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無理やり当たって粉々に砕け散れと!!
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宮廷顧問大臣。大臣の中では実務的な権限は余りなく、名誉職の意味合いが強い。だが、国王の花嫁を選定する権限が与えられており、その一点に置いて何人も逆らえない。
カラミィの話では、その宮廷顧問大臣から私は睨まれているらしい。た、確かに。人間の村娘が国王の側に居たら目障りだろう。
宮廷顧問大臣はサーンズと言う女性らしい。彼女は目的の為なら、手段を問わない恐ろしい人だとカラミィに警告された。
私は心の片隅に冷たい風を感じたが、今すぐこの城を出る訳には行かない。何故なら、タイラントがやっと感情を見せ始めたからだ。
時間をかければ、きっとタイラントの凍った心は温もりを取り戻すわ。それまで、私はこの城にいるつもりだった。
メイド司令室で待機していた私は、ネフィト執事長から中庭に呼び出された。花壇の前に行くと庭師のエドロンが草むしりをしており、ネフィトさんの姿は無かった。
「あ、リリーカさん。こんにちは」
「こんにちは。エドロン」
エドロンは相変わらず人懐っこい笑顔で挨拶をしてくれた。そう言えば、エドロンには以前変な事を言ってしまった。
「あ、あのリリーカさん。この前、僕に好きな人は居ないのかと聞きましたよね?」
そうそう。ザンカルの事で落ち込んでいた時、ついエドロンにそんな事を聞いちゃったっけ。って。え?
「そ、その······僕、カラミィの事が好きなんです」
エドロンは頬を紅く染め、頭を掻きながら呟いた。え? カラミィの事を? そ、そうなの? エドロン?
「······でも、僕はカラミィより年下だし。何よりカラミィはタイラント様に夢中です。やっぱり、告白なんてしない方がいいですよね?」
と、突然の恋愛相談!? エドロンが口にした人間模様の中に、私も思いっ切り関係している! ど、どうしよう。なんて答えればいいのかしら?
「······エ、エドロン。私の村の守り神ナータタラの言い伝えに、こんな言葉があるわ」
「言い伝えですか?」
私は神妙な顔つきで頷き、そして答えた。
「無理やり当たって粉々に砕け散れと!!」
私は拳を握りしめ力説した。エドロンはしばらくポカンとしていたが、急に表情が引き締まり力強く頷いた。
「分かりましたリリーカさん! 後悔するくらいなら、行動を起こしてからと言う事ですね!」
エドロンは刈り取った雑草を袋に詰め、元気よく去って行った。ご、ごめんなさいナータタラ様······私は貴方の名を借り、またいい加減な事を吹聴してしまいました。
私が自己嫌悪に陥っていると、ネフィトさんが現れた。ネフィトさんは何故か周囲を警戒してるように見えた。
「リリーカ様。貴方のメイドの仕事は終わりと致します」
え? そ、そんな突然に? でも、タイラントが言う異業種交流の為に私はメイドの仕事をしていたのに。
「それ所ではありません。リリーカ様。貴方に危険が迫っています。今すぐこの城をお出になって下さい」
ネフィトさんは厳しい表情で私に警告した。それは、カラミィと同じ内容だった。
「······ネフィトさん。もしかして、サーンズ大臣が関わっている事ですか?」
「カラミィ達から聞きましたか。そうです。サーンズ宮廷顧問大臣が貴方を狙っています」
ネフィトさんは語りだした。サーンズ大臣はネフィトさんより古くこの城に使えていた最古参の人物らしい。
タイラントが産まれた時は、サーンズ大臣が乳母の役目を引き受け、タイラントを我が子のように可愛がったと言う。
だがサーンズ大臣もネフィトさんと同じくタイラントの御両親から後時を託され、心を鬼にしてタイラントに厳しく接して来た。
普段は温和な性格だが、タイラントの事となると人が変わるらしい。サーンズ大臣直属の配下による監視下の元、私の言動は彼女に筒抜けらしい。
今まではネフィトさんがサーンズ大臣が行動に出るのを止めていた。だが、今回私がネフィトさんを震え上がらせたという噂を聞き、ついに自ら行動すると宣言したと言う。
じゃ、じゃあそれって私の責任!? で、でもあれは三姉妹を助ける為に仕方無く言ったでまかせなのに。
「ネフィト。貴方では説得は無理のようね」
私とネフィトさんの横から、突然女性の声がした。私は首を動かすと、そこには黄色いドレスを優雅に着こなす女性が立っていた。
······綺麗な人。女性は五十代半ばに見える。黒い髪を結い上げ、両目は意志の強そうな光を放っていた。
「······サーンズ。リリーカ様は私が責任を持って城から出す。手出しは無用だ」
サ、サーンズ!? じゃあこの女性がタイラントの乳母を務めた人?
「この小娘に負かされた貴方が? ネフィト。私は余り気が長くない方なの」
サーンズ大臣は冷たく言い放ちながら、私の前に立った。
「小娘。最初で最後の通告よ。自分の命が惜しかったら今日中に城を出なさい」
サーンズ大臣の最後通告に、私は心臓が凍りつきそうな恐怖を覚えた。この人は本気だ。これは脅しじゃないと私にも分かる。
サーンズ大臣は、氷のような冷たい両目で私を見据えていた。
カラミィの話では、その宮廷顧問大臣から私は睨まれているらしい。た、確かに。人間の村娘が国王の側に居たら目障りだろう。
宮廷顧問大臣はサーンズと言う女性らしい。彼女は目的の為なら、手段を問わない恐ろしい人だとカラミィに警告された。
私は心の片隅に冷たい風を感じたが、今すぐこの城を出る訳には行かない。何故なら、タイラントがやっと感情を見せ始めたからだ。
時間をかければ、きっとタイラントの凍った心は温もりを取り戻すわ。それまで、私はこの城にいるつもりだった。
メイド司令室で待機していた私は、ネフィト執事長から中庭に呼び出された。花壇の前に行くと庭師のエドロンが草むしりをしており、ネフィトさんの姿は無かった。
「あ、リリーカさん。こんにちは」
「こんにちは。エドロン」
エドロンは相変わらず人懐っこい笑顔で挨拶をしてくれた。そう言えば、エドロンには以前変な事を言ってしまった。
「あ、あのリリーカさん。この前、僕に好きな人は居ないのかと聞きましたよね?」
そうそう。ザンカルの事で落ち込んでいた時、ついエドロンにそんな事を聞いちゃったっけ。って。え?
「そ、その······僕、カラミィの事が好きなんです」
エドロンは頬を紅く染め、頭を掻きながら呟いた。え? カラミィの事を? そ、そうなの? エドロン?
「······でも、僕はカラミィより年下だし。何よりカラミィはタイラント様に夢中です。やっぱり、告白なんてしない方がいいですよね?」
と、突然の恋愛相談!? エドロンが口にした人間模様の中に、私も思いっ切り関係している! ど、どうしよう。なんて答えればいいのかしら?
「······エ、エドロン。私の村の守り神ナータタラの言い伝えに、こんな言葉があるわ」
「言い伝えですか?」
私は神妙な顔つきで頷き、そして答えた。
「無理やり当たって粉々に砕け散れと!!」
私は拳を握りしめ力説した。エドロンはしばらくポカンとしていたが、急に表情が引き締まり力強く頷いた。
「分かりましたリリーカさん! 後悔するくらいなら、行動を起こしてからと言う事ですね!」
エドロンは刈り取った雑草を袋に詰め、元気よく去って行った。ご、ごめんなさいナータタラ様······私は貴方の名を借り、またいい加減な事を吹聴してしまいました。
私が自己嫌悪に陥っていると、ネフィトさんが現れた。ネフィトさんは何故か周囲を警戒してるように見えた。
「リリーカ様。貴方のメイドの仕事は終わりと致します」
え? そ、そんな突然に? でも、タイラントが言う異業種交流の為に私はメイドの仕事をしていたのに。
「それ所ではありません。リリーカ様。貴方に危険が迫っています。今すぐこの城をお出になって下さい」
ネフィトさんは厳しい表情で私に警告した。それは、カラミィと同じ内容だった。
「······ネフィトさん。もしかして、サーンズ大臣が関わっている事ですか?」
「カラミィ達から聞きましたか。そうです。サーンズ宮廷顧問大臣が貴方を狙っています」
ネフィトさんは語りだした。サーンズ大臣はネフィトさんより古くこの城に使えていた最古参の人物らしい。
タイラントが産まれた時は、サーンズ大臣が乳母の役目を引き受け、タイラントを我が子のように可愛がったと言う。
だがサーンズ大臣もネフィトさんと同じくタイラントの御両親から後時を託され、心を鬼にしてタイラントに厳しく接して来た。
普段は温和な性格だが、タイラントの事となると人が変わるらしい。サーンズ大臣直属の配下による監視下の元、私の言動は彼女に筒抜けらしい。
今まではネフィトさんがサーンズ大臣が行動に出るのを止めていた。だが、今回私がネフィトさんを震え上がらせたという噂を聞き、ついに自ら行動すると宣言したと言う。
じゃ、じゃあそれって私の責任!? で、でもあれは三姉妹を助ける為に仕方無く言ったでまかせなのに。
「ネフィト。貴方では説得は無理のようね」
私とネフィトさんの横から、突然女性の声がした。私は首を動かすと、そこには黄色いドレスを優雅に着こなす女性が立っていた。
······綺麗な人。女性は五十代半ばに見える。黒い髪を結い上げ、両目は意志の強そうな光を放っていた。
「······サーンズ。リリーカ様は私が責任を持って城から出す。手出しは無用だ」
サ、サーンズ!? じゃあこの女性がタイラントの乳母を務めた人?
「この小娘に負かされた貴方が? ネフィト。私は余り気が長くない方なの」
サーンズ大臣は冷たく言い放ちながら、私の前に立った。
「小娘。最初で最後の通告よ。自分の命が惜しかったら今日中に城を出なさい」
サーンズ大臣の最後通告に、私は心臓が凍りつきそうな恐怖を覚えた。この人は本気だ。これは脅しじゃないと私にも分かる。
サーンズ大臣は、氷のような冷たい両目で私を見据えていた。
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