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2.王都編
2-1.レイチェル・シュバルツ①
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俺は、セフィリオの屋敷の一室を使わせてもらい、王都に滞在することにした。
滞在2日目、いつもの習慣で朝5時ごろに起きて、一時間ほど身体を動かす。6時に食事の準備をして、セフィリオがこの時間に起きてきた。
寝ぼけた様子で、屋敷の観測室へ向かった。
以前は魔素濃度を直接その場調べるしかなかったそうだが、セフィリオが改良し、魔素計で測定した数値を観測器に送り、それを記録することが出来るようになったそうだ。
屋敷には観測室が設けられていて、各地に設置してある魔素計の数値が日々送られてきている。
その観測、記録を終えると、一緒に朝食を食べた。
セフィリオはその後、書斎に入り、何かと研究をしており、俺は8時ごろに家を出て、4時ごろまで所用を済ませ帰宅した。
セフィリオは、俺が家を出た時とおおよそ変わらない格好で、書斎にいた。
俺が夕食を作って、一緒に食べて、その後はそれぞれの部屋に引っ込み、俺は基礎トレーニングをして、11時頃寝た。
セフィリオは何時に寝たか分からない。寝る前に書斎を覗いて、セフィリオに話しかけると、先に寝ていいよ、と微笑まれて終わりだった。
セフィリオの屋敷に来て、丸1日たつ頃には、俺はセフィリオについてあることに気付いた。
セフィリオは、俺の行動を規定するようなことを言わない。
ああしろ、こうしろ、という指示から、こうしたら、ああしたら、という提案もしない。
もっと言うと、こうして欲しいというお願いも言わない。
俺は一緒にいると言ったけど、信用されていないのかとも思ったが、どうやら他人の言動を前提として、自身の選択をするという発想が、セフィリオにはそもそも初めからないようだ。
つまり、誰がどのような言動をしようと、セフィリオが選ぶ選択肢は変化しない。
彼の世界は他人がいなくても過ごしていけるように出来ているようだった。
なんだか、セフィリオのこれまでを覗いた気がした。
そもそも、俺は、セフィリオから、好きだとか、一緒にいよう、だとか、そういうことを言われすらいない。
セフィリオは自分以外の人間を諦めている。
それは俺も例外ではない。
早々に、そうしたことに気付いてしまうと、それが俺とセフィリオを隔絶する、俺にはどうする事も出来ない壁のようで。
強い焦燥感が俺を襲った。
セフィリオも、俺のことを想ってくれていると、そう思うのだけど。
俺はセフィリオに触れたくて仕方ないのに、どうしてもセフィリオに触れることが出来なくなった。
*
王都滞在3日目、俺は早速することが無くなり、屋敷で過ごしていた。
書斎にこもるセフィリオにお茶を入れ、持っていく。
毎日の魔素計の数値を解析しているのだというと、たくさん数値が羅列してある表を見せられた。
うん、わからない。
おそらく、はっきりと分からない、という顔をしたのだと思う。
その顔を見て、セフィリオはくすくすと笑った。
ああ、可愛いな。
そう思うと同時に、胸が焦がれるのだけれど、俺とセフィリオの間の壁のようなものを思い出し、虚無感が俺を苛む。
と、俺は、唐突に自分への向けられる、チリチリと放射される気配を感知し、書斎の椅子についたセフィリオを担ぎあげると、扉とは反対側へ跳び退いた。
突然の俺の行動に、セフィリオが驚いている。
ばたんっ
次の瞬間、扉が勢いよく開いた。
そこには、30台半ばくらいか、一人の女性がレイピアを右手に構えて立っていて、シンプルなドレスながらも、裾の長いスカートや、足元のヒールを感じさせない足取りで、数歩、部屋へと入ってくる。
光沢のあるブルネットの髪が後頭部でまとめられ、同色の瞳がこちらを静かに見つめていた。
隙がない。
俺はセフィリオを担いだまま、いつも胸元に隠しているナイフを右手で抜き、構える。
生憎、長剣は居間に置きっぱなしだ。
何者か分からないが、こちらの分が悪い。
なぜなら、
「いきなり雷撃とは、穏やかじゃない」
相手は魔術師だ。
魔術自体は発動されていないが、この放射される気配は間違いない。
しかも、レイピアを携え、それがかなりの腕だと思われる。
担がれたセフィリオは、状況がわからず、身動きせずに大人しくしている。
俺の言葉を聞いて一瞬身じろいだが、俺の背で相手が見えないため、俺の出方をうかがっているらしい。
女性はもう一歩、室内に入ると、
「一つ、確認なのだけど。それは、合意かしら」
そういって、自身の左首を指でとんとん、と指さした。
目がいいな。
俺が3日前につけたセフィリオの首のキスマークを言っているらしい。もうかなり薄くなっているはずだが。
しつこくつけたからな。
俺は妙な冷や汗が出た。
けれど、一つ分かったことがあり、俺はナイフを構えたまま、ゆっくりとセフィリオを下すと、腕を伸ばして彼をできるだけ遠ざけるよう横へ下がらせる。
セフィリオを慮る以上、攻撃されるとしたら、俺だ。
「レイチェル!」
セフィリオが相手を見て、呼ぶ。
「セフィリオ、合意なの?」
レイチェルと呼ばれた女性は、俺にレイピアを構えたまま、先程のチリチリとしたものとは別のピリピリとした感覚を放出したまま、セフィリオに尋ねた。
「…合意だよ。僕が抵抗できるの知っているでしょう。
彼は、アレクセイ・ヒューバードだ。一通り、事情を話して、滞在してもらっている」
とセフィリオは俺を指して、レイチェルへ言う。
すると、レイチェルはふうと息を吐き、構えていたレイピアを下した。
「アレクさん、ごめん。彼女はレイチェル・シュバルツ。エド…エドガー・シュバルツの奥さんで、僕の魔術の師だ。たまに来てくれて、食事を用意してくれている」
色々情報があるが、俺としてはまたさん付けになっていることの方が気になる。
「敵ではないから、ナイフを下ろして」
セフィリオは言うが、それはできない。
「あちらが、手を下ろせばこちらも下す。まだ、下すことは出来ない。
氷漬けにされたら堪らないからな」
と、俺は答える。
だって、ぴりぴりと放射されるあの感覚が消えない。
彼女は一見、レイピアを下げ、こちらへの警戒を解いたようでいて、ずっとこちらへ向けて、俺を射程に、あの感覚を放射し続けている。
彼女はそれを聞いて、目を見開く。
「え?」
とセフィリオが訝しげに彼女の方を見やる。
「聞きしに勝る、とはこのことね」
そして、今度こそ、あのぴりぴりした放射を解いた。
彼女は俺ににっこりと笑いかけて、
「はじめまして、英雄さん。
展開もしていない魔術をどう感知しているのかしら。とても興味深いわ」
そう言った。
*
「いきなりごめんなさいね、英雄さん。この家に、この子以外がいるなんて初めてだったから」
英雄さん?
どういう意味だろうと考えていると、セフィリオが慌てたように、レイチェルに詰め寄り、
「レイチェル、悪趣味なことはやめてよ」
と、いう。
しかしレイチェルさんの方は、どこ吹く風で、
「あらあら。馬に蹴られてしまうわね」
ところころと笑った。
快活でいて、しなやかな所作が魅力的は女性だと思った。
セフィリオのことを想っていることが、表情や言葉から窺い知れて、セフィリオも気を許しているのは明らかだ。
ちゃんとお前のことを考えてくれる大人が周りにいたんだな。
そんなことを考えていると、
「レイチェル。さっきの、雷撃とか、氷とか、本当なの?」
セフィリオがレイチェルに尋ねた。
「ええ。
もっとも、まだ『陣』を想定しただけの状態で、『鍵』で展開もしていない状態だったけど。
どういうことかしらね」
とっても興味深いわね、と楽し気に笑う。
何やら実験動物を見るような、彼女の目に、背筋がすっと冷えてくる。
とは言え、初対面だ。挨拶はせねばなるまい。先ほどの説明によれば、公爵家の縁者ということになるし、セフィリオの師であるらしい。
「はじめまして。俺は、アレクセイ・ヒューバードといいます。
冒険者をしています。アレクセイ、とでも呼んでください、レイチェルさん。
3日程前からこちらにお世話になっています」
「ああ、畏まらないで結構よ。レイチェル、と呼んでちょうだい。
セフィリオったら、いつも貴方のことばかり話してて、私もセフィリオの次くらいには貴方に詳しいのよ。
最年少の20歳でS級冒険者になって、魔獣の討伐数は歴代最高で、金髪に翠眼の美丈夫だって。
まさに英雄そのも―」
「レイチェル!」
とレイチェルの言葉をセフィリオは遮る。
色々と気になる話がありそうだ。ぜひ詳しく。
さらにセフィリオがレイチェルに何かを言おうとしたところで、
「セフィリオ、もうそろそろ魔素計の測定時間よ。観測室へ行ってらっしゃい」
とレイチェルが言う。
「えっ?」
はっとしたように、セフィリオは時計を確認し、慌てた様子で、
「じゃあ、アレクさんも一緒に―」
「あんなの一緒に行ってもすることないでしょ。
アレクセイは私と夕食の準備をするのよ。
さあ、行きましょうか」
セフィリオを書斎に残して、ぐいぐいと俺の背を押し部屋を後にする。
俺の背を押すその力は、意外じゃなく力強い。
ぜひ今度、魔術なしで一度手合わせを願いたいところだ。
滞在2日目、いつもの習慣で朝5時ごろに起きて、一時間ほど身体を動かす。6時に食事の準備をして、セフィリオがこの時間に起きてきた。
寝ぼけた様子で、屋敷の観測室へ向かった。
以前は魔素濃度を直接その場調べるしかなかったそうだが、セフィリオが改良し、魔素計で測定した数値を観測器に送り、それを記録することが出来るようになったそうだ。
屋敷には観測室が設けられていて、各地に設置してある魔素計の数値が日々送られてきている。
その観測、記録を終えると、一緒に朝食を食べた。
セフィリオはその後、書斎に入り、何かと研究をしており、俺は8時ごろに家を出て、4時ごろまで所用を済ませ帰宅した。
セフィリオは、俺が家を出た時とおおよそ変わらない格好で、書斎にいた。
俺が夕食を作って、一緒に食べて、その後はそれぞれの部屋に引っ込み、俺は基礎トレーニングをして、11時頃寝た。
セフィリオは何時に寝たか分からない。寝る前に書斎を覗いて、セフィリオに話しかけると、先に寝ていいよ、と微笑まれて終わりだった。
セフィリオの屋敷に来て、丸1日たつ頃には、俺はセフィリオについてあることに気付いた。
セフィリオは、俺の行動を規定するようなことを言わない。
ああしろ、こうしろ、という指示から、こうしたら、ああしたら、という提案もしない。
もっと言うと、こうして欲しいというお願いも言わない。
俺は一緒にいると言ったけど、信用されていないのかとも思ったが、どうやら他人の言動を前提として、自身の選択をするという発想が、セフィリオにはそもそも初めからないようだ。
つまり、誰がどのような言動をしようと、セフィリオが選ぶ選択肢は変化しない。
彼の世界は他人がいなくても過ごしていけるように出来ているようだった。
なんだか、セフィリオのこれまでを覗いた気がした。
そもそも、俺は、セフィリオから、好きだとか、一緒にいよう、だとか、そういうことを言われすらいない。
セフィリオは自分以外の人間を諦めている。
それは俺も例外ではない。
早々に、そうしたことに気付いてしまうと、それが俺とセフィリオを隔絶する、俺にはどうする事も出来ない壁のようで。
強い焦燥感が俺を襲った。
セフィリオも、俺のことを想ってくれていると、そう思うのだけど。
俺はセフィリオに触れたくて仕方ないのに、どうしてもセフィリオに触れることが出来なくなった。
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王都滞在3日目、俺は早速することが無くなり、屋敷で過ごしていた。
書斎にこもるセフィリオにお茶を入れ、持っていく。
毎日の魔素計の数値を解析しているのだというと、たくさん数値が羅列してある表を見せられた。
うん、わからない。
おそらく、はっきりと分からない、という顔をしたのだと思う。
その顔を見て、セフィリオはくすくすと笑った。
ああ、可愛いな。
そう思うと同時に、胸が焦がれるのだけれど、俺とセフィリオの間の壁のようなものを思い出し、虚無感が俺を苛む。
と、俺は、唐突に自分への向けられる、チリチリと放射される気配を感知し、書斎の椅子についたセフィリオを担ぎあげると、扉とは反対側へ跳び退いた。
突然の俺の行動に、セフィリオが驚いている。
ばたんっ
次の瞬間、扉が勢いよく開いた。
そこには、30台半ばくらいか、一人の女性がレイピアを右手に構えて立っていて、シンプルなドレスながらも、裾の長いスカートや、足元のヒールを感じさせない足取りで、数歩、部屋へと入ってくる。
光沢のあるブルネットの髪が後頭部でまとめられ、同色の瞳がこちらを静かに見つめていた。
隙がない。
俺はセフィリオを担いだまま、いつも胸元に隠しているナイフを右手で抜き、構える。
生憎、長剣は居間に置きっぱなしだ。
何者か分からないが、こちらの分が悪い。
なぜなら、
「いきなり雷撃とは、穏やかじゃない」
相手は魔術師だ。
魔術自体は発動されていないが、この放射される気配は間違いない。
しかも、レイピアを携え、それがかなりの腕だと思われる。
担がれたセフィリオは、状況がわからず、身動きせずに大人しくしている。
俺の言葉を聞いて一瞬身じろいだが、俺の背で相手が見えないため、俺の出方をうかがっているらしい。
女性はもう一歩、室内に入ると、
「一つ、確認なのだけど。それは、合意かしら」
そういって、自身の左首を指でとんとん、と指さした。
目がいいな。
俺が3日前につけたセフィリオの首のキスマークを言っているらしい。もうかなり薄くなっているはずだが。
しつこくつけたからな。
俺は妙な冷や汗が出た。
けれど、一つ分かったことがあり、俺はナイフを構えたまま、ゆっくりとセフィリオを下すと、腕を伸ばして彼をできるだけ遠ざけるよう横へ下がらせる。
セフィリオを慮る以上、攻撃されるとしたら、俺だ。
「レイチェル!」
セフィリオが相手を見て、呼ぶ。
「セフィリオ、合意なの?」
レイチェルと呼ばれた女性は、俺にレイピアを構えたまま、先程のチリチリとしたものとは別のピリピリとした感覚を放出したまま、セフィリオに尋ねた。
「…合意だよ。僕が抵抗できるの知っているでしょう。
彼は、アレクセイ・ヒューバードだ。一通り、事情を話して、滞在してもらっている」
とセフィリオは俺を指して、レイチェルへ言う。
すると、レイチェルはふうと息を吐き、構えていたレイピアを下した。
「アレクさん、ごめん。彼女はレイチェル・シュバルツ。エド…エドガー・シュバルツの奥さんで、僕の魔術の師だ。たまに来てくれて、食事を用意してくれている」
色々情報があるが、俺としてはまたさん付けになっていることの方が気になる。
「敵ではないから、ナイフを下ろして」
セフィリオは言うが、それはできない。
「あちらが、手を下ろせばこちらも下す。まだ、下すことは出来ない。
氷漬けにされたら堪らないからな」
と、俺は答える。
だって、ぴりぴりと放射されるあの感覚が消えない。
彼女は一見、レイピアを下げ、こちらへの警戒を解いたようでいて、ずっとこちらへ向けて、俺を射程に、あの感覚を放射し続けている。
彼女はそれを聞いて、目を見開く。
「え?」
とセフィリオが訝しげに彼女の方を見やる。
「聞きしに勝る、とはこのことね」
そして、今度こそ、あのぴりぴりした放射を解いた。
彼女は俺ににっこりと笑いかけて、
「はじめまして、英雄さん。
展開もしていない魔術をどう感知しているのかしら。とても興味深いわ」
そう言った。
*
「いきなりごめんなさいね、英雄さん。この家に、この子以外がいるなんて初めてだったから」
英雄さん?
どういう意味だろうと考えていると、セフィリオが慌てたように、レイチェルに詰め寄り、
「レイチェル、悪趣味なことはやめてよ」
と、いう。
しかしレイチェルさんの方は、どこ吹く風で、
「あらあら。馬に蹴られてしまうわね」
ところころと笑った。
快活でいて、しなやかな所作が魅力的は女性だと思った。
セフィリオのことを想っていることが、表情や言葉から窺い知れて、セフィリオも気を許しているのは明らかだ。
ちゃんとお前のことを考えてくれる大人が周りにいたんだな。
そんなことを考えていると、
「レイチェル。さっきの、雷撃とか、氷とか、本当なの?」
セフィリオがレイチェルに尋ねた。
「ええ。
もっとも、まだ『陣』を想定しただけの状態で、『鍵』で展開もしていない状態だったけど。
どういうことかしらね」
とっても興味深いわね、と楽し気に笑う。
何やら実験動物を見るような、彼女の目に、背筋がすっと冷えてくる。
とは言え、初対面だ。挨拶はせねばなるまい。先ほどの説明によれば、公爵家の縁者ということになるし、セフィリオの師であるらしい。
「はじめまして。俺は、アレクセイ・ヒューバードといいます。
冒険者をしています。アレクセイ、とでも呼んでください、レイチェルさん。
3日程前からこちらにお世話になっています」
「ああ、畏まらないで結構よ。レイチェル、と呼んでちょうだい。
セフィリオったら、いつも貴方のことばかり話してて、私もセフィリオの次くらいには貴方に詳しいのよ。
最年少の20歳でS級冒険者になって、魔獣の討伐数は歴代最高で、金髪に翠眼の美丈夫だって。
まさに英雄そのも―」
「レイチェル!」
とレイチェルの言葉をセフィリオは遮る。
色々と気になる話がありそうだ。ぜひ詳しく。
さらにセフィリオがレイチェルに何かを言おうとしたところで、
「セフィリオ、もうそろそろ魔素計の測定時間よ。観測室へ行ってらっしゃい」
とレイチェルが言う。
「えっ?」
はっとしたように、セフィリオは時計を確認し、慌てた様子で、
「じゃあ、アレクさんも一緒に―」
「あんなの一緒に行ってもすることないでしょ。
アレクセイは私と夕食の準備をするのよ。
さあ、行きましょうか」
セフィリオを書斎に残して、ぐいぐいと俺の背を押し部屋を後にする。
俺の背を押すその力は、意外じゃなく力強い。
ぜひ今度、魔術なしで一度手合わせを願いたいところだ。
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