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13章「新しい変化と誘惑」
第132話「会社の執行役(司視点)」
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#第132話「会社の執行役(司視点)」
俺の極秘調査によれば、あの結城(レン)のやろう、今度はエリナのクラン『白嶺』と合同討伐を行ったらしい。エリナはまがりなりにも日本で有数のレベル7の有名人だ。なんでレンと一緒にやっているんだ?
しかも結城はレベル5相当の強さがあるだと?あり得ない。それでは俺と同じぐらいの強さということではないか。
(ふん……まあ、懸命に頑張ってぎりぎり俺に追いついてきたと見てやってもいいか。けなげに頑張っているのならば、それぐらいは認めてやろう。今後は才能の差を見せつけてやるぜ)
だが、あいつが急にのし上がるのはどう考えてもおかしい。オレオレ詐欺のような犯罪をやっているはずだ。エリナも本当に見る目がない。今に結城と一緒に転落していくことになるだろう。テレビのニュースに出て大変なことになっても、そのとき泣きついてきても知らん。来るなら今のうちなんだがな。今なら俺も広い心で許してやるんだが。
それにしても……エリナもクランのリーダーならば、しっかり決断し動くべきだろうに、馬鹿なことをしている。後悔してからでは遅いのにな。やはりリーダーは俺のように優秀でないと駄目だ。
……それはともかく、石動のやろう。とうとう俺からリーダーの座を奪いやがった。
そしてリーダーを佐藤にだと?あんなやつにリーダーの器がないのは分かっているだろうに。おそらく石動は佐藤が動かしやすいコマだと思ったのだろう。本当に姑息な奴だ。
しかもクランの仲間はまるで俺を見放しているかのようだ。紗月でさえも言葉では「俺の味方だ」とか言いながら、「今はリーダーの指示を聞いた方がいい」と言ってくる始末だ。おそらくはクランのメンバーも石動に言いくるめられたのだろう。本当に姑息なやり方をする。
(みんなふざけやがって……俺はレベル5だぞ。このクランでトップのはずだ。俺がリーダーでないのはおかしいだろうに!)
しかも、俺がダンジョンに潜らないとクラン追放だと?ふざけるな。
そんなことを考えていたら……妙にうさんくさい男が俺の方にやってきた。
「どうも司さん。御影グループの執行役を務めている、鷹見翔と申します」
「執行役? 鷹見? 俺になんの用だ?」
うさんくさいと思ったが御影グループの執行役だと?
ほう、まだ若いのにそれなりにできる奴と見た。確かによく見れば頭が良さそうだ。
(もっとも、俺を認めないようなら石動と同じで駄目なだけだが……)
「分かります。石動は頭が固い。定石通りでしか動けない堅物です。天才タイプの司さんはさぞ苦労していることでしょう」
「せっかく司さんは能力があるのに、石動は頑固者ですから、その能力を潰しにかかる。さぞやりにくかったでしょう」
こいつは話がわかるじゃないか!そうだよ、それそれ、良いことを言うじゃないか。
その通りで俺は天才タイプなんだ。こいつは俺のことを優秀だと認めた。それが当たり前なんだ。石動のような人間は俺の才能をねたんで潰しにかかる。
こいつは若いが執行役だけあって人を見抜く能力があるな。たいしたものだ。俺も認めてやろう。
石動のような古い考えはもう駄目だ。あんな定石どおりにしか動けない人間は言わば化石だ。会社の邪魔にしかならない。親父もそれぐらい分かっているだろうに。やっぱり若い優秀な人間ならばその辺りは分かるよな。
そろそろうちの会社も若返りを図るべきだろう。石動のような老人一歩手前の人間など放出すればいい。
「そうだ! 分かってくれるか!俺の気持ちを分かってくれるのはお前だけだ!」
こいつは使えるやつだな。
そう思って俺は鷹見に相談した。このまま放置したら俺はクランから追放される。さすがにそれだけはまずい。
「石動や新しいリーダーの佐藤は俺に週5もダンジョンに入って指導しろと言ってくるんだ。あり得んだろう。あんなひどいことを言ってくる連中をどうしたらいい?」
すると鷹見は、少し考え込んでから言った。
「それは難しいですね。ダンジョンに入らない理由を作らないと駄目ですが、そんなものは簡単ではないです」
(くそ、こいつでも駄目か? やっぱり使えない人間か?)
と思ったが、鷹見が続けた。
「ただし……病気になったら仕方がないですけどね。最近ではインフルエンザがはやっていますし。もちろん司さんは元気なのでこの手は使えませんが、インフルエンザは誰でもかかる病気ですから。元気そうに見えても感染していたら他のメンバーの迷惑にもなるのでしばらくは活動を休むしかないでしょう。あとは診断書があれば完璧ですね。そういえば私の知り合いに患者の希望に寄り添う医者もいます」
「なんと! ならばその医者を紹介しろ」
鷹見は静かに頷いたが、いろいろと付け加えた。
「もちろん医者は紹介はできますが、嘘は駄目ですよ。インフルエンザは誰にでもかかる病気ですが嘘をついて診断書を書かせるようなことは絶対にするべきではありませんので」
「……それは当然だ。そんな嘘を付くようなことは絶対にしない。ただ最近、ごほ、ごほ。喉の調子が悪いんだ。なんとなく体調が今一つだからその医者にかかりたい。紹介してくれ」
こうして俺はその医者にかかることにした。あとは少し強引にインフルエンザの診断書だけ書かせれば、しばらくは休むことができるだろう。
(その後はどうするか……まあ鷹見は使えそうだからな。それなりに相談していけばいいだろう)
俺は鷹見は使える人間だと思って連絡先を交換した。俺はしばらくは病気と言うことになってしばらくは余裕ができそうだが、その先を考える必要がある。鷹見の意見も参考にして進めていくとしよう。
俺の極秘調査によれば、あの結城(レン)のやろう、今度はエリナのクラン『白嶺』と合同討伐を行ったらしい。エリナはまがりなりにも日本で有数のレベル7の有名人だ。なんでレンと一緒にやっているんだ?
しかも結城はレベル5相当の強さがあるだと?あり得ない。それでは俺と同じぐらいの強さということではないか。
(ふん……まあ、懸命に頑張ってぎりぎり俺に追いついてきたと見てやってもいいか。けなげに頑張っているのならば、それぐらいは認めてやろう。今後は才能の差を見せつけてやるぜ)
だが、あいつが急にのし上がるのはどう考えてもおかしい。オレオレ詐欺のような犯罪をやっているはずだ。エリナも本当に見る目がない。今に結城と一緒に転落していくことになるだろう。テレビのニュースに出て大変なことになっても、そのとき泣きついてきても知らん。来るなら今のうちなんだがな。今なら俺も広い心で許してやるんだが。
それにしても……エリナもクランのリーダーならば、しっかり決断し動くべきだろうに、馬鹿なことをしている。後悔してからでは遅いのにな。やはりリーダーは俺のように優秀でないと駄目だ。
……それはともかく、石動のやろう。とうとう俺からリーダーの座を奪いやがった。
そしてリーダーを佐藤にだと?あんなやつにリーダーの器がないのは分かっているだろうに。おそらく石動は佐藤が動かしやすいコマだと思ったのだろう。本当に姑息な奴だ。
しかもクランの仲間はまるで俺を見放しているかのようだ。紗月でさえも言葉では「俺の味方だ」とか言いながら、「今はリーダーの指示を聞いた方がいい」と言ってくる始末だ。おそらくはクランのメンバーも石動に言いくるめられたのだろう。本当に姑息なやり方をする。
(みんなふざけやがって……俺はレベル5だぞ。このクランでトップのはずだ。俺がリーダーでないのはおかしいだろうに!)
しかも、俺がダンジョンに潜らないとクラン追放だと?ふざけるな。
そんなことを考えていたら……妙にうさんくさい男が俺の方にやってきた。
「どうも司さん。御影グループの執行役を務めている、鷹見翔と申します」
「執行役? 鷹見? 俺になんの用だ?」
うさんくさいと思ったが御影グループの執行役だと?
ほう、まだ若いのにそれなりにできる奴と見た。確かによく見れば頭が良さそうだ。
(もっとも、俺を認めないようなら石動と同じで駄目なだけだが……)
「分かります。石動は頭が固い。定石通りでしか動けない堅物です。天才タイプの司さんはさぞ苦労していることでしょう」
「せっかく司さんは能力があるのに、石動は頑固者ですから、その能力を潰しにかかる。さぞやりにくかったでしょう」
こいつは話がわかるじゃないか!そうだよ、それそれ、良いことを言うじゃないか。
その通りで俺は天才タイプなんだ。こいつは俺のことを優秀だと認めた。それが当たり前なんだ。石動のような人間は俺の才能をねたんで潰しにかかる。
こいつは若いが執行役だけあって人を見抜く能力があるな。たいしたものだ。俺も認めてやろう。
石動のような古い考えはもう駄目だ。あんな定石どおりにしか動けない人間は言わば化石だ。会社の邪魔にしかならない。親父もそれぐらい分かっているだろうに。やっぱり若い優秀な人間ならばその辺りは分かるよな。
そろそろうちの会社も若返りを図るべきだろう。石動のような老人一歩手前の人間など放出すればいい。
「そうだ! 分かってくれるか!俺の気持ちを分かってくれるのはお前だけだ!」
こいつは使えるやつだな。
そう思って俺は鷹見に相談した。このまま放置したら俺はクランから追放される。さすがにそれだけはまずい。
「石動や新しいリーダーの佐藤は俺に週5もダンジョンに入って指導しろと言ってくるんだ。あり得んだろう。あんなひどいことを言ってくる連中をどうしたらいい?」
すると鷹見は、少し考え込んでから言った。
「それは難しいですね。ダンジョンに入らない理由を作らないと駄目ですが、そんなものは簡単ではないです」
(くそ、こいつでも駄目か? やっぱり使えない人間か?)
と思ったが、鷹見が続けた。
「ただし……病気になったら仕方がないですけどね。最近ではインフルエンザがはやっていますし。もちろん司さんは元気なのでこの手は使えませんが、インフルエンザは誰でもかかる病気ですから。元気そうに見えても感染していたら他のメンバーの迷惑にもなるのでしばらくは活動を休むしかないでしょう。あとは診断書があれば完璧ですね。そういえば私の知り合いに患者の希望に寄り添う医者もいます」
「なんと! ならばその医者を紹介しろ」
鷹見は静かに頷いたが、いろいろと付け加えた。
「もちろん医者は紹介はできますが、嘘は駄目ですよ。インフルエンザは誰にでもかかる病気ですが嘘をついて診断書を書かせるようなことは絶対にするべきではありませんので」
「……それは当然だ。そんな嘘を付くようなことは絶対にしない。ただ最近、ごほ、ごほ。喉の調子が悪いんだ。なんとなく体調が今一つだからその医者にかかりたい。紹介してくれ」
こうして俺はその医者にかかることにした。あとは少し強引にインフルエンザの診断書だけ書かせれば、しばらくは休むことができるだろう。
(その後はどうするか……まあ鷹見は使えそうだからな。それなりに相談していけばいいだろう)
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