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4章
1 ハーメルンへ
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長雨が続ゲルハルトの持ってきた仕事先に出かけるのが3日ほど遅れていた
明日には晴れるんじゃないかとルカが前日に言っていたのでネリーはその日まだ夜も明けきらないうちに目を覚ました
窓を勢いよく開け放つとルカの言った通り昨日までの雨は嘘のように晴れていた
どこからか雄鶏の鳴き声が聞こえてくる
「んー…今日はいい天気になりそう…」
ネリーは雲一つないまだ薄暗い空を見上げそう呟くと大きく伸びをし、窓際の椅子に腰かけると髪の毛をとかし身支度を整え始めた
その後薪を焚きスープとお湯を沸かすとパンや肉などを布に包み大きな鞄に詰め込んだ
そうしているうちにルカが荷物をかつぎながら階段を下りてきたのでネリーは温めたスープを皿によそいパンを切ってテーブルに並べた
「悪いな少し寝過ごした」
ルカは荷物を床に置くと眠そうに椅子に腰かけ言った
「昨日は遅くまで起きてたの?」
ネリーはスープを食べながらルカに聞く
「ああ、少し調べ物があったからな…今日は早めに出るぞ、それでなくても長雨のせいで出発が遅くなったからな…
そうだ、忘れないうちに…一応これを預けておこう」
ルカはそう言うと荷物から護符を数枚取り出しネリーに渡した
「また悪魔祓いの依頼なの…?」
ネリーは不安そうにそれを受け取り聞いた
「行ってみないことにはまだ分からないが一応だ…」
ルカは不安そうに護符を見つめるネリーの頭をくしゃっと撫でるとすると再び食卓に戻り残りを平らげた
その後、家を早々に出発した彼らはここより北西にあるハーメルン市を目指して田舎道を歩いていた
「それでその消えた子供たちはどこに行っちゃったんだろう…」
ネリーはルカに今回行く街で立て続けに起きている事件について歩きながら聞いていた
その街では子供が何人も夜中のうちに姿を消し行方が分からなくなるとゆう事件が多発していた
人々は人さらいも考え家に鍵をかり、子供をベッドに繋いで寝かせたり自分たちが夜通し見張り起きていたが子供は朝になるまでにはベッドから姿を消すので人々は悪霊の仕業だろうと考え始めるようになったという
それを見かねたその街の市長がゲルハルトに頼み、彼がルカに依頼話を持ってきたということであった
「それは僕にも分からない…しかしその街には今から何百年も昔に同じように子供が集団でいなくなる事件が起きている…ハーメルンという道化の男が自分の笛で病気の子たちを癒してやろうと彼らの親たちに約束し、子供は男の指定した森の中の小屋に集められた
翌日になって親たちが子供を迎えに行くとそこには道化はおろか子供も一人残らずいなくなっていた…っていう話だ」
ルカは荷物を背負い直しながら昔その街で起きた事件についてネリーに話して聞かせた
「じゃあまたその道化が子供たちをさらったんじゃ…
でも道化が人ならとっくに死んじゃってるか…」
ネリーはぐるぐる思考回路を働かせながら言った
「その当時は人さらいとして片付けたようだが、今回のはどうもそうではないみたいだな」
「そう言えば大人が起きて見張ってたっていうし…ん?よく分からないよー!」
ネリーは困惑したように頭を押さえ首を横に振った
「まだ重要な部分を君には言ってないから分からなくて当然だ
実は彼ら大人たちが起きて見張っていると、どこからともなく笛の音が聞こえてくるそうだ
その音色は今まで聞いたこともないようなとても美しい音色で、聞き入らずにはいられないものなんだそうだ
そして彼らが笛の音に聞き入り子供から少し目を離した隙に子供は物音一つたてず消え去ってしまうという…
しかし翌日その事を家族や近所の人間に話しても彼らはみんなそんな笛の音など聞いていないというわけだ」
ルカはそう言うと地図を広げ道を確認した
「だから悪霊の仕業かもしれないってわけね…」
ネリーが納得したように頷き言った
「子供たちが無事でいることを祈るばかりだな…
この道を行くと森に入るが、この辺はこの頃魔女狩りの連中がうろついているらしいから変なことは言えないからな」
ルカは地図を指さしながら厳しい口調でネリーに言って聞かせた
「魔女狩り…」
その言葉にネリーは鳥肌が立った
「言動に気を付けていればそんな怖がることじゃないさ、僕らは旅をしているだけということにしておけばいいんだ
二人なら誰も怪しまないさ…」
ルカはそのように言うと地図をしまい森を目指して歩き始めた
ネリーは頬をパンパンと叩き気を引き締めるとルカの後に続いた
森に入るころには日も西に傾きかけていたので二人は野宿をするため、あまり濡れてない地面を探すと乾いている枝などを拾い集め火を熾した
「はぁ~疲れたぁ~それにお腹もペコペコ…」
ネリーはそう言うと鞄から食べ物を取り出し肉や野菜を串に刺してたき火であぶり焼きにした
「明日は早めに出発するから食べたらすぐ寝るといい…」
ルカはポットにお湯を沸かすとそれでお茶を入れネリーに差し出しながら言った
「ありがとう」
お茶を受け取り眠そうな表情でネリーが言う
食事を済ませ二人は早々眠りについた_____
明日には晴れるんじゃないかとルカが前日に言っていたのでネリーはその日まだ夜も明けきらないうちに目を覚ました
窓を勢いよく開け放つとルカの言った通り昨日までの雨は嘘のように晴れていた
どこからか雄鶏の鳴き声が聞こえてくる
「んー…今日はいい天気になりそう…」
ネリーは雲一つないまだ薄暗い空を見上げそう呟くと大きく伸びをし、窓際の椅子に腰かけると髪の毛をとかし身支度を整え始めた
その後薪を焚きスープとお湯を沸かすとパンや肉などを布に包み大きな鞄に詰め込んだ
そうしているうちにルカが荷物をかつぎながら階段を下りてきたのでネリーは温めたスープを皿によそいパンを切ってテーブルに並べた
「悪いな少し寝過ごした」
ルカは荷物を床に置くと眠そうに椅子に腰かけ言った
「昨日は遅くまで起きてたの?」
ネリーはスープを食べながらルカに聞く
「ああ、少し調べ物があったからな…今日は早めに出るぞ、それでなくても長雨のせいで出発が遅くなったからな…
そうだ、忘れないうちに…一応これを預けておこう」
ルカはそう言うと荷物から護符を数枚取り出しネリーに渡した
「また悪魔祓いの依頼なの…?」
ネリーは不安そうにそれを受け取り聞いた
「行ってみないことにはまだ分からないが一応だ…」
ルカは不安そうに護符を見つめるネリーの頭をくしゃっと撫でるとすると再び食卓に戻り残りを平らげた
その後、家を早々に出発した彼らはここより北西にあるハーメルン市を目指して田舎道を歩いていた
「それでその消えた子供たちはどこに行っちゃったんだろう…」
ネリーはルカに今回行く街で立て続けに起きている事件について歩きながら聞いていた
その街では子供が何人も夜中のうちに姿を消し行方が分からなくなるとゆう事件が多発していた
人々は人さらいも考え家に鍵をかり、子供をベッドに繋いで寝かせたり自分たちが夜通し見張り起きていたが子供は朝になるまでにはベッドから姿を消すので人々は悪霊の仕業だろうと考え始めるようになったという
それを見かねたその街の市長がゲルハルトに頼み、彼がルカに依頼話を持ってきたということであった
「それは僕にも分からない…しかしその街には今から何百年も昔に同じように子供が集団でいなくなる事件が起きている…ハーメルンという道化の男が自分の笛で病気の子たちを癒してやろうと彼らの親たちに約束し、子供は男の指定した森の中の小屋に集められた
翌日になって親たちが子供を迎えに行くとそこには道化はおろか子供も一人残らずいなくなっていた…っていう話だ」
ルカは荷物を背負い直しながら昔その街で起きた事件についてネリーに話して聞かせた
「じゃあまたその道化が子供たちをさらったんじゃ…
でも道化が人ならとっくに死んじゃってるか…」
ネリーはぐるぐる思考回路を働かせながら言った
「その当時は人さらいとして片付けたようだが、今回のはどうもそうではないみたいだな」
「そう言えば大人が起きて見張ってたっていうし…ん?よく分からないよー!」
ネリーは困惑したように頭を押さえ首を横に振った
「まだ重要な部分を君には言ってないから分からなくて当然だ
実は彼ら大人たちが起きて見張っていると、どこからともなく笛の音が聞こえてくるそうだ
その音色は今まで聞いたこともないようなとても美しい音色で、聞き入らずにはいられないものなんだそうだ
そして彼らが笛の音に聞き入り子供から少し目を離した隙に子供は物音一つたてず消え去ってしまうという…
しかし翌日その事を家族や近所の人間に話しても彼らはみんなそんな笛の音など聞いていないというわけだ」
ルカはそう言うと地図を広げ道を確認した
「だから悪霊の仕業かもしれないってわけね…」
ネリーが納得したように頷き言った
「子供たちが無事でいることを祈るばかりだな…
この道を行くと森に入るが、この辺はこの頃魔女狩りの連中がうろついているらしいから変なことは言えないからな」
ルカは地図を指さしながら厳しい口調でネリーに言って聞かせた
「魔女狩り…」
その言葉にネリーは鳥肌が立った
「言動に気を付けていればそんな怖がることじゃないさ、僕らは旅をしているだけということにしておけばいいんだ
二人なら誰も怪しまないさ…」
ルカはそのように言うと地図をしまい森を目指して歩き始めた
ネリーは頬をパンパンと叩き気を引き締めるとルカの後に続いた
森に入るころには日も西に傾きかけていたので二人は野宿をするため、あまり濡れてない地面を探すと乾いている枝などを拾い集め火を熾した
「はぁ~疲れたぁ~それにお腹もペコペコ…」
ネリーはそう言うと鞄から食べ物を取り出し肉や野菜を串に刺してたき火であぶり焼きにした
「明日は早めに出発するから食べたらすぐ寝るといい…」
ルカはポットにお湯を沸かすとそれでお茶を入れネリーに差し出しながら言った
「ありがとう」
お茶を受け取り眠そうな表情でネリーが言う
食事を済ませ二人は早々眠りについた_____
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