英雄は星空の瞳に優しく囚われ英雄になる ~訳アリの年下魔術師を溺愛したら英雄になった俺の話~

べあふら

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2.王都編

2-10.二人の想い② ※

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 俺とセフィリオは、俺の部屋へ行った。

 セフィリオの部屋は、本で埋め尽くされているらしく、ベッドにも色々と資料が散らかっているとのことらしい。

 ああ、ちゃんと昼食を食べていない疑惑(確信)、に加え、以前からそうじゃないかと思っていたが、ちゃんと寝ていない疑惑(確信)追加だ。


 俺は、部屋に着くと、もう一度唇を求めてた。

 俺より小さな唇を覆うように塞ぎ、舌を差し込むと答えるように舌が差し出されて、混ざり合う唾液を啜ると、飲み込んだ。


「気持ちいい」


 俺がそういうと、セフィリオは潤んだ瞳で嬉しそうな笑みを浮かべる。

 その顔が堪らない色気をはらんでいて、俺は胸を締め付けられるような衝撃を受けて、彼をベッドへ誘う。

 二人を隔てる服が、邪魔で白く滑らかな肌を撫でながら、あちらこちらにキスをし、舌を這わせて、あっという間にはぎ取った。

 セフィリオはどこもかしこも美しかった。


「すべすべしてて、いつまでも触ってたい」


 裸体を晒すセフィリオを下に組み敷いて、自分の服もすべて脱いで、ベッドに下に投げやってしまう。

 自分の身体で、セフィリオを覆って、再び深く口づけて、上顎を舐って、歯列をなぞって、俺の舌を迎える舌をちろちろと撫でる。唾液が溢れて、セフィリオの顎を伝う。


 ふと、視線を感じると、セフィリオが、俺の身体をじっと見ていて、

「わあ。…すごい」

 といって、胸から腹へと手を這わせて、筋肉の溝に沿うように指でなぞる。


 なぜか体格自体が、筋骨隆々とした奴らほど大きくならない俺の身体は、それでも冒険者として、それなりに筋肉を触れる引き締まった体をしていると思う。

 普段は、そんなことはどうでもいいのだが、セフィリオが、熱のこもった潤んだ瞳で見つめながら、興奮した様子で俺の身体を堪能するのをみて、この身体も悪くないように思える。


 セフィの手はひんやりとして気持ちがいい。


 けれど、ぞくりと腰から背を這いあがる欲望に、燃え上がるような衝動を感じ、俺に触れるその手を取る。

 その瞳を見つめたまま、指先を口に含ます。

 指に沿うように、舌でなぞり、指の間まで行きあたり、再び次の指を舐める。

 指をしゃぶるように口に咥えると、ちゃぷちゃぷと水音が響いて、セフィリオの視線は、俺の口元に注がれいて、


「気持ちいい?」


 尋ねる。


「んっ、あ、…きもちいい」


 素直に答える彼も可愛い。

 空いた手で、セフィリオの頬にふれ、耳介をなぞると、首筋から肩に触れ、胸を撫でる。指が突起に触れると、びくり、と身体が震える。

 咥えていた指がふやけてきて、それを開放してやると、その手が、俺の頬から首筋を擦り、肩を掴まれ、背中にぞくぞくとしたその快感が走った。


「セフィ、気持ちいいとこ、教えて」


 そういって、胸の突起をつまみ、先端を指の腹で擦るように刺激する。

 反対側を口に含むと、舌で弾く様に転がし、そのたびにセフィリオの身体が反応して、それを確かめながら何度も繰り返した。

「セフィ、言って。どこが気持ちいい?」


 教えて。聞かせて。

 しつこく愛撫する俺に、セフィリオは身悶えるが、しっかりと抱き込んだ俺の腕が逃がさない。


「ふっ、あ、…わかんな…。アレク。……へん、なんか……わかんないっ」


 そういって、セフィリオが、俺の腕に縋りつき、瞳からは頬に一粒涙がこぼれる。

 与えられる刺激に戸惑い、どうにかその感覚を逃がそうと、身体を捩って彷徨っている姿は、俺には誘っているように魅惑的に見える。


「変、てどんな風か、言ってみろよ」

 変わらず、胸の突起を食みながら、手は、わき腹から、腰骨をさすり、小さな尻とほっそりとした足を往復する。

「んっあ、…あ、アレクが触れた、とこ、…んぅ。ぞくぞくして…」

「ああ、セフィ。気持ちいいんだよ。気持ちいい、て言って。」


 ああ、もっと。もっと俺を求めてほしい。


「…きもちい、……あっ」


 もっと、俺を欲しがって。


 腰骨から、つっと足の付け根の窪みに手を這わせて、

「こっちは、気持ちいいだろ」

 たらたらと、蜜を垂らしている、セフィリオの中心に触れる。
 下から上へ、擦り、裏筋をたどり、蜜口を押さえるように刺激した。


「ひぁっ、あっ……アレク…っ」

「気持ちいいな」


 先端を刺激して、緩く掴んで上下に擦ると、卑猥な水音が響いて、俺を興奮させる。


「あ……もう、ああ……んっ………それ!…あ、だめっ!」

「セフィ、可愛い」


 セフィリオの反応を見ながら、強さを変えて、徐々に快感を高めていく。
 ぐっと熱がこもり、さらに蜜が溢れてきて、それが愛おしくてたまらない。


 今すぐ食らいつきたい獰猛な願望が、強く沸き起こるのを堪えていると、

「アレク、…ア、レクっ……んん」

 名前を呼ばれる。

「何?」

 セフィリオは、快感の波に飲まれながら、俺を探すように名前を呼んでいる。

 ぎゅっと閉じられていた瞳が開いて、星のような瞬きが揺れて、俺を見つけると、今にも泣き出しそうな顔で、言う。

「……アレク、……キス、して」

 ずくり、と腹が疼くのを自覚して、一気に欲が溜まり、言われるがまま、俺は、セフィリオの濡れた唇に噛みつくように、深く口づけする。
 舌が絡んで、そこからまた甘い疼きが生まれる。

 手は止めず、唇の隙間から漏れる荒い息と、喘ぎを聞きながら、ぐっと彼の快感が重くなるのを感じ取り、それを高みへと押しやった。

 セフィリオの体が跳ねて、全身に力が入り、彼の腹と俺の手とが白濁で濡れた。


 その甘い声は、口づけで飲み込んで、ごくり、とセフィリオの喉がなる。


 荒い息を吐きながら、恍惚として脱力するセフィリオを、いつまでも見ていたい欲求に駆られながらも、俺は身を起こして、ベッドサイドの引き出しから、小瓶と小さな包みを取り出す。

 包みを口で開けながら、彼の白濁のついた右手で尻を撫で下げて、後ろの蕾に触れる。

「……あっ」

 戸惑いの声が聞こえたが、先ほどの快感からまだ覚めやらない身体は逃げることはない。

 セフィリオの滑りをくるくると蕾に塗りこむと、包みから出したとろりとした液体を纏う、親指の先ほどの粒を、そこにぐっと押し込む。

「ひっ!……あっ、…なに!?」


 急に襲った違和感に、セフィリオは意識が一気に覚醒したようで、悲鳴に似た声を上げ、俺を見やった。

「浄化薬」

 俺は一言そういって、セフィリオの額にキスをし、左手で銀髪を撫でる。

 乱れた髪紐をほどき、サラサラとした髪を梳き、頬を労わる様に触れた。

 気持ちよさそうに、俺の手に頬寄せながらセフィリオは、

「……用意、してたの…」

 そういうので、

「まあ」

 短く答えた。

 浄化薬は、野営や戦時につかわれる、浄化魔術を応用した魔術薬で、入れた周囲の異物を洗浄することが出来る。
 元々は、解毒のための胃洗浄に使うために開発されたらしいが、割とどこでも購入できる。

 好きな人と一緒に住んでて、準備してない方が有り得ないだろう。
 むしろ、2週間超使わずにいた俺は意気地がない気すらするが。


「僕、魔術で自分で出来たのに」

 と、何気なくセフィリオが呟くのを聞いて。

 自分で。
 それはとても魅力的な言葉に聞こえた。

 どうするのか分からないが。


 今日は、俺がしてやりたいからこれでいい。
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