3 / 14
②ー光樹Sideー
しおりを挟む
石橋くん兄弟が喧嘩して殴り合いにまで発展しそうだったから思わず声を出した。
そしたら翔斗くんは舌打ちした後、会議室を出て行った。
「…………久野さん。」
「なに?」
「すいません。
俺たち、頭に血が上ってました。」
「ううん。
謝るのは翔斗くんにでしょ?」
「ですね。
………久野さん、翔斗の傍に居てあげて下さい。
多分フロア奥の椅子の所に居るはずですから。
アイツ、久野さんの大ファンだから今、1番傍にいて欲しいと思います。」
「……わかった。」
俺は会議室を出た。
(はぁ、
段々、俺、あの親父に似てきてしまった。)
フロア奥に行くと翔斗くんが居た。
「翔斗くん。」
「……久野さん。」
「隣、いいかな?」
「はい。」
俺は翔斗くんの隣に座った。
「……翔斗くん、キミは本当に仕事をやめてもいいと思ってるの?」
「……分かりません。
確かに仕事を辞めれば気にせず女遊びができます。
でも、『仕事を辞める。』って考えは今までなかった。
頭に血が上ってつい出た言葉だったんです。
オレ、結構この仕事好き、なのかもしれない。
人形に、感情なんか必要ないのに……。」
(……人形?)
「オレも、翔真も普通じゃない。
狂ってるんです。
他人とは分かち合えない。決して…。」
そういう翔斗くんの表情は悲しげだった。
「翔斗くん。
俺はなにがあったのか分からないけど、話し合えば分かち合えると思っている。
だから、何かあるのなら話して欲しい。
今すぐじゃなくてもいいから、話したい時に話してくれたらいいよ。
俺はキミの言葉をちゃんと聴くから。」
「…………オレは、久野さんの大ファンだけど、信用出来ません。
どうせ、人は裏切る生き物だから。」
俺はその言葉を聞いて、翔斗くんの頭に手を置いた。
「……久野、さん?」
「『信用して。』って言っても無理だと思うけど、これだけは覚えてて?
俺は、キミの味方だよ。」
「…………」
翔斗くんはただ大人しく俺に頭を撫でられていた。
しばらくしたら翔斗くんが俺に体を預けてきた。
「……光樹、さん……。」
「ん?」
「……スゥースゥー、」
「なんだ、寝たのか。」
俺は翔斗くんの頭を撫でたまま寝かせた。
そしたら翔斗くんは舌打ちした後、会議室を出て行った。
「…………久野さん。」
「なに?」
「すいません。
俺たち、頭に血が上ってました。」
「ううん。
謝るのは翔斗くんにでしょ?」
「ですね。
………久野さん、翔斗の傍に居てあげて下さい。
多分フロア奥の椅子の所に居るはずですから。
アイツ、久野さんの大ファンだから今、1番傍にいて欲しいと思います。」
「……わかった。」
俺は会議室を出た。
(はぁ、
段々、俺、あの親父に似てきてしまった。)
フロア奥に行くと翔斗くんが居た。
「翔斗くん。」
「……久野さん。」
「隣、いいかな?」
「はい。」
俺は翔斗くんの隣に座った。
「……翔斗くん、キミは本当に仕事をやめてもいいと思ってるの?」
「……分かりません。
確かに仕事を辞めれば気にせず女遊びができます。
でも、『仕事を辞める。』って考えは今までなかった。
頭に血が上ってつい出た言葉だったんです。
オレ、結構この仕事好き、なのかもしれない。
人形に、感情なんか必要ないのに……。」
(……人形?)
「オレも、翔真も普通じゃない。
狂ってるんです。
他人とは分かち合えない。決して…。」
そういう翔斗くんの表情は悲しげだった。
「翔斗くん。
俺はなにがあったのか分からないけど、話し合えば分かち合えると思っている。
だから、何かあるのなら話して欲しい。
今すぐじゃなくてもいいから、話したい時に話してくれたらいいよ。
俺はキミの言葉をちゃんと聴くから。」
「…………オレは、久野さんの大ファンだけど、信用出来ません。
どうせ、人は裏切る生き物だから。」
俺はその言葉を聞いて、翔斗くんの頭に手を置いた。
「……久野、さん?」
「『信用して。』って言っても無理だと思うけど、これだけは覚えてて?
俺は、キミの味方だよ。」
「…………」
翔斗くんはただ大人しく俺に頭を撫でられていた。
しばらくしたら翔斗くんが俺に体を預けてきた。
「……光樹、さん……。」
「ん?」
「……スゥースゥー、」
「なんだ、寝たのか。」
俺は翔斗くんの頭を撫でたまま寝かせた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
藤吉めぐみ
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる