貞操逆転世界の温泉で、三助やることに成りました

峯松めだか(旧かぐつち)

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第184話 画面外、番外 闇に紛れて、物騒な方の日常

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 ざざーん
 がらがらがらがら
 ざざーん
 がらがらがらがら
 海岸線沿いの高台、周囲を見渡せる狙撃スポットに陣取り、のんびりと周囲を見渡しつつ、波音とかを聞く。
 この土地特有の波音と、ソレで転がる石の、鈴の様な音が混じる、それ自体は日常なのだが。
 今日は月も見えない、新月の静かな夜と言って良いと思うのだが……

 ウィィィィィィ

「こちらラビット、異音が聞こえます。静音モーターとプロペラの独特な風切り音です」
「こちらメガネザル、肉眼目視では確認不可、黒いので赤外線で確認、恐らく夜間迷彩のつもりです、座標と運動、軌道予測データ送ります」
「こちらシロイルカ、データ確認、準備完了」
「こちらギンギツネ、伝統の不審船だね?」
 このまま浜に上陸できるようにか、水音と形状から察するに、船体は軽めのゴムボート、ホバークラフトだろうか? 闇に紛れる為にか、元からなのか、真っ黒だった。
 ちゃんと準備して居なかったら、こういったのが普通に紛れ込んだんだろうなあ。
 私等が遅れたら怖い事に成って居たのは、火を見るより明らかだった。
 収音機と、赤外線カメラ位は当然の様に各地に設置済みだ、この程度の隠密行動なんて、沈めるか捕まえてくれと言って居るようなものだった。
 因みに、この不審船、小型ゴムボートのくせに様子を見る限り、30ノット、時速55キロクラス出ている。国内では車検的な物、船検は確実に通らないオーバースペック。
 と言うか、海上保安庁に引き渡せば問答無用で臨検からの密入国判定で強制送還だと思う。
 罰金幾らだろうか?
 こう言ったものは国籍確認後、罰金は身代金的に母国に請求される。
 ちなみに、認めない、話さない場合、強制労働とかで結構な年数ぶち込まれる
 不審船と断ずる理由は、こんな月も見えない夜中に前照灯も無しに、真っ黒い船で、真っ黒い服着た集団なんて、それ以外の何者だと言うのだって話で。
 因みに、密漁者ならダイバースーツで夜の闇に水面下からライトを焚くので、サカナ系ヤクザは一目瞭然だ。
 どっちみち独自権限でほぼほぼやっちまって良いって事に成って居るので、見分ける必要も無いのだが。
 男性の保護名目は想像以上に権限が広い、男性一人の価値は文字通り国の資源で、厳重管理されているのだ。
 そもそも漁船系もこの辺は厳重警戒区域と言うことで、届け出無しならしょっ引ける見たいな扱いに最近なって居る。
 現在国唯一なs級男性の住む、鳥小屋旅館周辺地域半径数キロは不審者の存在を許すわけに行かない。
「どうします? 沈めます?」
 半ば答えが判り切っているが、念のために指示を仰ぐ。
「沈めちゃって良いよ、海岸に念の為の県警の増援と、海上で回収する用の海上保安庁は手配しておくから」
「了解。やっちまいます」
 言われるまでも無く、撃墜、いや、撃沈前提で構えていた。

 瞬間的に息を吐いて止め、心拍数を下げる、狙撃では呼吸も鼓動も、不随意運動全てが邪魔なのだ。

 パシュ
 サイレンサー、減音器を通して放たれた銃弾が、狙いを過たずにスコープの中のゴムボート前方に着弾する。

 ぱあん

 距離が有るので音は聞こえないが、スコープの先で、そんな感じにゴムボートが弾け飛んだ。
「ヒット、お見事です」
 観測手の素直な褒め言葉を聞く。
 気にする事と言うか、大した事無いよ~と、手をひらひらさせた。

 あの割れ方は安物だな?
 ちゃんとした軍用品なら、いくら銃弾で撃ち抜かれたにしても、空気が抜けるだけで弾け飛ぶのは無い。
 民生品を無理やり転用している類だ。

 ボートに乗って居た乗組員達が、つんのめるようにして慣性の法則に従い、冷たい夜の海面に投げ出された。
 多少怪我はしているだろうけど、銃弾直撃では無いので、即死って事は無い筈。
 海面は揺れているので、腹打ち失神見たいな海面衝突もあんまり怖くない。
 そんな訳で、後は知ったこっちゃない。

 人の心が無いだって?

 北の大地で赤いシロクマ相手に、年間400回以上、強制出撃のスクランブルがかかる、私らにそんな感傷あるわけ無いじゃないか、いい加減にしろ。

「沈みました、後はお願いします」
 溜め息交じりに報告を入れる。

「了解、ご苦労様、後は海上保安庁がやってくれるさ」
 今日はもう終わりと言う事で、引き上げ支度を開始する。
「ほら、来たね? 後はお任せってね?」
 水没地点に、待ってましたと言った感じに、堂々としたサーチライト付きで海上保安庁が到着する。
 実際待っていたのだろう。
「しかし、連日ですが、情報漏れてません?」
「男性が居る程度は漏れてるからねえ、あっちもこっちも男性は欲しいんだろうさ?」
 男性居るだけでこんなワサワサ来ていたら、護衛官なんて何に居ても足りないと思う。
 スパイ位は紛れて居そうだけど、私等が対応する事じゃないし。
 考えてもしょうがないので……


「所で昼間組は混浴したとか言ってましたが?」
 話題を変えることにした、シフト時間を終え、チャンネルをプライベートモードに切り替えて、憮然と聞く。
 何と言うか凄かった、めっちゃエロい、これだったらもう休み無しでこの仕事だけしていたい。
 寝取られ感が凄いけど、色々捗る、ソレが良い。
 そんな声が昼間組から聞こえて来る。
 後半のは若干アレだけど、男性とエロい体験とか、年頃の女の子ならだれでも憧れる物なので、私も経験したいのは確かだ。
 浮気がどうのと言う百合原理主義者も居たりするけど、それは、女同士のアレコレは男性の居ない僻地の基地生活で散々堪能したので、今更だし、男と女は別腹で、別カウントだから浮気じゃないとか、散々言われた後なので、まあ大丈夫。
「うん、したね?」
 悪びれも無く認める辺りは安定の人、ハクト様である、確証無くても一先ず断定して人を調子に乗せるのは滅茶苦茶上手い。
「私らの方には?」
 内心ムスッと聞いてみる、昼夜、中外のシフト差で良い事率が大分違うのは色々アレだ。
「順番にローテーションするから安心しなさい、良い感じにしておくから」
 だから、私等が先に味見するね?
 と言う感じに、言外の下の句が内心で聞こえた気がする。
 付き合いは長いし、距離感も近いので、これぐらいは言われんでも分かる。
「ソレは安心したと言いたい所ですが……」
 ガチャリと寝室の扉を開ける。
「確実に遅いので、今日の分のご褒美は、今夜の内に欲しいですね?」
「まあ、そう来ると思ったから……ほれ、来な?」
 まあ、元からそんな順番と言うか、スクランブルかかって活躍したらご褒美タイムなのだ。
 許可は貰ったので、心置きなく、我らが旦那様、ハクトの胸に飛び込んだ。

 そんな訳で、皆で色々、ぬちゃぬちゃふにふにぬめぬめなでなでしたりした。

 追申
 コードネームと言うか、コールサイン、本名で呼ぶと個人情報とか漏れるので、別名で呼ぶ。
 鳥系だとメインキャラ達と名前でキャラが被るので、動物系。
 攻撃、近接担当、山猫、山犬。
 観測手、メガネザル。
 収音担当、ウサギ。
 狙撃担当、シロイルカ。
 ドローン担当、コモリガエル。
 部隊長、ギンギツネ。
 副隊長、シルバーバック。
 予備と言うか、名目隊長、はちみつくまさん。
 基本的に全権をギンギツネ、ハクトが持ってるので、そっちの権限で動かせる。
 因みに、例の赤い国の奴らからは、クソギツネ、クソゴリラ、白髪犬とか、散々な事を言われている。
 適当な役職名です、その時の役割当番ってだけ、軍隊の性質上、大体替え玉は利くので臨機応変。

 すいません、色々遅れて、お待たせしました。
 花粉症の時期は抗ヒスタミン剤で創作力が落ちます。
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