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一風変わった婚活パーティ
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「こんばんは」
パーティも終盤になり受付係も片付けながら同僚と話しをしていた。
控えめな声で挨拶をされ、振り向くと頭巾を被った女性がが一人立っていた。
「はい。こんばんは。(頭巾で判りづらいが声の感じからすると…若そうだが、参加者か?)終了の時間が近いですが、パーティに参加をご希望ですか?紹介状をお持ちですか?」
紹介状の有無を尋ねると頷いて差し出した。
「はい」
しっかり判の入った封筒を確認すると、時間も残り少ないのでいつもの手順を飛ばして、中身を見ずに札を渡す。
まさか、この手順を怠った事が後に多少なり波紋を呼ぶことを彼はしらない。
「では、こちらの番号札をお持ちになって会場へお入りください。そこで案内係がきますので誘導に従ってください。」
「ありがとう」
扉を押し開けると、直ぐに案内係がやってきて頭巾を被ったまま(ここでは女性は、身分上顔を隠して参加する者も多いので特に気にしない)の彼女に尋ねた。
「こんばんは。ようこそいらっしゃいました。終了時間が迫っていますが、会場には、まだ若い方や騎士様がいらしています。どのような方をご希望ですか?」
尋ねられた彼女は、首を横に振ると
「こんばんは。いいえ。若い子より渋めのがっしりしたおじさんがいいです」
少しぶっ飛んだセリフで応じた。
「はい?」
「細マッチョよりムキムキの筋肉のある方が好きです。こう、首が太く、上着を脱いだ時になんか上腕が盛り上がって胸板が厚くお腹は軽く割れている感じがいいです。なので年上の方を所望します。あそこに座られているあの方がいいです」
そういって彼女が指し示したのは、胸に40と番号の入った強面で会場に着いてから誰にも声をかけられず、部屋の一角に陣取ってただひたすらに酒を飲み、異彩を払っていた男だったからだ。
「えっ?40番?ええっ?間違いなく?えっと…40番!本当に40番の方ですか?」
案内係は彼女の選択に驚き、自答を繰り返した後、仕事を思い出したのか恐る恐る再度確認をとった。
「はい!間違いなく。40番のあの方をお願いします」
希望がかわるはずもなく妙に力の入った元気な声で答えられた。
「…はい、かしこまりました。では、ご案内します」
男の下へ連れて行こうとすると、更に驚き発言が飛び出した。
「いえ、それはいいので、部屋をお願いします」
「え?へや?部屋ですか?」
「ええ」
「え?お話もせずに、いきなり部屋に行かれるのですか?」
「ええ」
何度かやり取り後、彼女の意思が強く部屋を望んでいる事を確認した案内係は二階の部屋に彼女を連れて行く。
「では、こちらのお部屋で少々お待ちください」と告げて、40番の男を迎えるため、出ていった。
パーティも終盤になり受付係も片付けながら同僚と話しをしていた。
控えめな声で挨拶をされ、振り向くと頭巾を被った女性がが一人立っていた。
「はい。こんばんは。(頭巾で判りづらいが声の感じからすると…若そうだが、参加者か?)終了の時間が近いですが、パーティに参加をご希望ですか?紹介状をお持ちですか?」
紹介状の有無を尋ねると頷いて差し出した。
「はい」
しっかり判の入った封筒を確認すると、時間も残り少ないのでいつもの手順を飛ばして、中身を見ずに札を渡す。
まさか、この手順を怠った事が後に多少なり波紋を呼ぶことを彼はしらない。
「では、こちらの番号札をお持ちになって会場へお入りください。そこで案内係がきますので誘導に従ってください。」
「ありがとう」
扉を押し開けると、直ぐに案内係がやってきて頭巾を被ったまま(ここでは女性は、身分上顔を隠して参加する者も多いので特に気にしない)の彼女に尋ねた。
「こんばんは。ようこそいらっしゃいました。終了時間が迫っていますが、会場には、まだ若い方や騎士様がいらしています。どのような方をご希望ですか?」
尋ねられた彼女は、首を横に振ると
「こんばんは。いいえ。若い子より渋めのがっしりしたおじさんがいいです」
少しぶっ飛んだセリフで応じた。
「はい?」
「細マッチョよりムキムキの筋肉のある方が好きです。こう、首が太く、上着を脱いだ時になんか上腕が盛り上がって胸板が厚くお腹は軽く割れている感じがいいです。なので年上の方を所望します。あそこに座られているあの方がいいです」
そういって彼女が指し示したのは、胸に40と番号の入った強面で会場に着いてから誰にも声をかけられず、部屋の一角に陣取ってただひたすらに酒を飲み、異彩を払っていた男だったからだ。
「えっ?40番?ええっ?間違いなく?えっと…40番!本当に40番の方ですか?」
案内係は彼女の選択に驚き、自答を繰り返した後、仕事を思い出したのか恐る恐る再度確認をとった。
「はい!間違いなく。40番のあの方をお願いします」
希望がかわるはずもなく妙に力の入った元気な声で答えられた。
「…はい、かしこまりました。では、ご案内します」
男の下へ連れて行こうとすると、更に驚き発言が飛び出した。
「いえ、それはいいので、部屋をお願いします」
「え?へや?部屋ですか?」
「ええ」
「え?お話もせずに、いきなり部屋に行かれるのですか?」
「ええ」
何度かやり取り後、彼女の意思が強く部屋を望んでいる事を確認した案内係は二階の部屋に彼女を連れて行く。
「では、こちらのお部屋で少々お待ちください」と告げて、40番の男を迎えるため、出ていった。
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