47 / 84
許せぬ相手
しおりを挟む
「何処から手を付けたら良いものか……。」
井伊直政隊の斬り込み隊長木俣守勝は思案していた。
松平忠吉「木俣殿。如何為されましたか?」
木俣守勝「忠吉様!何故こちらに?家康様から前線に赴くよう指示されたのは、うちだけだったはずでありますが……。」
井伊直政「『前線を見たい。』
と言って聞かなかったので……。」
木俣守勝「あの時とは状況が異なります。敵味方が入り乱れ、何処に伏兵が潜んでいるかわかりませぬ。それに流れ弾の危険もあります。」
井伊直政「武士の子だ。合戦で死んだらそれまでの事。」
木俣守勝「そうなりますと……。」
井伊直政「其方の経験が頼りである。」
木俣守勝「与し易いのは毛利でありますが、如何せん数が多過ぎます。狙うのでありましたら、朝から戦い通しの宇喜多秀家になります。ただ福島様を以てしても崩す事が出来ていない所を見ますと攻略は簡単ではありません。」
松平忠吉「ならば私が選んでも良いか?」
木俣守勝「無茶を言わないで下さいよ。」
松平忠吉「無茶では無いと思うが。」
と松平忠吉が指差した先、それは……。
井伊直政「正木左兵衛か……。」
松平忠吉「奴は兄秀忠の乳母の息子を斬って徳川を出奔した謀叛人。秀家はそれを知りながら取り立て。2万石もの扶持を与えている。このまま見過ごすわけにはいかぬ。加えて正木が当初居た陣は既に無く、今居るのは急ごしらえで築かれたもの。堅固な造りで無い事は明白。可児殿が秀元を押さえている間に攻略すれば、宇喜多秀家を崩す事が出来る。如何であろうか?」
井伊直政「木俣。どうだ?」
木俣守勝「ここで自重しようものなら臆病者の誹りを免れる事は出来ません。我らは徳川の中で、唯一戦闘に参加出来る部隊。つまり我らの働きが、そのまま徳川の評価となります。戦うほかありません。加えて我らの眼前に謀叛人が居ます。奴をこのままのさばしたら示しが付きません。ならば……。」
松平忠吉「木俣殿。やってくれるか!」
木俣守勝「ただここは最大の激戦地である事を忘れないで下さい。私の合図に従って下さい。」
松平忠吉「お願いします。」
井伊直政と松平忠吉は、木俣守勝を先陣に宇喜多秀家隊の右翼に陣取る正木左兵衛隊目掛け突撃。鉄砲を打ち掛け、長槍で掻き乱した後、騎馬隊が突撃。敵の鉄砲に細心の注意を払いつつ井伊隊の後を松平隊が突撃。懸命に守る正木隊。
「次で仕留める。」
と井伊直政が木俣守勝に再度の突撃を指示しようとした。丁度その時……。
井伊直政の右肩に銃弾が直撃。
井伊直政隊の斬り込み隊長木俣守勝は思案していた。
松平忠吉「木俣殿。如何為されましたか?」
木俣守勝「忠吉様!何故こちらに?家康様から前線に赴くよう指示されたのは、うちだけだったはずでありますが……。」
井伊直政「『前線を見たい。』
と言って聞かなかったので……。」
木俣守勝「あの時とは状況が異なります。敵味方が入り乱れ、何処に伏兵が潜んでいるかわかりませぬ。それに流れ弾の危険もあります。」
井伊直政「武士の子だ。合戦で死んだらそれまでの事。」
木俣守勝「そうなりますと……。」
井伊直政「其方の経験が頼りである。」
木俣守勝「与し易いのは毛利でありますが、如何せん数が多過ぎます。狙うのでありましたら、朝から戦い通しの宇喜多秀家になります。ただ福島様を以てしても崩す事が出来ていない所を見ますと攻略は簡単ではありません。」
松平忠吉「ならば私が選んでも良いか?」
木俣守勝「無茶を言わないで下さいよ。」
松平忠吉「無茶では無いと思うが。」
と松平忠吉が指差した先、それは……。
井伊直政「正木左兵衛か……。」
松平忠吉「奴は兄秀忠の乳母の息子を斬って徳川を出奔した謀叛人。秀家はそれを知りながら取り立て。2万石もの扶持を与えている。このまま見過ごすわけにはいかぬ。加えて正木が当初居た陣は既に無く、今居るのは急ごしらえで築かれたもの。堅固な造りで無い事は明白。可児殿が秀元を押さえている間に攻略すれば、宇喜多秀家を崩す事が出来る。如何であろうか?」
井伊直政「木俣。どうだ?」
木俣守勝「ここで自重しようものなら臆病者の誹りを免れる事は出来ません。我らは徳川の中で、唯一戦闘に参加出来る部隊。つまり我らの働きが、そのまま徳川の評価となります。戦うほかありません。加えて我らの眼前に謀叛人が居ます。奴をこのままのさばしたら示しが付きません。ならば……。」
松平忠吉「木俣殿。やってくれるか!」
木俣守勝「ただここは最大の激戦地である事を忘れないで下さい。私の合図に従って下さい。」
松平忠吉「お願いします。」
井伊直政と松平忠吉は、木俣守勝を先陣に宇喜多秀家隊の右翼に陣取る正木左兵衛隊目掛け突撃。鉄砲を打ち掛け、長槍で掻き乱した後、騎馬隊が突撃。敵の鉄砲に細心の注意を払いつつ井伊隊の後を松平隊が突撃。懸命に守る正木隊。
「次で仕留める。」
と井伊直政が木俣守勝に再度の突撃を指示しようとした。丁度その時……。
井伊直政の右肩に銃弾が直撃。
20
あなたにおすすめの小説
マルチバース豊臣家の人々
かまぼこのもと
歴史・時代
1600年9月
後に天下人となる予定だった徳川家康は焦っていた。
ーーこんなはずちゃうやろ?
それもそのはず、ある人物が生きていたことで時代は大きく変わるのであった。
果たして、この世界でも家康の天下となるのか!?
そして、豊臣家は生き残ることができるのか!?
天竜川で逢いましょう 〜日本史教師が石田三成とか無理なので平和な世界を目指します〜
岩 大志
歴史・時代
ごくありふれた高校教師津久見裕太は、ひょんなことから頭を打ち、気を失う。
けたたましい轟音に気付き目を覚ますと多数の軍旗。
髭もじゃの男に「いよいよですな。」と、言われ混乱する津久見。
戦国時代の大きな分かれ道のド真ん中に転生した津久見はどうするのか!!???
そもそも現代人が生首とか無理なので、平和な世の中を目指そうと思います。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
徳川慶勝、黒船を討つ
克全
歴史・時代
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
尾張徳川家(尾張藩)の第14代・第17代当主の徳川慶勝が、美濃高須藩主・松平義建の次男・秀之助ではなく、夭折した長男・源之助が継いでおり、彼が攘夷派の名君となっていた場合の仮想戦記を書いてみました。夭折した兄弟が活躍します。尾張徳川家15代藩主・徳川茂徳、会津藩主・松平容保、桑名藩主・松平定敬、特に会津藩主・松平容保と会津藩士にリベンジしてもらいます。
もしかしたら、消去するかもしれません。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる