魔法適正Fランクの落ちこぼれ魔法使い、Sランクの魔力蓄積量とスキル《魔力操作》で最強です!

沢谷 暖日

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第2章 アレクシス王国、王都

第22話 彼女の言葉が離れない

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 リリアンの言葉が、頭の中で暴れ回る。
 今リリアンは、確かに『もうすぐ死んじゃう』と、そう言った。
 けど、分からない。そうなると、色々とおかしくなるじゃないか。
 彼女は王族であり、この国の第二王女であり、国にとって大切な存在のはずだ。
 そんな人が、自分の死期を悟っていることがまずよく分からない。
 でも。どうしても嘘に見えない。それが引っかかって。
 結局、友達になるのをうやむやにしてしまったのが、心残りだった。

 そんなことを10分ほど考えていた頃。

 ──ゴーン! ゴーン!

 こんな夜中なのに、警鐘が鳴った。
 警鐘は波紋のように広がり、街中に轟く。

「魔王軍が南門方面から接近中です! 冒険者の皆さんはすぐに向かってださい! 数は少数ですが、視界が悪いため十分に気を付けてください!」

 恐らく冒険者ギルドからかと思われる声。
 拡声の魔道具を使っているのか、それはよく耳に届いた。
 今回ばかりは私も行った方がいいのだろうか。
 そう思った矢先、部屋のドアが勢いよく開かれた。

「クロエ!」

 ドロシーだ。
 寝癖のついた髪を纏わせ、慌てた様子で駆けてくる。

「ま、魔王軍だって。……どうする? 冒険者の皆さんは、って」
「……だよね。こんな時間に、すぐに駆けつけられる人は少なさそうだし……」

 私たちは顔を見合わせて頷き、宿の外へと繰り出した。
 南門へとはすぐに辿り着いたが、意外にも人は多くいる。
 そして魔法使い職が、既に奥に見える魔物の影に魔法を放っていた。
 やがて強そうな魔物が一匹残ったが、昼と同じように数の暴力で消滅していた。奥に見える赤色の炎が、やけに鮮やかに見える。
 わずか一瞬の出来事だった。

「……すごいね。王都の冒険者って」

 火を見つめるドロシーの声に、私は何も返せなかった。
 リリアンの言葉が、ずっと頭から離れてくれなかったから。

「…………」

 もしかすると私は、とんでもないことを彼女の口から出してしまったのかもしれない。
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