魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

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第三章

1プロローグ シエラ視点

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 わたくしはシエラ=リッツ8歳、リッツ伯爵家の四女でございます。
わたくしが初めてコモン様に会ったのは我が屋敷にて、月に一度の晩餐会の時でした。
レイジェス=アルフォード公爵様の御連れで来ていた方で、明るい金髪をしていて肩より少し長いその髪を、銀色の細工の凝ったヘアカフスで後ろに一纏めにしていました。
すらっとした細身の背の高い方で、薄い水色の紳士服で晩餐会にいらしていて、その姿はまるで物語に出てくる王子様のようでした。

 あの時、わたくしはアリア様とお話をしていたのに、何故かアルフォード公爵様がアリア様にいきなり大人の口付けをしてしまって、わたくしはその場でどうしたら良いのか分からなかったのです。
わたくしがアルフォード公爵様をアリア様のお父様と勘違いしたのが原因かも知れません。

 それからアルフォード公爵様は様子が少しおかしくなりました。
そのどうしようもない雰囲気を破ってわたくしを救って下さったのがコモン様でした。
軽い口調でわたくし達の間に入り、わたくしはコモン様に向いて話をすることによってアルフォード公爵様ともアリア様とも目を合わせなくて済みました。
それが、この王子様みたいに美しいコモン様とお話しをするきっかけでした。

「ごめんね、話しかけちゃって。アリアちゃんと話したかったよね?」
「いえ、わたくし失敗を致しまして、どうしたら良いのかと困っていたので助かりました」
「失敗? 何したの?」
「アルフォード公爵様をアリア様のお父様だと思ってしまって…」
「ああ! それでレイジェスは拗ねてアリアちゃんに口付けをしたのか」
「え?」
「さっき、君が気まずそうだったから…わざと話に割って入ったんだ」
「あっ、気を使っていただいて申し訳ありません」
「大丈夫。俺はコモン=エルサレム次期伯爵で25歳」
「君は?」
「わたくしはリッツ伯爵家の娘、シエラ=リッツ、8歳でございます」
「ああ、こちらの屋敷のご令嬢だったのか」
「君のクリーム色の髪、光の加減でミルクティの色にも見える。艶もあって美しいね」

 とコモン様はわたくしの髪を撫でました。わたくしはこの時、初めてお父様以外の異性に触れられてどきどきしたのです。思えばこれがわたくしの初恋だったのかも知れません。




 次にコモン様と出会ったのは戴冠式の時でした。あの時はアルフォード公爵様とアリア様のダンスを見て感動しました。アリア様はとてもダンスがお上手でした。わたくしも練習はしていたのですが、誘われるのは大人の女性ばかりで、わたくしは壁の花で終わると思っていたのです。

 壁にもたれて、お姉さま達がダンスに誘われて行くのを私は一人ぽつんと見ていました。
そこにわたくしの前に跪き、ダンスの申し込みをする男性が現れました。
見たことのある金髪で、その方は顔を上げられてわたくしに微笑みました。

「お久しぶりです、シエラ様」
「あなたは……コモン様?」
「ああ! 覚えていてくれたのですね? 感激だ。どうか、俺と踊ってくれませんか?」
「ええ、喜んで」

 わたくしはコモン様の出された手の上に自分の手を乗せて大広間にすぅっと二人で歩いていきました。そして、音楽に合わせてワルツを踊りました。普通にステップを踏んでいたのにいつの間にかわたくしは抱き上げられてくるくるとコモン様に廻されていたりしました。凄く楽しくてあっという間にコモン様と4曲を踊り終えたのです。
そのあとコモン様は、わたくしのいる壁際で飲み物を飲みながら、わたくしとお話をしてくれました。

「8歳だとアリアちゃんと同じ歳だから学校はまだだよね? いつも家では何をしているんだい?」
「執事のメルヴィンが花嫁修業に手芸をやりなさいと言うので、レース編みをしたりしています。レース編みは最初は嫌だったんですけど、今では楽しくなってしまって、色んな作品を作ってます」
「凄いじゃないか! レース編みができる子は最近少ないよ。花嫁修業をきちんとやっているなんてえらいえらい」

 と私の頭を撫でました。

「コ、コモン様はいつも何をやっていらっしゃるのですか?」
「俺は魔術師団で副師長をしているからね。城に出仕してる。普段は事務作業ばかりだけど、魔獣討伐や竜討伐もやっているよ。週末は家で次期伯爵としての教育を受けたり、趣味の魔道具作りをしたり、友達の所に遊びに行ったりだ」
「同じ魔術師団だからアルフォード公爵様と仲が良かったのですね?」
「ああ、レイジェスとは学生時代も学校が一緒だったからね。一応あいつは俺の後輩なんだよ? 職場では上司だけどさ」

 そう言ってはははとコモン様は笑いました。
今日コモン様の服装は白い紳士服で、上着の袖や裾に金色の刺繍が縫われています。本当に物語にで出て来る王子様みたいで、わたくしはうっとりしてしまいました。そして、こんな素敵な人をわたくしが独り占めしていいのかと、不安になりました。

「コモン様? 他の方と踊らないのですか?」
「シエラ様と話しているのが楽しいんだ。このままじゃ、ダメかい?」
「いえ、わたくしはいいのですけど、本当に楽しいの?」
「うん!」

 コモン様は子供の様に返事をしました。とても素敵で爽やかな笑顔だったのです。
その後事件が起きました。エメラダ様がアリア様をバルコニーから突き落としたのです。コモン様は緊急対応で席を外すことになり私達一家も捜査しやすいようにと帰ることにしました。

 外に出て、馬車を待っているときに執事のメルヴィンがわたくしに言いました。
メルヴィンはわたくし専用の執事で、小さい頃からマナー教育、勉強などを教えてくれて、良くわたくしに尽くしてくれます。青い瞳に青い髪色をしていてポマードできっちりと前髪を固めているせいか、とてもお堅い真面目な印象を受けます。

 身長はコモン様と同じくらいで年齢も25歳とコモン様と同じですが、コモン様の方が若々しく見えます。メルヴィンは説教ばかりするので、わたくしの中で年寄り臭いイメージがあるせいでしょうか? 見目は美しいと下働きの女の子達がきゃあきゃあ言っていますので良い方なのでしょう。小さな頃から知っているので、今更カッコイイという視点で見ていませんでした。

「姫様が5回目もコモン様と踊りたいと言わなくて良かったです」
「わたくしでも常識は知ってますわ? 同じ人と踊っていいのは4回まで、でしょ?」

 メルヴィンは頷いてわたくしを見下ろしました。

「コモン様が今回踊ったのは姫様だけです。この意味が分かりますか?」

 わたくしは頬に手を置き考えてみました。よく分かりません。
私だけと踊ったからと何かあるのか不思議です。
メルヴィンはこめかみを押さえて言いました。

「舞踏会で男が他の女と踊らず一人の女性と4回も踊るという事は、あなたに本気という事ですよ、姫様」
「は? わたくしは子供ですよ? 大人の男性に好かれるとは思いませんが」
「ですが今日、あなたのお友達のアリア様はアルフォード公爵様と婚約されましたよ? アリア様も8歳ですよね?」
「そうだけど……」

 そうだけど、自分の身にそんなドラマティックな事が起こると思えませんでした。
わたくしは4姉妹の末っ子でお姉さま達は皆、自信家で気性が激しいのですが、わたくしはおっとりとしていて、いつもお母様にそれではいけないと叱られている様なみそっかすです。
だから、コモン様にレース編みができて凄いと言われた時、物凄く嬉しかったのです。
そんな、みそっかすなわたくしが? コモン様に好かれている?
馬車が来て、私達はそれに乗り屋敷に帰りました。




 2月の晩餐会で、ドラマティックな事など無い。そう思っていたわたくしに物語のような出来事が起きました。お父様に呼ばれていくとアルフォード公爵様とコモン様がいらっしゃっていて、お父様が、わたくしに結婚の申し込みがあったと言うのです。その相手はコモン様でした。

「お、俺は……シエラ様、あなたを一目見て好きになってしまいました! 歳は離れていますが大切にします! 結婚してください!!」

 その求婚にわたくしは驚きました。
汗が滝のように流れて顔を真っ赤にしているのです。
あの王子様のようなコモン様が。もしかして私ではなくて姉と間違えているのでは? と言うとコモン様は少し怒って言いました。

「間違ってなどいない! 俺が選んだのは君だ! 可愛らしくて優しい。君と話をするだけで心がときめく。こんなのは初めてなんだ。私の結婚の申し込みをどうか…どうか、受けて欲しい!!」

 そうして跪かれてわたくしにその手を差し出したのです。
わたくしは戴冠式の時、ダンスの申し込みに伸ばされた手を思い出しました。
コモン様がわたくしを求める熱を本物だと感じたのです。その熱意を感じてわたくしもまた顔が熱くなっているのがわかりました。わたくしはおずおずと怖気づきながらもコモン様のその手の上にわたくしの手を乗せました。
その顔を上げたコモン様は喜びで涙ぐんでいてわたくしは驚いてしまいました。

「ありがとう! ありがとう!」

 そう言ってコモン様は私を抱き上げて頬にちゅっと軽く口付けをしました。
わたくしは、まさかそのような事をされると思わず胸がどきどきしました。
そのあとまだ男性の部のお茶会の場にいたわたくしはそのままコモン様とお話をしました。
わたくしに何度も感謝の言葉を述べて、この結婚の申し込みを正式な物とするためにコモン様のご両親にも会って欲しいと言うのです。
次期伯爵ですから当然ご両親の許可がなければ結婚など有り得ません。

「俺の両親に会ってくれるかい? まぁ、そんな嫌な人達ではないさ」
「はい、お会いしてみたいです」

 わたくしは微笑みました。コモン様も先程の涙ぐんだ瞳は消えて微笑んでくれました。
わたくしとコモン様が話をしていると女性陣が戻ってきました。わたくしはそのままコモン様の隣を陣取っていました。カエラお姉さまはアルフォード公爵様の隣に座りました。

 アルフォード公爵様、すみません、カエラお姉さまがそこに座ったのは私がその席に座らなかったからです。本当にすみませんでした。と心の中で謝っておきます。
コモン様はわたくしの気持ちだけを聞いておきたかった様で、リッツ伯爵家とエルサレム伯爵家、両家の晩餐会は自分が全部用意するとおっしゃってくれました。

「シエラ様はまだ大人の手続きなど分からないでしょうから俺がやっておくよ」

 なんだか面倒を押し付けたようで申し訳ないと思っていると

「大丈夫だよ。シエラ様と結婚出来るのだからいくらでも手間をかけるよ」

 そう、おっしゃって下さいました。それを何気に聞いていたカエラお姉さまがわたくしを睨みました。ご自分はコモン様を諦めてアルフォード公爵様に狙いを定めたのに、何故睨むのでしょう。私は夢見心地で晩餐会を終了しました。



 3月になりエルサレム伯爵家から両家のみの晩餐会の招待状が届きました。
招待されたのは両親とわたくしのみです。
カエラお姉さまが

「何故わたくしではないのっ!?」

 と切れて家具を蹴っ飛ばしています。

「あれはもう伯爵令嬢などではない」

 執事のメルヴィンが怒っています。カエラお姉さまには婚約者がいません。
男の人とお出かけのお誘いはあるのに結婚の申し込みがひとつもないのです。
その遊びに出かけた方達も一度出かけるとまた誘いには来ません。
わたくしはいつも不思議でした。なのでメルヴィンに聞いてみます。

「カエラお姉さまは沢山の殿方からお誘いを受けるのに何故2回目は誘われないのですか? こんなにお誘いを受けるんですから、結婚の申し込みくらいあってもいいのでは?」
「なぜカエラ様がまた誘われないかの理由は今は説明できません」
「そのうち、近いうちに説明できることになると思います」
「そう」




 晩餐会当日、わたくしは側仕え達にドレスアップされました。髪は胸まであって長いので三つ編みにして後ろに纏めてゆるふわお団子に。周りを蝶の髪留めで3つ留め、ドレスは水色のショルダーオフのプリンセスラインドレスで薄い生地が下にある沢山のフリルと重なっています。首にアクセサリーをしてないので寂しい気がしますが、この装いに合わない物をつけるよりはまし。と思いそのまま両親と馬車に乗り出かけました。

「くれぐれも粗相のないようにねシエラ?」

 とお母様が言います。

「シエラは自然のままがいい。そのおっとりした所がコモン様も良しとしたのだろう」

 とお父様が言いいます。

「シエラはおっとりしすぎて心配なのよ。わたくしは」
「けれど、奥様、奥様が良しとしている姉君達はいまだにご結婚の申し込みがございませんよ?」

 とメルヴィンが嫌味たらしくお母様に言います。

「メルヴィン、あなたがシエラを育てたからシエラは結婚が決まったとでも思っているの?」
「ええ、奥様、あなたの育て方ではお嬢様方は皆、勝手な人間に育ってしまいます」
「自分の意見を言うことは大切よ?」

 とお母様とメルヴィンが言い合いを始めてしまいました。

「私はこんな喧騒の中で過ごしたくないがね。なぁ、シエラ?」

 とお父様が微笑み、わたくしは頷きました。
エルサレム伯爵家の屋敷に着いて馬車から降りるととても驚きました。ここはタウンハウスのはずです。わたくしが住んでいるタウンハウスのお屋敷の2倍ほどの大きさだったのです。お父様がエルサレム伯爵家の方が歴史も家格も高いと言っていたのがなんとなく分かりました。
玄関に入るとエルサレム家の執事に、皆様食堂にてお待ちですと案内されました。
席に着いてそれぞれ皆挨拶し、食事を始めました。

「え、ではお嬢さんが4名の他に子息が2名もいらっしゃるのですか?」

 とエルサレム伯爵が聞きます。

「はい。子は全員で6名です。皆妻との間の子です」

 とお父様が言います。

「夫婦仲が宜しいのですね。うちも仲は良いのですが頑張っても息子一人しかできませんでした。わっはっは」

とエルサレム伯爵が言います。

「今からでも出来るなら欲しいですけど、わたくしでは無理ですわ。シエラ様にお子様を沢山産んで頂きましょう ?ねぇ、あなた」

 とエルサレム伯爵夫人。

「ああ、そうだな孫が出来るのが楽しみだ!」

 とエルサレム伯爵は機嫌がいい様です。

「では、二人の仲を認めて頂けるのですか?」

 とコモン様がご両親に身を乗り出して聞きました。

「あたなた選ぶ方なら、お父様もわたくしも何も言いませんよ? 本気で愛せる方が見つかって本当に良かったと思っているわ。こんなに年齢が離れてるとは思いませんでしたけど」

 と微笑みながら、エルサレム伯爵夫人がわたくしを見つめて言いました。

「コモンとシエラ様は後は二人で好きにするがいい。私達はここで祝い酒をするからな。」
「父上は酒が飲みたいだけですよね?」

 コモン様が笑って言ったあと、わたくしの手をとってバルコニーに連れてきました。空を見ると月と星が出ていました。
天の川のように細かい星が集まっているのが見えます。
コモン様はポケットから小箱を出すと私に跪きました。
そうするとわたくしの目線とコモン様の目線が同じ位置くらいになるのです。
そしてわたくしの目の前で小箱をぱかっとあけると、そこにはアクアマリンのペンダントが入っていました。コモン様はそのペンダントを摘んで取って小箱をわたくしに持たせました。

「宝石箱、持ってて」

 そういうとわたくしをくるっと後ろ向きにさせペンダントを付け始めました。

「今日は首が寂しかったし、このドレスと合う色で良かった」
「シエラ様の瞳の色の石を見つけてね、つい、買ってしまったよ」

 留め終わると、くるっとコモン様に向かうように体を廻されて私は顔が赤くなってしまいました。

「ああ、やっぱり似合う。可愛いよ!」

 と頭を撫でられて、わたくしはその笑顔を見てくらくらしてしまいました。
美青年すぎるのです。胸がどきどきします。

「シエラ様、俺……」
「え?」
「君と、大人のキスがしたい」

 そう言われて、わたくしはアルフォード公爵様がアリア様にしていたキスを思い出しました。あ、あれをわたくしが? ちゃんとできるかどうかわからないので躊躇います。
「わ、わたくし、その、したことがないので出来るかしら?」
「嫌ならいいよ?」
「嫌では…無いのです、やり方がわからなくて。息が止まって死んでしまうかも」

 と真面目な顔で言ったらコモン様はわたくしのことを笑いました。
鼻で息をするんだよ、と教えてくれました。
そしてわたくしはコモン様と大人のキスをしました。

 コモン様の舌が生々しく私の口に入ってきて蠢くのです。
言われた通りにわたくしは鼻で息をしました。わたくしの舌を吸って絡めて、唇が離れるとき、ちゅぽんと音がして……コモン様の舌から垂れる唾液の糸が、私の口の端に繋がっていてそれを見ていると、いけないことをしているようなやましい気持ちになってしまいました。
口付けを終えるとコモン様は私を抱きしめて

「大好きだよ」

そう耳元に囁きました。

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