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今俺は、亜多美の家に来ている。
くっ、やはり亜多美家の家は何から何まで広すぎる。俺の家とは、大違いだ。
「何ボサッとしてんのよ!ほら、行くわよ。」
まぁ、この敷地の一角を使わせてもらうだけだし、多分書を置いてある場所も、そんなに大きくないだろう。
この考えは、甘かった。この後俺は、地獄を見ることになる・・・。
「ついたわよ。」
!?
「ちょ、ちょっと待て。これだけあるのか?」
目の前には、ざっと10000冊以上の書が並んでいた。
「そうよ。日本中から、お父様が集めたの。剣術の書は、あそこ。」
見ただけでも、やる気が削がれそうだ。
「術には、型がないから我流の技を編み出せるのよ。それを、書にまとめるとこれぐらいの厚さ。」
その大きさは大体、国語辞典くらいだった。
「中には、技のコツとか動作だけをまとめる人もいるんだけど、こうやってどうしてこの技を作ったのかっていう、秘話を書く人もいるのよ。」
「てことは、その技のことが書いてある場所だけを読めばいいのか。」
「そうよ。それじゃぁ、頑張って。」
とりあえず、下の方から手をつけてみるか。
ん?ちょっと待てよ?
この技、読んだことがある。いや?一体どこで・・・。
こっちも、こっちも、どれも読んだことがある。
案外、1冊に載っている技は少ないのですぐには読めるが、どれもどこかで読んだことのあった技だった。
この調子だと、全部ありそうだな・・・。ん?なんだこれ?鍵がかかってる・・・。ちょっと、聞いてみるか。
「お~い、亜多美。」
ダッダッダッダッダッダッダッダッ。
廊下を走ってくる、足音がする。
「どうかした?」
「おっ、おう。これなは、何かと思って。」
そう言って、この本を見せた。
「ああ、これは禁書よ。これを読むと、その技ができるまで出られない空間に転移・・・、って!なんで鍵が外れてるの?」
「いや、なんか・・・勝手にあいてって、うお!」
本の中に吸い込まれていく。亜多美がなにか言っているようだが、聞こえない。まぁ、ぼちぼち行きますか。
この技は、見たことないな?やっと、手応えのありそうなものがきたな。
俺は、まず禁書を読んでみた。そして実際にやってみる。
できない。やはり、何かが違う。これは、時間がかかりそうな予感がするな。
6時間後・・・。
一向に兆しが、見えない。何が違う?何がおかしい?もう一度、見直してみるか?
ん?最後のページに、何か書いてある。
『己を見直せ・・・』
自分を見直す?俺は何かを、していない?
・・・そうか、俺はまだ読んだ技を一回も試していない。
よーし・・・、できない。
ちょっと待て?
もう一度。今度は、一度出したことのある技を・・・、出ない。まさか、『刹那一閃』もできないとは・・・。
考えろ。あの時と何が違う?聖剣は扱えてる。あとは・・・、怒ってない?そういえばあの時先生が、俺はもう少しで暴走すると言っていた。つまり、心拍数がまだ足りない?
血の巡りを、速くしろ。心拍数を上げろ!
「刹那一閃!」
出せた!!
やはり、この説は正しかった。
これで!!
まだダメなのか・・・。
もしかしたら、暴走状態並みの心拍数でいないと、扱えない代物なのか?
それだと、一生出られなくなるな・・・。
待てよ?もしこの空間に、暴走という概念が無ければいける。
これは一か八かの賭けだ。頼む。行けてくれ!
勿論そんなことはなく・・・、
不味い、暴走した。意識はあるのに、コントロールできない。これ、いつ終わるんだ?死ぬまでか?永遠に続くのか?そろそろ、飽きてきたな・・・。
操れたり、できないかな?
その後、色々試してみると・・・。
あれ?暴走状態じゃなくなった。ちょっと、心拍数を下げただけなのに。
もしかして、一気にやるからダメなだけで、ゆっくりだったらいけるのか?
早速試してみることにした。
ゆっくりだ。ゆっくり、息を整えろ。
そして、
「空羅双極撃」
できた・・・あれ、めまいが・・・。
時は少し遡り、大神が書に飲み込まれた直後。
「あー!もうどうして、人の話聞いてないのよ。この書に飲み込まれた人は、誰も戻ってこないって、お父様が言ってたのに。」
気づけば、目から涙が溢れていた。
「折角、お父様に紹介して見合いまで頼もうと思って他のに・・・。」
その直後、書が光り出した。
思わず私は、目を瞑った。
目を開くと、そこには大神がいた。だが、気を失っている。酸欠だ!
どうしよう、どうしよう。
「どうされましたか?お嬢様。」
「榎本!どうしよう、友達が倒れちゃって。」
「そうですね、ひとまず客間にお連れして、少し寝かせておきましょう。」
2時間後・・・。
「う~ん、あれ?ここは・・・。」
バサッ!
!?
急に、亜多美が抱きついてきた。
「もう!心配したのよ!大丈夫?怪我とかない?」
「おっおう、もう大丈夫だ。おっと、もうこんな時間だ。そろそろ帰らないと怒られちまう。それじゃぁ。」
そう言って、咄嗟にその場を離れた。あぶねー、あのままだと何しでかされるか分かったもんじゃない。
明日、謝るか~。
そう、祈念するのだった。
くっ、やはり亜多美家の家は何から何まで広すぎる。俺の家とは、大違いだ。
「何ボサッとしてんのよ!ほら、行くわよ。」
まぁ、この敷地の一角を使わせてもらうだけだし、多分書を置いてある場所も、そんなに大きくないだろう。
この考えは、甘かった。この後俺は、地獄を見ることになる・・・。
「ついたわよ。」
!?
「ちょ、ちょっと待て。これだけあるのか?」
目の前には、ざっと10000冊以上の書が並んでいた。
「そうよ。日本中から、お父様が集めたの。剣術の書は、あそこ。」
見ただけでも、やる気が削がれそうだ。
「術には、型がないから我流の技を編み出せるのよ。それを、書にまとめるとこれぐらいの厚さ。」
その大きさは大体、国語辞典くらいだった。
「中には、技のコツとか動作だけをまとめる人もいるんだけど、こうやってどうしてこの技を作ったのかっていう、秘話を書く人もいるのよ。」
「てことは、その技のことが書いてある場所だけを読めばいいのか。」
「そうよ。それじゃぁ、頑張って。」
とりあえず、下の方から手をつけてみるか。
ん?ちょっと待てよ?
この技、読んだことがある。いや?一体どこで・・・。
こっちも、こっちも、どれも読んだことがある。
案外、1冊に載っている技は少ないのですぐには読めるが、どれもどこかで読んだことのあった技だった。
この調子だと、全部ありそうだな・・・。ん?なんだこれ?鍵がかかってる・・・。ちょっと、聞いてみるか。
「お~い、亜多美。」
ダッダッダッダッダッダッダッダッ。
廊下を走ってくる、足音がする。
「どうかした?」
「おっ、おう。これなは、何かと思って。」
そう言って、この本を見せた。
「ああ、これは禁書よ。これを読むと、その技ができるまで出られない空間に転移・・・、って!なんで鍵が外れてるの?」
「いや、なんか・・・勝手にあいてって、うお!」
本の中に吸い込まれていく。亜多美がなにか言っているようだが、聞こえない。まぁ、ぼちぼち行きますか。
この技は、見たことないな?やっと、手応えのありそうなものがきたな。
俺は、まず禁書を読んでみた。そして実際にやってみる。
できない。やはり、何かが違う。これは、時間がかかりそうな予感がするな。
6時間後・・・。
一向に兆しが、見えない。何が違う?何がおかしい?もう一度、見直してみるか?
ん?最後のページに、何か書いてある。
『己を見直せ・・・』
自分を見直す?俺は何かを、していない?
・・・そうか、俺はまだ読んだ技を一回も試していない。
よーし・・・、できない。
ちょっと待て?
もう一度。今度は、一度出したことのある技を・・・、出ない。まさか、『刹那一閃』もできないとは・・・。
考えろ。あの時と何が違う?聖剣は扱えてる。あとは・・・、怒ってない?そういえばあの時先生が、俺はもう少しで暴走すると言っていた。つまり、心拍数がまだ足りない?
血の巡りを、速くしろ。心拍数を上げろ!
「刹那一閃!」
出せた!!
やはり、この説は正しかった。
これで!!
まだダメなのか・・・。
もしかしたら、暴走状態並みの心拍数でいないと、扱えない代物なのか?
それだと、一生出られなくなるな・・・。
待てよ?もしこの空間に、暴走という概念が無ければいける。
これは一か八かの賭けだ。頼む。行けてくれ!
勿論そんなことはなく・・・、
不味い、暴走した。意識はあるのに、コントロールできない。これ、いつ終わるんだ?死ぬまでか?永遠に続くのか?そろそろ、飽きてきたな・・・。
操れたり、できないかな?
その後、色々試してみると・・・。
あれ?暴走状態じゃなくなった。ちょっと、心拍数を下げただけなのに。
もしかして、一気にやるからダメなだけで、ゆっくりだったらいけるのか?
早速試してみることにした。
ゆっくりだ。ゆっくり、息を整えろ。
そして、
「空羅双極撃」
できた・・・あれ、めまいが・・・。
時は少し遡り、大神が書に飲み込まれた直後。
「あー!もうどうして、人の話聞いてないのよ。この書に飲み込まれた人は、誰も戻ってこないって、お父様が言ってたのに。」
気づけば、目から涙が溢れていた。
「折角、お父様に紹介して見合いまで頼もうと思って他のに・・・。」
その直後、書が光り出した。
思わず私は、目を瞑った。
目を開くと、そこには大神がいた。だが、気を失っている。酸欠だ!
どうしよう、どうしよう。
「どうされましたか?お嬢様。」
「榎本!どうしよう、友達が倒れちゃって。」
「そうですね、ひとまず客間にお連れして、少し寝かせておきましょう。」
2時間後・・・。
「う~ん、あれ?ここは・・・。」
バサッ!
!?
急に、亜多美が抱きついてきた。
「もう!心配したのよ!大丈夫?怪我とかない?」
「おっおう、もう大丈夫だ。おっと、もうこんな時間だ。そろそろ帰らないと怒られちまう。それじゃぁ。」
そう言って、咄嗟にその場を離れた。あぶねー、あのままだと何しでかされるか分かったもんじゃない。
明日、謝るか~。
そう、祈念するのだった。
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