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6.摩訶不思議な第一の変人

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この人物について、私は社会的評価以上の能力があると考えている。ただ、そのチャンスを自分から手放してしまうことが多いのが、彼女の大きな変人的特異点である。また、派手派手しい持ち物を多く愛用していることも興味深く、同様の特異点と言えるだろう。


変人種族は多種多様だが、彼女の場合、容姿はかなりコンパクトにまとまっている。つまり、所詮「ドングリの背比べ」とも言える女子衆の中でもかなり背が低いほうであり、それに準じて手、足諸々がコンパクトである。顔についてもコンパクトで目鼻立ちはくっきりしており特別醜い部分はなく、むしろ全体としては女子衆の中では偏差値のある程度ある方だ。 肌の色については純白というわけではなく、黄色人種のアジア人らしい肌色であり、総じて健康的である。髪についてはツヤとハリが充分にある。


さほど容姿はそんなに変人的でなかったかもしれない。だが、本番はココからだ。日常の人格、生態はまさに変人だ。
例えば、突発的に謎めいた意味不明のよく勘案されていない意見を言う。(それが、良いものか悪いものかと言えば、その多くは愚案だが、とびきりの名案も僅かながら隠れている。)そして、その発言の言いようがさも大真面目なのが私には面白くてたまらないし、変人的なのである。


また、会話についても少々の違和感を感じる。「あのね」とよく何かを言おうとしてくれるのだが、そのあとの重要な本質的内容を話してくれないことが多いのだ。(なんとも、焦ったい。)
それ以外にも、彼女には思ったことをすぐ口から放り出してしまう特性がある。そのため、いつも何かを話しているような状態なのである。(常に頭の中がパラレルワールドなのだ、きっと。)よって、会話の話題の変容が荒波のように激しく、付いていくこっちも苦労をする。(結局、面白楽しいに違いないが。


変人というのは彼女から分かるように、常人には真似できない。そして、多様である。(この作品では随所に変人が登場する。)普段の場(特に日本の縦社会において)で重宝されるのは凡庸な人かもしれない。だが、変人は数少ない場でありながらも、凡人を遥かにしのぐ力を発揮することがあるのだ。
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