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俺が離れようとすると、彼女が俺の袖を掴み引き止めてくる。
そんな彼女を見て俺は思わずドキッとしてしまった。
何しろ今の俺は、全裸で、彼女と抱き合っている状態だったからで、そんな状態で見つめ合うと、俺は我慢できなくなりキスをした。
唇を重ねるだけの軽いものだったが、それでも俺の理性は崩壊寸前だった。
そんな俺に彼女が囁いて来た。
俺の耳元に口を寄せて、甘い吐息と共に。
そんな彼女を抱き寄せて、再び、今度は深いキスをしてから、彼女をベッドに押し倒した。
俺が彼女の胸を触ろうとしたその時。突然部屋の扉が開けられ、俺の妻が乱入してきた。
彼女たちに拘束され、その晩俺は彼女にお預けをくらったのである。
そして、その日一日を悶々としながら過ごしたのでした。
その日からというもの俺は暇さえあれば彼女にアプローチを掛け続けた。
だけど結果は惨敗。
中々上手く行かないもんだと思った。
そんなある日のことだった。
俺はいつものように執務室にて仕事を片付けていたのだがそこで俺はあることに気が付いた。
そのあることとは……この部屋が臭いということだ。
原因は分かっている。
というのも、この部屋には常に誰かしらの妻がいるのだ。それも全員でだ。
そんな状況の中で仕事など出来るわけがない。なので仕事は出来ないわけだ。
しかしそれでは生活が出来なくなるので俺は仕方なくこの部屋で過ごすしかないわけだ。
とはいえ、ずっとここで仕事が出来るかという訳でも無い。
だから俺は彼女達を説得する事にした。
俺の仕事場に来るのを禁止するのと、俺が外に出かけるときはついて来ることを禁止して俺は一人で出かけることにした。
そうすることでようやく一人になれるのである。
まず服屋に行き、新しい服を一式買い込んだ。
その後、食材を買い込み宿屋へと向かう事にした。
今日もまた俺は一人の時間を楽しむのである。
とある街へ訪れていた。理由は特に無い。
あえて理由を言うのであればこの世界における知識を少しでも得ようと思っているからである。
この世界に来てからもうすぐで2ヶ月が経とうとしている。
最初は戸惑うことばかりだったが今ではある程度慣れてきている。
俺には前世の記憶がある。
この世界とは異なる世界で過ごした記憶があるのだ。
しかし、この世界には魔法がある。
この世界ではまだ科学が発達していないので当然といえば当然なのだが、しかし、魔法がある以上は前世の世界とは違うところがある。
例えば、俺の前世では車があったし飛行機もあった。
しかし、こちらではそういったものは今のところ見たことがないので恐らくは発展していないのだろう。
あるいは、俺が知らないだけで存在しているかもしれないが。
そんな事を考えつつ俺は街の散策をする。
偶然にも、綺麗な女性を見つけた。
年齢は俺と同じか少し下くらいだろうか? 俺はその女性に話しかけた。
すると彼女は笑顔で答えてくれた。
そして俺は彼女を連れて服屋に行くことにした。
目的は服を買うためだ。理由としては単純に彼女が可愛かったからだ。
彼女が可愛いと思ったので、服を買ってあげることにした。
俺が服をプレゼントしようとすると彼女は遠慮したが、強引に押し通した。
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