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深夜のコンビニバイト六十七日目 怪獣来店
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深夜のコンビニバイト六十七日目。
ピロリロピロリロ。
「いらっしゃ...」
あれ、誰もいない。
なんで開いたんだ扉。怖い、まあなんかオカルト的な何かが来店してきた!?嫌だもうなんだよ。
脅かさないでくれよただでさえ深夜のコンビニに一人でレジってだけでも怖いんだからさ。
「あれ」
下に、おもちゃのフィギュアみたいなのが転がっていた。
近寄って拾い上げる。
「なんだこれ...」
緑色の質感が結構リアルにゴツゴツしている目が黄色でギザギザの歯が妙にリアルなトカゲを二足歩行にしたような見た目の怪獣のフィギュアが落ちていた。
「まさかこれ?」
いやいやまさか。俺はブンブン首を振った。
「こんな小さいフィギュアが歩いてコンビニに来店する事なんてあるわけないよな。忘れ物って事で補完かな」
考えないようにしよう。
出勤した時はなかった、なんて考えないようにしよう。怖いのでフィギュアを持つ手に力が入る。
「グェ」
「え?」
なんだ今の...どっから聞こえた?辺りを見回すがコンビニはシンとしている。
まさか、俺はまたフィギュアを握る手に力を込める。
「グェ」
「うわっこのフィギュア握ると音がなるのか!?」
なんて無駄にハイテクなフィギュア。
落とした本人はきっと探してるんだろうな、なんて考えながらにぎにぎと握ると、人差し指に鋭い痛みがはしった。
「痛っ!!!?何!?なんだ!?」
右手人差し指を確認すると、驚くべきことにそこには歯型がついていた。
小さな歯型。そう、丁度この怪獣のフィギュアくらいの。
「えっと...待ってくれ。もしかして、フィギュアじゃ...ない?」
グパァと口を開けた怪獣のフィギュア。驚く事に俺も開いた口が塞がらなかった。怪獣が、生きている。
このフィギュア、生きてるぞ!?
俺の両手の平でゴロゴロと甘えるように寝返りをうつ怪獣に、俺はとりあえずレジにそっと着地させた。
怪獣は、とてとてとレジを歩きとすんと座り込み、つぶらな瞳で俺を見つめた。何だこいつ...可愛いぞ。
あぐあぐと口を開けたり閉めたりしていら怪獣に、
「お前、お腹空いてるんじゃないのか?」
怪獣は、よくわからないというように首をかしげる。なんだこの言葉が通じないのに通じる感じ。前にもあったぞ。
「コーラとか飲むのかな」
アメリカの怪獣映画の怪獣とかは、喉が乾いたら水ではなくコーラを飲んでいたりするのだろうか?
そんな馬鹿な事有るわけがない。
まさるじゃないんだから。
そう言いながら俺はコーラを持ち出してポケットにいつも入れているまさる用の小銭でコーラを買って、コーラのキャップにコーラを注いで怪獣に渡す。
なみなみに注がれたコーラをこぼさないようにこくこくと飲む怪獣。
可愛いなこいつ。
だが、怪獣は突如ビクビクと体を震わせ、痙攣し始めた。
「え!?震えてる!?え!?どうしたの!?何があった!?」
怪獣はムクムクと成長し、俺の両手でゴロゴロしていたサイズだったのが、俺の両手いっぱいサイズに成長した。
もうゴロゴロできないちょっと重い。
「まさかお前...コーラを飲むと大きくなるのか!?」
もっとクレとコーラのペットボトルに近づいていく怪獣から俺はコーラを取り上げた。
「こら!だめでしょー!動物がコーラなんて飲んじゃ」
クレクレと必死に腕を伸ばしてくるのが可愛い。もしかしてコーラが好きって事はそれと相性ぴったりのアレも食べたりするんだろうか。
いやいやまさか。いやいや、いやいや。
「ほら、ポテトチップスだぞ」
目をキラキラとさせる怪獣。可愛い。
ポテトチップス(うすしお味)を俺は怪獣に一枚渡す。匂いが出ることを考慮して、だ。とか言ってるけどもう俺他にお客様が来たら完全にアウトだよな。
怪獣のフィギュアにニコニコしながらポテチあげてんだもん。
前に店長が花に話しかけてたのをドン引きしてたけど人のこと言えないよな。はは、はは。
ポテトチップスをむしゃむしゃパリパリ食べる怪獣を、レジに頬杖をつきながらみていた俺。
だめじゃん。俺。
動物にコーラをあげちゃだめとかいってポテトチップスあげちゃ、だめじゃん俺。
ムクムクとまた震えだし大きくなる怪獣。両手じゃ収まりきらなくなってきた。割と重い。コンパクトにしたドライヤーくらいの重さと大きさだ。
コーラとポテチで喜ぶって事はポテトも食べるんだろうか。
ポテトはないから揚げ物コーナーのハッシュドポテトを購入しようか考えていると、
ピロリロピロリロ。
やばい。
俺は光の速さで反応し、一瞬で後ろに怪獣を隠した。
ぞろぞろと現れたレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクの戦隊スーツを着た集団。
まさかこの人達。
「僕達は戦隊ヒーロー。君も一度は子供の時に夢見た事があるよね?」
いい声でレッドがポーズを決める。
決めつけるな。
「俺、ライダー派なんで」
俺は申し訳なさそうに俯いて、皆さんをちらっとみた。
「君は敵に洗脳されてるね。今すぐ必殺技「レッドチョップ」で君を洗脳からといてあげるよ!」
元気よく高らかに怖いこと言うんだけどレッド。ライダー好きの一般人に怪人を倒すことの出来る必殺技くらわせようとしてくるんだけど。
「何で!?仲悪いの!?」
「それより青年。ここに怪獣が来なかったか?」
「怪獣...何のことだか」
絶対に出てくるなよ、と後ろに隠した怪獣をちらりと見る。おとなしくしているようだ。
「怪人達の開発した怪獣型クローンが逃げ出したらしい。そいつは必ず俺達の脅威になる。この辺に逃げ込んだのを見かけたんだ!もし見かけたら教えてくれ」
「は、はい」
「じゃあね!青年!今回は目を瞑るけど、真面目に働くんだよ!」
元気に警官のように敬礼すると、俺に背を向ける五人。
真面目に働いてる....レジに置いてあるコーラとポテチを見て俺はため息をついた。だよな、そうだよな。はは。
ピロリロピロリロ。
「あ、いらっしゃいませ!」
黒いコートを着たロングヘアの男性が来店してきた。俺は急いでコーラとポテチを下の台に隠す。怪獣も下の台に隠した。この子を隠してたらレジが打てない。大人しくいてくれよ...。
不思議な雰囲気の人だな。
彼は、偶然にもコーラとポテチを購入し、静かに去っていった。
「あ、あれ?」
下の台をすぐ確認すると、いつの間にか怪獣がいなくなっていた。
あれ?嘘だろいつのまに...?
まさか、さっきのお客様についていっちゃった!?
急いで外に飛び出すと、バイクの音と共に来店したお客様はいなくなっていた。
「夢だったのかな」
そういえばレッドが一度はヒーローを夢に見るよねっていってたな。はは。
レジ下の台に置いてあるコーラとポテチを見ながら俺は首を傾げた。
ピロリロピロリロ。
「いらっしゃ...」
あれ、誰もいない。
なんで開いたんだ扉。怖い、まあなんかオカルト的な何かが来店してきた!?嫌だもうなんだよ。
脅かさないでくれよただでさえ深夜のコンビニに一人でレジってだけでも怖いんだからさ。
「あれ」
下に、おもちゃのフィギュアみたいなのが転がっていた。
近寄って拾い上げる。
「なんだこれ...」
緑色の質感が結構リアルにゴツゴツしている目が黄色でギザギザの歯が妙にリアルなトカゲを二足歩行にしたような見た目の怪獣のフィギュアが落ちていた。
「まさかこれ?」
いやいやまさか。俺はブンブン首を振った。
「こんな小さいフィギュアが歩いてコンビニに来店する事なんてあるわけないよな。忘れ物って事で補完かな」
考えないようにしよう。
出勤した時はなかった、なんて考えないようにしよう。怖いのでフィギュアを持つ手に力が入る。
「グェ」
「え?」
なんだ今の...どっから聞こえた?辺りを見回すがコンビニはシンとしている。
まさか、俺はまたフィギュアを握る手に力を込める。
「グェ」
「うわっこのフィギュア握ると音がなるのか!?」
なんて無駄にハイテクなフィギュア。
落とした本人はきっと探してるんだろうな、なんて考えながらにぎにぎと握ると、人差し指に鋭い痛みがはしった。
「痛っ!!!?何!?なんだ!?」
右手人差し指を確認すると、驚くべきことにそこには歯型がついていた。
小さな歯型。そう、丁度この怪獣のフィギュアくらいの。
「えっと...待ってくれ。もしかして、フィギュアじゃ...ない?」
グパァと口を開けた怪獣のフィギュア。驚く事に俺も開いた口が塞がらなかった。怪獣が、生きている。
このフィギュア、生きてるぞ!?
俺の両手の平でゴロゴロと甘えるように寝返りをうつ怪獣に、俺はとりあえずレジにそっと着地させた。
怪獣は、とてとてとレジを歩きとすんと座り込み、つぶらな瞳で俺を見つめた。何だこいつ...可愛いぞ。
あぐあぐと口を開けたり閉めたりしていら怪獣に、
「お前、お腹空いてるんじゃないのか?」
怪獣は、よくわからないというように首をかしげる。なんだこの言葉が通じないのに通じる感じ。前にもあったぞ。
「コーラとか飲むのかな」
アメリカの怪獣映画の怪獣とかは、喉が乾いたら水ではなくコーラを飲んでいたりするのだろうか?
そんな馬鹿な事有るわけがない。
まさるじゃないんだから。
そう言いながら俺はコーラを持ち出してポケットにいつも入れているまさる用の小銭でコーラを買って、コーラのキャップにコーラを注いで怪獣に渡す。
なみなみに注がれたコーラをこぼさないようにこくこくと飲む怪獣。
可愛いなこいつ。
だが、怪獣は突如ビクビクと体を震わせ、痙攣し始めた。
「え!?震えてる!?え!?どうしたの!?何があった!?」
怪獣はムクムクと成長し、俺の両手でゴロゴロしていたサイズだったのが、俺の両手いっぱいサイズに成長した。
もうゴロゴロできないちょっと重い。
「まさかお前...コーラを飲むと大きくなるのか!?」
もっとクレとコーラのペットボトルに近づいていく怪獣から俺はコーラを取り上げた。
「こら!だめでしょー!動物がコーラなんて飲んじゃ」
クレクレと必死に腕を伸ばしてくるのが可愛い。もしかしてコーラが好きって事はそれと相性ぴったりのアレも食べたりするんだろうか。
いやいやまさか。いやいや、いやいや。
「ほら、ポテトチップスだぞ」
目をキラキラとさせる怪獣。可愛い。
ポテトチップス(うすしお味)を俺は怪獣に一枚渡す。匂いが出ることを考慮して、だ。とか言ってるけどもう俺他にお客様が来たら完全にアウトだよな。
怪獣のフィギュアにニコニコしながらポテチあげてんだもん。
前に店長が花に話しかけてたのをドン引きしてたけど人のこと言えないよな。はは、はは。
ポテトチップスをむしゃむしゃパリパリ食べる怪獣を、レジに頬杖をつきながらみていた俺。
だめじゃん。俺。
動物にコーラをあげちゃだめとかいってポテトチップスあげちゃ、だめじゃん俺。
ムクムクとまた震えだし大きくなる怪獣。両手じゃ収まりきらなくなってきた。割と重い。コンパクトにしたドライヤーくらいの重さと大きさだ。
コーラとポテチで喜ぶって事はポテトも食べるんだろうか。
ポテトはないから揚げ物コーナーのハッシュドポテトを購入しようか考えていると、
ピロリロピロリロ。
やばい。
俺は光の速さで反応し、一瞬で後ろに怪獣を隠した。
ぞろぞろと現れたレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクの戦隊スーツを着た集団。
まさかこの人達。
「僕達は戦隊ヒーロー。君も一度は子供の時に夢見た事があるよね?」
いい声でレッドがポーズを決める。
決めつけるな。
「俺、ライダー派なんで」
俺は申し訳なさそうに俯いて、皆さんをちらっとみた。
「君は敵に洗脳されてるね。今すぐ必殺技「レッドチョップ」で君を洗脳からといてあげるよ!」
元気よく高らかに怖いこと言うんだけどレッド。ライダー好きの一般人に怪人を倒すことの出来る必殺技くらわせようとしてくるんだけど。
「何で!?仲悪いの!?」
「それより青年。ここに怪獣が来なかったか?」
「怪獣...何のことだか」
絶対に出てくるなよ、と後ろに隠した怪獣をちらりと見る。おとなしくしているようだ。
「怪人達の開発した怪獣型クローンが逃げ出したらしい。そいつは必ず俺達の脅威になる。この辺に逃げ込んだのを見かけたんだ!もし見かけたら教えてくれ」
「は、はい」
「じゃあね!青年!今回は目を瞑るけど、真面目に働くんだよ!」
元気に警官のように敬礼すると、俺に背を向ける五人。
真面目に働いてる....レジに置いてあるコーラとポテチを見て俺はため息をついた。だよな、そうだよな。はは。
ピロリロピロリロ。
「あ、いらっしゃいませ!」
黒いコートを着たロングヘアの男性が来店してきた。俺は急いでコーラとポテチを下の台に隠す。怪獣も下の台に隠した。この子を隠してたらレジが打てない。大人しくいてくれよ...。
不思議な雰囲気の人だな。
彼は、偶然にもコーラとポテチを購入し、静かに去っていった。
「あ、あれ?」
下の台をすぐ確認すると、いつの間にか怪獣がいなくなっていた。
あれ?嘘だろいつのまに...?
まさか、さっきのお客様についていっちゃった!?
急いで外に飛び出すと、バイクの音と共に来店したお客様はいなくなっていた。
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