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気になる
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さて、あの謎の建物内の人影を見て、我々は逃げ帰った訳だが、結局あれは誰なのか?
──それを、子供達で話し合おうと思う。
「……と、いう訳なんだよ。信じてくれるか?」
伊藤が皆に問い掛ける。
大丈夫、皆なら、きっと信じてくれる。
「……」
だが、みんな怪しんでいるのか何も発言しようとしない。
そんな中、おずおずと手を挙げる者がいた。
「私は、信じるよ……。こんな状況で、変な嘘つく理由が無い」
「一ノ瀬……」
一ノ瀬さんの言葉で、場がざわつき始める。
やがて、(元)学級委員長・遠野 渡、(元)クラスのマドンナ・東野 明日香なども発言しだし、ようやく話は本題に向かった。
「……その人影の大きさはどのくらいだったの?」
明日香が私達に訊く。
「窓から覗いた限りだと……私達と同じか、それ以下。大人ではなさそうだったよ」
「そう……。う~んと、やっぱり直接見に行った方がいいんじゃないかな?気になるし」
「……でも、人影が誰か分からないから、危ないと思う」
正直、明日香の提案は乗り気じゃない。
岩に囲まれているという事実がある以上、あそこには何かある。
また行くなんて、危険だ。
「でもね、これ以上ここで私達が喋ってたって、無駄だよ。手掛かりなんてないでしょ?」
「そうだよな~。じゃ、行くか?」
「え~! い、伊藤まで!?」
「ねえ、」
明日香が私の肩に手を置き、ささやく。
「行こうよ、一緒に」
「ハァ~仕方無いなぁ……」
結局皆揃って行くなら、今まで話してたのは全て無駄だったという訳か。
やれやれ……。
──それを、子供達で話し合おうと思う。
「……と、いう訳なんだよ。信じてくれるか?」
伊藤が皆に問い掛ける。
大丈夫、皆なら、きっと信じてくれる。
「……」
だが、みんな怪しんでいるのか何も発言しようとしない。
そんな中、おずおずと手を挙げる者がいた。
「私は、信じるよ……。こんな状況で、変な嘘つく理由が無い」
「一ノ瀬……」
一ノ瀬さんの言葉で、場がざわつき始める。
やがて、(元)学級委員長・遠野 渡、(元)クラスのマドンナ・東野 明日香なども発言しだし、ようやく話は本題に向かった。
「……その人影の大きさはどのくらいだったの?」
明日香が私達に訊く。
「窓から覗いた限りだと……私達と同じか、それ以下。大人ではなさそうだったよ」
「そう……。う~んと、やっぱり直接見に行った方がいいんじゃないかな?気になるし」
「……でも、人影が誰か分からないから、危ないと思う」
正直、明日香の提案は乗り気じゃない。
岩に囲まれているという事実がある以上、あそこには何かある。
また行くなんて、危険だ。
「でもね、これ以上ここで私達が喋ってたって、無駄だよ。手掛かりなんてないでしょ?」
「そうだよな~。じゃ、行くか?」
「え~! い、伊藤まで!?」
「ねえ、」
明日香が私の肩に手を置き、ささやく。
「行こうよ、一緒に」
「ハァ~仕方無いなぁ……」
結局皆揃って行くなら、今まで話してたのは全て無駄だったという訳か。
やれやれ……。
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