義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日

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義姉妹の夏休み

夏祭りの日の朝

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 夢を見た。
 お姉ちゃんが出てきた。

 ……内容は覚えている。
 お祭りに行った夢だった。
 何もかもがうまくいって、楽しかった。
 だから、今こうして目覚めてしまって少し残念だ。
 確か、お互い浴衣を着て、家を出て。
 普通にお祭りの会場にいって。
 綿あめとか、焼きそばとかを買って。
 それで、花火を見て一緒に微笑んで。
 歩いて帰っていたら、どっかの段差に落ちて目を覚ました。
 めっちゃびくんって体が跳ねた。

 ……すごく鮮明に覚えている。
 細かく。その時の風景まで、全部。
 自分の記憶力が怖い。

 ともかく。
 まだ、朝の七時だというのに、めちゃくちゃにそわそわしている。
 お祭りの開始時刻は、十六時くらいからだから。
 あと何時間かな。
 いち、にー、さん、よん、ごー、ろく、なな、はち、きゅー。
 九時間もあるのか。……待ち遠しすぎる。
 このまま二度寝できるんなら二度寝して時間を潰したいけど、そんなこともできそうにない。
 でも、この待ち時間も結構好きかも。
 
 ふと外を見る。
 いや、見なくとも分かる。快晴だ。雲一つない。

「よかったー」

 本当に嬉しかったらしい。
 思わず口に出していた。
 いやー、天気予報は嘘つきだから心配していたけど、よかったよかった。

 やっば。
 めっちゃ楽しみ。
 何か用意しないといけないとかあるかな。
 浴衣も、前の家で着ていたのがあるし……あ。あとはお金だ。
 お母さんは下にいると思うけど、聞きに行くのも面倒なので、メッセージで催促をしてみる。

『母上。夏祭り分のお金を貸して頂けないでしょうか?』
『瑞樹ちゃんと行くの?』

 返信はや。
 見透かされているみたいで、ちょっと恥ずかしい。
 一緒に寝ていることとかバレているのかな。

『うん』
『私たちの部屋の机の引き出しに、お金あるから適当に持ってって』

 テキトーなのはどっちだ。
 いや、話が早いのはありがたいけど。
 でも持って行きすぎちゃうと、多分今度のお小遣いから引かれるんだよなー。
 お母さん、保管しているお金の数は記憶しているっぽいし。

『ありがとー^0^』

 予測変換に出てきたよくわからない顔文字と一緒に、感謝のメッセージを送っといた。

 よし。と、私は部屋を出て、お母さんたちの部屋に足を向ける。
 この部屋に入るのって初めてかもしれない。
 ドアを開けてまず最初に、なんだか暗い部屋だなーと思った。
 カーテンがかかっているからかな。
 布団が二つ地面に敷かれていて、ベッドじゃないところを見ると中々に貧しい生活を送っているようだった。

 まぁいいや。
 お金お金ー。
 ……どこの引き出しだろうか。

 とりあえず一番上の引き出しから手探りで、それらしいものを探す。
 が、何か分厚いもの手があたった。
 財布……ではない。

 なんだろう。これ。
 手記かな。
 分厚い手記だなー。

 と、別に悪気もなく勝手にパラパラ開いてみる。
 ……これは、お父さんの日記っぽかった。
 最初のページに戻って、左上に書いている日付を確認してみた。

 2017年。2月13日。
 二年前。そこそこ前だった。
 パッと目を通してみると、万年筆とかで書かれているのだろうか。
 そういう感じだった。
 そこにある文字は、少し歪んでいた。
 震えながら書いたような文字だった。

 内容を覗いてみる。
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