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それぞれの
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[……面白い。ですが、貴女の本心で無いように感じます。まあ良いでしょう。次は……伊藤拓海は消したので、隣の……江田日向君お願いします]
さっきの悲鳴の男子だ。
「えっと……俺は、俺は──ひ、火炙りだ! 炎で焼け焦がす!」
[ありがとうございます。次、遠野渡君お願いします]
「……そうだなぁ。確かに、加瀬さんのように痛めつけるのもいいけど……溺死させるので充分かな」
[そうですか。成程。え~と、次は鎌田恵さん、お願いします]
冴えないおさげの眼鏡ちゃん。
そんな鎌田さんが口にした言葉。
「あたしは──自分の手を汚さないで、他人に殺人を頼んでその場面を見ていた」
(見てい……た!? え……、え……!?)
[! ……まぁまぁ……! え~、では最後の一人・小村谷隼人君お願いします]
「俺は、鎌田みたいなんじゃないけど、自分で殺る勇気なんて持ち合わせてないから、他人に方法は問わずに殺してもらうかな」
[……はい。ありがとうございます。皆さん、様々な殺し方を考えていて、良い刺激になりましたっ。
では、引き続き映画をお楽しみ下さい]
(楽しくはないけど……)
【せっかく憎い憎い者を殺せるんですから、じっくり苦しめてから殺したい、とは思いません?……少なくとも、主はそうお考えになりました。ですから、日本を担当する神を代えたのです】
リョーゼの兄・トミーが映像に映った。
【主は日本をトミー=エニソンに担当させ、日本人を全力で苦しませて滅ぼせと命じられました。だからトミーはまず、天気を操るのに長けた妹を日本に派遣し、環境破壊をしました。そして自らが日本に赴き、自分自身の力で消し去ろうとしています……】
部屋の照明がつき、一気に明るくなる。
「あの……一ノ、じゃなくてリョーゼさんのお兄さん、この映画だと、明日香……えっと私の隣のこの子の質問の答えになっていないと思うんですが……」
私が自信無さげに言うと、トミーは軽く笑った。
「フフ……そうだね。彼女の質問は……「どうしてこんな所にいるの?」だったっけ?」
「はい」
「……日本、又は地上にいる事を訊いているのではないんだね?」
「……どうして彼女が、リンが、私の通う学校に来たのかが知りたい。私を選んだのでは無いんでしょ?」
鼻声で明日香が問う。
「別に、東野さんは選ばれてない。ただの偶然だよ。全て」
アナウンスではなく、リョーゼとして彼女は現れた。
「映画館にしたのは、お兄様の好みだし、どれも大した意味なんて無いよ。『日本を滅ぼす』という目的を達成する為の途中経過でしかない」
明日香は涙を必死に堪えながら、リョーゼを見つめていた。
「そしてその目的も、もう達成の方向に向かってる。まず貴方達を消して、他もどんどん消す」
「もう、すぐに僕らは消されるのかい?」
こんな状況でも平気な顔をしている遠野君。
「? 時間が欲しいの? まあどうせ消すし、少しくらいなら……良いよ」
「本当かい? ありがとう一ノ瀬さ──じゃなくって、リョーゼさん!」
遠野君の顔がパアッと明るくなる。
「さっきの殺し方の質問で、気になったんだ……加瀬さん、鎌田さん!」
遠野君が勢いよく立ち上がり、私と鎌田さんを順番に指差した。
(うわぁ……面倒くさそう…)
さっきの悲鳴の男子だ。
「えっと……俺は、俺は──ひ、火炙りだ! 炎で焼け焦がす!」
[ありがとうございます。次、遠野渡君お願いします]
「……そうだなぁ。確かに、加瀬さんのように痛めつけるのもいいけど……溺死させるので充分かな」
[そうですか。成程。え~と、次は鎌田恵さん、お願いします]
冴えないおさげの眼鏡ちゃん。
そんな鎌田さんが口にした言葉。
「あたしは──自分の手を汚さないで、他人に殺人を頼んでその場面を見ていた」
(見てい……た!? え……、え……!?)
[! ……まぁまぁ……! え~、では最後の一人・小村谷隼人君お願いします]
「俺は、鎌田みたいなんじゃないけど、自分で殺る勇気なんて持ち合わせてないから、他人に方法は問わずに殺してもらうかな」
[……はい。ありがとうございます。皆さん、様々な殺し方を考えていて、良い刺激になりましたっ。
では、引き続き映画をお楽しみ下さい]
(楽しくはないけど……)
【せっかく憎い憎い者を殺せるんですから、じっくり苦しめてから殺したい、とは思いません?……少なくとも、主はそうお考えになりました。ですから、日本を担当する神を代えたのです】
リョーゼの兄・トミーが映像に映った。
【主は日本をトミー=エニソンに担当させ、日本人を全力で苦しませて滅ぼせと命じられました。だからトミーはまず、天気を操るのに長けた妹を日本に派遣し、環境破壊をしました。そして自らが日本に赴き、自分自身の力で消し去ろうとしています……】
部屋の照明がつき、一気に明るくなる。
「あの……一ノ、じゃなくてリョーゼさんのお兄さん、この映画だと、明日香……えっと私の隣のこの子の質問の答えになっていないと思うんですが……」
私が自信無さげに言うと、トミーは軽く笑った。
「フフ……そうだね。彼女の質問は……「どうしてこんな所にいるの?」だったっけ?」
「はい」
「……日本、又は地上にいる事を訊いているのではないんだね?」
「……どうして彼女が、リンが、私の通う学校に来たのかが知りたい。私を選んだのでは無いんでしょ?」
鼻声で明日香が問う。
「別に、東野さんは選ばれてない。ただの偶然だよ。全て」
アナウンスではなく、リョーゼとして彼女は現れた。
「映画館にしたのは、お兄様の好みだし、どれも大した意味なんて無いよ。『日本を滅ぼす』という目的を達成する為の途中経過でしかない」
明日香は涙を必死に堪えながら、リョーゼを見つめていた。
「そしてその目的も、もう達成の方向に向かってる。まず貴方達を消して、他もどんどん消す」
「もう、すぐに僕らは消されるのかい?」
こんな状況でも平気な顔をしている遠野君。
「? 時間が欲しいの? まあどうせ消すし、少しくらいなら……良いよ」
「本当かい? ありがとう一ノ瀬さ──じゃなくって、リョーゼさん!」
遠野君の顔がパアッと明るくなる。
「さっきの殺し方の質問で、気になったんだ……加瀬さん、鎌田さん!」
遠野君が勢いよく立ち上がり、私と鎌田さんを順番に指差した。
(うわぁ……面倒くさそう…)
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