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10章「新しい体制でのスタート」
第105話「普通のレベル4と4階層の現実」
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#第105話「普通のレベル4と4階層の現実」
先にレンは「レベル4なら数千万円プレイヤー、ハンターは夢のある仕事」と口にしていたが、これは例外中の例外を見てしまったがゆえの大きな勘違いであることを理解して欲しい。
本来、レベル4の適正階層は4階層。少なくても3人以上での討伐が推奨で上手いクランでも5人編成が普通だ。敵は10~15体の混成部隊。
10体規模の敵モンスターが出てきた時にはかなり緊張する。2体のウルフの配置を確認して盾役、アタッカーなどが瞬時に分かれて行動。それでようやく討伐できるのだ。死と隣り合わせ、その緊張はとんでもない。
レンは敵モンスターが10体ならばまず安全とか言っているがそんなはずはないのだ。レベル4の5人編成でも恐ろしい敵だ。
そして、その緊張もあり現実の処理量は5人編成で1日で100体前後がせいぜい。ドロップ率が約5%で落ちる銅箱は5個程度。
すなわち1人あたり1個回ってくるかどうかなのだ。
銅箱の売却相場は約2万円。一日2万円、そこにモンスター討伐時に出る魔石からの収入も多少は加わるが毎日頑張ったとしても、とても年収1000万円には届かない。これがレベル4の通常の現実だ。
レンの1日10万円以上相当は彼ならではの話。そして銅箱を開けたいがお金のために売るケースが多い。
「今日は6個も銅箱が落ちたぞ!運がいいな。銅箱だけで1人あたり2万4千円だ」
「今日は焼肉でも行くか?」
「いや、俺はやめとくよ。そんなことしたら嫁さんに怒られる。運が良い時こそ嫁さんに渡して機嫌を取るよ。駄目な時もあるしな」
「ああ、じゃあ独身の俺たちだけでいくか?」
「ごめん俺もやめとくわ。最近、金欠でさ」
このような会話がレベル4でも通常である。
すなわち「レベル4から生活ができる」とは、実のところ”ギリギリ食える”を意味する。一応、頑張ればそれだけて食っていけるのでプロとは言えそうだが全く余裕はない。
プロ野球やプロゴルフ選手にもいるだろう。プロ野球なら2軍も一応はプロだが年収1千万円以上はほとんどいない。プロゴルファーもテレビに出るようなツアーのみで活動することができるプレーヤーというのはほんの一握り。プロではあるがそれだけで生活するのはきつい人は多い。そして競争の毎日だ。それと同じくハンターのレベル4は毎日が厳しい。
毎日潜る体力・人間関係・運のどれかが崩れればすぐに転落するのだ。ちょっとした怪我で離脱すればその瞬間から生活することもままならないからある程度の貯金も必要。骨折などしようものなら長期離脱の可能性が高くさらに大変だ。それは自分だけでなく他のクランメンバーの命運をも左右する。
人間関係も意外と厳しい。とどめを刺した者が経験値総取りという仕様はすなわち5人以上での経験値の取り合いを生む。
善良なクランで仲間内が仲の良いケースは経験値分担が機能するからまだいいが、普通は疑心暗鬼が芽生えやすい。
敵モンスターだけでなく時には仲間も敵になるかもしれないという気持ちが現場のストレスなのだ。実際には敵になっていなくても疑い出したらきりがない。自分がウルフのトドメを刺した瞬間は嬉しいがその時は同時に他人の視線が痛く疑心暗鬼にもなりやすい。
そして収入がさらにアップするとされるレベル4→レベル5はとてつもなく大変である。レンはかなり先と言っているが先が見えるだけましなのだ。レンよりも討伐数が圧倒的に少ない普通のレベル4の人にとってはとんでもなく大きな壁と言える。だからこそ経験値の取り合いも起きるのだが。レベルアップはウルフ1万体相当の討伐なんて考えてたくもない現実だ。
財閥系企業が人格評価の高い実力者に限って数千万円~億レベルとされる金を投じてレベル5へのレベリングを行う事例が稀にあるがそんな幸運は普通の人にはほとんど巡ってこない。財閥系企業もレベリングで育てた人間に逃げられたらたまらないから契約でがちがちに固め、さらには身勝手に独立しないと思われる人格者のみをレベリングで上げる。
そうしてレベル5以上のハンターの数はおのずと絞られていく。レベル5以上となると財閥企業系でも珍しくなっていくのだ。どこかのボンボンのようなレベル5の事例は本当に稀だ。
すなわちレベル4になったハンターはそれで生活ができるプロ、エリートとも言えるが現実には生活はぎりぎり。そして大半のハンターはそのレベル4で留まりやがて何らかの形で離脱する。それが統計的な非情な実情だ。
ゆえに――
レンのように少人数で高回転、ラムやリンのような連携が可能な使役モンスターを核に事故率を低く抑えつつ討伐数を積み上げる運用は当然のことながら凡例にはならない。
ルナもまたソロで4階層を回す異端的な強者であり、さらには配信からも収入を得ているので比較対象とするのがそもそもの誤りだ。
すなわちレンは大きな勘違いをしていると言えよう。
レベル4で数千万円の収入?普通のレベル4の人がレンの話を聞いたらきっと怒り出す。涙を流しながらそんなはずはないと激怒するかもしれない。
ハンターは夢のある稼業――それ自体は嘘ではない。だが、夢が現実に変わるのは、ごく一握り。レベル5やレベル6になってからの話だ。
レベル4の現実は今日も薄利多忙で明日もまた薄利多忙なのだ。かなり先の夢を目指して……。
先にレンは「レベル4なら数千万円プレイヤー、ハンターは夢のある仕事」と口にしていたが、これは例外中の例外を見てしまったがゆえの大きな勘違いであることを理解して欲しい。
本来、レベル4の適正階層は4階層。少なくても3人以上での討伐が推奨で上手いクランでも5人編成が普通だ。敵は10~15体の混成部隊。
10体規模の敵モンスターが出てきた時にはかなり緊張する。2体のウルフの配置を確認して盾役、アタッカーなどが瞬時に分かれて行動。それでようやく討伐できるのだ。死と隣り合わせ、その緊張はとんでもない。
レンは敵モンスターが10体ならばまず安全とか言っているがそんなはずはないのだ。レベル4の5人編成でも恐ろしい敵だ。
そして、その緊張もあり現実の処理量は5人編成で1日で100体前後がせいぜい。ドロップ率が約5%で落ちる銅箱は5個程度。
すなわち1人あたり1個回ってくるかどうかなのだ。
銅箱の売却相場は約2万円。一日2万円、そこにモンスター討伐時に出る魔石からの収入も多少は加わるが毎日頑張ったとしても、とても年収1000万円には届かない。これがレベル4の通常の現実だ。
レンの1日10万円以上相当は彼ならではの話。そして銅箱を開けたいがお金のために売るケースが多い。
「今日は6個も銅箱が落ちたぞ!運がいいな。銅箱だけで1人あたり2万4千円だ」
「今日は焼肉でも行くか?」
「いや、俺はやめとくよ。そんなことしたら嫁さんに怒られる。運が良い時こそ嫁さんに渡して機嫌を取るよ。駄目な時もあるしな」
「ああ、じゃあ独身の俺たちだけでいくか?」
「ごめん俺もやめとくわ。最近、金欠でさ」
このような会話がレベル4でも通常である。
すなわち「レベル4から生活ができる」とは、実のところ”ギリギリ食える”を意味する。一応、頑張ればそれだけて食っていけるのでプロとは言えそうだが全く余裕はない。
プロ野球やプロゴルフ選手にもいるだろう。プロ野球なら2軍も一応はプロだが年収1千万円以上はほとんどいない。プロゴルファーもテレビに出るようなツアーのみで活動することができるプレーヤーというのはほんの一握り。プロではあるがそれだけで生活するのはきつい人は多い。そして競争の毎日だ。それと同じくハンターのレベル4は毎日が厳しい。
毎日潜る体力・人間関係・運のどれかが崩れればすぐに転落するのだ。ちょっとした怪我で離脱すればその瞬間から生活することもままならないからある程度の貯金も必要。骨折などしようものなら長期離脱の可能性が高くさらに大変だ。それは自分だけでなく他のクランメンバーの命運をも左右する。
人間関係も意外と厳しい。とどめを刺した者が経験値総取りという仕様はすなわち5人以上での経験値の取り合いを生む。
善良なクランで仲間内が仲の良いケースは経験値分担が機能するからまだいいが、普通は疑心暗鬼が芽生えやすい。
敵モンスターだけでなく時には仲間も敵になるかもしれないという気持ちが現場のストレスなのだ。実際には敵になっていなくても疑い出したらきりがない。自分がウルフのトドメを刺した瞬間は嬉しいがその時は同時に他人の視線が痛く疑心暗鬼にもなりやすい。
そして収入がさらにアップするとされるレベル4→レベル5はとてつもなく大変である。レンはかなり先と言っているが先が見えるだけましなのだ。レンよりも討伐数が圧倒的に少ない普通のレベル4の人にとってはとんでもなく大きな壁と言える。だからこそ経験値の取り合いも起きるのだが。レベルアップはウルフ1万体相当の討伐なんて考えてたくもない現実だ。
財閥系企業が人格評価の高い実力者に限って数千万円~億レベルとされる金を投じてレベル5へのレベリングを行う事例が稀にあるがそんな幸運は普通の人にはほとんど巡ってこない。財閥系企業もレベリングで育てた人間に逃げられたらたまらないから契約でがちがちに固め、さらには身勝手に独立しないと思われる人格者のみをレベリングで上げる。
そうしてレベル5以上のハンターの数はおのずと絞られていく。レベル5以上となると財閥企業系でも珍しくなっていくのだ。どこかのボンボンのようなレベル5の事例は本当に稀だ。
すなわちレベル4になったハンターはそれで生活ができるプロ、エリートとも言えるが現実には生活はぎりぎり。そして大半のハンターはそのレベル4で留まりやがて何らかの形で離脱する。それが統計的な非情な実情だ。
ゆえに――
レンのように少人数で高回転、ラムやリンのような連携が可能な使役モンスターを核に事故率を低く抑えつつ討伐数を積み上げる運用は当然のことながら凡例にはならない。
ルナもまたソロで4階層を回す異端的な強者であり、さらには配信からも収入を得ているので比較対象とするのがそもそもの誤りだ。
すなわちレンは大きな勘違いをしていると言えよう。
レベル4で数千万円の収入?普通のレベル4の人がレンの話を聞いたらきっと怒り出す。涙を流しながらそんなはずはないと激怒するかもしれない。
ハンターは夢のある稼業――それ自体は嘘ではない。だが、夢が現実に変わるのは、ごく一握り。レベル5やレベル6になってからの話だ。
レベル4の現実は今日も薄利多忙で明日もまた薄利多忙なのだ。かなり先の夢を目指して……。
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