魔術師の仕事

阿部うりえる

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7章

4 呪われし契り~ゲルハルト~

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それからどれくらいの時間眠っていたのだろう
今までの事が全て夢であれば…そんな私の儚い希望は見開いた目に映る赤い空で虚しく崩れ去った
起き上がるとたき火はもう消えている
辺りを見回すとあの男の姿が見当たらない…荷物もないということはもう先に行ってしまったのだろうか?
じわじわと湧き上がるような不安と恐怖に飛び起きた私はまだそこらにいるはずだと信じ男を探し回った
「おい!どこに行ったんだ!!」
声に反応した鳥か何かが頭上で羽ばたき私はびくりと体を震わせる
クソ…あの男…何で何にも言わずに出て行くんだ!
もちろんあの男の勝手だろう、しかし今この状況に置かれた私にとってはあんなふざけた男でもいないよりはましだった
「所詮罪人は苦しみぬいて死ねということなのか!?」
しんと静まりかえった森に嘆き声が響いた
絶望に打ちひしがれたようにダリウスは膝から崩れ落ち地面を叩きつけた
「ならばなぜ…人にするように着せ、倒れていた私を助けたりなんかしたんだ!?」
その時だった、どこからかまた昨日と同じ引きずるような音が聞こえたような気がし、私は警戒し辺りを見回した
あの化け物か!?
鼓膜に響く鼓動におかしくなりそうだったが、私はすぐさまそこら辺に転がっていた強そうな枝を取り今にも襲い掛かろうとする化け物の脅威に構えた
「クソ!!化け物が!殺してやる!」
血走る目を見開き辺りを警戒する
生暖かい風でガサガサなる音すらこの状況では全てが化け物の忍び寄る音に聞こえてしまう
恐怖で膝がガクガクと震え今にも倒れてしまいそうだ
「殺してやる!!クソが!!」
折れてしまいそうな心を奮い立たせようと声を張り上げたその時だった、背後から急に伸びた青白い手に枝を握りしめる手と口を塞がれ私はその何者かの方へとぐいっと引き寄せられた
「ー…!!」
もうおしまいだ、捕まった!
しかし恐る恐る振り向いたそこにいたのは化け物ではなく薄ら笑うあの男だった
今までの緊張が一気にほぐれ私はへなへなとその場に崩れ落ちた
「少しいなくなったくらいでいちいちパニくるな、こっちは一応追われている身なんだから…
近くで食えそうなものがないか探していただけだ」
だったらなぜ荷物を置いて行かなかったんだ?と疑問がわいたが一先ずこれで安心だと私は大きく息をついた
安心と同時に腹が大きな音を立てる
「全く、忙しい奴だな」
男はやれやれといった感じで袋の中をがさごそとあさり茶色い小ぶりの球体を取り出すとこちらに向かって数個投げてよこした
受け取ったそれは何かの果実なのだろうか?鼻を近づけると甘い香りが漂った
「食え、そしたら俺じゃない悪魔を探して助けてもらうんだな?
まあ、優しい奴だけとは限らないから用心はすることだ」
悪魔は木の実に爪を立て真ん中から二つに裂くと中の汁をすすりながら言う
やはり私を置いていくつもりだったのか…こいつはさっき追われる身だと言っていた、なぜ追われているのか気になったが、ここが地獄であるなら彼が悪魔であったとしてもなんら不思議はない…私がまだ見たこともないような、あの化け物よりも恐ろしいものがここにはいるのだろう
追われる身で私のような弱い人間が近くにいたのでは足手まといということか…
こいつ以外の悪魔…用心しろと彼は言った…私は生前、金の払えなくなった領民から必要最小限の財産までもむしりとった日の事、気に食わない使用人たちを拷問した時のこと、それ以外の人の世で耳にし目にした最悪な事がらを今の自分に照らし合わせた
ここは地獄だ、悪魔を選び間違えれば人の世のそれとは比べ物にならないおぞましいことが待ち受けているかも知れない…
「嫌だ…」
裂いた果実の中の汁に映る己の情けない表情を見ながら無力な罪人はぼそりと呟いた
「だから言ってるだろ?俺は…」
「嫌だ!お願いだ!私も連れて行ってくれ!何でもする!何でもするから!」
困り果てたように言い聞かそうとする悪魔の言葉を遮るようにダリウスはそう言うと地べたに額をこすりつけ頼み込んだ
「やれやれ、でかいものぶら下げてる割には随分と臆病な男だな」
悪魔は頭をかきながら彼の前にしゃがみこむとひれ伏す彼の頭をぽんぽんと叩きため息をついた
「いいだろう…ただし俺はさっきも言ったように追われる身だ、俺がいつ捕らわれ殺されようと、おまえがその後そいつらに捕まってどんな責め苦を受けようと俺は知らないからな?」
男は見上げる私の頭をくしゃっと撫でると荷物を背負い直し歩き出した
「俺の名はレライデルだ」
レライデル
それが地獄で見つけた天使(悪魔)との出会いだった

「それで…そのレライデルという悪魔と契約しおまえができたというわけか…」
ルカは食い入るようにその話を聞きごくりと唾を飲んだ
「ああ、それから俺はレライデルから地獄で起きた革命の事、彼が反逆の徒として追われているということを聞かされた」

それから何日か私たちは他の悪魔たちの住む都市を大回りするようにはるか東の地へと延びる広大な森を進み続けた
「今日はこの辺で休むか」
大きな岩がゴロゴロ転がる凸凹の地にレライデルはどさりと荷物を下ろすと辺りを見回し近くの背の高い藪の中へずんずんと進んで行った
私は昨日からかゆい足をかきむしりながら彼の入って行った藪を見張っていた
「ダリウス、こっちに荷物を運んでくれ!」
程なくして藪の中から出てきた彼が手招きする
私は言われるままに重い腰を持ち上げると荷物をかつぎ彼の後を追い藪の中を進んだ
十数歩歩いた先にあったのは膝くらいの高さの穴がぽっかりと開いた洞窟だった
「中は結構広いし、水もあるぞ」
レライデルが這いながらその穴へと落ちていったので私も先に荷物を押し込み下りてみる事にした
彼の言った通り穴の中は広く、深く、高さは優に3mはあるだろうか、彼が言った通り石壁から湧き出た水がちょろちょろと自然にできた溝を伝って洞窟の奥へと流れていた
レライデルは手から火を出すと地面の一か所にその火を移したき火を作り出した
悪魔の技は何度見てもすごい、私は感心するように膝を抱え薪もなく燃え続ける焔を見入った
「ここからそんなに遠くないな」
彼は取り出した地図を見て目的地までの道のりを確認しているようだ
私は勝手に荷物から果実を取り出すと悪魔にはお構いなしに空腹を満たした
しかし彼はなんで殺されかけてまでくだらない争いに身を投じているのか?ここは辺りが藪に覆われた目立たない洞窟だ、おまけに水もあるし、奥に入ればもっといい場所が広がっているかもしれない
ここにずっと身を隠し暮らし続けるのもいいのではないか?
その時、レライデルはフフと笑い地図を丸めるとたき火を囲み向かい合う形で私の前に腰を下ろした
果実を取ってくれと手で合図する彼に私は数個それを渡すと、空になった木の実の殻を燃え上がるたき火に投げ捨てた
「聞こえた…確かにここはいい所だ、隠れていれば多分ずっと見つからないだろうな」
「また心を読んだのか…ならくだらない争いなんか止めてここに居ればいいじゃないか?」
私は半ば本気だった
彼の話を聞く限れでは多勢に無勢だ東の国で待つ仲間だっているかどうかだって分からない
「昨日話したろ?仲間の死が見えたって…」
「ああ、確かおまえの不思議な力の一つだったか?」
彼にはたまに未来と遠く離れた場所の幻覚のようなものが見えるらしい
昨日彼はそれを見たらしい、大勢の顔見知りが黒い大きな翼を持つ一人の男の前に倒れる姿を
「俺はおまえと会う前ある兄妹を見殺しにした、脱獄を手助けしてくれた仲間だ
彼らとは俺がまだナベリウスの部下として働く前からの仲でな、昇進の時友達の少ない俺を祝ってくれたのも彼らだった…俺の唯一の友だったんだ」
そう語り終えたレライデルは今までに見せたことのないような悲しい眼差しでたき火を見つめていた
そんな彼に私は不思議な胸のときめきを覚えた
「俺たちのやってることはくだらないことかもしれない…でも、俺は同じ夢を持ち続け消えていった仲間の死を無駄にしたくはないんだ
たとえ最後の一人になろうとも俺は彼らと同じ志を持ったままここ(地獄)を去りたい」
たき火に投げ込んだ果実の皮がはじけ火の粉が上がりすぐに闇に飲まれた
「そうか…でも…おまえは怖くないのか?私は怖いんだ…腐っていく体を見るのは
こうして考えたり、笑ったり、泣いたり、見たり、聞いたりすることも腐れて肉の塊になるにつれ何もかも少しずつ感じれなくなってしまうことが…
地獄のへどろの一部になるまでただただ動く死体で彷徨い続けることを考えると怖くて…恐ろしいんだ…」
かきすぎて赤黒く腫れあがる左足をかきむしりながら私は今までしまい込んできた弱音を吐いた
「昨日からずっとかいてるな?痒いのか?」
「ああ…なんか草か何かで負けたのかもな?もう死んでるのに本当おかしな感じだよ」
レライデルは赤黒くなった箇所をまじまじと見つめていたが眉間にしわを寄せると少し冷たいさらさらした指先で患部を触り始めた
こんな時でも私の彼に対する異様な感情は膨れ上がり指先で触れられる箇所に全神経を集中させ彼を感じようとしていた
が、その時だった今までに感じたこともないような患部の疼きにすぐさま現実に戻された私は何だというようにその個所に目を移した
それが間違いだった
左足の皮下で何かが這いずり回っているではないか
「ひ!!」
慌てた私はとっさに近くのレライデルの腕にしがみつき彼に助けを求めた
「虫が入ってる…虫が湧いた死霊に犯されたのか」
「あ…ああ…娘に化けていてわからなくて…」
レライデルははあとため息をつくと「少し切るぞと」言い腫れあがった箇所に鋭く尖らせた爪を差し込んだ
赤黒い血が傷口からどうっと溢れるのに不思議と痛みはない
そしてダラダラとあふれ出る血とともに皮下で蠢いていたらしい数匹のそれは赤く染まり外へと飛び出し地面にぼとぼとと落ちた
「虫だ、食われてたんだろう」
地面でくねくねと動くそれらと彼の口から発せられた言葉に私は震えあがった
こんなものが自分の体の中を這いずり回っていたなんて…考えただけでもおぞましい…
「も…もういないんだよな?」
不安に駆られた私は地面で不気味に蠢くそれを近くにあった石で潰しながら彼に尋ねた
直ぐに返答が帰ってくるのかと思いきやレライデルは黙ったままだ
「なあ?なぜ黙ってるんだ…?」
そのことを問い詰めるとレライデルは大きなため息をつき「残念だが…」と一言言い目をそらしてしまった
「そんな…」
絶望に更なる絶望がのしかかりダリウスはどさりと座り込むと頭を抱えた
「さっき、怖いかって聞いたろ?」
しばらくの沈黙の後、レライデルがおもむろに口を開いた
「怖いよ…悪魔が怖いなんおかしいよな…」
それを聞きダリウスは伏していた頭を上げレライデルの方に向き直った
レライデルはダリウスの横に腰を下ろすと、彼の頬を撫で下ろし弱々しく笑って見せた
その時、ダリウスの中で芽生えていたある感情が頬に触れる手に手を重ねた
指を絡め、両手でその手のひらを包みレライデルを愛おしそうに見つめる
「いいのか?」
「ああ…」
レライデルは少し強張り緊張するダリウスを自身の方に引き寄せ彼の唇を奪い地面に押し倒すと、彼のローブを腰までまくり上げ足を撫で回した
「っ…」
氷のように冷たい指先で触れられる箇所が次第に熱を帯びていく
「大丈夫、力を抜け」
器用な舌使いで体を舐めまわしながらレライデルが優しい口調で囁く
男とするのは初めてだったダリウスだったが、彼が肉棒を銜え動き始めるとその舌使いのすごさに直ぐ行きそうになった
「っ…凄い…も…もう…」
レライデルは息を荒げる彼を確認すると途中で行為を止め、今度は彼の足を持ち上げまだ未開のその個所を舌先で刺激し始めた
舌が穴へと押し入ってくるたびに今までに感じたこともないような快感が全身を駆け巡る
「いい感じになってきたな?」
レライデルは自身の指先を喰わえ唾で濡らしながらそう言うとキスを施しながら一本また一本と指を彼の中へと滑らせた
出し入れされるたびに押し寄せる苦しさで気分が悪くなった
「すぐに良くしてやる」
耳元で囁かれる声に、見つめる眼差しに、体が熱くなり今までの緊張が嘘のように解れ快感へと移行しはじめる
頭がぼんやりとしもうどうなってもいいと感じていた時には既に悪魔のそれは自分の中をかき乱していた
何度も何度も、どのくらいの時間交わっているのか分からないくらいに私たちは交わり続けた
その度に流し出される彼のそれが私には彼の涙にも感じられ嬉しかった
私の体で癒せるのなら何度でも彼を受け入れたい…そう感じながら、私の意識は次第に遠のいていった
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