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9章「使役モンスターの更なる進化」
第96話「二つの影の正体」
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#第96話「二つの影の正体」
ラムとリンが駆けていった方角を見ていると、暗がりの先に二つの影が揺れた。
(ラムとリンが戻ってきたのか?)――そう思った次の瞬間、俺は目を疑った。
女性が二人、こちらへ歩いてきているのだ。やばいぞこれは。
(……まずい。人のようだ、ここで人が会うなんてことはまずないのに、一体誰なんだ?)
肩越しにエリナさんが囁く。
「レン、あの二人はそこそこ強いわよ」
エリナさんはさすがだ。立ち姿だけで実力が読めるらしい。でもそれだけにまずい状況と言える。
(ラムとリンが遭遇して、交戦……の可能性がある?まさか倒された?)胸がざわつく。でもここは落ち着いて状況を聞かないと駄目だろう。
「すみません。そちらでスライム系とゴブリン系のモンスターに会いませんでしたか?」
声をかけると、二人は困ったように笑っている。こっちは真剣に聞いているのに何がおかしいのだ?ちょっとイラつく。
「これはちょっとまずいわね」エリナさんが眉を寄せ、横でひよりの顔が真っ青になる。2人共に交戦の可能性を感じたのだろう。
(まさか、この二人が――ラムとリンを倒したのか?それとも……)
焦る気持ちが先行する。どうしたらいい、この2人には次に何を聞いたらいい?でも落ち着かないと駄目だ、そう考えていたら、頭の中に澄んだ声が響いてきた。
<<落ち着いてください、ご主人様>>
<<そうですよ。ご主人様らしくないですです>>
(……どこからか、念話がする――まさか!)
2人の女性は相変わらず笑っている。
俺の表情の変化に気づいたのかエリナさんとひよりが心配してきた。
「レン、落ち着きなさい、混乱しているみたいだけど大丈夫?」
「レン、大丈夫?まずはちゃんと話を聞こうよ」
とエリナさんとひよりが心配そうに言ってきた。2人はこの女性たちがラムとリンと戦闘になったと思っているのだろう。でもそれは違う。
「いや違うんだ。エリナさん、ひより、そして透子さん、3人共に落ち着いて聞いてくれ」
「この2人は……ラムとリンのようだ」
透子さんが腕を掴んで揺さぶる。
「はぁ? ま、まさか、本当にそうなのかレン!?」――酔う、やめて。
二人組の女性は立ち止まりこちらを見た。
「やっと気づいてくださったようですね」水色の髪の女性が微笑む。間違いない。ラムの声だ。
「姿が変わっても分かると思ってましたです。ちょっと残念ですです」緑色の髪の女性が肩をすくめる。こちらはリンだ。
「……ラム? リン? 本当なの?」
目を大きく開けて呟くエリナさんとひより。そりゃ驚くよね。俺も気が付いた時には飛び跳ねそうになったもの。なんで人間の姿になっているのさ。意味分からない。おかしいよね!?
そんな俺の気持ちを読んだのか
「<FS5>に遷移した影響かと。“人の姿”を取れるようになりました」ラムが淡々と説明してきた。
「少し動きを確認しましたが基本的に戦闘特性は変わりませんです。モンスターの姿に戻ることもできますです」リンが続けた。
とんでもなく凄い、そしておかしなことなのに2人(2体)が落ち着いて話するからちょっと俺も気持ちが落ち着いてきた。そうだ焦っても仕方ないものな。まずは深呼吸しよう。
透子さんの目がこれ以上ないほど丸くなる。そして再び涙を流しているようにも見える。
「FS5=人化……なのか! 記録、記録――これは世界初観測かもしれない……!」
凄まじい速度でメモが走っている。
エリナさんは二人を斜めから観察するようにして言った。
「人の姿になったということは……そして強さも変わらないとなるとその姿のままで実戦でも使えるわね。人前で話しても問題ない。そうなると使役モンスターではなく、普通のクランメンバーとして押し通すことも可能。朝倉さんに相談ね」
そうか、そう考えることもできるよな。さすがエリナさん分析が早い。人の姿になったことで今までにない戦い方もできるかもしれない。隠す必要がなくなるのは大きい。
俺も頷いた。
背後ではルフとクーが3人(3体)の先輩に挨拶しているようにも見える。場がまさにカオスだ。こちらの2人(2体)の成長も急がないと。もうやばい。いろいろやることが多すぎて頭の中が完全にパンク状態だよ。
「――今日はもう撤収しようか。とりあえず朝倉さんに報告しよう」
「そうね。珍しくあの人の驚く姿が見れるかもしれない」と笑うエリナさん。でも、さっきまでエリナさんもかなり驚いていましたけどね!貴重な姿を見させてもらいましたよ。そう思っていたら睨まれた。やばい、なんでエリナさんは俺の心を読めるの?
「私はまさに世界初の状況を見て、確認しているのかもしれない。凄い、凄い……」と透子さんはまだ表情がうつろで戻ってきていない。この状況を見るとやはり撤収が必要だと思う。
階段へ向かう足を揃える。改めてラムとリンを見たがどう見ても人間の綺麗な女性だ。ダンジョンに入っていろいろと不思議なことがあったが……今日ほどびっくりしたことはない。
でもラムとリンの成長は更に先があるかもしれないのだよな。驚いているだけでは駄目だろう。というか人化が成長というのもちょっと変な気もする。何らかのダンジョンの意図が働いているのだろうか?
そして、更にその先に新しい変化が待っているかもしれない。また何か思いもつかなかったことが起きるかもしれないと考えるとワクワクしてくる。少しでも早く進んで行きたいところだ。
ラムとリンが駆けていった方角を見ていると、暗がりの先に二つの影が揺れた。
(ラムとリンが戻ってきたのか?)――そう思った次の瞬間、俺は目を疑った。
女性が二人、こちらへ歩いてきているのだ。やばいぞこれは。
(……まずい。人のようだ、ここで人が会うなんてことはまずないのに、一体誰なんだ?)
肩越しにエリナさんが囁く。
「レン、あの二人はそこそこ強いわよ」
エリナさんはさすがだ。立ち姿だけで実力が読めるらしい。でもそれだけにまずい状況と言える。
(ラムとリンが遭遇して、交戦……の可能性がある?まさか倒された?)胸がざわつく。でもここは落ち着いて状況を聞かないと駄目だろう。
「すみません。そちらでスライム系とゴブリン系のモンスターに会いませんでしたか?」
声をかけると、二人は困ったように笑っている。こっちは真剣に聞いているのに何がおかしいのだ?ちょっとイラつく。
「これはちょっとまずいわね」エリナさんが眉を寄せ、横でひよりの顔が真っ青になる。2人共に交戦の可能性を感じたのだろう。
(まさか、この二人が――ラムとリンを倒したのか?それとも……)
焦る気持ちが先行する。どうしたらいい、この2人には次に何を聞いたらいい?でも落ち着かないと駄目だ、そう考えていたら、頭の中に澄んだ声が響いてきた。
<<落ち着いてください、ご主人様>>
<<そうですよ。ご主人様らしくないですです>>
(……どこからか、念話がする――まさか!)
2人の女性は相変わらず笑っている。
俺の表情の変化に気づいたのかエリナさんとひよりが心配してきた。
「レン、落ち着きなさい、混乱しているみたいだけど大丈夫?」
「レン、大丈夫?まずはちゃんと話を聞こうよ」
とエリナさんとひよりが心配そうに言ってきた。2人はこの女性たちがラムとリンと戦闘になったと思っているのだろう。でもそれは違う。
「いや違うんだ。エリナさん、ひより、そして透子さん、3人共に落ち着いて聞いてくれ」
「この2人は……ラムとリンのようだ」
透子さんが腕を掴んで揺さぶる。
「はぁ? ま、まさか、本当にそうなのかレン!?」――酔う、やめて。
二人組の女性は立ち止まりこちらを見た。
「やっと気づいてくださったようですね」水色の髪の女性が微笑む。間違いない。ラムの声だ。
「姿が変わっても分かると思ってましたです。ちょっと残念ですです」緑色の髪の女性が肩をすくめる。こちらはリンだ。
「……ラム? リン? 本当なの?」
目を大きく開けて呟くエリナさんとひより。そりゃ驚くよね。俺も気が付いた時には飛び跳ねそうになったもの。なんで人間の姿になっているのさ。意味分からない。おかしいよね!?
そんな俺の気持ちを読んだのか
「<FS5>に遷移した影響かと。“人の姿”を取れるようになりました」ラムが淡々と説明してきた。
「少し動きを確認しましたが基本的に戦闘特性は変わりませんです。モンスターの姿に戻ることもできますです」リンが続けた。
とんでもなく凄い、そしておかしなことなのに2人(2体)が落ち着いて話するからちょっと俺も気持ちが落ち着いてきた。そうだ焦っても仕方ないものな。まずは深呼吸しよう。
透子さんの目がこれ以上ないほど丸くなる。そして再び涙を流しているようにも見える。
「FS5=人化……なのか! 記録、記録――これは世界初観測かもしれない……!」
凄まじい速度でメモが走っている。
エリナさんは二人を斜めから観察するようにして言った。
「人の姿になったということは……そして強さも変わらないとなるとその姿のままで実戦でも使えるわね。人前で話しても問題ない。そうなると使役モンスターではなく、普通のクランメンバーとして押し通すことも可能。朝倉さんに相談ね」
そうか、そう考えることもできるよな。さすがエリナさん分析が早い。人の姿になったことで今までにない戦い方もできるかもしれない。隠す必要がなくなるのは大きい。
俺も頷いた。
背後ではルフとクーが3人(3体)の先輩に挨拶しているようにも見える。場がまさにカオスだ。こちらの2人(2体)の成長も急がないと。もうやばい。いろいろやることが多すぎて頭の中が完全にパンク状態だよ。
「――今日はもう撤収しようか。とりあえず朝倉さんに報告しよう」
「そうね。珍しくあの人の驚く姿が見れるかもしれない」と笑うエリナさん。でも、さっきまでエリナさんもかなり驚いていましたけどね!貴重な姿を見させてもらいましたよ。そう思っていたら睨まれた。やばい、なんでエリナさんは俺の心を読めるの?
「私はまさに世界初の状況を見て、確認しているのかもしれない。凄い、凄い……」と透子さんはまだ表情がうつろで戻ってきていない。この状況を見るとやはり撤収が必要だと思う。
階段へ向かう足を揃える。改めてラムとリンを見たがどう見ても人間の綺麗な女性だ。ダンジョンに入っていろいろと不思議なことがあったが……今日ほどびっくりしたことはない。
でもラムとリンの成長は更に先があるかもしれないのだよな。驚いているだけでは駄目だろう。というか人化が成長というのもちょっと変な気もする。何らかのダンジョンの意図が働いているのだろうか?
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