英雄は星空の瞳に優しく囚われ英雄になる ~訳アリの年下魔術師を溺愛したら英雄になった俺の話~

べあふら

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2.王都編

2-11.二人の想い③ ※

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 俺は、もう一つの小瓶を開けると、たらりと自分の右手にたらし、さらにセフィリオの下腹にたらす。


「…あ、いい匂い」

 セフィリオが言う。甘い、果実の香りがする、香油だ。
 ぬるり、と蕾を伸ばすように撫でていく。

「足、開いて」

 そういって、俺は足を割り上げ、その間に身を入れると、上体を倒して体をよせる。

 すると、セフィリオは艶やかな唇の間から小さな舌を差し出して、俺の唇を舐めた。
 それに吸い付いて、舐めさすりながら、蕾に指を1本差し入れる。指は香油の滑りでつぷり、と抵抗無く飲み込まれていく。


「…んっ……あ、あ、…アレク」


 俺の肩を掴み、セフィリオがすがり付いてくる。吐息が口元にかかり、それを飲み込むように口づける。

「痛い?」

 セフィリオは横に首を振る。

「でも、…っう、なんか、……っ」


 指で内壁を撫でながら、出し入れすると、はじめは固く閉じていたそこが、緩み出して、セフィリオの息が荒くなる。
 指を増やして、また中を撫でながら、奥から手前に押すように広げていく。香油を足して、何度も出し入れして、中が柔らかくうねって指が深く飲み込まれていく。

 濡れた音と、香油の甘い香りとが五感を刺激して、身体に響く。

「…んん、……っふ、あ、……ああ…」

 肩にすがり付いているセフィリオの手が、ふるふると震えている。

「あ、…ぞわぞわ…する、…あ」

 普通は触れられることのない場所を撫でられ、拡げられ、弄られるのが単純に気持ちいい訳ないと思うのだけど、セフィリオの声には確かに甘さが含まれていて。

 身悶え耐えるようにその感覚に翻弄されている、腕の中の彼を感じて、自身の欲が、ぐらぐらと腹の中で沸いてきた。

 自分は、もうとっくに張りつめているけど、セフィリオの快感の中心を探しながら、奥に差し込んだ指で内壁を探り、繰り返し手前に撫で付けて、

「……ん、あっ……ああっ!」


 こり、と指の腹でそこを押さえると、一際高い声が上がった。

「…あっ!……や、…なにっ!?……ひっ」

「セフィのいいとこ。」
「あ、やっそれ、……びりびり、してっ……ああっ!」

 見つけた場所を、何度も押さえるように二本の指で執拗に刺激して、その度に、セフィリオが高い声をあげる。

 しばらく続けると、その感覚に溺れて行き、再びさ迷うような、惚けた瞳が生まれ、その瞳が懸命に俺を見失わないように見つめている。

 指を三本に増やして、ばらばらと中で動かしながら、彼の快感の中心を押さえる。

 前に立ち上がっている、セフィリオのものを反対の手で根元から先端まで上下に扱くと、香油と、セフィリオ自身の蜜とで、ぬるぬると滑る。

「あっ!や!……やだっ……んんっ」

 セフィリオに再び絶頂の波が押し寄せているのを感じ、それが弾ける手前で、刺激を止める。


 急に熱が放り出され、戸惑った表情でセフィリオが俺を見つめている。

「セフィ。繋がりたい」


 ああ、もう耐えられない。

 高まった欲望を早く、セフィリオに埋め込みたい。

 左の首筋を甘噛みしながら、後ろの指をゆるゆると動かす。


「あ、…やめ……ああ」

「セフィ。いい?」


 俺は、どうしても聞きたい。


「セフィ。どうしたい?」

「あっ……アレク」


 言って。俺を求めて。


「……アレク。もっと……近くに、来て。一つに、なって」


 俺が指を引き抜くと、セフィリオが身悶える。


 膝裏を持って足を開き、眼前にさらされた濡れた蕾がひくひくと、俺を誘うようで、いざなわれるまま自分をぐっと押しあて、奥へと進め、

「セフィ。息、止めないで、吐いて」

「っ……うっ…は、………あっ」

 息を詰めるセフィリオに言って、ふと、吐息で弛んだ中に、少しずつ。

「…あ、あっ、……アレク、…アレク」

 すべてを埋め込んだ。

 肌が触れる感触がして、もっと触れたくて、身を屈めるとさらに奥にあたって、セフィリオは小さく呻いて、構わずセフィリオを抱きしめキスをする。

 中はとても熱くて、ぎゅうぎゅうと締め付けられて。セフィリオも腕を回し、俺を抱きしめてくれて、耳元で、


「僕、アレクが大好き」


 そんなことを言われたら、もう止まらなかった。


 俺が揺さぶる度に、セフィリオの身体が震える。気持ちいいのか、辛いのか、涙に潤んだ藍色が見える。その中には変わらないきらきらとした輝きあって、俺を誘う。

 何度も名前を呼んで、好きだと、可愛いと、何度も何度でも、この気持ちを注ぎこんだ。

 セフィリオの萎えた中心を撫で上げて、キスをして、揺さぶる。


「…あ、あ、……あああっ!」

 激しい波にのまれるように、セフィリオは再び達して、二人の間が濡れる。


 荒くなった自分の呼吸に、彼の中が熱くうねるように絡み付いて、途方もなく気持ちよくて、喉から絞るような喘ぎがもれて、俺も弾けた。


 ぐったりと横たわるセフィリオを抱き寄せたまま、お互いが求めるようにキスをして。

 細い腰を支えるように抱くと、セフィリオの足がすり、と俺の足をなでるように触れた。
 絡めるように、何度もするり、と触れて、俺は腰の奥へとずくずくした疼きが、また溜まってきて。
手が俺の頭を愛しそうに抱き込んでくる。


 それに、どうしようもなく、心が満たされて、中にいたままの俺のものは、また硬くなっていく。


「…セフィ、………もう一回」


 今度はセフィリオの了解を待たず、脱力したままの白く美しい身体をうつ伏せに返し、胸をベッドへ押し付けると、腰を持ち上げて、後ろから覆い被さるように深く挿し入れる。


 不安そうに敷布にしがみつき、さ迷う細い身体を、後ろから閉じ込めるように強く抱き締めて、耳元で、また何度も名前を呼んだ。



 ああ、今度は香りの無い香油を使おう。
 セフィリオの甘い匂いが、かき消えてしまって勿体ないから。


 気絶するように寝入ったセフィリオの身体を拭きながら、そんなことを考えて。

 彼を抱きしめたまま俺は眠った。

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