その奴隷買います

さくな

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次の日、食欲があり、動けるようになったアルを確認した私はアルを連れて街へくり出していた。

もちろん、私はフードを深く被ったまま。

目についた店に入り、アルに声をかける。

「好きなもの選んで」

アルの金色の目が見開かれたのを見て、私はまたこの世界でいう“非常識”なことをしていると気が付いた。

「でもボロボロの服を着た人を連れ回したくないよ」

明らかに買った奴隷を連れ回している主人にはなりたくなかった。この世界ではそれが当たり前でも、だ。それに今は過ごしやすい気候といっても夜になれば寒いものは寒い。靴だって今にも壊れてしまいそうなほどボロボロだった。

「…好きなものが分からないので、お選びください」

アルが悲しそうに眉を下げた。その答えを聞いて今度は私が眉を下げる。奴隷に「好きなもの」を聞く行為は酷ということに気がついたのだ。例え好きなものがあっても手に入る事はない、それが奴隷というものだから、ならば初めから望まないほうが、知らないほうが幸せなのかもしれない。

暗い気持ちに陥りながら私は唇を噛んだ。自分への怒りや、世間への怒りが胸に渦巻く。そんな気持ちを振り払いつつ、私は男物のインナー数点、シャツ数点、旅装を一通り揃えた。下着だけは適当に選ばせ、残るは武器だった。

「アルは何が得意なの?」

そう聞けばアルは無表情のまま「剣です」と答えた。私は剣が売っているショーケースへ目を向ける。そこに近づけば様々な形や長さ、色の剣が所狭しと並べられていた。そんな私たちに店の奥でふんぞり返っていた店主が顔を歪めた。

「奴隷のために売る武器なんてないよ」

その言葉に先ほどの怒りがぶり返した。腸が煮えくりかえりそうだ。そういう文化で、常識なことは分かるがわざわざ口に出す必要はないだろう。そう思いつつ私は店主にツカツカと足音を鳴らしながら近づく。

「この店で1番高い武器を買う!」

そう言って、店主の前に置かれた机へ片手を叩きつける。手を離すとそこには銀貨が輝いていた。それを見た店主は瞳を見開き、慌てて店の奥へ引っ込んでしまった。アルは私を制止しようと声をかけてくれたが私はそれを無視し、態度を変えた店主の店で1番という武器を購入したのだった。

「ご、ごめんね?」

そういって隣を歩くアルを伺い見れば、また困った顔をされてしまった。ちなみにアルと私の身長差は私の頭一個分くらいあり、どうしても私がアルを見上げる形となってしまう。

「いえ。あの店主の言っていたことは間違っていなかったです。それに物も金額に見合ったものを提供してくれましたよ」

そう言って、アルは腰のベルトに下がった剣の柄を握った。気休めかもしれないが、私を気遣ってくれる言葉に顔を綻ばせる。フードを深く被っているので、アルからは私の口元しか見えていないと思うが、アルも少しだけ口元に笑みを浮かべてくれた。その笑みを見て、少しだけ心が浮上した。

「これからどうしますか?」

「んー私、少し寄るとこあるから先帰ってていいよー」

そう言われ、アルは首を傾げた。

「ジュリ…時々いなくなりますが、一体何を…」

一歩踏み込んで聞いてくれたのが嬉しくて、私はつい茶化してしまう。

「一緒にお店でご飯食べてくれたら教えてあげるー」

そう笑えばアルに困った顔をされてしまった。これはアルが断固拒否した案件だ。誰かの目がない時は一緒に食事をすることを許可してくれだが、外での食事は私の人間性を脅かす云々と言われてしまい今のところは守っている。

「ジュリ、何かあれば私の名前を呼ぶか、強く念じてください。そうすれば奴隷紋が反応してジュリの側に転生できますから」

「はーい」

この時の私はアルという味方を見つけて良い気になっていたのだ。アルが少しだけ私への距離を縮めてくれたことに浮ついてしまったのだ。

だからこそあんな悲惨なことが起こってしまった。

私はアルに手を振りつつ、人混みへ紛れる。



「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

薄暗い石畳みの狭い道を必死で翔ける。裏路地には私の切羽詰まった息遣いと、

「待て待てーっ!」

「逃げたって無駄だけどな!」

男たちの下品な笑い声が辺りに響いた。3人の男たちに行き止まりに追いやられた私。いつも深く被っていたフードは走ったせいで私を暴き、今は黒い長い髪が揺れていた。男たちに向き直った状態の私。男たちの距離は少しずつ詰められ、私は恐怖に支配されていた。恐ろしさのあまり全身が粟立つ。背中には冷たい壁がそびえ立ち、逃げ場がないことを表していた。

「いや…」

男の1人が腰に下げていた短剣を抜いた。暗闇のそこでは光が入り辛いはずなのに、なぜか男たちの血走った目と、短剣の輝きが目についた。

「いやーー!アルっ!」

頭を抱え、蹲る私。私は力の限り、この世界で唯一頼れる人の名前を叫んだ。その瞬間、温かな風が起こり、続け様に剣のぶつかり合う音が響いた。恐怖に全身が震える私は頭をかかえ、目をつぶることしかできなかった。

音が止み、顔を上げるとそこには片腕から血を流しているアルが立っていた。男たちの影は見当たらないが、今はそれどころではない。

「あ、アル…」

恐怖なのか、アルを傷つけてしまった自分への怒りなのか、悔しさなのか分からないが涙がこぼれた。それを見られたくなくて、視線をアルから逸らす。アルは私と視線を合わせようとしゃがみ込み、私の顔を覗き込んできた。見られたくなかったのに、覗き込まれたせいでアルの金色の瞳と出会ってしまった。その瞳はいつも困ったように細められるのだが、今回は違った。いつもと違うところは困った顔ではなく、金色の瞳が鋭く私を睨んでいたこと…。

「何で路地裏なんかに入った!」

初めて聞くアルの怒鳴り声に肩が上がる。驚愕しすぎて、私の瞳から次々と涙が溢れ出した。

「うぅっ…ひっく…ご、ごめんなさいっ…ご、ごめんなさいっ…」

私は涙を見せたくなくて、顔を膝に埋める。それと同時に優しい腕が私を包み込んだ。

「…大きな声を出してすいません。でもジュリが無事でよかった」

そう言われ安堵のような溜息を吐かれた。それを聞いた瞬間、私の涙腺が決壊してしまったようで、子供のようにわんわん泣いた。異世界へ召喚されていらないと言われた私。独りぼっちになってしまった。誰にも頼ることができない、誰を信じていいかも分からない。そう思っていた、だからこそ、アルに心配されたことがどうしようもなく嬉しかった。そんなアルに傷をおわせてしまった自分が許せなかった。アルを危険な目にあわせて恥ずかしい。だけど、もしかしたらこれからアルをもっと危険なことに誘うことになってしまうかもしれない。そんなことを考え、ぐちゃぐちゃな気持ちのまま、私はアルの胸に顔を埋めた。

異世界に来て、初めて自分の感情を爆発させた瞬間だった。

ひとしきり泣くと、アルが私をあやすように背中をさすり、片腕で私を抱き上げた。突然のことで変な声を上げた私。それを気にも止めないでアルが口を開く。

「少し目を瞑って」

そう言われたので、私は泣き腫らしたであろう目を瞑った。その瞬間、優しい風に包まれた。その風が止んだと同時に目を開けば、そこには見慣れた景色。

数日間お世話になっている宿の部屋だった。アルが移動魔法を使ってくれたようだ。なんて便利な魔法…。私には扱いきれないと思うけど…。なんて思っていると、自分のベッドに下ろされ、アルは反対側に設置されている自分のベッドへ腰かけた。

アルの行動を見つめていて、ふと、アルの怪我へ目がいく。その腕はだらりと下がり、ベッドに血の染みを作っていた。その状態でアルの怪我が深刻なことを悟った。

「あ、アル!血!」

私がそう慌てればアルは苦笑いをした。

「ジュリ、一緒にいてくれてありがとう」

アルの敬語なしの言葉を聞いて、私は混乱した。

「この腕じゃあもう十分に戦えない。俺を返品してくれ。元気になった今なら、俺にも少し利用価値はある。そしたら金も少しは返ってくるだろう…その金でどうか次の…」

次の奴隷を買えと、彼は言うのだろうか。私の瞳からまた涙が溢れた。

「ごめ…ごめんなさい…」

私が男に追い詰められているときにアルを召喚してしまったのだ。もしかしたら変な場所に男の剣が刺さってしまったのかもしれない。そう思うと震えが止まらなかった。

「ジュリのせいじゃない。俺はジュリを守れて幸せだよ」

そう言われ、アルに片腕だけで抱きしめられた。そういえば先ほども片腕だけで抱きしめられたような気がした。

「ジュリ、最後にわがままを聞いてくれないか?奴隷には幸せで、傲慢な夢なんだが…」

「さ、最後じゃないっ…ひっく…ひっく…アルが元気になるなら何でもするっ」

私は嗚咽を抑えながらアルを見上げる。金色の瞳がすっと細まると、優しく口づけされた。

「んっ」

小さく吐息が漏れるとアルの舌が唇を割り入り、歯茎をなぞった。あまりに優しくて、丁寧で、愛しくて背筋がぞくぞくした。

アルに翻弄され、息継ぎのため口を少し開けば、口内へアルの舌が侵入して、私の逃げる舌を絡めとり、何度も愛撫してきた。

恥ずかしいやら、気持ち良いやら、されるがままになっていると、ゆっくりとアルが離れた。私の唇からは透明な糸が溢れ、顎を濡らす。アルは金色の瞳を細めながら愛しそうにそれを片手で拭ってくれた。

その行動に傷ついた腕を思い出した私。アルの胸が私にもたれかかろうとした瞬間、アルの胸を両手で押してそれを制止させた。

「アル…せめて腕の止血をさせて…」

そう願うがアルの唇が頬に触れた。

「お好きにどうぞ?」

挑戦的な笑みが覗いた。こっちが素なのかなと思っていると、彼の唇が首へ吸い付いた。

「んんっ…いたっ」

しびれるような甘い感覚に酔っていると急にちくりとした痛み。慌ててアルから離れるとそこにはいたずらっ子のような顔をしたアルがいた。

「手当てしてくれるんだろ?」

そんなことを言われ、赤いであろう顔をさらに赤くさせた私。やり手だ!なんて思いつつ、奴隷商の男からもらった包帯の予備を自分の荷物から取りだし、アルの腕に巻きつける。感覚がないのか、アルは痛みを訴えることはなかった。

アルの表情には悲しみが滲みでていた。戦闘要員としての強みがなくなった今、アルには利用価値がなくなってしまった…。そんなことを考えているのだろう。

私は眉を寄せ、顔を歪ませる。今、彼の悲しみを取り払ってあげられるのは私しかいない。例えアルが戦闘要員として使えなくなってしまっても私は手放すつもりなんて毛頭なかった。アルは嫌がるだろうが、奴隷を返品するなんて、この世界にきて私を大切にしてくれた人を、愛しい人の手を離すことなんてできない。

「あのねアル…」

「ん?」

お互いに自分のベッドに座り直しながらアルに声をかける。

「私、アルに内緒にしていたことがあるの」

そう言えばアルは私にまた優しく笑ってくれた。

今更だと言うみたいなその顔に、苦笑いをうかべる。

「アル、腕を貸して」

そう言いつつ、感覚のないアルの手に片手を触れさせる。アルはそんな私のことをただじっと、静かに見つめていた。

「早くよくなーれっ」

気の抜けた私の声が響いたと思ったその瞬間、温かい光がアルの手を包み込む。光が消えるとアルは立ち上がり、私が巻いた包帯を解いた。先ほどまで感覚がなかった腕を動かし、手を開いたり閉じたりするアル。そして呆けた顔をしつつ私へ視線を戻した。

「私、異世界から召喚されちゃったみたいで、気づいたらそんな力が備わっていたの。たまたま瀕死の人をみつけて、治るように願ったら、その人の傷が癒えたからこの力を自覚した。ただ、病気自体は治すことができないから…万能ではないんだけどね」

苦笑いを浮かべつつ、頭をかく。アルは困惑しつつも私の言葉を理解しようと努めてくれた。

「聖女ということですか?」

「今、聖女がいるらしいから私は厄介者なんだって」

そう笑って言えば、アルが傷ついたように顔を歪めた。その顔を見ているだけでなんだか救われたいような気がした。

「それでね、ここからが本題なんだけど…私、治癒師としてお店を開きたいの」

治癒師とは、この世界では傷を癒してくれる人のことを言う。この世界で魔法は生活で使用できる魔法が主で、炎や水、風、雷などを扱うことができる。治癒という分野はまだ解明されておらず、たしかに治癒師という名前で営業している店を見かけるが、どれも薬草などを使って治癒する方法となる。この世界で唯一、手を触れて治癒が可能なのは聖女だけということも常識であった。

「だからね…私を全てのことから守ってほしいの」

私の力が広まればたくさんの人が殺到するかもしれない。中には悪意のある人も紛れるかもしれない。だから、私が自由に力を使える環境を守って欲しい。私は彼にそんな無茶ぶりをかました。

断られたらお金が許す限り彼を解放しようと考えていた。そのため、私は裏路地に入り、傷をひきずっている人に治す代わりとして御布施をもらっていた。主人公としてあるまじき行いと非難されるだろう。だが、生きていくためには、彼を解放するにはお金が必要だった。表立って治癒の力をひけらかすことは自殺行為とわかっていたので、裏路地で仲間のいなさそうな人に声をかけていた。だからこそ、先ほどの男たちに追われるとは思ってもいなかったのだ。改めて自分が危ない橋を渡っていたことに気づかされた。そんなことを考えていると、先ほどの恐怖が思い出され、体が震えだす。自分で自分を抱きしめると、逞しい温かい腕が私を包み込んでくれた。

「この命に代えてもお守りします」

正面から抱きしめられ、顔をアルの胸に埋められた私には確認のしようがなかったが、なんだかアルの声が震えている気がした。

しばらくすると、彼が私から腕を離し、私の顔を覗き込んできた。その瞳が涙に濡れていないことを確認していると、アルが私の髪を手ですきながら口を開いた。

「お金が必要なら俺が魔物などを討伐して稼ぎます。贅沢はできませんが、ジュリ1人養うくらい問題ないです」

アルの瞳が心配そうに揺れる。そんなアルに心が温かくなるのを感じつつ、私は目を細める。

優しく髪を梳いてくれる手つきを堪能しながら、そういえば、敬語に戻ってしまったなぁなんて寂しく思って、私は口を開く。

「私ね、この世界のために何かしたいの。必要ないと言われたけど、癒すことで誰かが少しでも幸せになったら、それは私にとって幸せなことだし、少しでも世界の役に立てた気がするの。この力を授かったのだってきっと意味があたって思いたいの…」

「世界があなたを裏切ったのに?あなたはなんてっ…」

そうアルが言葉を詰まらせた。それを不思議に思い、アルを見つめる。そうしていると、アルの金色の瞳から雫が零れ落ちた。初めて男の人の涙をみた私は狼狽えた。

だけど、それと同時に、すごく綺麗だとも感じたのだ。金色の瞳は伏せられ、少し日焼けした頬には透明な雫がこぼれ落ちている。私はそれを片手でぬぐいながら、形のいい唇へ唇を触れさせた。それと同時にアルの瞳が見開かれる。

私のことを思って泣いてくれる人がいる。私だけの奴隷。私しか救うことができない可哀想な彼。でもそれと同時に私にも彼しかいない。主従関係で成り立つ私たち。彼が望むまで、私は彼のそばにいよう。そんなことを思った。

「アル」

「はい…」

そう呼びかければ体を私に預けてくれる彼が返事をした。

「ありがとう」

一緒にいてくれると決断してくれて。私を助けてくれて。私を心配してくれて。私を思って泣いてくれて。たくさんの意味を持つ言葉。それを伝えるのは難しくて、恥ずかしくて、私は笑って誤魔化してしまう。そんな私を理解しているのか、アルはまた困ったように笑った。

その笑顔を見ていると、胸が小さく高鳴った。その気持ちを自覚したくなくて、私はついつい悪戯心で誤魔化してしまう。

「それから…敬語禁止」

「…」

「さっきまで敬語じゃなかった」

そう指摘したらバツの悪そうな顔をされた。いつにも増して感情豊かなアルに、自分の顔が自然とゆるむ。少しは距離が近づいたと思っていいのだろうか。

「…あぁ、分かった…」

アルは肩をすくめながら私に従ってくれた。


私は満面の笑みを浮かべ、アルに笑いかける。なぜかそれを見たアルは赤い顔をして、そっぽを向いてしまった。


―――

それからしばらくして、ある「治癒師」の噂が近隣諸国まで広がった。なんでもその「治癒師」は、まるで「聖女様」のように手を触れるだけで傷を癒してしまうらしい。それを知った貴族たちが囲い込もうと策を練ったり、求婚したりしたらしいが、「治癒師」のそばにいた「奴隷」が全てなかったことにしてしまったそうだ。そんな「治癒師」と「奴隷」の純愛話は瞬く間に広がり、本になり、劇で演じられるようになった。それからその「奴隷」は身分を買い取り、「治癒師」と結婚したそうだ。

果たして、この話が本当かどうかは誰も知らない…。

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感想 1

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みんなの感想(1件)

ユズキ
2018.10.20 ユズキ

はじめまして。
凄く面白かったです。

次回作を楽しみにしています。

2018.11.12 さくな

初めまして。コメントありがとうございます。
返信が遅くなってしまい申し訳ございません。
お楽しみ頂けたようですごく嬉しいです。
次回作も頑張ります!
また機会がありましたら宜しくお願い致します。

解除

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