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7 二次元美少女に勝てるわけないよね
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「こ、この状況は……」
映画館に着き席に座った私は、隣を見て困惑した。何故かと言うと、仲睦まじいカップルがいたからだ。
これだけ席があるのに、なんでこうなったの?
しかも、思わず目を覆いたくなるようなイチャイチャっぷりだ。
手を絡ませて、お互いに目を逸らさずに見つめ合っている。
映画の内容的に、きっとオタクカップルなんだろうけど……。
遥斗のほうを見ると、全く気にする素振りもなくリラックスした様子で座っている。
え、気まずくないの? 気まずいのは私だけ? いや、よく考えたら三次元の恋愛に関心がない人だから気にするはずないか……。
でも……いいなぁ。正直、羨ましい。私も手を繋いでもらいたいな……。
そんなことを思いながら、ちらりと隣にいる遥斗を見る。
それにしても、まつ毛長いし髪さらさらだな……横顔も格好いい。
「何だ? さっきから、人の顔をジロジロと見て……」
私の視線に気付いた遥斗がこちらを向いた。
……しまった。思わず見惚れてしまった。ちらっと見るだけのつもりだったのに。
「あ、えっと……目の色、珍しいなぁと思って」
慌てて誤魔化したけど、彼の目は本当に珍しい色をしている。
こういうのをヘーゼル色っていうんだっけ。緑と茶色のグラデーションが綺麗だ。
「あぁ……よく言われるな。母親がロシア人のハーフなせいだと思うが」
あ、やっぱりクォーターだったんだ。というかこの人、二次元をこよなく愛してるけど、自分が二次元から飛び出してきたような容姿なんだよね……まあ、自覚はないのだろうけども。
そして、映画が始まったけど隣にいる遥斗が気になりすぎて、まともに観れなかった。
◇ ◇ ◇
「劇場版はアトレイアが大活躍だったな!」
「え……そ、そうですね!」
貴方に見惚れてて、正直あまり内容が頭に入ってこなかったなんて言えない……絶対言えない。
「敵国のスパイ容疑をかけられた主人公に、アトレイアが『今さら疑うものか! 私はお前を信じる!!』と叫んだシーンは痺れましたよ!」
「流石だな……見所がわかってる!」
適当に覚えているシーンをあげてみたら、褒められてしまった。
ハイテンションになってアトレイアの魅力を語り始めた彼を見て、複雑な気分になる私。
「本当に好きなんですね、アトレイアのこと」
「……やっぱり、二次元を本気で好きになるのはおかしいと思うか?」
突然、道端で立ち止まった遥斗は何時になく真剣な様子で私に尋ねた。
あれ? 急にこんなことを聞くなんて、どうしたんだろう。
「……正直、最初は引きましたけど。今は、そんな人もいるよねって思ってますよ」
「そうか……。幼稚園の頃、『ガードマスターざくろ』というアニメを偶然見たんだ。それが、全ての始まりだった」
「えっ……」
……なんか、いきなり過去を語り始めた。しかも、幼稚園!? その頃から既に二次コンを発症していたなんて。
想像以上に深刻な、彼と二次元美少女の歴史に私は動揺を隠せなかった。
だけど、ここは平静を装わないと……。
「そ、そのアニメ、私も昔見てましたよ! ヒロインのざくろのコスチュームが毎回、可愛くて好きだったなぁ」
彼の言う『ガードマスターざくろ』とは、十年以上前にやっていた女児向けの変身ヒロイン・アクションアニメだ。
異色の『盾使い防御系ヒロイン』という話題性もあったせいか、当時は周りの子供みんなが見ていた。
ヒロインのざくろが駆けつけたときにモブが言う「メイン盾きた! これで勝つる!」って台詞をよく真似していた記憶がある。
「知ってたか。しかし……今思うとあれだけ激しい動きをしているのに、あのスカートは鉄壁すぎるな」
「夕方放送の女児向けアニメに、何期待してるんですか!? お茶の間が凍りますよ!? しかも、ヒロインがロリなのに!」
……ふと思った。この人、今もロリキャラは守備範囲なのかな。
聞きたいけど、怖くて聞けない。よし、やめておこう。それで目覚められても困るし……。
「まあ……それで、ヒロインのざくろに一目惚れしたんだ。それから先は……もう二次元キャラしか好きになれなくなってた。自分でも、なんでこうなったのかわからんが……」
そう言って、遥斗は目を伏せた。何か思う所があったのかも知れない。
でも、ちょっと待って。その歳で二次元に目覚めたってことは、今まで二次元しか好きになったことないのでは……?
そんな相手を振り向かせるなんて無理ですよ、シオンさん! せっかく応援してくれたのに……。
「あの、でも……私、好きなキャラのこと語ってるときの遥斗くん、好きですよ。……あ、別に変な意味じゃなくて! 生き生きと話す姿って、なんかいいなって思って」
「……そんなことを言ったのは、お前が初めてだ。やっぱり、変わってるな」
私が変わってる? ……違うよ。貴方のことが好きだから、貴方の好きなものを否定することができないんだよ。
二次元に勝てないなんて、悔しいよ。自分の作ったアバターに負けるなんて、悲しいよ。なんで私を見てくれないのって言いたいよ。
でも、貴方の好きなものを否定したら、貴方自身を否定してしまうことになる気がするんだ。
……全部、素直に言えたらいいのにね。
でも、伝えたら今の関係すら壊れてしまうかも知れない。だから、今の私にはまだ言えない。
「……そうですね、変わってるのかも知れないです」
私はそう返すと、空元気で笑ってみせた。
「しかし……ロリキャラか。それもいいかも知れんな」
「あのー……。人がせっかく、そっち方向に目覚めないように話題を避けてたのに、なんで自ら変態の道を突き進もうとするんですかね……」
「今度、サブキャラで一人作ってみてくれないか?」
「嫌ですよ! それはもう、他の人に頼んで下さい!」
私はそう叫ぶと腕を組み、怒りを露わにした。
「冗談だ。嫁は一人で十分だからな。それに、俺は……」
遥斗は、怒っている私の顔を覗き込む。
「……?」
「今の嫁一筋だ。乗り換えようとも思わん」
そう言って、遥斗は屈託のない顔で微笑んだ。
……やめて。リアルでそれを言われると、まるで私自身が言われたかように錯覚してしまうから。
わかってる。その言葉は私に向けられたものじゃない。『ユリア』に向けられたものだ。
それなのに、胸の高鳴りが止まらなかった。
「夏陽。今日は、付き合ってくれてありがとう。これからも、よろしく頼む」
複雑な心境の私に、彼は片手を差し出した。
「なんですか、この手」
「見てわからないか? 握手だ」
私は、渋々自分の手を差し出す……ふりをした。嬉しい気持ちを、決して悟られないように。
例えそれが友好の意味しかないとしても、その手に触れられるだけで十分だった。
映画館に着き席に座った私は、隣を見て困惑した。何故かと言うと、仲睦まじいカップルがいたからだ。
これだけ席があるのに、なんでこうなったの?
しかも、思わず目を覆いたくなるようなイチャイチャっぷりだ。
手を絡ませて、お互いに目を逸らさずに見つめ合っている。
映画の内容的に、きっとオタクカップルなんだろうけど……。
遥斗のほうを見ると、全く気にする素振りもなくリラックスした様子で座っている。
え、気まずくないの? 気まずいのは私だけ? いや、よく考えたら三次元の恋愛に関心がない人だから気にするはずないか……。
でも……いいなぁ。正直、羨ましい。私も手を繋いでもらいたいな……。
そんなことを思いながら、ちらりと隣にいる遥斗を見る。
それにしても、まつ毛長いし髪さらさらだな……横顔も格好いい。
「何だ? さっきから、人の顔をジロジロと見て……」
私の視線に気付いた遥斗がこちらを向いた。
……しまった。思わず見惚れてしまった。ちらっと見るだけのつもりだったのに。
「あ、えっと……目の色、珍しいなぁと思って」
慌てて誤魔化したけど、彼の目は本当に珍しい色をしている。
こういうのをヘーゼル色っていうんだっけ。緑と茶色のグラデーションが綺麗だ。
「あぁ……よく言われるな。母親がロシア人のハーフなせいだと思うが」
あ、やっぱりクォーターだったんだ。というかこの人、二次元をこよなく愛してるけど、自分が二次元から飛び出してきたような容姿なんだよね……まあ、自覚はないのだろうけども。
そして、映画が始まったけど隣にいる遥斗が気になりすぎて、まともに観れなかった。
◇ ◇ ◇
「劇場版はアトレイアが大活躍だったな!」
「え……そ、そうですね!」
貴方に見惚れてて、正直あまり内容が頭に入ってこなかったなんて言えない……絶対言えない。
「敵国のスパイ容疑をかけられた主人公に、アトレイアが『今さら疑うものか! 私はお前を信じる!!』と叫んだシーンは痺れましたよ!」
「流石だな……見所がわかってる!」
適当に覚えているシーンをあげてみたら、褒められてしまった。
ハイテンションになってアトレイアの魅力を語り始めた彼を見て、複雑な気分になる私。
「本当に好きなんですね、アトレイアのこと」
「……やっぱり、二次元を本気で好きになるのはおかしいと思うか?」
突然、道端で立ち止まった遥斗は何時になく真剣な様子で私に尋ねた。
あれ? 急にこんなことを聞くなんて、どうしたんだろう。
「……正直、最初は引きましたけど。今は、そんな人もいるよねって思ってますよ」
「そうか……。幼稚園の頃、『ガードマスターざくろ』というアニメを偶然見たんだ。それが、全ての始まりだった」
「えっ……」
……なんか、いきなり過去を語り始めた。しかも、幼稚園!? その頃から既に二次コンを発症していたなんて。
想像以上に深刻な、彼と二次元美少女の歴史に私は動揺を隠せなかった。
だけど、ここは平静を装わないと……。
「そ、そのアニメ、私も昔見てましたよ! ヒロインのざくろのコスチュームが毎回、可愛くて好きだったなぁ」
彼の言う『ガードマスターざくろ』とは、十年以上前にやっていた女児向けの変身ヒロイン・アクションアニメだ。
異色の『盾使い防御系ヒロイン』という話題性もあったせいか、当時は周りの子供みんなが見ていた。
ヒロインのざくろが駆けつけたときにモブが言う「メイン盾きた! これで勝つる!」って台詞をよく真似していた記憶がある。
「知ってたか。しかし……今思うとあれだけ激しい動きをしているのに、あのスカートは鉄壁すぎるな」
「夕方放送の女児向けアニメに、何期待してるんですか!? お茶の間が凍りますよ!? しかも、ヒロインがロリなのに!」
……ふと思った。この人、今もロリキャラは守備範囲なのかな。
聞きたいけど、怖くて聞けない。よし、やめておこう。それで目覚められても困るし……。
「まあ……それで、ヒロインのざくろに一目惚れしたんだ。それから先は……もう二次元キャラしか好きになれなくなってた。自分でも、なんでこうなったのかわからんが……」
そう言って、遥斗は目を伏せた。何か思う所があったのかも知れない。
でも、ちょっと待って。その歳で二次元に目覚めたってことは、今まで二次元しか好きになったことないのでは……?
そんな相手を振り向かせるなんて無理ですよ、シオンさん! せっかく応援してくれたのに……。
「あの、でも……私、好きなキャラのこと語ってるときの遥斗くん、好きですよ。……あ、別に変な意味じゃなくて! 生き生きと話す姿って、なんかいいなって思って」
「……そんなことを言ったのは、お前が初めてだ。やっぱり、変わってるな」
私が変わってる? ……違うよ。貴方のことが好きだから、貴方の好きなものを否定することができないんだよ。
二次元に勝てないなんて、悔しいよ。自分の作ったアバターに負けるなんて、悲しいよ。なんで私を見てくれないのって言いたいよ。
でも、貴方の好きなものを否定したら、貴方自身を否定してしまうことになる気がするんだ。
……全部、素直に言えたらいいのにね。
でも、伝えたら今の関係すら壊れてしまうかも知れない。だから、今の私にはまだ言えない。
「……そうですね、変わってるのかも知れないです」
私はそう返すと、空元気で笑ってみせた。
「しかし……ロリキャラか。それもいいかも知れんな」
「あのー……。人がせっかく、そっち方向に目覚めないように話題を避けてたのに、なんで自ら変態の道を突き進もうとするんですかね……」
「今度、サブキャラで一人作ってみてくれないか?」
「嫌ですよ! それはもう、他の人に頼んで下さい!」
私はそう叫ぶと腕を組み、怒りを露わにした。
「冗談だ。嫁は一人で十分だからな。それに、俺は……」
遥斗は、怒っている私の顔を覗き込む。
「……?」
「今の嫁一筋だ。乗り換えようとも思わん」
そう言って、遥斗は屈託のない顔で微笑んだ。
……やめて。リアルでそれを言われると、まるで私自身が言われたかように錯覚してしまうから。
わかってる。その言葉は私に向けられたものじゃない。『ユリア』に向けられたものだ。
それなのに、胸の高鳴りが止まらなかった。
「夏陽。今日は、付き合ってくれてありがとう。これからも、よろしく頼む」
複雑な心境の私に、彼は片手を差し出した。
「なんですか、この手」
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