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「起きて、翔斗くん。」
「……ん、」
「起きろ!」
「ん~……
るっせぇ。」
オレは大声が聞こえ薄らと目を開けた。
「あっ、やっと起きた。」
「ん?
光樹、さん……?」
そしたら、笑顔の光樹さんが隣に居た。
「……あれ?
なんで、光樹さんがここに?」
「ハハッ、寝起きで頭が回ってないな。」
「……翔真も、居る。」
オレは状況が分からず、周りをキョロキョロと見回した。
そしたら、段々思い出してきた。
「あぁ、オレ、光樹さん…じゃなくて久野さんのなでなでが気持ち良くて寝ちゃったんだ。
すいません!
久野さん。」
オレは急いでもたれかかってた久野さんから離れた。
「別にいいよ。
それより俺のこと、『光樹さん』って本当は呼んでるんだ。」
「……あっ、すいません。」
「謝る必要ないよ。
久野さんじゃなくて光樹さんって呼んでよ。」
「いや、でも……」
「ねっ?翔斗くん。」
「……は、はい。」
(オレ、この人のこの笑顔に弱い気がする。)
「翔斗。」
「…………」
翔真に声をかけられ、オレは気まずくて目を逸らした。
「ごめん。
殴るのはダメだよな。」
「……翔真。」
「俺、図星だった。
仕事を純粋に楽しいって思えていなかった。
だから、図星を突かれてつい、殴った。」
「……別にいいよ。
オレも、言い過ぎた。」
「これで、仲良し双子声優の復活だね。」
「はい!
翔斗、仲直りの記念にこの写真見せる。」
「ん?
……あっ!」
翔真から見せられたスマホの画面には寝ているオレと光樹さんが写っていた。
「光樹さんの寝顔写真だ!
ちょうだい!」
「えっ?いつの間に! 」
「いいよ。
メールで送るね。」
ピロンっと翔真からメールが届いた。
「やったぁー!
光樹さんの寝顔写真ゲット!」
「翔斗くんって、可愛いね。」
「……可愛いって言わないで下さいよ。
オレ、男ですから。」
「ごめん、ごめん。」
「気を取り直して話し合いを始めましょうか?
後、2時間もないけど。」
「うん。」
オレたちは会議室に戻り、新しく始める配信バラエティーのタイトルや、する事を話し合って……数時間後、話し合いが終わった。
「光樹さん。
今日は色々すいませんでした。」
「いや、いいよ。
翔斗くん、また、今夜のラジオでね。」
「はい。」
オレはマネージャーに連絡する為、会議室を出た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「久野さん。」
「ん、なに?」
「久野さん、翔斗の事、好きですよね?
恋愛感情として。」
「……えっ?
……多分、そうかも…。
彼を見てると『傍に居たい。』『助けてやりたい』って思うんだ。」
「……翔斗にその気持ちがバレる事はありませんよ。
アイツ、基本的に他人には無興味だし。
久野さんなら翔斗の心を開けると思います。」
「…………どういうこと?」
「……詳しくは話せませんが、俺たちは昔から心を閉ざして来たんです。
特にアイツは俺よりも辛い思いをしてるから心を閉ざす、っていうか心に鍵を掛けてるような感じなんです。
でも、久野さんならアイツの心の鍵を開ける事ができる気がします。」
「だといいんだけど…………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マネージャーとの電話が終わり、オレは電話を切った。
その時、翔真と光樹さんがビルから出てきた。
「翔斗。
電話終わった?」
「うん。」
「この後、昼ごはんを食べに行くけど、翔斗くんも来る?」
「はい!
行きます。」
オレたちは近くの店へ行って昼ごはんを食べ終えて各々、仕事があるからその場で解散した。
「……ん、」
「起きろ!」
「ん~……
るっせぇ。」
オレは大声が聞こえ薄らと目を開けた。
「あっ、やっと起きた。」
「ん?
光樹、さん……?」
そしたら、笑顔の光樹さんが隣に居た。
「……あれ?
なんで、光樹さんがここに?」
「ハハッ、寝起きで頭が回ってないな。」
「……翔真も、居る。」
オレは状況が分からず、周りをキョロキョロと見回した。
そしたら、段々思い出してきた。
「あぁ、オレ、光樹さん…じゃなくて久野さんのなでなでが気持ち良くて寝ちゃったんだ。
すいません!
久野さん。」
オレは急いでもたれかかってた久野さんから離れた。
「別にいいよ。
それより俺のこと、『光樹さん』って本当は呼んでるんだ。」
「……あっ、すいません。」
「謝る必要ないよ。
久野さんじゃなくて光樹さんって呼んでよ。」
「いや、でも……」
「ねっ?翔斗くん。」
「……は、はい。」
(オレ、この人のこの笑顔に弱い気がする。)
「翔斗。」
「…………」
翔真に声をかけられ、オレは気まずくて目を逸らした。
「ごめん。
殴るのはダメだよな。」
「……翔真。」
「俺、図星だった。
仕事を純粋に楽しいって思えていなかった。
だから、図星を突かれてつい、殴った。」
「……別にいいよ。
オレも、言い過ぎた。」
「これで、仲良し双子声優の復活だね。」
「はい!
翔斗、仲直りの記念にこの写真見せる。」
「ん?
……あっ!」
翔真から見せられたスマホの画面には寝ているオレと光樹さんが写っていた。
「光樹さんの寝顔写真だ!
ちょうだい!」
「えっ?いつの間に! 」
「いいよ。
メールで送るね。」
ピロンっと翔真からメールが届いた。
「やったぁー!
光樹さんの寝顔写真ゲット!」
「翔斗くんって、可愛いね。」
「……可愛いって言わないで下さいよ。
オレ、男ですから。」
「ごめん、ごめん。」
「気を取り直して話し合いを始めましょうか?
後、2時間もないけど。」
「うん。」
オレたちは会議室に戻り、新しく始める配信バラエティーのタイトルや、する事を話し合って……数時間後、話し合いが終わった。
「光樹さん。
今日は色々すいませんでした。」
「いや、いいよ。
翔斗くん、また、今夜のラジオでね。」
「はい。」
オレはマネージャーに連絡する為、会議室を出た。
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「久野さん。」
「ん、なに?」
「久野さん、翔斗の事、好きですよね?
恋愛感情として。」
「……えっ?
……多分、そうかも…。
彼を見てると『傍に居たい。』『助けてやりたい』って思うんだ。」
「……翔斗にその気持ちがバレる事はありませんよ。
アイツ、基本的に他人には無興味だし。
久野さんなら翔斗の心を開けると思います。」
「…………どういうこと?」
「……詳しくは話せませんが、俺たちは昔から心を閉ざして来たんです。
特にアイツは俺よりも辛い思いをしてるから心を閉ざす、っていうか心に鍵を掛けてるような感じなんです。
でも、久野さんならアイツの心の鍵を開ける事ができる気がします。」
「だといいんだけど…………」
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マネージャーとの電話が終わり、オレは電話を切った。
その時、翔真と光樹さんがビルから出てきた。
「翔斗。
電話終わった?」
「うん。」
「この後、昼ごはんを食べに行くけど、翔斗くんも来る?」
「はい!
行きます。」
オレたちは近くの店へ行って昼ごはんを食べ終えて各々、仕事があるからその場で解散した。
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