上 下
7 / 20

7.優秀なのか、単なる奇人なのか判断あぐねる男

しおりを挟む
彼はもしかしたら、天才(天災)なのかもしれない、と幾度となく思わせられた。だが、いつもその推測は幻想の彼方に打ち消されていく…。それはなぜなら、彼の度重なる奇奇怪怪の行動があるからだ。どうしても私は彼を万能青年に分類することはできない。

彼の容姿は、奇奇怪怪というよりかは天才肌を感じさせるほうかもしれない。
華奢なシルエット、白い肌、端正な髪型で爽やかさが醸し出されている。服装は常に、その家柄の良さを前面に出すようなセンスの高いものを身につけている。
(ハイブランド、英国製の私にはちょっとよくわからない服…etc)また公に使う言葉も普段は非常に丁寧で美しい日本語だ。また、話のスピード、声なども気品がある。(同年代の男性にしては。)
気品だけに限らず彼はIQも常人よりはかなり高い(150以上はあるんじゃないか)し、勉学に優秀だ。(ここまで聞くとハイスペックイケメンに見えるかもしれない。)

さて、こうみると、育ちのいい坊ちゃん感がプンプンするわけだが、残念ながら私はそのような識見はあまり持てない。
なぜならば、彼の日常の多くでの行動はまさに奇奇怪怪としているからである。
まず、一つ思い当たるのが笑い方である。「ウヒャヒャ☆ウヒャヒャ☆」と大きな甲高い声で爆笑する姿はあまりにも奇怪だ。さらに笑いのツボが一般的な人に比べて非常に浅い。すなわち彼の笑いは非常に短絡的だ。

また、彼の奇奇怪怪部分、また私が個人的に時たま憤慨するのが彼の「自慢癖」である。先ほど書いた通り、彼の頭脳は明晰優秀である。が、良いものには良いものなりの使い方があるはずなのに、彼はその頭脳明晰さを乱用することがある。知能指数のレベルの高さをあからさまに暗示させるような発言をよくするのだ。そういう時、私はイライラを感じざるを得ない。


だが、彼はその知的指数の高さを有用に利用することもちゃんとある。特にわたしが高く評価したいのはどんな仕事も事業も完璧かそれに準じるクオリティでこなす。アイディアも全く凡庸でなく、色彩豊かなものを常に提供してくれる。彼と共に事業をするのは有意義で楽しくはある。


さて、知的指数というのは客観的な判断には必要かもしれないが、はっきり言って身辺での判断においては当てにならない代物なのかもしれない。

しおりを挟む

処理中です...