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第二章
4天界の生活と神の仕事 前編
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目覚めたら8の刻位で父神様はまだ私を抱っこしたまま寝てた。
しっかし父神様は美形だなぁ……。睫まで金色だよ。きらきら光ってるし、色白だし、これ口紅とか塗ってないよね? めっちゃ薔薇色で綺麗なんですが。中性的だし、女に見えなくもない。私が父神様の寝顔をじーっと見ているとぱちっと目を開けた。
「ん? 我の顔に何かついているか?」
「いえ、父神様は綺麗だなぁと思って見ていたのです」
「そうか」
父神様は私をぎゅうっと抱きしめ、ほっぺにちゅうをしてきた。
布団に入りつつ思いついたようにいう。
「うん、決めた。そたなに歌とピレーネの女神の任を与える」
「え?」
「仕事のやり方は後で教える」
「はい」
「そう言えば、そなた下界で何を食べていた? 人間の食物を食べていたのか?」
「大体トウミです。あんまり他の物が食べれなくて」
「まぁ、そなた人間ではないからな。普通の食事は無理だろう。トウミは元々天界にあった物だから食えただろうが……ふむ」
「レイジェス様が米畑を作ってくれると言っているので楽しみにしています」
「ああ、米ならそなたでも食べれるであろう。あ、天界は基本2食生活だ。昼と夜のみであるが大丈夫か?」
「下界でも朝はあまり食べないので平気です」
「そうか。…あ~仕事なぞしたくない…。そなたとまったり、ぐだぐだしたいものだ」
と言って父神様は私の頭をわちゃわちゃと撫でる。
父神様? レイジェス様化してますよ? ちゃんと働きましょうよ? と突っ込みを入れたくなった私である。しばらくうだうだしてた父神様だったけれど、むくっと起きて呪文を唱えると寝巻きから白い牧師服みたいな衣服に変った。
「そなたにも着衣の呪文を教える」
と言われたので私は寝台の上でぴしっと正座に座りなおした。
「これから教えるのは神語呪文。神呪だ。神のみしか使えぬ。ステータスにもこの呪文のことは載らない。人間の口では発音できぬから、まぁ言の葉制限には引っかからぬ。結構便利なので覚えると良い。まずは発音からだ」
そう言って神呪を唱える。あんまりよく聞き取れない。
「スァビジィエル! ほら言ってみよ?」
と父神様が私を見る。
「しゅわびじいえる!」
私が言うと神語が微妙に違う。
「ちょっと惜しいな。スァビジィエルだ。もう一度言ってみよ?」
私は今度はちゃんと発音を聞いて、その時の父神様の唇の動きも注意して見ていた。そして深呼吸をして一気に声を出す。
「スァビジィエル!」
父神様が目をぱちぱちとする。そしてゆっくりと笑顔になった。
「そなた物覚えが良いな! さすが我の娘神である!」
と言ってべろちゅーをしてきた。娘が可愛いのはわかるのですが、普通の父親ってべろちゅうーはしないと思うのですが? …これって天界では普通なのかな? 元地球の人間なのでわからんわっ! 反応に困る私だったりする。
「では次の段階だ。色は白系で自分が着たい洋服のデザインを頭の中で描きつつ呪文を唱えてみよ」
白色は天界で着る衣服の決まりらしい。
「はい」
私はどんなのにするかな?と考えてみた。初めてなので凝ったデザインは止めてシンプルな膝丈で前ボタン止めのワンピースを想像する。私は寝台から降りて寝巻きのまま、その場所、寝台の脇に立った。そして呪文を唱える。
「スァビジィエル!」
思った色、形、素材のワンピースに出来た!と思ったけれど父神様は微妙な顔をしている。
「うーむ。素晴らしく可愛らしくて我は凄い好きな形なのだが、天界では蜜花を散らして居らぬ女神は足を隠さねばならん。そのドレスの場合、裾の丈を長くせねばならぬ。あと」
と言った後私のスカートを捲る。そして下着の履いてない私の股の割れ目を指ですーっとなぞった。
「きゃっ」
父神様はふふっと笑って続けた。
「上の衣服だけでなく下着も想像して一緒に造らねばならん。わかったか?」
「はっ、はい」
私は自分の大事な所に触れられて少し恥ずかしくなってしまったが、父神様は全然気にしてないようだった。
もう一度目を瞑って下着と今のワンピースの上から付ける事のできる巻きスカートを想像する。まず、下着は紐付きショーツ。次にスカートはレースの巻きスカートで横に大きなりぼんにして結びつけることの出来る形。これならりぼんが飾りにも見える。ワンピースの肩から袖がレースなのでそれに合わせているから違和感も無いと思う。うん、イメージは決まった
「スァビジィエル!」
うまく出来た。ほぅ。と言い父神様が確認する。とか言って私のスカートの中に顔を突っ込んだ。
「えっ!?」
スカートの中で父神様がもぞもぞして私のショーツに息がかかる。そしてばっと顔を出した。
「随分と扇情的なショーツだな。紐を解けば脱げるようになってるのか」
紐を解こうとしたので思わずその綺麗な顔を平手打ちしてしまった。パシーンといい音が響く。
「止めて下さいませ!」
呆然としている父神様に少し強気で言ってみる。じゃないと何されるかわかったもんじゃない。恐ろしい。
「父神様は魅了に掛かっているのではないですか? お気を確かに!」
父神様は私が叩いた頬を押さえてステータスを見ていると思う仕草をした。自分がステータスを見ていても他の者にはそのステータスは見えない。
父神様はステータスを確認したあと、あはははっはははと笑い出した。
「……どうやら我はそなたに魅了され誑かされたようであるな」
「大変です! 状態異常を回復しないと! でも、わたくしミドルキュアの魔法は使えないし! どうしたらいいのでしょう? 父神様はミドルキュアを使えますか?」
「ふむ。我はそなたと違って普通の魔法は使えぬ。使えるのは神語魔法と無属性空間魔法のみだ。しかし、この我に掛かった状態異常が人間の使う魔法で回復するのか? 甚だ疑問ではある」
「父神様! 下界に行ってレイジェス様に治してもらいましょう! このままでは危険です!(私が!!)」
と言ったけれど、父神様は素晴らしく爽やかな笑顔で言った。
「よいよい。このまま魅了されていても良い。我が娘神に魅了されて誑かされているのだ、父神として本望である。そなたは何故こんなに可愛いのだ」
と言ってキスしてきた。父神様の舌が私の舌にからまる。レイジェス様とは違ってなんだか甘い味がする。そして頭がぼーっとする。ちゅぽんと離れた私の唇の端から唾液の糸が垂れる。父神様はそれを見て私をぎゅっと抱きしめた。
「そなた我の嫁となれ? なぁ?」
とか言い出した。まじかっ!?
私はそもそも心が疲れて休息に来たはずなのに、実の父神様と何やってんの? レイジェス様じゃないと嫌なのになんだか抗えない?どういうこと?
「神の体内から出る粘液は媚薬効果がある。そなたの愛液を舐めたアルフォード公爵も、だから極みに導くことを止められなかったであろう?」
「えっ!」
「神のそなたでそのような状態だ。人間であるアルフォード公爵にそなたの愛液に抗うことなど無理であろうなぁ……」
あれって、私のせいだったのか! 止めてって言っても止めてもらえなくて、狩人みたいな目をしていたのって…。でも、私の液でそうなっちゃうってことはこれからもああいう事をしたら同じ風になるって事だよね? それはちょっと…。
「まぁ、私はこのままでよいから、そなたは次に靴を造れ。靴の呪文もさっきのと同じだ」
と言われ履きたい靴をイメージして呪文を唱えた。ヒールのないぺったんこ靴が私の足にはまっていた。
そのあとたぶん神呪のアクアウォッシュの魔法を掛けられた。父神様はそれを自分にも掛けていた。呪文が早くて聞き取れなかった。
「では仕事場に行くぞ。ついてまいれ」
と言われたので付いて行った。
天井がドーム状のこの内宮は父神様の生活圏だ。
ドーム状の内宮の大きな扉を開けて長い回廊をひたすら歩くと壁だった右手に開けた中庭が見えた。
水色の巨大なオベリスクの噴水がその中庭の真ん中にあって、オベリスクの土台には彫刻が彫られていた。4人の人魚が水がめを泉に注いでいて水が溜まるようになっている。
その噴水の周りの床は雲のようになっていてそこから水色の糸状のような物が天空に向かって伸びている。
水色の糸状のような物の中には赤い糸状のような物もまじっていた。
私はこの糸はなんだろう?と近くで観察する。太さは大人の男の人の親指くらいで私でも掴もうと思えば握れる太さだった。
「ついたぞ。ここが我の仕事場である。ちょっと見ているがよい」
私を噴水の淵にぽいと抱き置いて近くにあった水色の糸のような物を引っ張った。そしてくしゅくしゅっと巻いて天に放り投げたらそれは光の泡となって消えた。
「これは……何ですか? 父神様」
「ここは雲上の願い糸の広場。これは願い糸だ」
「願い糸?」
父神様は説明を始めた。ここは雲上の願い糸の広場と呼ばれ、下界の人間達の願いが強力な物がここに糸として具現化し繋がること。
その願いで叶えられそうな物を父神様が叶えるとのこと。
水色と赤色が分れているのは赤色が自分の叶えられる願い事だということ。ちなみにここは父神様の願い糸の広場なので全部赤色に見えるらしい。
さっきの引っ張った糸をくしゃくしゃってして天に放り投げたら消えたのは願い事が叶ったという事だそうだ。
そして私にもやってみろという。
「赤い糸が叶えられる願いだ。引いてみるがよい」
私は噴水の淵から飛び降りて近くにあった赤い糸を両手で握った。
すると、凄く嫌な感情が流れ込んで来たのと共に握った手のひらにナイフで刺されでもしたかのような痛みが走った。
「痛っ!」
慌てて父神様が私の手を見に来た。
「最初からハズレに当たったか」
と言い私の手をオベリスクの泉に突っ込んだ。
「暫くそのままでいなさい。そなたは今穢れているのでその泉で清めなければいけない」
私は泉に突っ込まれた自分の両手のひらを見ると、糸を握った部分が真っ黒に爛れていた。
私は恐ろしくなって父神様を見ると、父神様は私の頭を撫でた。
「悪い者の願いも祈りとして強ければこの地に届く。当然その内容は悪しき内容。叶えられるはずもないし、我等、神がそれに触れればそのように真っ黒に爛れて穢れる。我等、神は穢れが酷くなって広がると、そこから砂のように崩れていく。普通に生きておれば我等には死など来ない。だが、穢れにはどう頑張っても勝てぬ。だから、穢れたら必ずこの泉に浸かれ。わかったな?」
「はい。父神様」
しっかし父神様は美形だなぁ……。睫まで金色だよ。きらきら光ってるし、色白だし、これ口紅とか塗ってないよね? めっちゃ薔薇色で綺麗なんですが。中性的だし、女に見えなくもない。私が父神様の寝顔をじーっと見ているとぱちっと目を開けた。
「ん? 我の顔に何かついているか?」
「いえ、父神様は綺麗だなぁと思って見ていたのです」
「そうか」
父神様は私をぎゅうっと抱きしめ、ほっぺにちゅうをしてきた。
布団に入りつつ思いついたようにいう。
「うん、決めた。そたなに歌とピレーネの女神の任を与える」
「え?」
「仕事のやり方は後で教える」
「はい」
「そう言えば、そなた下界で何を食べていた? 人間の食物を食べていたのか?」
「大体トウミです。あんまり他の物が食べれなくて」
「まぁ、そなた人間ではないからな。普通の食事は無理だろう。トウミは元々天界にあった物だから食えただろうが……ふむ」
「レイジェス様が米畑を作ってくれると言っているので楽しみにしています」
「ああ、米ならそなたでも食べれるであろう。あ、天界は基本2食生活だ。昼と夜のみであるが大丈夫か?」
「下界でも朝はあまり食べないので平気です」
「そうか。…あ~仕事なぞしたくない…。そなたとまったり、ぐだぐだしたいものだ」
と言って父神様は私の頭をわちゃわちゃと撫でる。
父神様? レイジェス様化してますよ? ちゃんと働きましょうよ? と突っ込みを入れたくなった私である。しばらくうだうだしてた父神様だったけれど、むくっと起きて呪文を唱えると寝巻きから白い牧師服みたいな衣服に変った。
「そなたにも着衣の呪文を教える」
と言われたので私は寝台の上でぴしっと正座に座りなおした。
「これから教えるのは神語呪文。神呪だ。神のみしか使えぬ。ステータスにもこの呪文のことは載らない。人間の口では発音できぬから、まぁ言の葉制限には引っかからぬ。結構便利なので覚えると良い。まずは発音からだ」
そう言って神呪を唱える。あんまりよく聞き取れない。
「スァビジィエル! ほら言ってみよ?」
と父神様が私を見る。
「しゅわびじいえる!」
私が言うと神語が微妙に違う。
「ちょっと惜しいな。スァビジィエルだ。もう一度言ってみよ?」
私は今度はちゃんと発音を聞いて、その時の父神様の唇の動きも注意して見ていた。そして深呼吸をして一気に声を出す。
「スァビジィエル!」
父神様が目をぱちぱちとする。そしてゆっくりと笑顔になった。
「そなた物覚えが良いな! さすが我の娘神である!」
と言ってべろちゅーをしてきた。娘が可愛いのはわかるのですが、普通の父親ってべろちゅうーはしないと思うのですが? …これって天界では普通なのかな? 元地球の人間なのでわからんわっ! 反応に困る私だったりする。
「では次の段階だ。色は白系で自分が着たい洋服のデザインを頭の中で描きつつ呪文を唱えてみよ」
白色は天界で着る衣服の決まりらしい。
「はい」
私はどんなのにするかな?と考えてみた。初めてなので凝ったデザインは止めてシンプルな膝丈で前ボタン止めのワンピースを想像する。私は寝台から降りて寝巻きのまま、その場所、寝台の脇に立った。そして呪文を唱える。
「スァビジィエル!」
思った色、形、素材のワンピースに出来た!と思ったけれど父神様は微妙な顔をしている。
「うーむ。素晴らしく可愛らしくて我は凄い好きな形なのだが、天界では蜜花を散らして居らぬ女神は足を隠さねばならん。そのドレスの場合、裾の丈を長くせねばならぬ。あと」
と言った後私のスカートを捲る。そして下着の履いてない私の股の割れ目を指ですーっとなぞった。
「きゃっ」
父神様はふふっと笑って続けた。
「上の衣服だけでなく下着も想像して一緒に造らねばならん。わかったか?」
「はっ、はい」
私は自分の大事な所に触れられて少し恥ずかしくなってしまったが、父神様は全然気にしてないようだった。
もう一度目を瞑って下着と今のワンピースの上から付ける事のできる巻きスカートを想像する。まず、下着は紐付きショーツ。次にスカートはレースの巻きスカートで横に大きなりぼんにして結びつけることの出来る形。これならりぼんが飾りにも見える。ワンピースの肩から袖がレースなのでそれに合わせているから違和感も無いと思う。うん、イメージは決まった
「スァビジィエル!」
うまく出来た。ほぅ。と言い父神様が確認する。とか言って私のスカートの中に顔を突っ込んだ。
「えっ!?」
スカートの中で父神様がもぞもぞして私のショーツに息がかかる。そしてばっと顔を出した。
「随分と扇情的なショーツだな。紐を解けば脱げるようになってるのか」
紐を解こうとしたので思わずその綺麗な顔を平手打ちしてしまった。パシーンといい音が響く。
「止めて下さいませ!」
呆然としている父神様に少し強気で言ってみる。じゃないと何されるかわかったもんじゃない。恐ろしい。
「父神様は魅了に掛かっているのではないですか? お気を確かに!」
父神様は私が叩いた頬を押さえてステータスを見ていると思う仕草をした。自分がステータスを見ていても他の者にはそのステータスは見えない。
父神様はステータスを確認したあと、あはははっはははと笑い出した。
「……どうやら我はそなたに魅了され誑かされたようであるな」
「大変です! 状態異常を回復しないと! でも、わたくしミドルキュアの魔法は使えないし! どうしたらいいのでしょう? 父神様はミドルキュアを使えますか?」
「ふむ。我はそなたと違って普通の魔法は使えぬ。使えるのは神語魔法と無属性空間魔法のみだ。しかし、この我に掛かった状態異常が人間の使う魔法で回復するのか? 甚だ疑問ではある」
「父神様! 下界に行ってレイジェス様に治してもらいましょう! このままでは危険です!(私が!!)」
と言ったけれど、父神様は素晴らしく爽やかな笑顔で言った。
「よいよい。このまま魅了されていても良い。我が娘神に魅了されて誑かされているのだ、父神として本望である。そなたは何故こんなに可愛いのだ」
と言ってキスしてきた。父神様の舌が私の舌にからまる。レイジェス様とは違ってなんだか甘い味がする。そして頭がぼーっとする。ちゅぽんと離れた私の唇の端から唾液の糸が垂れる。父神様はそれを見て私をぎゅっと抱きしめた。
「そなた我の嫁となれ? なぁ?」
とか言い出した。まじかっ!?
私はそもそも心が疲れて休息に来たはずなのに、実の父神様と何やってんの? レイジェス様じゃないと嫌なのになんだか抗えない?どういうこと?
「神の体内から出る粘液は媚薬効果がある。そなたの愛液を舐めたアルフォード公爵も、だから極みに導くことを止められなかったであろう?」
「えっ!」
「神のそなたでそのような状態だ。人間であるアルフォード公爵にそなたの愛液に抗うことなど無理であろうなぁ……」
あれって、私のせいだったのか! 止めてって言っても止めてもらえなくて、狩人みたいな目をしていたのって…。でも、私の液でそうなっちゃうってことはこれからもああいう事をしたら同じ風になるって事だよね? それはちょっと…。
「まぁ、私はこのままでよいから、そなたは次に靴を造れ。靴の呪文もさっきのと同じだ」
と言われ履きたい靴をイメージして呪文を唱えた。ヒールのないぺったんこ靴が私の足にはまっていた。
そのあとたぶん神呪のアクアウォッシュの魔法を掛けられた。父神様はそれを自分にも掛けていた。呪文が早くて聞き取れなかった。
「では仕事場に行くぞ。ついてまいれ」
と言われたので付いて行った。
天井がドーム状のこの内宮は父神様の生活圏だ。
ドーム状の内宮の大きな扉を開けて長い回廊をひたすら歩くと壁だった右手に開けた中庭が見えた。
水色の巨大なオベリスクの噴水がその中庭の真ん中にあって、オベリスクの土台には彫刻が彫られていた。4人の人魚が水がめを泉に注いでいて水が溜まるようになっている。
その噴水の周りの床は雲のようになっていてそこから水色の糸状のような物が天空に向かって伸びている。
水色の糸状のような物の中には赤い糸状のような物もまじっていた。
私はこの糸はなんだろう?と近くで観察する。太さは大人の男の人の親指くらいで私でも掴もうと思えば握れる太さだった。
「ついたぞ。ここが我の仕事場である。ちょっと見ているがよい」
私を噴水の淵にぽいと抱き置いて近くにあった水色の糸のような物を引っ張った。そしてくしゅくしゅっと巻いて天に放り投げたらそれは光の泡となって消えた。
「これは……何ですか? 父神様」
「ここは雲上の願い糸の広場。これは願い糸だ」
「願い糸?」
父神様は説明を始めた。ここは雲上の願い糸の広場と呼ばれ、下界の人間達の願いが強力な物がここに糸として具現化し繋がること。
その願いで叶えられそうな物を父神様が叶えるとのこと。
水色と赤色が分れているのは赤色が自分の叶えられる願い事だということ。ちなみにここは父神様の願い糸の広場なので全部赤色に見えるらしい。
さっきの引っ張った糸をくしゃくしゃってして天に放り投げたら消えたのは願い事が叶ったという事だそうだ。
そして私にもやってみろという。
「赤い糸が叶えられる願いだ。引いてみるがよい」
私は噴水の淵から飛び降りて近くにあった赤い糸を両手で握った。
すると、凄く嫌な感情が流れ込んで来たのと共に握った手のひらにナイフで刺されでもしたかのような痛みが走った。
「痛っ!」
慌てて父神様が私の手を見に来た。
「最初からハズレに当たったか」
と言い私の手をオベリスクの泉に突っ込んだ。
「暫くそのままでいなさい。そなたは今穢れているのでその泉で清めなければいけない」
私は泉に突っ込まれた自分の両手のひらを見ると、糸を握った部分が真っ黒に爛れていた。
私は恐ろしくなって父神様を見ると、父神様は私の頭を撫でた。
「悪い者の願いも祈りとして強ければこの地に届く。当然その内容は悪しき内容。叶えられるはずもないし、我等、神がそれに触れればそのように真っ黒に爛れて穢れる。我等、神は穢れが酷くなって広がると、そこから砂のように崩れていく。普通に生きておれば我等には死など来ない。だが、穢れにはどう頑張っても勝てぬ。だから、穢れたら必ずこの泉に浸かれ。わかったな?」
「はい。父神様」
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