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第三章
8スライム狩り 前編
しおりを挟む朝目が覚めて、いつもの寝台と違うことに気付く。
あ、そういえばグレーロック城にいるんだった。
レイジェス様はすやすやと眠っている。私はレイジェス様を起こさないようにそっと寝台を降りた。そして、昨日置きっ放しにしていたハンカチの上の耳垢をゴミ箱に捨てて、解除の神呪でハンカチを消した。
そう言えば塔からなら堀が見えるってレイジェス様が言っていたのを思い出す。
この部屋には小さなバルコニーが1つだけある。私はバルコニーに出る窓の鍵を開けた。バルコニーは少し怖い、落ちた記憶があるから。
でも堀を見てみたいと思う好奇心の方が強かったみたいだ。
窓の扉を開くと、風がぴゅうっと吹いたのた。
恐怖の記憶に怖気づき、震えが来る。
バルコニーが怖いと言って、一生そこに出ないつもり? そんなのは嫌。
【怖い】と言う感情を飲み込んで一歩踏み出そうとするも、足がぷるぷる震える。
……大丈夫、一歩進めれば、もっと進めるはず。一歩が大事なんだ一歩が……。
私は室内履きのまま一歩踏み出した。
風が入ってレイジェス様を起こさないように窓を閉める。
バルコニーをから見た景色は素晴らしかった。
お城の結構高い位置に私はいて、城の周りが青い色の湖のような幅の広い堀に囲まれている。そしてその堀の向こうを囲むように一部栄えている所がある。あれが城下町のマドリードだ。そこ以外は平野もあるけど葡萄畑が多い。あと街とは反対側が森なのか木が沢山生えている。
風が気持ちいい。ぴーひゅるるるるー。と鳥の鳴き声が聞こえた。
空は澄んでる水色。雲が少しだけ薄くかかっている。
今何時だろう? 時計見てくればよかった……と思っているとバルコニーの窓がバンと開けられた。
「ここにいたのか」
私を見てほっとした顔をするレイジェス様。
「塔からだったら堀が見えると言っていたのを思い出して」
「ああ、広いだろ?」
「葡萄畑が多いんですね」
「うむ、ワインも造っているからな。あちらの赤い屋根の建物がワイナリーだ」
レイジェス様がここから真っ直ぐな位置を指差した。小さく赤い屋根の建物が見える。
「あちらの方のずっと奥、ここからは見えない所では鉄の採掘をやっている」
レイジェス様は右の方を指差していた。
「堀に魚は住んでいるのですか?」
「多分?いるんじゃないか? 川と繋がっている所もあるからな」
レイジェス様は私をひょいっと抱き上げて抱きしめた。
「バルコニーは怖くないのか?」
「え?」
「リアは自分が怖い目に遭った場所は近寄らないようにする」
「バルコニーを怖がっていると思っていた。違ったか?」
なんか理解されすぎてちょっと怖い。よく見てるなぁ、レイジェス様は。
「怖いですけど、好奇心に負けちゃったのです。わたくし満足致しました。中に入りましょう?」
私はレイジェス様を中に入るように促した。
「ねぇねえ? 今日は何をして遊びます? レイジェス様がお仕事に行かずにわたくしの相手をしてくれるなんて、とても嬉しいですわ!」
私はレイジェス様に頬ずりをする。そしてちゅっとする。
「私は昨日リアと閨事をして楽しく過ごすつもりだったんだがなぁ」
「わたくしは悪くないですよ? わたくしだって楽しみにしていたのに、寝てしまったのはレイジェス様ですから」
「あれは、いかんな? けしからん! 気持ち良すぎて寝てしまった」
「初めてだとは思いませんでしたけどね」
「けしからんのにまたして貰いたくなる」
時計を見ると朝の6の刻だった。
「ねぇ? 何をします?」
私はレイジェス様の顔を自分に向けた。レイジェス様の瞳に私が映る。
「う~ん、小さいスライムでも倒しに行くか?」
「え! いるんですの?」
「シリルでいけば5分くらいの所にいる」
「近いですね! 行きましょ行きましょ!」
レイジェス様がくっくっくと笑う。
「なんで笑っているのです?」
「いや、ユリウスが、君が活動的でびっくりしたと言っていてな」
「そんなに活動的とは思いませんが。心臓が強くないし」
「リアの場合は見た目が可憐で清純に見えるのだ。大人しく見える、黙っていればな。だからその差に驚かされる」
「結局褒められて無いという事はわかりました」
「なんでそうなる」
私は褒めていたつもりなんだがな~と言うレイジェス様。
「どうでもいいです。スライムをやっつけに行きましょう!」
私はレイジェス様に降ろして貰った。
「リア、朝食を食べないと」
「わたくしお茶でいいです、お弁当作って貰えないでしょうか? お昼を持って外で食べたいですわ」
「お、それはいいな」
「では着替える。リアは神呪で着替えるか?」
「ええ、冒険服になります。でも下着は装飾下着を付けようかと思ってます」
「その黒いワンピースの寝巻きもそそるのだがなぁ……。昨日寝てしまったのが悔やまれる」
「また着ますよ」
私は解除の神呪で一度すっぽんぽんになり装飾下着をタンスから出して着た。
「解除するとすっぽんぽんというのが、どきっとするな」
「昨日間違ってシエラ様の前で解除したらすっぽんぽんになってしまって、笑ってしまいましたわ」
「ああ、やっぱりそういう事もあるのか」
「ええ、だから今装飾下着を着てから神呪を掛けているのです。間違って解除しても裸にならないですから。人前で間違えると笑い事ではないので下着は本物を付ける様にしました。基本解除しないで重ねがけがいいかもですね……。まだ使い慣れてないので何とも言えませんけど……スァビジィエル!」
私は冒険服に着替えていた。靴もサイドゴアブーツに変えた。
紐靴だと解いたりが面倒だったから。
レイジェス様も黒い細身のズボンと白い緩い感じの襟シャツとグレーの丈の長いベストに着替えた。
髪は一本にまとめて白い紐で縛ってある。レイジェス様の髪の毛は腰の上くらいまであって結構長い。
「リア、食堂に行くぞ?」
「はい」
私達は食堂に向かった。
食堂にはまだ誰も来ていなくてエドアルドがテーブルの近くに立っていた。
「ごきげんよう、エドアルド」
「ごきげんよう、姫様」
私は空間収納からピレトスフロッグを20匹分程出してエドアルドにこれでサンドイッチとから揚げを作ってそれをお弁当にして持って行きたいという。
「承知しました」
とお肉を他の使用人と厨房へ運んで、エドアルドは戻ってきた。
「あと、わたくしは紅茶でお願い、食事はいらないです」
「私はパンとスープで良い」
そして私は最初に決められた席に座る。
「どうした? 顔がにやついている」
レイジェス様が私のにたにたした顔を見て言う。
「いつもはお食事の時は席が遠いじゃないですか? 5月中はこんなに近くでお食事できるのですよ? 嬉しくなるでしょ?」
レイジェス様は思っても無かったことを言われたみたいで、ちょっと目を見開いてから微笑んだ。
「私も常々遠いなぁと思っていたが、あの場所に座らなければいけないという決まりはない。変えるか?」
と聞いてくる。
「いいえ? 変えてはいけません」
「なぜだ?」
「いつも遠くにいるから、こうして近しくなると嬉しくなって喜べるんですよ? いつも近かったら、それが当たり前になって何にも思わなくなってしまうかも知れません」
私達が話をしていたらユリウス様とクロエ様が食堂に来た。
「ごきげんよう、ユリウス様、クロエ様」
「ごきげんよう、師長様、アリア様」
「ごきげんよう、公爵様、アリア様」
「ごきげんよう、ユリウス、クロエ様」
みんなで挨拶をする。エドアルドが二人の朝食の準備を他の使用人に指示して、二人にお茶を出す。私はもう注がれて目の前にある紅茶を飲んだ。
丁度いい感じに冷めていた。
レイジェス様は食事が終わってブラウンティをエドアルドに頼んだ。
「二人共その格好からするとどちらかに行かれるのですか?」
とクロエ様が聞いてくる。
「ええ、これからお弁当を貰ったらスライムを倒しに!」
「あら、狩りに行くのですね。お気を付けて」
ユリウス様が目を点にしている。レイジェス様の話によると大人しく見られていたようだから、また驚かれてるのかしら? と思う。
「まぁ、私も行くから大丈夫だろう」
「前はレイジェス様と一緒だったけどスライムに食べられましたけどね」
「はっ!?」
ユリウス様が驚いた。
「スライムに食べられたんですか?」
「ええ、ぱくっと飲み込まれました」
「あれは特殊個体のスライムではないか? リアの3倍くらいの大きさだった」
ユリウス様がまた驚く。
「そんなに大きいスライムがいるんですか?」
「いましたね」
「うむ、いたな」
「今日行く所のスライムは小さい、リアでも大丈夫だ」
「ええ! やっつけてやりますよ! みじん切りですよ!」
クロエ様が目をぱちぱちさせる。
「アリア様って結構、血気盛んなのですね」
と微笑む。う、美女に呆れられたか?
「私も行ってみたいのですが、ご一緒してもいいですか? 公爵様」
クロエ様がレイジェス様に聞いた。
「ふむ、では、ユリウスも来い。リアがあちこち行くので目が離せん。クロエ様に何かあっても責任が取れん。お前の妹はお前が守れ」
「は、はい」
そのあと食堂にコモン様とシエラ様が来た。クロエ様が行くならシエラ様も行ったっていいじゃない? 私はシエラ様に声を掛けた。
「ごきげんよう、シエラ様」
「ごきげんよう、アリア様」
「シエラ様、一緒にスライム狩りに行きません?」
「ええ!?」
「小さなスライムだから、わたくしでも倒せるとレイジェス様が言ってました。シエラ様も倒せるのでは?」
と私が言うとコモン様が目をぱちぱちさせる。
「シエラが戦闘なんて、想像できないな」
「わたくし運動オンチですけど、大丈夫かしら?」
「大丈夫です、何かあればコモン様が守ってくれますよ! ね?」
私はコモン様にニッっと笑った。
「レイジェス、じゃあ俺達も参加するよ。シエラも多分レベルが低いだろうからね」
「ああ、これから魔法を使うようになると大変だからな、レベルは上げておいたほうがいい」
魔法を使うのにレベル上げは重要なのか~知らなかった。話しているとまた食堂のドアが開いた。レンブラント様とヒューイット様だった。
「何々~? みんなでどこかに行くの~?」
とヒューイット様が皆に話しかける。シエラ様がみんなでスライム狩りに行くと言うと即反応した。
「あら、ではわたくし達も一緒に行きましょうよ? レンブラント?」
ヒューイット様はレンブラント様と腕を組む。
「スライムなど今更倒してもヒューイットも私もレベルなど上がらないではないか、行く必要を感じない」
レンブラント様が興味無さ気に言った。
「え~ではわたくし一人で行きますわ?」
それを見ていたレイジェス様が右眉を上げる。
「レンブラント、お前とヒューイットはカップルだ。仲直りするためには二人で一緒に行動する必要がある。レンブラントが来ないならヒューイット、お前も来るな」
「そうだね! それがいいよ! 来るならカップルで! 俺達もみんな二組で行くしさ?」
とコモン様が言う。
ヒューイット様だけが来て、レイジェス様にべったりくっ付かれるよりはいいので私もその案に頷いた。
他に誰も文句を言う者がいないのでそれで決まりになった。
「では、エドアルド、お弁当の量を増やしてくださる?」
「承知しました」
エドアルドは厨房に行った。それと同時にセバスが食堂へ入って来た。
「ごきげんよう、セバス!」
私はセバスの近くへすたたと寄る。
「ごきげんよう、姫様。なんだか久しく見ていないような気持ちです」
「わたくしもです」
二人で微笑む。
「セバス、みんなに茶を入れてくれ」
「承知しました」
セバスは厨房にお茶セットを取りに行き、ワゴンに乗せて戻ってきた。
「さぁ、みんな、席に座れ」
セバスがお茶を入れながらコモン様とシエラ様、レンブラント様とヒューイット様が食事がまだだと聞いて後ろにいた使用人に指示をして朝食を持ってこさせる。
「姫様は紅茶のみですか?」
「ええ」
「きちんと食しませんと大きくなれませんよ?」
とセバスが言う。
「天界では2食でしたし……」
「ここは下界ですよ? ただでさえ、平均以下の小ささなのに……」
多分心配してるんだろうけど小っさい言わないで欲しい。
「えっと、心配してくれてありがとう。でも、本当に食べられないの。お腹がいっぱいなの。触る?」
と私がセバスに聞くと、どれ? とレイジェス様がお腹を触ってきた。
「セバス、腹が張っている、これでは入らんかも知れん」
そうですか、とセバスが言って、レイジェス様が私を見つめる。お腹を触ってちょっと私を愛したくなったっぽい。
「リアは本当に少食だな」
それを見ていたヒューイット様がいらっとして遮る様に言う。
「アリア様が平均以下の小ささならシエラ様も平均以下ってことね?」
「え、え? わたくしですか? 平均を調べたことがございませんでした。そうなのかしら?」
と、戸惑っている。
「シエラは小さいけれど可愛いぞ?」
コモン様がヒューイット様を睨んでから、本人に言うとシエラ様は照れていた。
「お二人とも小さくとも人に優しく心遣いのできる立派なレディだと思いますよ?」
ユリウス様が私とシエラ様を褒めた。私とシエラ様はお互い顔を見合してにこっと笑いあう。
「聞きました? 立派なレディですって?」
とシエラ様が言い。
「聞きました。わたくし達、立派なレディです」
と私が言う。
「それに比べて……」
ユリウス様はヒューイット様を横目で見た。レンブラント様はいたたまれないような顔をしてお茶を飲んでいた。
私は何故レンブラント様がヒューイット様を窘めないのか凄く疑問だった。
苦々しい顔でお茶を飲んでたってことは、ヒューイット様のあの行動を好ましくないって思ってたからだよね? ヒューイット様に強くでれない何かがあるのかな?と思った。
暫くしてエドアルドがワゴンにピクニックバスケットを8つ持ってきた。中にはカトラリーやお皿やグラス、ワイン、ジュース、水、果物、調理された料理が紙に包んで入っている。
レイジェス様がそれを自分の空間収納にぽいぽい入れている。
随分食べる物が多いなと思ったら使用人の分も入っているらしい。
公爵家からはセバス、アーリン、リッツ伯爵家ではメルヴィン、ベティ、レーヴェン辺境伯爵家からは執事のオリオン、側仕えのアルテダが来る。
留守番組みはエドアルド、サーシャ、エルサレム伯爵家執事のルイで、彼らは館内の整理整頓や、客室の掃除、夕食の仕度などやることが色々あるらしい。
全員食事を終えたので皆に説明をするレイジェス様。
「場所は召喚獣で5分くらいの所だ」
「門まで行くのが面倒だ。召喚獣は中庭で出してそのまま行く」
私達は全員中庭に出た。
召喚獣を持っている者は自分で出して乗った。私はレイジェス様に乗せてもらう。
シエラ様はコモン様に、クロエ様はユリウス様に、レンブラント様はヒューイット様も召喚獣が出せるので一人で、ヒューイット様も一人。セバス、アーリンも自分達で出せるので一人乗り、メルヴィンはベティを乗せることになり、オリオンはアルテダを乗せることになった。召喚獣はユリウス様が白獅子、コモン様が青い竜だった。それ以外は皆アーリンと同じ風竜だった。
私は白獅子に触りたくてユリウス様の所に行った。
「ねぇねぇ、ユリウス様?」
「はい? どうしました?」
「この子に触ってもいいですか?」
「ああ、どうぞ」
ユリウス様はにっこりとして言った。私が白獅子を見ると目が合った気がした。
そして手で顎あたりをもふもふしてからぎゅっと抱きつく。あ~もふもふやぁ。
「この子は喋れないのですか?」
「ええ、話しませんね」
ユリウス様はそう言ったのに、声が聞こえた。
『私は喋れるぞ。お前とだけだがな? 神の子よ』
「え?」
『頭の中で話しかけておる。人には聞こえぬ声だ』
「へ~」
『私の名前はファウスト。神の子に会うのは久しぶりだ』
「わたくしはアリア=アズライルです。」
『アズライル様の名を頂くとは、あの方の娘神か。ふむ、よろしくな』
「ええ、よろしくね」
私は笑ってもふもふした。
「どうしました? アリア様」
とユリウス様が聞いてくる。
「この子はお話が出来ました。お名前はファウストって言うんですって!」
「え?」
とユリウス様が私を見る。
「今ちょっとお話してたのです。ではまたね、ファウスト」
私がそう言うと。白獅子は私にその身をこすりつけてきた。
遠くでレイジェス様が私を呼んでいた。
「レイジェス様が呼んでる! ではまた! ユリウス様!」
私はレイジェス様の所に走って行った。
「私達が先導せねばいかんのだぞ? 早く乗れ!」
とレイジェス様がぷんぷんしてる。
「ごめんなさい、白獅子を近くて見たくて」
「そんな事だと思っていた」
と呆れてる。
私はレイジェス様に抱き上げられ、シリルに乗せられた。
皮ベルトで体を固定され、レイジェス様の左手が私のお腹を支える。
私は鞍に付いている安全バーをがっちり握った。
「では、行くぞ! 皆付いて参れ!」
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