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13章「新しい変化と誘惑」
第135話「石動さんへの相談(佐藤君視点)」
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#第135話「石動さんへの相談(佐藤君視点)」
もう、嫌になる。ほんと、みんな自分勝手だ。僕がリーダーになって頑張っているのに、誰も認めてくれない。
何を言っても生返事ばかりでやる気があるようにも見えない。
言われたことの最低限だけをこなして、はい終わり。そんな感じだ。これでは目標に達することは困難だろう。
(なんで僕だけがこんなに苦労しなきゃいけないんだ。そりゃリーダーが苦労するのは当然だとは思うけど、メンバーがやる気がないのはどうしようもない)
「もっと頑張ろうよ」と声をかけても、誰もまともに聞いちゃくれない。
むしろ、こっちが悪者みたいに扱われる。
「佐藤君に経験値が集まるのからやる気がなかなか出ないんだよ。僕らは頑張っても何もないのが分かるでしょ?それに御影君はどうしたのさ?リーダーがバシッと言うならばそちらでしょ?」
確かに、今は僕が経験値を総取りしてる。御影君が来てないのも事実。でも、それって僕のせい?違うだろ。みんなで決めたじゃないか。僕がレベルアップしてその後に皆を引き上げるのは同意したはずじゃないか。
(ほんと、文句ばっかり……こっちは誰のために頑張ってると思ってるんだ)
気づけばため息ばかり出ていた。
このままじゃダメだと分かってはいるけど、何をどうすればいいのか分からない。
結局、僕は石動さんに相談した。きっと石動さんならば答えを教えてくれるだろう。経験豊富だから何かあるはず。
石動さんには、もう愚痴のように全部話した。頑張ってるのに誰もついてこないこと、みんなが僕に不満をぶつけてくること、御影君が来ないのも僕のせいにされることなど。
こうやって並べると、ただの愚痴だった気もする。
「それは全部、仕方がないことですね」
「えっ?」
拍子抜けした。もっと何か具体的なアドバイスとか、励ましの言葉がくると思ってた。これって全部、仕方がないことなの?それじゃ僕は報われないよ。
「仕方がないことをいくら考えても、何も変わりませんよ。時間は有限なのです。有意義に使わないともったいないですよ」
いや、そんな簡単に言うけどさ。こっちは考えてもどうしていいか分からないから相談してるんだ。もしかして石動さんも答えがないのかな?
「じゃあ、どうすれば?」
「佐藤くんは、何かできそうなことがありますか?」
「え? そんなの、ダンジョンで頑張るくらいしか?」
「メンバーはリーダーの鏡ですよ」
どういうこと?鏡?僕は相談しに来たのであって、とんちを聞きに来たわけではないのだけどさ。
「メンバーはリーダーの鏡、すなわちメンバーが不満を言うのは、リーダー自身がメンバーに不満を持っているからです」
そんなこと言われても……。
メンバーに不満があるから悩んでるんだよ。そんな僕にリーダーへの不満を言われても困る。
「まずは方向性を話し合うことです。そして感謝を伝えることも忘れずに」
石動さんは淡々としていた。もう一度、方向性を話し合うことが大切とのこと。どのような未来を思い描いていてそれを実現するために今何をしないといけないのか?夢や目標が揺らいでいると不満が多くなるのは道理だとのこと。
まるで授業中の先生みたいだ。正論だけどそんな面倒なことをして本当に意味があるのかな?
あと感謝ってどういうことだ。不満はあるけど感謝の気持ちなんて持ちようがないのだけど?
「感謝ですか?」
「はい。不満ばかりでは何も変わりません。小さなことでもいい、常日頃から感謝の気持ちを伝えてください。少なくともあなたはみんなから経験値をもらっている。
ダンジョンでも外でもそれを常日頃から感謝するといいです。そういった感謝はみんなに伝わるものです」
(感謝の気持ち、ね……)
でも、それで何が変わるんだ?そんなことしてもみんなが急にやる気になるわけない。心の中でそうつぶやきながら、僕はただ曖昧に頷いた。石動さんからも明確な答えは出てこないんだ。
「それと、リーダーとして何か勉強はしましたか?」
「勉強、ですか? そんな時間、ないですよ」
「時間は作るものです。悩む時間を少しでも使えば、必ず変わりますよ。リーダー論の書籍は多数あります。目を通しておくといいですよ」
(うわ、正論きた。そりゃそうだけど今はダンジョンで手一杯なんだよ)
頭では分かってる。でも正論って疲れる。ああ、御影君もこんな気持ちだったのかもしれないな。
僕は心のどこかで「もう放っておいてくれよ」とも思っていた。それじゃ駄目なのは分かるけどもう少し僕の努力を見てくれたっていいじゃないか。メンバーが悪いと言ってくれてもいいじゃないか。
「でも悩んでるうちは大丈夫ですよ」と、石動さんは最後に言った。
優しい声だったけど、正直ピンとこなかった。
「あとはせっかく私のところに来るならば提案も持ってくるといいですね。自分なりに“こうしたい”という案を持ってくれば、私からも助言もしやすいです。できればみんなで相談して案をもってきてくれると一番いい」
「そうですね」
そう答えたけど、正直、何も思いつかない。提案って言われても、どうせ誰も聞いちゃくれない。
それに、もし案を出して成功したらみんなの成果だけど、失敗したらそれこそ全部僕のせいになる。
(結局、何しても報われないんだよな……リーダーって損な役割だ)
そんなことを考えながら、僕は小さく息を吐いた。
やる気はある。気持ちはある。
でも体がついてこない。頭も回らない。
(僕はリーダーとか向いてないのかな、みんなに石動さんに相談してきたと言ったら脅しになって多少はよくなるかな。でも脅しでは長続きしないことは明白だ。御影君を見ていやというほどそれは分かった。とにかくやる気を出させるって難しい)
そう思いながら、答えが見つからないまま何をすればいいのかも分からないままに家に帰った。
――石動さんに相談しても結局、何も変わらないままだった。
もう、嫌になる。ほんと、みんな自分勝手だ。僕がリーダーになって頑張っているのに、誰も認めてくれない。
何を言っても生返事ばかりでやる気があるようにも見えない。
言われたことの最低限だけをこなして、はい終わり。そんな感じだ。これでは目標に達することは困難だろう。
(なんで僕だけがこんなに苦労しなきゃいけないんだ。そりゃリーダーが苦労するのは当然だとは思うけど、メンバーがやる気がないのはどうしようもない)
「もっと頑張ろうよ」と声をかけても、誰もまともに聞いちゃくれない。
むしろ、こっちが悪者みたいに扱われる。
「佐藤君に経験値が集まるのからやる気がなかなか出ないんだよ。僕らは頑張っても何もないのが分かるでしょ?それに御影君はどうしたのさ?リーダーがバシッと言うならばそちらでしょ?」
確かに、今は僕が経験値を総取りしてる。御影君が来てないのも事実。でも、それって僕のせい?違うだろ。みんなで決めたじゃないか。僕がレベルアップしてその後に皆を引き上げるのは同意したはずじゃないか。
(ほんと、文句ばっかり……こっちは誰のために頑張ってると思ってるんだ)
気づけばため息ばかり出ていた。
このままじゃダメだと分かってはいるけど、何をどうすればいいのか分からない。
結局、僕は石動さんに相談した。きっと石動さんならば答えを教えてくれるだろう。経験豊富だから何かあるはず。
石動さんには、もう愚痴のように全部話した。頑張ってるのに誰もついてこないこと、みんなが僕に不満をぶつけてくること、御影君が来ないのも僕のせいにされることなど。
こうやって並べると、ただの愚痴だった気もする。
「それは全部、仕方がないことですね」
「えっ?」
拍子抜けした。もっと何か具体的なアドバイスとか、励ましの言葉がくると思ってた。これって全部、仕方がないことなの?それじゃ僕は報われないよ。
「仕方がないことをいくら考えても、何も変わりませんよ。時間は有限なのです。有意義に使わないともったいないですよ」
いや、そんな簡単に言うけどさ。こっちは考えてもどうしていいか分からないから相談してるんだ。もしかして石動さんも答えがないのかな?
「じゃあ、どうすれば?」
「佐藤くんは、何かできそうなことがありますか?」
「え? そんなの、ダンジョンで頑張るくらいしか?」
「メンバーはリーダーの鏡ですよ」
どういうこと?鏡?僕は相談しに来たのであって、とんちを聞きに来たわけではないのだけどさ。
「メンバーはリーダーの鏡、すなわちメンバーが不満を言うのは、リーダー自身がメンバーに不満を持っているからです」
そんなこと言われても……。
メンバーに不満があるから悩んでるんだよ。そんな僕にリーダーへの不満を言われても困る。
「まずは方向性を話し合うことです。そして感謝を伝えることも忘れずに」
石動さんは淡々としていた。もう一度、方向性を話し合うことが大切とのこと。どのような未来を思い描いていてそれを実現するために今何をしないといけないのか?夢や目標が揺らいでいると不満が多くなるのは道理だとのこと。
まるで授業中の先生みたいだ。正論だけどそんな面倒なことをして本当に意味があるのかな?
あと感謝ってどういうことだ。不満はあるけど感謝の気持ちなんて持ちようがないのだけど?
「感謝ですか?」
「はい。不満ばかりでは何も変わりません。小さなことでもいい、常日頃から感謝の気持ちを伝えてください。少なくともあなたはみんなから経験値をもらっている。
ダンジョンでも外でもそれを常日頃から感謝するといいです。そういった感謝はみんなに伝わるものです」
(感謝の気持ち、ね……)
でも、それで何が変わるんだ?そんなことしてもみんなが急にやる気になるわけない。心の中でそうつぶやきながら、僕はただ曖昧に頷いた。石動さんからも明確な答えは出てこないんだ。
「それと、リーダーとして何か勉強はしましたか?」
「勉強、ですか? そんな時間、ないですよ」
「時間は作るものです。悩む時間を少しでも使えば、必ず変わりますよ。リーダー論の書籍は多数あります。目を通しておくといいですよ」
(うわ、正論きた。そりゃそうだけど今はダンジョンで手一杯なんだよ)
頭では分かってる。でも正論って疲れる。ああ、御影君もこんな気持ちだったのかもしれないな。
僕は心のどこかで「もう放っておいてくれよ」とも思っていた。それじゃ駄目なのは分かるけどもう少し僕の努力を見てくれたっていいじゃないか。メンバーが悪いと言ってくれてもいいじゃないか。
「でも悩んでるうちは大丈夫ですよ」と、石動さんは最後に言った。
優しい声だったけど、正直ピンとこなかった。
「あとはせっかく私のところに来るならば提案も持ってくるといいですね。自分なりに“こうしたい”という案を持ってくれば、私からも助言もしやすいです。できればみんなで相談して案をもってきてくれると一番いい」
「そうですね」
そう答えたけど、正直、何も思いつかない。提案って言われても、どうせ誰も聞いちゃくれない。
それに、もし案を出して成功したらみんなの成果だけど、失敗したらそれこそ全部僕のせいになる。
(結局、何しても報われないんだよな……リーダーって損な役割だ)
そんなことを考えながら、僕は小さく息を吐いた。
やる気はある。気持ちはある。
でも体がついてこない。頭も回らない。
(僕はリーダーとか向いてないのかな、みんなに石動さんに相談してきたと言ったら脅しになって多少はよくなるかな。でも脅しでは長続きしないことは明白だ。御影君を見ていやというほどそれは分かった。とにかくやる気を出させるって難しい)
そう思いながら、答えが見つからないまま何をすればいいのかも分からないままに家に帰った。
――石動さんに相談しても結局、何も変わらないままだった。
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