今日もダンジョンでレベルアップ!貧乏無課金でも金持ちを蹴散らし、ざまぁ復讐そしてハーレムを作る!?

まめたろう

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11章「世間の評価とリーダー論」

第109話「通常運転の報告」

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#第109話「通常運転の報告」

 協会ロビーのエントランスで御影がひと騒動起こしたが、幸い大事にはならなかった。あいつはたまに現れては俺につっかかってくる。なんとも面倒な人間なんだよな。
 その後、俺はひよりとエリナさんに並んでエレベーターに乗り、上層階――朝倉さんのオフィスへ向かった。

 ノックして入ると、朝倉さんが手を上げ、応接の一角には透子さん。やたらご機嫌でにこにこしている。……うん、完全に研究者からロックオンされてる気がする、俺。実験材料にされそうで怖い。

「さて、調子はどうだい?レン君」と朝倉さん。

「順調です。……ただ、自分のレベルアップは当面は進まなさそうです。今はレベル1のルフとクー、それからレベル2のロアの育成を優先していて」

「それでいい。君は二年足らずでレベ4だ。レベリング無しでその速度は驚異的だよ。焦らず土台を固めるといい」

「言われるまでもなく、ね」とエリナさんが口の端を上げる。

 ほっと胸を撫で下ろす。今日は“特別な報告”がない。ありがたいと言いつつ、正直少しだけ肩身が狭かったのだ。

「そう言ってもらえると助かります。特別な進捗がないので今回はちょっと心苦しくて。できればどーんと結果を報告したいのですがここからしばらく当面は特に何も無さそうです」

「いやいや、それが普通なんだ。君のように毎回、何かあるのは逆に異常だと思った方がいい。特別が毎回あるほうが私の心臓に悪くて困る」と朝倉さんが笑う。

「……だったら良かったです。今後もしばらくは特に何もなさそうですから。あ、でも一つだけ。これは透子さんにも聞いて欲しい話です」

「ほう?」と朝倉さん、「聞こう」と透子さんも身を乗り出した。

「使役モンスターの“賢さ”が、FSの段階が上がるたびに上がってる気がするのですよね。戦術理解の吸収がやたら早いような。正直、俺より頭が回ると感じることもあります」

「ふむ。FS1からFS2の遷移で“従順化”していることで頭が良くなっているとは思われるが、それ以外にも段階的に認知、言い換えると知能が伸びている、ということかい?」と朝倉さん。

「使役モンスターと毎日ダンジョンにいるレンならではの観察ね。さすがに私達には分からない話よ」とエリナさん。

「はい。FS3で念話、FS4で会話、FS5で人化と凄いことが立て続けに起こったのでそちらの方ばかりに気が向いていたのですが、落ち着いたら何となくですが違和感を覚えるようになりまして……」

「ならば、一度、簡易の知能テストをやってみたい。時間を取ってよ、レン」と透子さんのメガネが光る。

「分かりました。時間を合わせましょう」

「簡易的なもののなら1体につき10分もあれば傾向は見えるからそんなに時間はかからないよ」

「ならば、スケジュールは後ですり合わせよう」と朝倉さん。

「他には何かあるかな?」

「あと、これも先に伝えた通りですが使役モンスターはどのダンジョンでも人化したままで出すことができます。それは先日、新宿ダンジョンで試しました」

「それはいいな。使役モンスターの人化がばれる可能性が下がる」

「ラムとリンに聞いたのですが1日に1時間程度はモンスター形態でいる必要があるようです。なのでスロットに入っている時はモンスター状態ですね。そして出す時には人化してから出てもらうという感じにしています」

「だとすればスロットから出す時だけ注意だね」と透子さんが横から伝えてきた。まあその通りだ。

「そうですね。なのでスロットから出す時は念話で出る時のタイミングを図っています。俺も周りをチェックして見られないようにしています」

「なら特に使役モンスターの人化についても特に問題はなさそうだな。他には何かあるかい?」

「あとは運用計画です。先にも報告させていただいたように、まずはルフとクーをレベル2へ。その後ロアをレベル3に。順に底上げして、俺たちと同等レンジに揃えた上で四階層で連携しようと思っています。そして全員でレベル5を目指す。……その段階になるのに少なくとも今から1年以上はかかると見ています」

「十分現実的だ。急ぐ必要はない。というか今でも充分に早い。君はもう少し普通というものを知った方がいいかもしれないな。まあその辺りはひより君にいろいろ話を聞いてみて欲しい」

 “順調”なのかな?――自分としてはまだまだで、もっと早く進みたいという意識が強く、どうにも感じ方が違うと思う。
 でも、外から見れば十分に早いとなるのかもしれないな。

 焦らず、積み上げるとは思っている。強くなるほど、基礎の差が勝敗を分けることは、道場でもダンジョンでも嫌というほど学んでいる。今以上にじっくりやっていくべきなのだろうか。

「レン君、本当に焦ってはいないのだよな?」

「はい、別に焦っているつもりはありません」

「でもな、繰り返すようだが君の成長スピードは十分に早い。そして君はそのスピードでさえもまだ足りないと焦っているように見るんだ。それがすごく心配だ。とにかく焦らないで欲しい。じっくり頼むよ」

「そうよ。焦って自滅している人間はたくさんいる。レンは特にその傾向があるから注意しなさい」とエリナさんも忠告してくれた。

「はい。ありがとうございます。じっくり焦らずを念頭に置きたいと思います」

 ああそうか、俺はどうしても早く進みたがる。おそらくこれはゲーム時代のこともあるのだろう。周りに負けないようにするために1秒1秒を大事にしてがむしゃらに進んでいたあの感覚。どうしてもその意識が残っているのだと思う。
 忘れた方がいいとは言わないけど、今は1つの失敗が命取りになる。慎重さをもっと持った方がいいのかもしれない。

「そう言えば、ひよりも一緒だったのですが今日はここに来る前にクラン『暁の牙』オフィスにも寄ってきました。

「ほう、そちらでも何かあったかい?」

「特にないですね。あまりにも長いこと連絡を取っていなかったのでいじられましたけど。あとはちょっとだけ探られた感じはあります。というか、からかわれただけなのかな?」

「なるほど、その辺りも可能な範囲で教えてくれるかい?」と朝倉さん。ちょっと真剣な表情になっている。エリナさんも若干、表情が厳しくなったような?

 もしかしてクラン『暁の牙」に行ったのはまずかった?まずは正直に何を話していたのか伝えよう。ちょっと恥ずかしい話もあるのだが。
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