騎士隊長は、婚活中。閉じ込められて幸せを得る

kitahara

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隊長は、覚悟を決める

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どんなに考えを巡らせても、この部屋に通され鍵をかけられ、明日まで閉じ込められた以上、女との結婚は決定事項で、彼に拒否権はない。

 (仕方ないか…)彼は覚悟を決めた。


 「…あーなんだ。俺は、ダグラス。ダグラス・ギールズという…」

 「はい。存じています。」

 「ああ…知ってるか。そうか…」

 二の句が続けられず、(大柄で強面な為、遠巻きにされ、女性と親しく接してこれなかった隊長は、この年でありながら、純情で女慣れしていない…)

 「…」
 「…」

 会話の糸口を見つけられず、少々考えるのがめんどくさくなった彼は、戸棚に備えていた酒を掴むと女の前の椅子にどっかり座るとグラスに酒を注ぎ彼女につきつけた。

 「…飲めるか?」

 「判りません。でも、頂きます」

 嬉しそうにダグラスからとグラスを受け取ると、口元へ持っていく。

その様子を見ながら自分もグラスの酒を満たすと一気に飲み干して、先程から気になっていたことを尋ねた。

 「あー、頭巾は脱がないのか?」

彼女はまだ、頭巾を被ったままだった。目元がみえないので顔立ちさえ、判らず年齢もはっきりしない。二人きりになった部屋で、脱がないのには何かあるのだろうか?


「え?あっ…」少し言いよどんでから「出来ましたら、もうしばらくこのままで被っていても構わないでしょうか?」

女なりの理由があるのか、まだ脱ぎたくないらしい。

「…ああ。構わないが熱くないか?」

 「はい。大丈夫です」

先程から様子を見ていて変わらないようなので、いずれは脱ぐだろうとそのまま女の好きなようにさせておく。

 「そうか…」

酒を飲みながら先程会ったばかりの女を相手に悟られないように観察する。


不思議そうにグラスの中の酒をちょっとずつ飲んでいる。その物慣れない様子にかなり若いように感じる。

女に声をかけようとしてまだ、名前を知らないことに気づく。

 「…名は?」

 「え?」

 「お前の名前だ。まだ聞いていなかった…」

 「あっ…そうですね。では、アリーとお呼びください」

 「アリー?何の略だ」

 「いえ、今は、ただのアリーでお願いします。」

 「…そうか。アリー…か。いい名だ」

 「ありがとうございます。ダグ様に呼ばれると嬉しくなります」


何とも可愛らしい事を言う。 飲み慣れていないのか、頬を染めた女の姿が色香のような艶やかさをほんのり纏い…この時初めてダグラスも、女を意識した。

…しばらくゆったりとした時間を過す内にダグラスの気持ちも解れて、この時間を楽しんでいる事に気づく。

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