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24話
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ヘンドリックの大声が、城に響き渡る。
「陛下!!聞きましたぞ!王家の紋章が現れたと!!」
ノアもアデルもグレイも、ニコニコと・・・ニヤニヤが止まらないようだった。
ヴィンセントは、平然と仕事をこなしながら、答える。
「あぁ、ソフィアの背中に現れた。」
ヘンドリックは、満面の笑みで何度も頷く。
「祝いじゃ!陛下、わしはもう用済みじゃ!死んでもよい!!」
両手を合わせて祈るような恰好をし、陶酔している様子のヘンドリックは、そのうち涙を流し始めた。
グレイは心配になって、声をかける。
「ヘンドリック宰相・・・喜び過ぎて逝かないでくださいね?孫の花嫁姿も、陛下の御子もちゃんと見届けてください。」
そう言われて、ヘンドリックはハッとする。
「おお!そうですじゃ!こうしてはおれん!結婚式の準備じゃ!陛下の御子!必ずや見届けましょうぞ!!」
そう言うと、元気なお爺ちゃん・・・もとい、ヘンドリック宰相は部屋を出て行ってしまった。
ノアが笑いながら言う。
「我が国は、どうやら安泰のようですね。」
◇◇◇◇
ソフィアが目を覚ましたのは、3時も過ぎて、もうすぐ夕方という時間だった。
「っ!・・・痛たたっ・・・」
腰が痛んだけれども、なんとか体を起こす。
女官達が入ってきて、せっせと世話をしてくれたので、助けられる。
湯殿に行ってから、香油でマッサージしてもらい、少し体が軽くなる。・・・あぁ、気持ち良い。また眠くなってきてしまったけど、さすがに寝てばかりではいけないと、心を入れなおす。
女官達に着せられるままで、ボーーッと立っていると、いつもと違うことに気がつく。
「・・・・え?・・・え?ちょっと待って?」
女官達が、ピタリと止まる。
「コレは・・・なに?」
「下着にございます。」
そう言われて、自分で鏡を見る。
もはや下着ではなく、ほとんどが紐で、布の部分が少ないのに、紐はレースで出来ている!
女官達は入れ替わり、次はナイトドレスを持ってきて、着せようとしてくれる。
それを見て、ソフィアはまた声を上げる。
「ちょっと待って!そんなの着れないわ!し、しかも、まだ夕刻よ?」
しかし、女官は平然と、返答する。
「本日の下着とナイトドレスは、宰相様より衣服を管理する女官へ、男性が喜ぶ服装をと仰せつかっております。こちらは、都でも人気の品ですわ。」
そう言うと、さっさと着せられていく。
都で人気の品??ちょっと興味を惹かれるフレーズだけれど、着てみれば・・・・!!
なんと、ナイトドレスは、スケスケタイプで、胸の先端と秘所の1部だけが隠れるようなレース模様が入っているだけの、ほぼ裸のような・・・いや、むしろ裸の方が恥ずかしくない??レベルのモノだった。
「こっ・・・こ、こ、こんな服で、無理!無理よ!他の服をお願いします!」
そう叫んでも、女官達は困惑するばかりで、「陛下を喜ばせたくありませんか?」とか「男性には1番人気だと聞いてます」などと、ニコニコすすめられる。
私があまりに泣きついたせいなのか、ナイトガウンを持って来てくれた。
そのナイトガウンだって、フリルのついた可愛らしいものだった。とても、部屋を出る事が出来ない・・・。
女官達がテーブルに、軽食などを置いて、部屋を出て行ったので、テーブルの上に置いてある飲み物に手を伸ばす。輪切りにされたたくさんのフルーツなどが瓶の中に入っていて、大好きなフルーツジュースだと喜んでグラスに注いで飲む。
「!!・・・ゲホッ!!」
これ、お酒だ!・・・こんなの、飲めない。
ソフィアは下戸だった。
仕方が無いので、陛下の部屋を散策する。
本棚には、たくさんの本が並んでいて、地学や法律、外国の本などばかりだった。1周していると、おなかが「ぐぅ~」となってしまう。そう言えば昼食を食べていない。
ソファに座って、サンドイッチを食べる。飲み物が欲しくて、茶色い色をしたボトルがお茶だろうと、注いで飲むと、何やら薬草のようなお味だった。
「???」
これはいったいなんだろう?
ふと見ると、ベッドサイドに水差しと、既に注がれているグラスがあった。妙に小さいグラスで、食前酒のように感じたけれども、それを飲んでみる。
なんか、甘いような・・・?不思議な・・・あ・・・じ・・・?
急に、少し眩暈がして、ベッドにもたれかかる。
「あれ?・・・なんだろう、これ」
酔っぱらったみたいに、フラフラしてきて、体が熱い・・・。
さっきのお酒が回ってきたのかもしれない・・・。
ベッドに横になると、布の冷たさが気持ち良くて、頬ずりする。
「はぁ・・・気持ち良い。」
体が熱くて、ガウンを少し脱いで横になる。
「はぁ~。」
そのまま、ウトウトと目を閉じた時だった。
ガチャリッと、扉の開く音がする。
陛下の部屋は、寝室と分かれているので、部屋に誰が入ってきたのかは、見えなかった。
「ソフィア?」
陛下の声がして、なんとなく嬉しくなって、寝室の扉の前まで歩いて行くと、ふらついて、扉によりかかるようにして、倒れこんだ。
「ソフィア?!・・・どうした?」
ヴィンセントが慌てて駆け寄り、ソフィアを抱きかかえる。
触れられた所が、妙に心地よくて、思わず抱きついてしまう。
「ソフィア?・・・体が熱いな。大丈夫か?」
ヴィンセントは、ソフィアの様子がおかしい事に不安になり、視線をうつして驚く。
彼女の羽織っていた、ガウンが脱げて、体が透けて見えるナイトドレスに目が行く。形の良い乳房も、細い腰も、しなやかな体のラインも、全てが透けていた。
そんな姿を見せられて、抱き着かれたら・・・耐えられなくなってしまう。ヴィンセントは胸の高鳴りを押さえ込みながら、ソフィアにガウンをしっかりと着せた。
そこへ、
女官達が、夕食を持って部屋に入って来る。
「陛下、本日はお部屋でとの事でしたので、夕食をお持ち致しました。」
一緒に入ってきたノアが、異変に気がつく。
「どうかされましたか?」
すると、1人の女官が、サングリアというお酒が、減っている事に気がつく。
「おそらく、お酒を召し上がられたのかと。・・・しかし、1杯だけのようですが・・・」
そう言って、女官が寝室に入ると、「あっ」と声をあげた。
「どうした?」
「あ、その、おそらく媚薬を飲まれたのかと。」
「何?!どうゆうことだ?!」
ヴィンセントは、怒りに声を荒げた。
女官は慌てて言った。
「は、はい。本日は寝室に、少しばかりの興奮作用のある飲み物をと、宰相様に言われておりまして。それと、妃殿下はお酒が飲めないと伺ってはいたのですが、少しだけでもすすめるようにと申し使っておりまして・・・。妃殿下がお好きだというフルーツがたくさん入ったお酒を・・・・。そ、それに、陛下用にと、精力剤の入ったお茶も・・・飲まれていらっしゃるようで・・・・お、恐らく、そのせいで朦朧とされているのかと・・・も、、申し訳ございません!!」
状況を理解して、ヴィンセントは舌打ちした。
・・・・ヘンドリックめ!余計な事を。
「ソフィア!ソフィア?しっかりしろ!」
「んっ・・・へいか・・・なんか・・・目が回るの・・・。」
ソフィアを抱き抱えながら、鬼の形相になってしまった陛下を見て、女官達は青ざめた。
女官は、急いで冷たい水と氷をテーブルの上に置いて言った。
「陛下、媚薬は気分が良くなる程度の弱い効き目の物でして、すぐに効き目は消えるかと思いますので。」
震えながら慌てふためく女官達に、ノアが言った。
「解りました、もう下っていいですよ。」
そして、グラスに水を入れて、ソフィアに差し出す。
「ソフィア様。どうぞお水です。」
ノアが口元まで差し出すと、ソフィアはノアの手と一緒にグラスを掴んで、ゴクゴクと飲み干した。ぷはぁっと、息を吐いてから、ノアの目をトロンとした顔で見つめて言う。
「んっ、ありがと。もっと、ちょぉだい?」
舌っ足らずで、甘えたような声だった。
瞬間に、物凄い勢いで、ノアは後退る。そして、ヴィンセントの方を見て、大声で叫んだ。
「ぼっ、ぼくは、もう!失礼させて頂きます!!!」
そう叫ぶと、物凄い勢いで、部屋を出て行った。
ソフィアは、ふふふと笑って言う。
「・・・あれぇ?びっくりしたぁ。ノアちゃん、かお、まっかっかだったぁ。」
ヴィンセントは小さくため息をついて、ソフィアを抱き上げて、ソファーに座らせる。
おそらく、媚薬というよりは、どちらかと言うと、酔っぱらっている様子だ。
2人でソファーに座り、水を注いでやっていると、ソフィアがもたれかかってくる。
「うふふ。陛下だぁ~。やっと来てくれた~。むふう~。」
嬉しそうに抱き着いてくる姿が、可愛らしい。
水を口に含んで、口移しで飲ませると、ソフィアは嬉しそうにヴィンセントに吸い付いた。
「陛下!!聞きましたぞ!王家の紋章が現れたと!!」
ノアもアデルもグレイも、ニコニコと・・・ニヤニヤが止まらないようだった。
ヴィンセントは、平然と仕事をこなしながら、答える。
「あぁ、ソフィアの背中に現れた。」
ヘンドリックは、満面の笑みで何度も頷く。
「祝いじゃ!陛下、わしはもう用済みじゃ!死んでもよい!!」
両手を合わせて祈るような恰好をし、陶酔している様子のヘンドリックは、そのうち涙を流し始めた。
グレイは心配になって、声をかける。
「ヘンドリック宰相・・・喜び過ぎて逝かないでくださいね?孫の花嫁姿も、陛下の御子もちゃんと見届けてください。」
そう言われて、ヘンドリックはハッとする。
「おお!そうですじゃ!こうしてはおれん!結婚式の準備じゃ!陛下の御子!必ずや見届けましょうぞ!!」
そう言うと、元気なお爺ちゃん・・・もとい、ヘンドリック宰相は部屋を出て行ってしまった。
ノアが笑いながら言う。
「我が国は、どうやら安泰のようですね。」
◇◇◇◇
ソフィアが目を覚ましたのは、3時も過ぎて、もうすぐ夕方という時間だった。
「っ!・・・痛たたっ・・・」
腰が痛んだけれども、なんとか体を起こす。
女官達が入ってきて、せっせと世話をしてくれたので、助けられる。
湯殿に行ってから、香油でマッサージしてもらい、少し体が軽くなる。・・・あぁ、気持ち良い。また眠くなってきてしまったけど、さすがに寝てばかりではいけないと、心を入れなおす。
女官達に着せられるままで、ボーーッと立っていると、いつもと違うことに気がつく。
「・・・・え?・・・え?ちょっと待って?」
女官達が、ピタリと止まる。
「コレは・・・なに?」
「下着にございます。」
そう言われて、自分で鏡を見る。
もはや下着ではなく、ほとんどが紐で、布の部分が少ないのに、紐はレースで出来ている!
女官達は入れ替わり、次はナイトドレスを持ってきて、着せようとしてくれる。
それを見て、ソフィアはまた声を上げる。
「ちょっと待って!そんなの着れないわ!し、しかも、まだ夕刻よ?」
しかし、女官は平然と、返答する。
「本日の下着とナイトドレスは、宰相様より衣服を管理する女官へ、男性が喜ぶ服装をと仰せつかっております。こちらは、都でも人気の品ですわ。」
そう言うと、さっさと着せられていく。
都で人気の品??ちょっと興味を惹かれるフレーズだけれど、着てみれば・・・・!!
なんと、ナイトドレスは、スケスケタイプで、胸の先端と秘所の1部だけが隠れるようなレース模様が入っているだけの、ほぼ裸のような・・・いや、むしろ裸の方が恥ずかしくない??レベルのモノだった。
「こっ・・・こ、こ、こんな服で、無理!無理よ!他の服をお願いします!」
そう叫んでも、女官達は困惑するばかりで、「陛下を喜ばせたくありませんか?」とか「男性には1番人気だと聞いてます」などと、ニコニコすすめられる。
私があまりに泣きついたせいなのか、ナイトガウンを持って来てくれた。
そのナイトガウンだって、フリルのついた可愛らしいものだった。とても、部屋を出る事が出来ない・・・。
女官達がテーブルに、軽食などを置いて、部屋を出て行ったので、テーブルの上に置いてある飲み物に手を伸ばす。輪切りにされたたくさんのフルーツなどが瓶の中に入っていて、大好きなフルーツジュースだと喜んでグラスに注いで飲む。
「!!・・・ゲホッ!!」
これ、お酒だ!・・・こんなの、飲めない。
ソフィアは下戸だった。
仕方が無いので、陛下の部屋を散策する。
本棚には、たくさんの本が並んでいて、地学や法律、外国の本などばかりだった。1周していると、おなかが「ぐぅ~」となってしまう。そう言えば昼食を食べていない。
ソファに座って、サンドイッチを食べる。飲み物が欲しくて、茶色い色をしたボトルがお茶だろうと、注いで飲むと、何やら薬草のようなお味だった。
「???」
これはいったいなんだろう?
ふと見ると、ベッドサイドに水差しと、既に注がれているグラスがあった。妙に小さいグラスで、食前酒のように感じたけれども、それを飲んでみる。
なんか、甘いような・・・?不思議な・・・あ・・・じ・・・?
急に、少し眩暈がして、ベッドにもたれかかる。
「あれ?・・・なんだろう、これ」
酔っぱらったみたいに、フラフラしてきて、体が熱い・・・。
さっきのお酒が回ってきたのかもしれない・・・。
ベッドに横になると、布の冷たさが気持ち良くて、頬ずりする。
「はぁ・・・気持ち良い。」
体が熱くて、ガウンを少し脱いで横になる。
「はぁ~。」
そのまま、ウトウトと目を閉じた時だった。
ガチャリッと、扉の開く音がする。
陛下の部屋は、寝室と分かれているので、部屋に誰が入ってきたのかは、見えなかった。
「ソフィア?」
陛下の声がして、なんとなく嬉しくなって、寝室の扉の前まで歩いて行くと、ふらついて、扉によりかかるようにして、倒れこんだ。
「ソフィア?!・・・どうした?」
ヴィンセントが慌てて駆け寄り、ソフィアを抱きかかえる。
触れられた所が、妙に心地よくて、思わず抱きついてしまう。
「ソフィア?・・・体が熱いな。大丈夫か?」
ヴィンセントは、ソフィアの様子がおかしい事に不安になり、視線をうつして驚く。
彼女の羽織っていた、ガウンが脱げて、体が透けて見えるナイトドレスに目が行く。形の良い乳房も、細い腰も、しなやかな体のラインも、全てが透けていた。
そんな姿を見せられて、抱き着かれたら・・・耐えられなくなってしまう。ヴィンセントは胸の高鳴りを押さえ込みながら、ソフィアにガウンをしっかりと着せた。
そこへ、
女官達が、夕食を持って部屋に入って来る。
「陛下、本日はお部屋でとの事でしたので、夕食をお持ち致しました。」
一緒に入ってきたノアが、異変に気がつく。
「どうかされましたか?」
すると、1人の女官が、サングリアというお酒が、減っている事に気がつく。
「おそらく、お酒を召し上がられたのかと。・・・しかし、1杯だけのようですが・・・」
そう言って、女官が寝室に入ると、「あっ」と声をあげた。
「どうした?」
「あ、その、おそらく媚薬を飲まれたのかと。」
「何?!どうゆうことだ?!」
ヴィンセントは、怒りに声を荒げた。
女官は慌てて言った。
「は、はい。本日は寝室に、少しばかりの興奮作用のある飲み物をと、宰相様に言われておりまして。それと、妃殿下はお酒が飲めないと伺ってはいたのですが、少しだけでもすすめるようにと申し使っておりまして・・・。妃殿下がお好きだというフルーツがたくさん入ったお酒を・・・・。そ、それに、陛下用にと、精力剤の入ったお茶も・・・飲まれていらっしゃるようで・・・・お、恐らく、そのせいで朦朧とされているのかと・・・も、、申し訳ございません!!」
状況を理解して、ヴィンセントは舌打ちした。
・・・・ヘンドリックめ!余計な事を。
「ソフィア!ソフィア?しっかりしろ!」
「んっ・・・へいか・・・なんか・・・目が回るの・・・。」
ソフィアを抱き抱えながら、鬼の形相になってしまった陛下を見て、女官達は青ざめた。
女官は、急いで冷たい水と氷をテーブルの上に置いて言った。
「陛下、媚薬は気分が良くなる程度の弱い効き目の物でして、すぐに効き目は消えるかと思いますので。」
震えながら慌てふためく女官達に、ノアが言った。
「解りました、もう下っていいですよ。」
そして、グラスに水を入れて、ソフィアに差し出す。
「ソフィア様。どうぞお水です。」
ノアが口元まで差し出すと、ソフィアはノアの手と一緒にグラスを掴んで、ゴクゴクと飲み干した。ぷはぁっと、息を吐いてから、ノアの目をトロンとした顔で見つめて言う。
「んっ、ありがと。もっと、ちょぉだい?」
舌っ足らずで、甘えたような声だった。
瞬間に、物凄い勢いで、ノアは後退る。そして、ヴィンセントの方を見て、大声で叫んだ。
「ぼっ、ぼくは、もう!失礼させて頂きます!!!」
そう叫ぶと、物凄い勢いで、部屋を出て行った。
ソフィアは、ふふふと笑って言う。
「・・・あれぇ?びっくりしたぁ。ノアちゃん、かお、まっかっかだったぁ。」
ヴィンセントは小さくため息をついて、ソフィアを抱き上げて、ソファーに座らせる。
おそらく、媚薬というよりは、どちらかと言うと、酔っぱらっている様子だ。
2人でソファーに座り、水を注いでやっていると、ソフィアがもたれかかってくる。
「うふふ。陛下だぁ~。やっと来てくれた~。むふう~。」
嬉しそうに抱き着いてくる姿が、可愛らしい。
水を口に含んで、口移しで飲ませると、ソフィアは嬉しそうにヴィンセントに吸い付いた。
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