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姉妹の三日間
好きになりそうな恐怖
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「着いたよ! お姉ちゃん!」
「うん」
水族館の前へとやってきた。
入り口の真上には、この水族館の名物魚のジンベエザメの置物が飾られており、お客さんを歓迎しているようだ。
周りには家族連れが沢山いて、ちょっと私たちは浮き気味かなと気にしつつお姉ちゃんの手を取って、中へと入る。
お姉ちゃんを真似て指を絡めてみる。
「え。てんちゃん手繋ぐの?」
「交流会だからって繋ぎ始めたのはお姉ちゃんの方でしょ」
「そ、そうだけど。なんだか恥ずかしい。て、てんちゃんにはそういう恥ずかしさとかは無いの?」
「別に普通だと思うけど」
家族だし。
キスじゃ無いし。
まぁ、ちょっと恥ずかしいけどね。交流会だから。
というか、お姉ちゃんも自ら手を繋いでおいて、なんで急に恥ずかしさを覚えるのだろうか。
「じゃあ、やめとく」
そう言って手を離すと、お姉ちゃんは慌てながら再び私の手を捕まえる。
「ちょ。て、てんちゃん! やっぱり繋ぐ! 恥ずかしく無い!」
「はいはーい」
「てんちゃんの意地悪」
「私なにもしてないよ! ほら、それよりもこれ、今日の館内スケジュールだよ」
館内に入ってすぐに、大きな看板に貼られたスケジュールがあった。
それに目を通す。
あ! イルカショーある! 嬉しい!
あとは、なにこれ。ジンベエザメの餌やり? 興味無い。
それと……。アシカショー? 興味無い。
あとは。デンキウナギの放電? 興味無い。
「よーし。10時半からイルカショーだって!」
「……デンキウナギ」
隣のお姉ちゃんは、スケジュールに目を釘付けにさせながら、ぼそりと何かを呟いた。
「……? お姉ちゃん?」
「デンキウナギ!」
「うお! びっくりした、急にどしたの」
「デンキウナギ見よう!」
お姉ちゃんは目を輝かす。
わぁ。眩しい。
子供より子供な目をしている。
子供お姉ちゃんだ。
なんだ、子供お姉ちゃんって。
「デンキウナギ好きなの?」
「気になった!」
その言葉に、私は促されるように開催時間を確認する。
「別にいいけど、これ、15時からだよ」
「それでいいので見よう!」
「はーい。じゃあ、ひとまず水族館を回ろうよ。イルカショーまで、まだ時間あるし」
お姉ちゃんが頷いたのを確認して、私は手を引っ張った。
肩を並べて歩き始める。
なんだか、付き合ってる同士みたい。
世の中には水族館デートという言葉もあるらしいし。
他の人たちに、私たちはどんな風に写っているのだろう。
家族……には見えないだろうな。
やっぱり、友達みたいに見えるのかな。
なんとなく、ちらりと横目でお姉ちゃんを見てみる。
水族館の少し暗い明かりに照らされた顔は、可愛いし美人。普通に。
学校に行ってたなら、絶対モテモテだろうな。
あれ? 私もお姉ちゃんのこと、心の中では可愛いって沢山言ってないか?
なんだか。好きになってしまいそうで怖い。
いや、もう好きではあるんだけど。
心の底から、好きになってしまいそうで怖い。の方が正しいかも。
そんなことを考えていた時。
横目で見ていたのに気付いたのか、お姉ちゃんが私の方を向いた。
「どうしたの? ジロジロ見て」
「あ。ごめん。つい」
「私のこと好きになったとか」
おい。急に察しのいいことを言うなよ。
「……違う。好きの意味が違う」
自分でも何を言ってるのだろうとは思った。
好きの意味は一つしかないから。お姉ちゃんとして好き。その一つだけ。
私の言葉に、お姉ちゃんは一拍置いて、こう答える。
「そう。私はてんちゃんのことが好きだよ。あ、ちょっとお手洗い行くね」
「う、うん」
お願い。
お姉ちゃん。
これ以上、好きって言わないで。
「うん」
水族館の前へとやってきた。
入り口の真上には、この水族館の名物魚のジンベエザメの置物が飾られており、お客さんを歓迎しているようだ。
周りには家族連れが沢山いて、ちょっと私たちは浮き気味かなと気にしつつお姉ちゃんの手を取って、中へと入る。
お姉ちゃんを真似て指を絡めてみる。
「え。てんちゃん手繋ぐの?」
「交流会だからって繋ぎ始めたのはお姉ちゃんの方でしょ」
「そ、そうだけど。なんだか恥ずかしい。て、てんちゃんにはそういう恥ずかしさとかは無いの?」
「別に普通だと思うけど」
家族だし。
キスじゃ無いし。
まぁ、ちょっと恥ずかしいけどね。交流会だから。
というか、お姉ちゃんも自ら手を繋いでおいて、なんで急に恥ずかしさを覚えるのだろうか。
「じゃあ、やめとく」
そう言って手を離すと、お姉ちゃんは慌てながら再び私の手を捕まえる。
「ちょ。て、てんちゃん! やっぱり繋ぐ! 恥ずかしく無い!」
「はいはーい」
「てんちゃんの意地悪」
「私なにもしてないよ! ほら、それよりもこれ、今日の館内スケジュールだよ」
館内に入ってすぐに、大きな看板に貼られたスケジュールがあった。
それに目を通す。
あ! イルカショーある! 嬉しい!
あとは、なにこれ。ジンベエザメの餌やり? 興味無い。
それと……。アシカショー? 興味無い。
あとは。デンキウナギの放電? 興味無い。
「よーし。10時半からイルカショーだって!」
「……デンキウナギ」
隣のお姉ちゃんは、スケジュールに目を釘付けにさせながら、ぼそりと何かを呟いた。
「……? お姉ちゃん?」
「デンキウナギ!」
「うお! びっくりした、急にどしたの」
「デンキウナギ見よう!」
お姉ちゃんは目を輝かす。
わぁ。眩しい。
子供より子供な目をしている。
子供お姉ちゃんだ。
なんだ、子供お姉ちゃんって。
「デンキウナギ好きなの?」
「気になった!」
その言葉に、私は促されるように開催時間を確認する。
「別にいいけど、これ、15時からだよ」
「それでいいので見よう!」
「はーい。じゃあ、ひとまず水族館を回ろうよ。イルカショーまで、まだ時間あるし」
お姉ちゃんが頷いたのを確認して、私は手を引っ張った。
肩を並べて歩き始める。
なんだか、付き合ってる同士みたい。
世の中には水族館デートという言葉もあるらしいし。
他の人たちに、私たちはどんな風に写っているのだろう。
家族……には見えないだろうな。
やっぱり、友達みたいに見えるのかな。
なんとなく、ちらりと横目でお姉ちゃんを見てみる。
水族館の少し暗い明かりに照らされた顔は、可愛いし美人。普通に。
学校に行ってたなら、絶対モテモテだろうな。
あれ? 私もお姉ちゃんのこと、心の中では可愛いって沢山言ってないか?
なんだか。好きになってしまいそうで怖い。
いや、もう好きではあるんだけど。
心の底から、好きになってしまいそうで怖い。の方が正しいかも。
そんなことを考えていた時。
横目で見ていたのに気付いたのか、お姉ちゃんが私の方を向いた。
「どうしたの? ジロジロ見て」
「あ。ごめん。つい」
「私のこと好きになったとか」
おい。急に察しのいいことを言うなよ。
「……違う。好きの意味が違う」
自分でも何を言ってるのだろうとは思った。
好きの意味は一つしかないから。お姉ちゃんとして好き。その一つだけ。
私の言葉に、お姉ちゃんは一拍置いて、こう答える。
「そう。私はてんちゃんのことが好きだよ。あ、ちょっとお手洗い行くね」
「う、うん」
お願い。
お姉ちゃん。
これ以上、好きって言わないで。
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