就職して２０年。初めて８連休を頂くことになりました。

連休２日目―午後―

　午後。携帯のアラームに助けられジムへ足を運び、ランニングを除くいつものルーティンをこなした後、別の場所に移動しランニング。この日は１キロ毎のラップをとりながら。勿論ダッシュをするわけでは無く、現時点。力を入れずに走った場合のペースを知ることを目的に走り始めたのでありましたが

（……３キロで離脱。）

時間に追われる生活から解放された私は、路上をテクテク走り続けたのでありましたが。

（……疲れているようでありまして。）

開始から３０分そこそこでジョギングを辞めることにしました。その辞めた場所は何処であったのか？

と言いますと

『豊橋競輪場』。



　豊橋競輪場があるのは豊橋市の東田。今でこそ更に東へと広がっているのでありますが、東田にはかつて遊郭があったことからも推測することが出来ますように、戦前。豊橋市街地の最東端に位置していたのが東田でありました。その東田（電停）から更に東に３００ｍ離れた場所に戦後間もない１９４９年に開設されたのが豊橋競輪場であります。



　場外をやっていたのかもしれませんが、私が歩いたのは東門から南側に掛けての道路。正門は西側でありますので確認することは出来ませんでしたが。で。その南側を歩いていますと金網越しに中の様子を見ることが出来まして。勿論バンクを見ることは出来ません。金網の向こうの建物だけを見ることが出来たのでありましたが。その建物に沿うように置かれていたものが印象に残りまして……。どのようなモノが置かれていたのか？と言いますと、

今ですとフロン規制に引っ掛かるであろう家庭用の冷蔵庫が数台に、昔、タバコ屋なんかでよく見掛けたアイスクリームの陳列ボックス。それに全自動では無い洗濯機が、所在無げに並べられておりました。アイスクリームの陳列ボックスについては売店で使われていたものかもしれませんが、家庭用の冷蔵庫と洗濯機に関しましては、たぶん選手が使っていたものと思われます。で。改めて今は使われていない電化製品が並べられている建物を眺めてみますと

（……かつては選手の宿舎であったのかも？）

（……長屋みたいに見えるんですよ。）

もっともその建物のすぐ外が道路と言う立地条件でありますので、選手の宿舎になることは無い（簡単に外部と通信することが出来てしまいますので）と思われるのでありますが、昔。

……と言っても２ドアの家庭用冷蔵庫が普及したのは５０年経つか経たないか……。

（……５０年って十分昔か……。）

と、それよりも前。何に使われていたのか定かではない長屋風の建物に、なんとなく吸い寄せられました休日２日目の午後でありました。