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3章「高校卒業とダンジョンへの挑戦」
第11話「ひよりとの夕食と使役モンスターの現実」
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#第11話「ひよりとの夕食と使役モンスターの現実」
「いただきます」
その声と同時に、食卓に笑い声が広がる。今日もひよりが俺の家に来てくれた。最近はよく来てくれる。夕食時に俺がバイトでいないことも多いから凄くありがたい。
中学一年の弟・樹(いつき)と、小学六年の妹・葵(あおい)もひよりになついていて、今日のメニューである鶏の唐揚げとポテトサラダを大喜びで口に運んでいる。俺も、思わず箸が進んだ。正直ありがたすぎる。
食後、弟と妹がテレビを見ている間、ひよりと俺は台所で片付けをしていた。ひと段落したタイミングで、ダンジョン講習の話を切り出す。
「そういえば、今日の講習で出た話だけど、宝箱の中身が出たとしても、やっぱり当たり外れあるんだよな?」
ひよりは頷きながら答えてくれた。
「うん。今のレンはレベル1だから宝箱の中身はあまり関係ない話かもしれないけど……まず空箱は論外で外れね。そして一般的に言われている話では――3種類のうちで一番の外れは使役モンスター。次が武具。財宝が一番の当たりっていうのが常識になっているね」
「財宝が一番?そうなのか。そして武具よりモンスターの方が外れなんだな……少し意外だ。逆かと思っていた」
「うん、使役モンスターは普通に使うと戦闘で相手モンスターを倒して経験値を奪っちゃうこともあるからね。そうなると本人のレベルアップが遅れてしまう。だから扱いが難しいの。みんなまずは自分のレベルアップを優先するからね。そして中層に行く頃には……使役モンスターはレベル上げしてないからレベルが低くて戦力にもならない、すぐやられちゃう。結局、使い捨てで盾に使う程度らしいよ。モンスターにそんなことを思うのは変かもしれないけど、ちょっとかわいそうだね」
なんともったいない。でもなるほどだ。その考え方は分かる。戦力としても育成先としても微妙というわけだ。
「じゃあ使役モンスターを育ててる人はいないのか?」
「私はまだ聞いたことないかな。基本的にクランだったら仲間がいるから使役モンスターを育てる意味があまりないからね。ソロで、もしかしたら育成してる人がいるかもしれないけど聞いたことないわ。そもそも今のランキング上位者のほとんどは財閥企業系のハンターだから、相対的にランクの低いソロの詳細はあまり分からないという事情もあるのよね」
「やっぱり財閥企業系か……」
ひよりは頷いた。
「財閥企業系に入れなかった人たちは集まってクランを作ることが多いんだよね。やはり1人では限界あるから。そしてクランが強くなると企業に引き抜かれるケースも多いの。だから今ある財閥企業系クラン以外の多くは財閥企業系が相手にしない……言い方は悪いけど弱小クランね。完全にソロでやっている人は少ないし目立たない。時たまソロでも強い人はいるらしいけどね」
「あと、武具って"ブーツ”、"武器”、”防具”の3種類あるんだよな、被ることはないのか?」
「うん。何故か理由は分からないけど3つまでは絶対に被らないらしいよ。ただし4つ目は確実に被るから、それが出ると悲惨ね。他人は装備できないから全く意味がないものになる」
「そう言えば、武具は3つまでしか装備できないんだよな?それなら、武具3つ揃った人の余った宝箱って……」
「普通は開けないようね。さっき言ったように武具は3つ持ってたらそれ以上は出ても装備できないし、本人専用だから他に人たちにあげても意味がない。そして使役モンスターはさっき言ったように外れ枠。だからすでに3つ武具を持っている人は宝箱は売ってお金にするようね。今の相場は2000万円ぐらい。企業系の人は会社に提出して、ボーナスとしていくらかもらう感じかな。もしかしたら会社に黙って販売している人もいるかもしれないけどそこまでは私には分からない」
「まあ、この辺りは一般常識の範囲だから教えられるけど……」
ひよりは少しだけ申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「ごめんね、他にもいろいろ情報あるけど、機密扱いの内容は話せないんだ。協会職員だし、いろいろ制約があるの」
「いや、十分ありがたいよ。ひよりがいなかったら知らなかったことばかりだ」
俺は心からそう思った。マニュアルだけでは分からないハンター社会の常識や現実。それをこうして教えてもらえるのは、何よりの財産だ。
そして、改めて実感する。
俺が歩もうとしている道は、甘くない――。
そう思いつつバイトに向かった。明日からは昼にダンジョン、夜にバイトの生活だ。
「いただきます」
その声と同時に、食卓に笑い声が広がる。今日もひよりが俺の家に来てくれた。最近はよく来てくれる。夕食時に俺がバイトでいないことも多いから凄くありがたい。
中学一年の弟・樹(いつき)と、小学六年の妹・葵(あおい)もひよりになついていて、今日のメニューである鶏の唐揚げとポテトサラダを大喜びで口に運んでいる。俺も、思わず箸が進んだ。正直ありがたすぎる。
食後、弟と妹がテレビを見ている間、ひよりと俺は台所で片付けをしていた。ひと段落したタイミングで、ダンジョン講習の話を切り出す。
「そういえば、今日の講習で出た話だけど、宝箱の中身が出たとしても、やっぱり当たり外れあるんだよな?」
ひよりは頷きながら答えてくれた。
「うん。今のレンはレベル1だから宝箱の中身はあまり関係ない話かもしれないけど……まず空箱は論外で外れね。そして一般的に言われている話では――3種類のうちで一番の外れは使役モンスター。次が武具。財宝が一番の当たりっていうのが常識になっているね」
「財宝が一番?そうなのか。そして武具よりモンスターの方が外れなんだな……少し意外だ。逆かと思っていた」
「うん、使役モンスターは普通に使うと戦闘で相手モンスターを倒して経験値を奪っちゃうこともあるからね。そうなると本人のレベルアップが遅れてしまう。だから扱いが難しいの。みんなまずは自分のレベルアップを優先するからね。そして中層に行く頃には……使役モンスターはレベル上げしてないからレベルが低くて戦力にもならない、すぐやられちゃう。結局、使い捨てで盾に使う程度らしいよ。モンスターにそんなことを思うのは変かもしれないけど、ちょっとかわいそうだね」
なんともったいない。でもなるほどだ。その考え方は分かる。戦力としても育成先としても微妙というわけだ。
「じゃあ使役モンスターを育ててる人はいないのか?」
「私はまだ聞いたことないかな。基本的にクランだったら仲間がいるから使役モンスターを育てる意味があまりないからね。ソロで、もしかしたら育成してる人がいるかもしれないけど聞いたことないわ。そもそも今のランキング上位者のほとんどは財閥企業系のハンターだから、相対的にランクの低いソロの詳細はあまり分からないという事情もあるのよね」
「やっぱり財閥企業系か……」
ひよりは頷いた。
「財閥企業系に入れなかった人たちは集まってクランを作ることが多いんだよね。やはり1人では限界あるから。そしてクランが強くなると企業に引き抜かれるケースも多いの。だから今ある財閥企業系クラン以外の多くは財閥企業系が相手にしない……言い方は悪いけど弱小クランね。完全にソロでやっている人は少ないし目立たない。時たまソロでも強い人はいるらしいけどね」
「あと、武具って"ブーツ”、"武器”、”防具”の3種類あるんだよな、被ることはないのか?」
「うん。何故か理由は分からないけど3つまでは絶対に被らないらしいよ。ただし4つ目は確実に被るから、それが出ると悲惨ね。他人は装備できないから全く意味がないものになる」
「そう言えば、武具は3つまでしか装備できないんだよな?それなら、武具3つ揃った人の余った宝箱って……」
「普通は開けないようね。さっき言ったように武具は3つ持ってたらそれ以上は出ても装備できないし、本人専用だから他に人たちにあげても意味がない。そして使役モンスターはさっき言ったように外れ枠。だからすでに3つ武具を持っている人は宝箱は売ってお金にするようね。今の相場は2000万円ぐらい。企業系の人は会社に提出して、ボーナスとしていくらかもらう感じかな。もしかしたら会社に黙って販売している人もいるかもしれないけどそこまでは私には分からない」
「まあ、この辺りは一般常識の範囲だから教えられるけど……」
ひよりは少しだけ申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「ごめんね、他にもいろいろ情報あるけど、機密扱いの内容は話せないんだ。協会職員だし、いろいろ制約があるの」
「いや、十分ありがたいよ。ひよりがいなかったら知らなかったことばかりだ」
俺は心からそう思った。マニュアルだけでは分からないハンター社会の常識や現実。それをこうして教えてもらえるのは、何よりの財産だ。
そして、改めて実感する。
俺が歩もうとしている道は、甘くない――。
そう思いつつバイトに向かった。明日からは昼にダンジョン、夜にバイトの生活だ。
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