなの関係ないよ。まず思考がそれどころじゃない」
「そうなんですか?」
「あと僕の好みは愛莉が良く知ってるだろ?」
「……そうですね」
「冬夜の趣味ってどんなんだよ!?」
誠が絡んでくる。
「冬夜さんは普通のを選んでくださりますよ……あっ」
愛莉は何かを思い出したようだ。
「どうしたんだ愛莉?」
カンナが聞く。
「冬夜さん優しいの。あんまり派手な色だと私が白いスカートとか白いシャツの時に透けるんじゃないかって心配された事があって」
「愛莉が羨ましいよ」
カンナがぼやく。
「なんか面白くないわね、何か困った癖とかないの?」
亜依さんが愛莉に聞く。
「そうですね、基本エルトのボーカルに合わせてたらいいくらいで……あっ」
また何か思い出したらしい。
「なんかあるのか?」
カンナが突っ込む。
「私がミニスカート好きじゃないのを知ってるから冬服を選ぶ時に私には黒いスカート買わせて自分でニットワンピ買って『これ部屋着だったらいいよね!』ってプレゼントしてくれたことがあった」
「冬夜もその境地に達したか」
誠は一人納得する。
「で、その服今どうしてるんだ?」
「冬の部屋着で着てるよ。……あっ!それでね~」
「まだ何かあるのか?」
カンナが聞く。
まだなにかあったか?
「冬夜さん、私がスカートがきつくなったって落ち込んでた時に『じゃあ、新しいの買いに行こうか?』ってなぐさめてくれたんだよ~」
もう愛莉の幸せ自慢でしかなかった。
「亜依……飲もうか」
「そうだね神奈……私今凄い飲みたい気分だわ」
二人して落ち込んでる。
そんな二人を不思議そうに見てる愛莉。
「そろそろドリンクラストオーダーです」
そう言うとぞろぞろと飲み物を取りに行く。
最後に皆で記念撮影。
カメラは小泉君が用意していた。
「2次会はカラオケです」
高校生組以外は皆2次会に行った。
(2)
「神奈どうしたの?亜依もだけど」
愛莉が不思議そうにカンナ達に聞いている。
「愛莉にはわかんねーよ……」
「うん、絶対分かんない」
二人は落ち込んでいる。
愛莉なりに考えたようだ。
「誠君はどんな服選んでくれるの?」
「普通に選んでくれるよ」
問題なさそうだな。
「……世間では普通なんだろうな?黒のストッキングががいいとか。白いミニスカートに生足でいろとか」
「……神奈。まだましだよ。私なんてクリスマスプレゼントがゴスロリのドレスだったぞ」
「……亜依。それ私もされた。ALICEみたいになれるって……」
なんか色々大変そうだな。
愛莉も困っていた。どう反応したらいいか分からないんだろう。
カンナが愛莉に聞いていた。
「愛莉はそういうのトーヤに要求された事無いのか?」
「私からも聞きたいわ。私なんて職場の制服着てくれって言われたわ」
亜依さんも聞いていた。
「冬夜さんはそう言うのとかボティラインが出る服とか露出が激しいのは要求しないの。私の体形そんなによくないからかな」
「……トーヤの事だから愛莉の事大事にしてるんだよ」
カンナがため息交じりに言う。
「なーに落ち込んでんだ!お前ら」
美嘉さんが加わった。
カンナが美嘉さんに説明する。
すると美嘉さんも考え込む。
「私も服装についてあまり言われたことねーな。ピアス空けすぎだって言われるくらいか」
「冬夜、ちょっと来てくれないか?」
渡辺君に呼ばれた。
なんだろう?
「新成人にお前から何か言葉をかけてやってくれないか?」
へ?
「今年卒業する奴等にも何か言ってやってくれ」
また無茶ぶりするな。
彼等は真剣なまなざしで僕を見ている。
やれやれ。
「マイク借りてもいい?」
「ああ」
渡辺君からマイクを受け取る。
「人生は紙飛行機」
僕は語りだした。
時には雨も降って涙も流れるけど思い通りにならない日は明日頑張ればいい。
ずっと見てる夢は自分がもう一人いてやりたい事を好きなように自由にできる夢。
人生は紙飛行機。願いを乗せて飛んでいく。
風の中を力の限りただ進むだけ。
その距離を競うより、どう飛んだのかどこを飛んだのかが一番大切な事。
心のままに365日飛び続けよう。
星は幾つ見えるか?
何も見えない夜か?
元気が出ない時は誰かと話そう。
人は自分が思っているより独りぼっちじゃない。
すぐそばの優しさに気付かずにいるだけ
人生は紙飛行機。
愛を乗せて飛んでいる。
折り方を知らなくてもいつの間にか飛ばせるようになる。
それが希望と言う推進力。
365日楽しくやろう。
生きる事は難しいし辛い。
だから笑顔でいられるようにお願いする。
明日頑張ろうとかただ進むだけなんだ。
当たり前だけどがむしゃらじゃなくていいから淡々とやっていこう。
誰かがすぐそばで見ている。
その優しさに気付かずにいるだけ。
今できない事も続けていれば出来るようになる。
前に進むためには希望が必要。
希望は自信の中にあるから。
パチパチと拍手が聞こえる。
段々大きくなる。
渡辺君にマイクを返すと席に戻る。
「冬夜!飲め!!」
誠が突然言い出した。
どうしたんだ?
「お前が普通過ぎて気に入らない!今日はお前の性癖を暴露してやる!!」
は?
「性癖って……」
「愛莉!お前もしっかり聞いとけ!絶対こいつ何か隠し持ってる!お前の知らないところで処理してるだけかもしれない」
カンナまで加担してた。
「わかった。ちゃんと覚えておく!」
愛莉が意気込んでいる。
「愛莉……愛莉の知らないところなんてあるわけないだろ」
愛莉に言うけど……。
「でも冬夜さん私に隠れてこそこそ動画見てました!」
「二人で暮らしだしてそれは無いだろ!」
「そうだけど、気になるります。冬夜さん好みの女性になりたいから」
もう十分だから!
「神奈の言う通りだ。こいつは絶対何か隠してるね!」
美嘉さんが加担していた。
「いいからとにかく飲め!」
桐谷君が注文する。
亜依さんも乗り気だ。
「なんか面白そうなことやってるわね!」
恵美さん達まで……。
朝になるまで尋問にあった。
(3)
バスの中で冬夜さんを見ている。
冬夜さんは無理矢理飲まされて酔いのせいか疲れのせいなのかぐっすり眠っている。
結論からすると冬夜さんに特殊は性癖は無かった。
娘の話がでたから「お前ひょっとしてロリコンか!?」と神奈が言った。
冬夜さんは慌てて否定する。
「そう言えば冬夜さん妹が欲しいって言ってたね」
私が言うと誠君が「妹を持つと辛いことがいっぱいあるぞ!」と泣き出した。
みんなで誠君を宥めるが「その変態は放っておけ!」と神奈が言った。
私は冬夜さんの好みを知っている。
多分私だけが知っている。
冬夜さんの好みはきっと私。
だから悩む。
どうして私なの?
「次は……」
あ、降りないと。
ボタンを押して冬夜さんを起こす。
「あ、寝てた?」
冬夜さんが聞くと私はうなずいた。
「ごめん、あんな勢いで飲まされるとは思わなくて」
「大丈夫ですよ」
バスを降りると歩いて帰る。
「大丈夫ですか?」
歩けますか?
「ああ、大丈夫少し寝たから楽になった」
家に帰りつくと。冬夜さんは玄関で立ち止まる。
「どうかなされましたか?」
冬夜さんは少し考えていた。
どうしたんだろう?
「うん、今なら酔いもあるしいっか」
冬夜さんは一人で納得された様だ。
そして言う
「愛莉、たまには一緒にお風呂入ろう?」
「いいんですか?」
「一人で入って足滑らせたり浴槽で溺れたら大変だろ?」
「……はい」
冬夜さんとお風呂に入る。
体を洗って少し狭いけど体を密着させて湯舟に浸かる。
「愛莉さ……僕の好み本当は知ってたんだろ?」
「ええ……、ただそれでも疑問が残ってしまって」
「疑問?」
「どうして私なのですか?」
私が言うと冬夜さんは笑っていた。
「その質問は考えるだけ無駄だよ」
「どうしてですか?」
「じゃあ愛莉はどうして僕なの?」
あ。
そう言う事か。
「確かに無駄でしたね!」
「だろ?」
冬夜さんは笑ってる。
お風呂を出ると髪を乾かす。
冬夜さんは先にベッドに入ってる。
髪を乾かし終える頃には冬夜さんの目は閉じてる。
そうっとベッドに入ると私も眠りにつく。
何しに生まれたの?
何しにここにいる?
考えるだけ時間の無駄だ。
ただ生き残りたい。
崖っぷちでもいい。
あなたを愛してる。
目覚めたい生命が今惹かれあっただけ。
生き残りたい。
まだ生きてたい。
あなたを愛してる。
本気の心を見せつけるまで私は眠らない。
(4)
2月15日。
大学では期末の後期のテストが終わり春休みに入った頃。
昨日は職場の女性社員からチョコをもらった。
愛莉はちょっとむっとしてたが不可抗力だ。
「愛莉のチョコが一番おいしいよ」
「本当ですか?」
そうやって愛莉の機嫌を直した。
今日は有休をとった。
理由はこれから婚姻届を出す為。
記念だからと有休を申請したら「おめでとう、いい記念になると良いな」と社長が言ってくれた。
こういう事にはおおらかな会社だ。
市役所に行って申請する。
受理された。
これで今日から愛莉は「片桐愛莉」になる。
婚姻届を出すだけだと思ったらそうではないらしい。
免許の本籍の書き換えから愛莉の通帳の名義変更までやる手続きは沢山あった。
半休じゃなくてよかった。
記念日だからということで帰りは外食にした。
愛莉と楽しく会話しながら夕食。
夕食を終えるとバスで帰る。
あの公演では子供たちがはしゃいで遊んでいた。
捨てられたらしい子犬を何人かで取り囲んでいる。
そんな様子を見ていた。
そして家に帰ると着替えてくつろぐ。
「冬夜さん先にお風呂入ってくださいな」
「わかった」
お風呂に入って寝室に戻ると愛莉がノートPCとレシートと奮闘している。
「愛莉、お風呂終わったよ」
「はい。もう少しで終わるので」
愛莉の隣に座るとテレビを見る。
すると作業を終えた愛莉が抱きついてくる。
「お風呂が先」
「意地悪ですね」
そう言いながら愛莉は風呂に向かう。
愛莉が風呂に入ってる間ゲームをする。
愛莉が部屋に戻って来た。
気づいてるけどゲームを続ける。
愛莉もそれに気が付いたのか僕に飛びついてくる。
「えい」
ゲームは終わった。
ゲーム機の電源を切ると愛莉を抱きしめる。
「本当に困ったお嫁さんだな」
「えへへ」
「本当にお嫁さんになっちゃったな」
「はい」
「愛莉」
「なんでしょう?」
「これからよろしくな」
「こちらこそ末永くよろしくお願いします」
「そろそろ寝ようか」
「はい」
愛莉と布団に入る。
いつものように愛莉が抱きついてくる。
今夜僕達はやっと一つになれた。
「それじゃ、新成人おめでとう!」
咲さんが言うと宴の始まり。
今日は成人式。
渡辺班では如月夫妻、翔、ちぃちゃん、美里さん、栗林君、秋吉夫妻が該当する。
今日は彼等のお祝いと新年会を兼ねて開かれた。
僕のテーブルには愛莉、多田夫妻、桐谷夫妻、翔、ちぃちゃんがいる。
「翔、飲み過ぎは駄目だよ」
「翔、俺の酒が飲めねーってのか!」
誠がさっそく翔に絡んでる。
「誠、あんまり絡むなよ」
やんわり注意する。
「冬夜、お前に妹を寝取られた気持ちがわかるか!?」
「わかるわけないだろ」
わからないけど……愛莉が言ってたな。
娘が生まれてもいつか恋人が出来るんだよって。
似たような気持なのかな?
娘を寝取られるか……うん、わかんない。
「冬夜さんはああはならないでくださいね」
愛莉が言う。
「まあ、冬夜も娘が出来たらわかる時が来るよ」
桐谷君が言う。
やっぱり、愛莉パパが基準なんだろうか?
愛莉に聞いてみた。
「愛莉はさ、彼氏が出来たっておじさんに伝えた時どうだった?」
「え?」
「いや、やっぱり怒ってたのかな?って」
「……もう父親の心構えをなさるんですか?」
愛莉は笑っている。
「パパさんも最初は機嫌が悪かったですね。でもママさんが『愛莉ちゃんに彼氏が出来たなんておめでたい日になんて顔してるの~』って注意したら落ち込んでました」
やっぱり落ち込むのか。
「で、そのあと『今すぐその子に会わせなさい。なんていう子だ』ってパパさんが言って冬夜さんの名前を言ったら納得してました。どうしてだろうって思ったけど理由がわかりました」
愛莉はそう言って笑う。
うちの父さんと愛莉パパは古くからの「戦友」だったらしい。それでだろう。
「ちぃちゃんは翔をおじさんに紹介したんだよね?どうだった?」
ちぃちゃんに聞いてみた。
「泣いてましたね『ちぃもとうとうお嫁に行く時が来たのか』って。まだ私プロポーズもされてないのに」
そう言う事を今言うとまずいよちぃちゃん。
誠が反応する。
「翔!まさかおまえちぃを弄ぶだけ弄んでポイする気じゃないだろうな!?」
「ち、違いますよ!ただまだ学生だから早いと思って……お互い仕送りで生活してる身分だし」
翔もちぃちゃんもサークル活動で忙しいもんな。仕方ない。
「神奈はどうだった?」
神奈に聞いてみた。
「うちは母親だけだしな。まあ、子供を作るのはまだ早いくらいは言われたかな」
誠も中学の時から神奈の家に泊まってたしな。うちも他人の事言えないけど。
「亜依は?」
愛莉が亜依さんに聞いていた。
「瑛大の奴笑えるくらい緊張してたよ。そりゃもう動画撮っとけばよかったってくらい」
「2人とも実家に帰ったりするの?」
愛莉がカンナと亜依さんに聞いていた。
「元旦に挨拶にいったくらいかな。こいつ朝まで飲んで酒臭くて大変だったよ」
亜依さんが言う
「うちも誠の実家にはいったぞ。いやあ、肩凝ってたまらんかった」
「分かるわ神奈。私も瑛大の家に行った時そうだったから。しかもこいつは二日酔いだし。気まずかったよ」
カンナと亜依さんが言う。
「私は父さんより兄が大変でした。翔と一緒の部屋に寝るってだけで大騒ぎだったから」
ちぃちゃんがいう。
「当たり前だろ!俺の隣の部屋でやるなんて絶対許さないからな!」
「とかいいながら壁に耳を当ててたのは誰だこのド変態が!」
誠このやることは偶に意味が分からない。
「冬夜さんは理解しなくていいんですよ」
そうかしなくていいのか。
取り皿が空いたし次を取りに行くか。
食事を取りに行くと石原君に出会った。
「順調らしいね。ALICEさん」
「お陰様で皆順調です」
順調すぎるらしい。
ALICEさんはCDが早くも20万枚売れてオリコンランキングに入ったらしい。
ダウンロード数もうなぎのぼりだとか。
阿南君と仲さんも順調だとか。
阿南君は大河ドラマに出演、仲さんも火曜のドラマに出演してるらしい。
ますたーども土日に収録をまとめてやるらしい。
ますたーどの二人は金曜の夜に地元を発ち、日曜の夜に地元に戻る生活をしてるのだとか。
もちろんマネージャーと付き添いの二人も同行してる。
二組とももうマネージャーに任せてるらしい。
有栖さんは今日は来ている。
成人式くらいちゃんとさせてやりたいと石原君が言ったらしい。
「一生に一度ですからね」
石原君はそう言ってはしゃいでいる秋吉夫妻を見る。
「じゃ、またあとで。2次会行くんでしょ?」
石原君が言う。
「うん、そのつもり」
「それではまた」
料理を取って席に戻る。
「どこ行ってたんだよ冬夜!」
「ちょっと料理取りに言ってただけだよ」
桐谷君にそう言って席につく。
「食ってばかりでないでちっとは飲めよ!」
「そうだ、付き合い悪いぞ冬夜!」
桐谷君と誠が言う。
飛ばしてるなあ……。
「なんかあった?」
愛莉に聞いてみた。
「それが……」
愛莉の話を聞いてあきれた。
当然のようにカンナと亜依さんが激怒してる。
原因はすごく簡単だった。
翔とちぃちゃんは同棲している。
じゃあ、着替えはどうしてる?
同じ部屋でしてる。
当然だろうな。
「おまえはちぃの生着替えを見たのか!」と誠が激怒する。
「俺だって小学生の時に見ただけだぞ」と理不尽な怒りをぶつける。
「彼氏だから普通でしょ」とちぃちゃんが反撃する。
そして「ちぃが兄に反抗した。反抗期だ」と誠が荒れる。
話はそれだけじゃ終わらなかった。
「千歳さんの下着ってどんな下着?」
桐谷君が聞く。
「普通の黒い下着だけど?」とちぃちゃんが答える。
「ちぃは純白のでいいって言っただろ!」と誠がまた不可解な事を言い出す。
「兄の趣味にはついていけない!」とちぃちゃんが反抗する。
そして今に至る。
そして今……
「やっぱり彼女の初めての下着は白がいいよな?」
翔に絡む誠と桐谷君。
そしてカンナと亜依さんの怒りを買う。
とうのちぃちゃんは「ついていけない」と飲み物を取りに行った。
「冬夜さんはどうだったんですか?」
はい?
「冬夜さんもやっぱり白がお好きなんですか?」
普通に質問してくる愛莉。
「愛莉、初めての経験の時なんてそんなの関係ないよ。まず思考がそれどころじゃない」
「そうなんですか?」
「あと僕の好みは愛莉が良く知ってるだろ?」
「……そうですね」
「冬夜の趣味ってどんなんだよ!?」
誠が絡んでくる。
「冬夜さんは普通のを選んでくださりますよ……あっ」
愛莉は何かを思い出したようだ。
「どうしたんだ愛莉?」
カンナが聞く。
「冬夜さん優しいの。あんまり派手な色だと私が白いスカートとか白いシャツの時に透けるんじゃないかって心配された事があって」
「愛莉が羨ましいよ」
カンナがぼやく。
「なんか面白くないわね、何か困った癖とかないの?」
亜依さんが愛莉に聞く。
「そうですね、基本エルトのボーカルに合わせてたらいいくらいで……あっ」
また何か思い出したらしい。
「なんかあるのか?」
カンナが突っ込む。
「私がミニスカート好きじゃないのを知ってるから冬服を選ぶ時に私には黒いスカート買わせて自分でニットワンピ買って『これ部屋着だったらいいよね!』ってプレゼントしてくれたことがあった」
「冬夜もその境地に達したか」
誠は一人納得する。
「で、その服今どうしてるんだ?」
「冬の部屋着で着てるよ。……あっ!それでね~」
「まだ何かあるのか?」
カンナが聞く。
まだなにかあったか?
「冬夜さん、私がスカートがきつくなったって落ち込んでた時に『じゃあ、新しいの買いに行こうか?』ってなぐさめてくれたんだよ~」
もう愛莉の幸せ自慢でしかなかった。
「亜依……飲もうか」
「そうだね神奈……私今凄い飲みたい気分だわ」
二人して落ち込んでる。
そんな二人を不思議そうに見てる愛莉。
「そろそろドリンクラストオーダーです」
そう言うとぞろぞろと飲み物を取りに行く。
最後に皆で記念撮影。
カメラは小泉君が用意していた。
「2次会はカラオケです」
高校生組以外は皆2次会に行った。
(2)
「神奈どうしたの?亜依もだけど」
愛莉が不思議そうにカンナ達に聞いている。
「愛莉にはわかんねーよ……」
「うん、絶対分かんない」
二人は落ち込んでいる。
愛莉なりに考えたようだ。
「誠君はどんな服選んでくれるの?」
「普通に選んでくれるよ」
問題なさそうだな。
「……世間では普通なんだろうな?黒のストッキングががいいとか。白いミニスカートに生足でいろとか」
「……神奈。まだましだよ。私なんてクリスマスプレゼントがゴスロリのドレスだったぞ」
「……亜依。それ私もされた。ALICEみたいになれるって……」
なんか色々大変そうだな。
愛莉も困っていた。どう反応したらいいか分からないんだろう。
カンナが愛莉に聞いていた。
「愛莉はそういうのトーヤに要求された事無いのか?」
「私からも聞きたいわ。私なんて職場の制服着てくれって言われたわ」
亜依さんも聞いていた。
「冬夜さんはそう言うのとかボティラインが出る服とか露出が激しいのは要求しないの。私の体形そんなによくないからかな」
「……トーヤの事だから愛莉の事大事にしてるんだよ」
カンナがため息交じりに言う。
「なーに落ち込んでんだ!お前ら」
美嘉さんが加わった。
カンナが美嘉さんに説明する。
すると美嘉さんも考え込む。
「私も服装についてあまり言われたことねーな。ピアス空けすぎだって言われるくらいか」
「冬夜、ちょっと来てくれないか?」
渡辺君に呼ばれた。
なんだろう?
「新成人にお前から何か言葉をかけてやってくれないか?」
へ?
「今年卒業する奴等にも何か言ってやってくれ」
また無茶ぶりするな。
彼等は真剣なまなざしで僕を見ている。
やれやれ。
「マイク借りてもいい?」
「ああ」
渡辺君からマイクを受け取る。
「人生は紙飛行機」
僕は語りだした。
時には雨も降って涙も流れるけど思い通りにならない日は明日頑張ればいい。
ずっと見てる夢は自分がもう一人いてやりたい事を好きなように自由にできる夢。
人生は紙飛行機。願いを乗せて飛んでいく。
風の中を力の限りただ進むだけ。
その距離を競うより、どう飛んだのかどこを飛んだのかが一番大切な事。
心のままに365日飛び続けよう。
星は幾つ見えるか?
何も見えない夜か?
元気が出ない時は誰かと話そう。
人は自分が思っているより独りぼっちじゃない。
すぐそばの優しさに気付かずにいるだけ
人生は紙飛行機。
愛を乗せて飛んでいる。
折り方を知らなくてもいつの間にか飛ばせるようになる。
それが希望と言う推進力。
365日楽しくやろう。
生きる事は難しいし辛い。
だから笑顔でいられるようにお願いする。
明日頑張ろうとかただ進むだけなんだ。
当たり前だけどがむしゃらじゃなくていいから淡々とやっていこう。
誰かがすぐそばで見ている。
その優しさに気付かずにいるだけ。
今できない事も続けていれば出来るようになる。
前に進むためには希望が必要。
希望は自信の中にあるから。
パチパチと拍手が聞こえる。
段々大きくなる。
渡辺君にマイクを返すと席に戻る。
「冬夜!飲め!!」
誠が突然言い出した。
どうしたんだ?
「お前が普通過ぎて気に入らない!今日はお前の性癖を暴露してやる!!」
は?
「性癖って……」
「愛莉!お前もしっかり聞いとけ!絶対こいつ何か隠し持ってる!お前の知らないところで処理してるだけかもしれない」
カンナまで加担してた。
「わかった。ちゃんと覚えておく!」
愛莉が意気込んでいる。
「愛莉……愛莉の知らないところなんてあるわけないだろ」
愛莉に言うけど……。
「でも冬夜さん私に隠れてこそこそ動画見てました!」
「二人で暮らしだしてそれは無いだろ!」
「そうだけど、気になるります。冬夜さん好みの女性になりたいから」
もう十分だから!
「神奈の言う通りだ。こいつは絶対何か隠してるね!」
美嘉さんが加担していた。
「いいからとにかく飲め!」
桐谷君が注文する。
亜依さんも乗り気だ。
「なんか面白そうなことやってるわね!」
恵美さん達まで……。
朝になるまで尋問にあった。
(3)
バスの中で冬夜さんを見ている。
冬夜さんは無理矢理飲まされて酔いのせいか疲れのせいなのかぐっすり眠っている。
結論からすると冬夜さんに特殊は性癖は無かった。
娘の話がでたから「お前ひょっとしてロリコンか!?」と神奈が言った。
冬夜さんは慌てて否定する。
「そう言えば冬夜さん妹が欲しいって言ってたね」
私が言うと誠君が「妹を持つと辛いことがいっぱいあるぞ!」と泣き出した。
みんなで誠君を宥めるが「その変態は放っておけ!」と神奈が言った。
私は冬夜さんの好みを知っている。
多分私だけが知っている。
冬夜さんの好みはきっと私。
だから悩む。
どうして私なの?
「次は……」
あ、降りないと。
ボタンを押して冬夜さんを起こす。
「あ、寝てた?」
冬夜さんが聞くと私はうなずいた。
「ごめん、あんな勢いで飲まされるとは思わなくて」
「大丈夫ですよ」
バスを降りると歩いて帰る。
「大丈夫ですか?」
歩けますか?
「ああ、大丈夫少し寝たから楽になった」
家に帰りつくと。冬夜さんは玄関で立ち止まる。
「どうかなされましたか?」
冬夜さんは少し考えていた。
どうしたんだろう?
「うん、今なら酔いもあるしいっか」
冬夜さんは一人で納得された様だ。
そして言う
「愛莉、たまには一緒にお風呂入ろう?」
「いいんですか?」
「一人で入って足滑らせたり浴槽で溺れたら大変だろ?」
「……はい」
冬夜さんとお風呂に入る。
体を洗って少し狭いけど体を密着させて湯舟に浸かる。
「愛莉さ……僕の好み本当は知ってたんだろ?」
「ええ……、ただそれでも疑問が残ってしまって」
「疑問?」
「どうして私なのですか?」
私が言うと冬夜さんは笑っていた。
「その質問は考えるだけ無駄だよ」
「どうしてですか?」
「じゃあ愛莉はどうして僕なの?」
あ。
そう言う事か。
「確かに無駄でしたね!」
「だろ?」
冬夜さんは笑ってる。
お風呂を出ると髪を乾かす。
冬夜さんは先にベッドに入ってる。
髪を乾かし終える頃には冬夜さんの目は閉じてる。
そうっとベッドに入ると私も眠りにつく。
何しに生まれたの?
何しにここにいる?
考えるだけ時間の無駄だ。
ただ生き残りたい。
崖っぷちでもいい。
あなたを愛してる。
目覚めたい生命が今惹かれあっただけ。
生き残りたい。
まだ生きてたい。
あなたを愛してる。
本気の心を見せつけるまで私は眠らない。
(4)
2月15日。
大学では期末の後期のテストが終わり春休みに入った頃。
昨日は職場の女性社員からチョコをもらった。
愛莉はちょっとむっとしてたが不可抗力だ。
「愛莉のチョコが一番おいしいよ」
「本当ですか?」
そうやって愛莉の機嫌を直した。
今日は有休をとった。
理由はこれから婚姻届を出す為。
記念だからと有休を申請したら「おめでとう、いい記念になると良いな」と社長が言ってくれた。
こういう事にはおおらかな会社だ。
市役所に行って申請する。
受理された。
これで今日から愛莉は「片桐愛莉」になる。
婚姻届を出すだけだと思ったらそうではないらしい。
免許の本籍の書き換えから愛莉の通帳の名義変更までやる手続きは沢山あった。
半休じゃなくてよかった。
記念日だからということで帰りは外食にした。
愛莉と楽しく会話しながら夕食。
夕食を終えるとバスで帰る。
あの公演では子供たちがはしゃいで遊んでいた。
捨てられたらしい子犬を何人かで取り囲んでいる。
そんな様子を見ていた。
そして家に帰ると着替えてくつろぐ。
「冬夜さん先にお風呂入ってくださいな」
「わかった」
お風呂に入って寝室に戻ると愛莉がノートPCとレシートと奮闘している。
「愛莉、お風呂終わったよ」
「はい。もう少しで終わるので」
愛莉の隣に座るとテレビを見る。
すると作業を終えた愛莉が抱きついてくる。
「お風呂が先」
「意地悪ですね」
そう言いながら愛莉は風呂に向かう。
愛莉が風呂に入ってる間ゲームをする。
愛莉が部屋に戻って来た。
気づいてるけどゲームを続ける。
愛莉もそれに気が付いたのか僕に飛びついてくる。
「えい」
ゲームは終わった。
ゲーム機の電源を切ると愛莉を抱きしめる。
「本当に困ったお嫁さんだな」
「えへへ」
「本当にお嫁さんになっちゃったな」
「はい」
「愛莉」
「なんでしょう?」
「これからよろしくな」
「こちらこそ末永くよろしくお願いします」
「そろそろ寝ようか」
「はい」
愛莉と布団に入る。
いつものように愛莉が抱きついてくる。
今夜僕達はやっと一つになれた。
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